ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2002年10号
ケース
ケーシーエス定温物流

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

ζ25E SILP ケーシーエス 定温物流 午乳店から物流100 円ショップに転業 「行列のできる運送屋」のFe 展開図る チルド繍送の「一OO円便」 売上向五億九七七四万円、経常利益五O三 万円(二OO一年度)。
八O人のドライバー を含め総従業員数は一二O人とい、?一京都市伏 見区の地場の配送業者、ケーシーエス(KC S)が全図的な注目を集めている。
二OO一 年四月に同社が「COW使」の名称でチルド 輸送の「一OO円使」を開始したからだ。
同社は小岩井乳業やキリンピパレッジ、フ ジァコなどの大手の食品メーカーを主要荷主 として、スーパーやコンビニ、デパート、飲 食店などへ共同配送するチルド専門の配送業 者だ。
創業者の森本隆行社長は、明治乳業の 製品を各家庭へ配達していた牛乳販売店の二 代目で、一九七五年に先代の父親から事業を 受け継いだ。
当時の月の売上高は約五OO万円。
一O人 の従業員と店を切り盛りしていた。
しかしそ の後、九一年二月に現在のKCSを設立。
加 工食品や漬け物、豆腐、製麺などチルド商品 の共同配送へ、牛乳販売店から事業を転換し た。
配途エリア 主口州都市内から 関西一円に鉱大 Ivh 九。
rl ケース100 円で運びますJ -.破絡な料 金を提供する京書官の定温配送業者が注目を集 めている。
共配トラy ヲの~スペースを活用 して、チルド商品を関西一円に配送している 「行列のできる運送屋j を目指し、将来は全国 Fe 展開も視野に入れているという. その理由を森 本社長は「いず れ牛乳販売店、 とくに川口組業は OCTOBER2即'2 LOGI-BIZ 54 ケーシー工スの森本陸行 代表取締役社畏 不援になるという危機感が常にあったからだ」 と説明する。
乳業製品は既に成熟している。
市場規模の拡大は見込めそうにない。
しかも 牛乳販売店の販売先であるパン・菓子店、宅 配などの市場は量販店やCVS などに抑され てシェアを落としている。
「問屋の衰退は避けられそうになかった。
しか しモノを選ぶ機能は必要だ。
結局、問屋は物 流業に取って代わられる」と森本村長は考え た。
折しも九O年に貨物自動車速送事業法と 貨物巡送取扱事業法、いわゆる物流二法が施 行され、肘刊別級み合わせ業者以外にも荷物の 絞み合わせが認められるようになったところ だった。
新法を活かせば、地場の述送会社で あっても、卸の物流機能と同様の共同配送が 可能になる。
こうして巡送業に新規参入したKCS は、 他社の半額という述賃設定で次々に荷主を獲 得していっ た。
「半紙く らいじゃな いと人の心 は摘めないO LE 、tI 首品vdA ア山UT- は面白いよ うに取れた」 と、森本相 長は振り返 る。
hJ ツ 一フ LP 用圏 専混j: 便鴨IF W 園ha O 幽, ハレ自「: 7 る烹内 あAEEMI G- 1 ・ トラァ クをチャl ターするのに比べ、物敢に合わせ必要なだけ トラックのスペースを借りることができれば、 荷主はムダな出資を抑えることができる。
K CS にとっても級数の術主の荷物を税み合わ せれば、半紙でも利凝は出せる。
「半額いが話題を呼び、契約を結んだ荷主が 他の荷主を紹介してくれることも少なくなか った。
事業は倍々ゲl ムで大きくなり、北ハ配 を始めた三年後には毎月の売上高が牛乳販売 店時代の一O倍の五000 万円以上になって 、, -o ive'h 青天の震霊「阪神大震災」 ところが事業も軌道に乗ったと忠われた九 五年一月、阪神大震災が関西一円を襲った。
「大手の巡送業者にとっても震災の影響は大 きかっただろうが、うちは急激に事業を拡大 させたため、村内体制が開明かった。
受けたダ メージも当然、大手よりも大きかった」と森 本村長は振り返る。
急激に事業を拡大させた ことが袋目に似た格好だった。
震災によってしばらくの問は交通機関にも 多大な影響が似たが、コンビニなどはすぐに 営業を附始。
KCS も配迷を要請された。
し かし、配車が組めない。
災災地に向かったま ま何日も戻って米ないトラックが続出。
もと もと車両やドライバーに余裕を持っているわ けではないKCS のような地場の巡送会社に とっては致命的だった。
うなぎ授りだった業絞は箆災以降、横ばい に転じた。
さらに惑いことが続く。
震災後、社 内体制の見直しを進めていた森本相長は二0 00 年十二月、当時の年・怖の一割に当たる月 間約五OO 万円の仕事をメーカー系物流子会 祖に奪われてしまう。
森本社長が巡送業を始 めた時に他相をあっと言わせた「他相の半制 連貨」を、逆にライバルから仕掛けられた格 fe-- 〉:。
トtumナれてナ九 森本社長はでっちが半額述貨を打ち出した 当初は獄烈なインパクトをもって顧客を彼得 できた。
しかし一O 年後、ライバルが当社の さらに半狐でサービスを提供するのを目の当 たりにして、うちは時代遅れの会社になった んやないかとずいぶん悩んだ」という。
