2001年9月号
SOLE
SOLE
戦略的パートナーとしての3P
SEPTEMBER 2001 56
SOLE東京支部では毎月、ロジスティク
スフォーラムを開催している。
七月一七日の 会合では、ロジスティックの中谷祐治ロジス ティクス・プロデューサーを講師に招き、サ ードパーティー・ロジスティクス(3PL) に関する話を聴いた。
今回はここでの講演内 容を中心に紹介する。
おさらいの意味で、まず「サードパーテ ィ・ロジスティクス(3PL)とは何か」と いう話から始めたい。
歴史的に見ると3PLには二つの流れがあ る。
一つは物流事業者が求めてきた3PLで ある。
かつて欧米で規制緩和が進められたと き、物流業界への新規参入が増大し、競争が 激化して、大手物流企業は生き残りをかけて 事業の付加価値を高めようとした。
このとき に運賃以外で利益を生み出そうと考えた物流 業者が目指したのが3PLだった。
もう一つの流れは、企業間競争を勝ち抜こ うとする荷主側の要請に基づくものだ。
本業 以外をアウトソースすることによって、自ら はコアコンピタンスに集中して利益をあげよ うとする荷主が、ロジスティクス業務のアウ トソーシング先として目をつけたのが3PL 事業者だった。
このように荷主と物流事業者 の双方の思惑が一致した結果、3PL市場は 急速に拡大することになった(図1)。
3PLには、荷主と3PL事業者が互い にメリットを得られる関係を目指すというコ アコンセプトがある。
荷主はロジスティクス 業務を一社に委託し、そのために必要な情報 を開示する。
これを受けて3PL事業者は投 資を行い、荷主の物流業務の問題解決をは かり提案・改善活動を実施する。
結果とし て3PL事業者は業容を拡大し、荷主も投 資の軽減、競争力アップにつながるという考 え方である。
いまだ定義が定まらない3PL もっとも、まだ発展途上にある3PLの定義は明確には定まっていない。
そのため多く の人がさまざまな解釈を与えていて、なかに は「物流の外注=3PL」という定義もある。
ちなみに私は、次のように考えている。
「クライアント(荷主)が顧客満足度の向 上/市場競争力アップを目的としてロジステ ィクス業務を専門事業者に委託し、その事業 者は、自らのノ ウハウを使ってク ライアントの立場 から、提案/改 善 / 実 施 す る 。
その活動の結果 として両者が最 終的に効果分配 する。
このような 第6回 「戦略的パートナーとしての3PL」 ロジスティックの中谷祐治ロジステ ィクス・プロデューサー ロジスティック 中谷祐治 ロジスティクス・プロデューサー 57 SEPTEMBER 2001 互恵的戦略同盟を組み、ロジスティクス業務 を推進することをサードパーティー・ロジス ティクス(3PL)という」 一般に、外注における荷主と物流事業者は 上下の関係にあって、物流事業者は倉庫やト ラックなど自社の保有する資産を有効活用し ようとする。
これに対して3PLでは、荷主 と3PL事業者は互いに戦略的なパートナー であり、3PL事業者は荷主の立場に立って 改善の提案をする。
この対等な関係が3PL のポイントになる。
3PLを標榜する会社は世界中に数多くあ るが、米国のライダーインテグレーテッドロ ジスティクス、C. H. ロビンソン、J. B. ハントロジスティクス(現トランスプレース ドットコム)などが有名である。
ライダーは アセット型3PLの最大手で自動車関係を中 心に事業を展開しており、ロビンソンはノン アセット型で食品系を中心としている。
私は数年前にロビンソンとハントを訪問し たことがあるが、物流会社のイメージはなく、 オフィスでコンピュータを駆使してロジステ ィクスをコントロールしているという印象を 受けた。
日本でいちはやく3PLに取り組んだ事例 としては、センチュリーロジスティクスがあ る。
冷凍・冷蔵庫のネットワークを持ち、衛 星通信を活用してトラックの温度管理をして 注目された。
また、日立物流やヤマトロジス ティクスプロデュースなど目の離せない会社 は多いが、いずれもアセット系、またはアセ ット系の親会社を持っており、独立