対抗 してKCS も半額巡貨を実施すればいいとア ドバイスするものもあった。
しかし、森本社 長はあくまで「新しさ」にこだわった。
そして、従来からアイデアとして温めてい た一ケl スからの小口輸送に着手することを 決意した。
しかも「始めは一ケ1 ス二OO 円 という科金設定を考えた。
しかし、それでは インパクトがない。
一OO 阿ショップのダイ ソーなども注目を集めていたし、いっそのこ と一OO 内でやったろう」と、「一ケース一O O 阿」という前代未聞の巡貨を設定した。
OCTOBER2002 価絡破損に再チャレンジ それまでの岡村の共配は、荷物の重虫とト ラックの拘束時間をもとにした契約だっ予もし かし共配用トラyクには、どうしても空きス 55 L#GI-BIZ ベースが発生する。
それを活m しようという 発怨だ。
「今までは空気を巡んでいたわけだか ら、そのスペースを切り売りすれば、一ケー ス一OO 円でも採算はとれる」と森本社長は 跨んだ。
顧容ターゲットは日に一O 倒から五O 例ま でを出街する中堅以下の判明主に絞った。
年中 無休の二凶時間体制で技文を受け、集術から 配送までを六時間以内で行う。
時間指定も受 け付ける。
ただし既存の共配朋の配送ルl ト を利用するため、サービス対象範聞は半径五 0 キロ以内かつ配送ルlト近辺に集荷場所が ある荷主に限られる。
企業開のB 凶B検送に 特化し、宅配はしない。
-ケースから受け付けるが、運賃とは別に 集荷科を一闘に付き五O門徴収する。
基本的 に虫きは一0 キロ以内。
二0 キロまでならニ 00 円の配送料金で請け負う。
それ以上の竜 門品のあるものはドライバーの負担となるため 級わない。
取扱商品は乳製品やうどんなどの製麺、惣 菜、弁当、菓子、漬け物などの五度から一O 度までのチルド商品全般。
ケースの大ききゃ 綴類は問わない。
実際、ラーメンの汁が入っ たおき三0 センチ以上はあるかと思われるア ルミ知や、うどんの麺が数個入った隙間だら けのコンテナ、おき一0 センチほどの段ボー ル箱を数例ヒモで点ねてあるものなど、実に さまぎまな「一ケース」がKCS の合服には 技んでいる。
サービス名は「(U252(チルド)CEE (大阪)宅伶『(蜘妹の巣)」の頭文・下を取って 「COW 似」と名付けた。
大阪を蜘妹の巣を 川町り巡らせたように網縦したチルド守川の配 送網という怠味を込めた。
もちろん、お本社 長のスタート地内・である乳午(わ。
三ともか けている。
自然の乳牛税同悼の二トントラック も朋立した。
こうして二OO 一年四月に「COW 使」を スタートした。
当初の取引顧客は約二O 社、 月間の取扱い倒数は約一一力側だった。
「お客 さんもそりゃあピyクリしましたよ。
通常の クlル伎の凶分の一ゃからね。
一OO 円で配 送するというアイデアはインパクトがあり、と にかく安いのがいいと顧客には川町野だった」 と森本社長。
祉買の理解が得られない 新サービス開始以降、順湖に取引会社はm えていった。
一年半がたつ現在、約六O 社と 契約を結んでいる。
月々の取扱いケl ス数は 約六万ケースにまで拡大しており、約一O% の利益を確保している。
ただし、舞台裏では 試行錯誤も続いている。
「cow 使」のメ1 ンの貨物となっている食 材は季節波動が大きい。
例えば「け架」を扱 う顧客であれば、シーズンの秋には毎日慾百 ケl スもの注文が人る。
しかし、同じ出剛容が 他の季節になると、… u にFケl スといった 注文も珍しくない。
とても採勿はとれないが 要求には応えざるを 得ない。
お花いに勝手知っ た安定術主との取引 ではなく、続々綾多 な比問主を相手にする ことになるため、な かには「重きが五キ ロだから一OO 円で はなく半額の五O 刊 にしてくれ」と注文 を付けてくる顧客も OCTOBER2由, 12 LOG 卜BIZ 56 出てくる。
そうした 無茶な問い合わせや 要裂にも一つひとつ 臨機応変に対応して いかなければならな 、。
-W 敬百倒の術物を迷 ぶのも一つの荷物を迷ぷのも、ドライバーに とって手間は阿じ。
伝禁の作成だって変わら ない。
全く剣の合わない仕事だというのが、相 良の認様だ。
「COW 使」の意義とシステムは 理解していても、積極的にやりたいという初 日は管無。
「ついていけない」と言って静めて いく所長や営業マンもあった。
今も状況はそれほど大きく変わってはいな い。
「ドライバーはもちろん営業マン、経理担 当者など、社nuのほぼ全日が『COW 使』を 嫌がっている。
長野県知事の不信任案決議と rcow便』の個訟と取引会社の推移 同じ。
それだけ改革とは大変なものだ。
しか し、手間がかかって、かつ安い仕事を、徹底 して丁箪にやる会制は絶対に儲かる。
生き残 るのはそういう会社だ」と、森本記長は意に 介さない。
とはいえ、社貝がついてこなければ事業を 前に進めることができないのも事尖。
結局、 社内では「COW 使」を巡びたがるドライバ ーがあまりいなかったため、急治五O 歳代、 六O歳代のドライバー経験者を中途採用する ことになった。
彼らの中には大型トラyクの (社) 目。

}月211 3月 (個室主} 80 .0ロロ 60.0 臼口 40.00 口 元運転手も少なくなかった。
「といってaぷ憎らは佐川さんやヤマトさんのよ うに小口輸送に必要な顧客サービスを徹底的 に教育されているドライバーではなかった。
挨 拶の仕方や制服の清方から教える必要があっ た。
それでも、退職してこれからの人生の意 味を考え始めた五O代や六O代のドライバー たちは、私と夢を共有しようという気になっ てくれている」と、五一歳の森本社長は自分 と同世代の社員に則待をかけている。
目指すはコ何列ができる運送屡」 相内体制の整備と援行してネットワークの 修正も進めた。
当初は共配m の既存ルlトの みを利朋していたが、物Hm の明加に合わせて 現在はKCSから半径一0 キロ以内を 「ョ。
わ〉「(モlカル)使エリア」と名付けて専 用使を走らせている。
このエリア内であれば 既存ルlトではなくても集荷、配送を請け負 う。
この「ョ。

〉「似エリア」では通常、別途 徴収している約五O円の集荷科も無料にした。
こうして今年九月までに「COW 使」のモ デルがほぼ完成した。
森本村長の次の目標は 全図の中小巡送業者を対象にした、「cow 使」のフランチャイズ(FC) 展開だ。
「全国 の中小迎送業者の活性化を図りたい。
現在、 全国に約五万相ある中小巡送業者の一%、五 OO相が市場規制限だと考えている。
狐うはそ のうちの二OO相」と森本社長は目を郎かせ る。
今年一O月から本山情的な営業活動に人る 予定だ。
実は、同社は今年三月にもFC加盟店への 参加を募っている。
ところが近畿述輸局から 「自粛勧告」が出されてしまった。
現在の物流 二訟では、トラックの営梁区減規制と巡貨・ 料金の事前間山山が必嬰で、宅配便に一OO円 という料金設定はできない。
企業問配送に限 定した「COW似」は、宅配ではないが「紛 らわしい」とクレームがついたのだ。
しかし、それも来年四月には貨物自動車巡 送事業法、貨物巡送収抜事業法、鉄道事業法 (貨物述送に関する部分)の、いわゆる物流三 法改正案が施行される。
これによって述貨の 事前届出制と営業区域制が撤・挺される。
この 規制緩和を前取りする形でKCS は今年一O 月からダイレクトメールなどを使って、再度 FC加販店の募集を行っている。
まずは既有 の配送に「COW使」を加えてもらう形を中 心にするが、将来は「COW創出」専門の加服 店も即開閉する予'記だ。
また来年四月までにモデルケースとして直 営店の開設も予定している。
取扱いケlス数 は)店舗あたり級官阿で一日二000ケl ス。
「それ以上の荷物をさばくにはバーコードなど のシステムを導入しないとムリ。
あくまで中 小巡送業者が自制の倉賄の片隅でさばける数 蛍のみを扱ってもらう。
一日限'定二000ケ ースだから、お客さんが並んでくれる『行列 ができる巡送屋さん』が理想やね」と起業家 の夢は続く。
白星川朋子) 57 L骨GI-BIZ OCTOBER2002

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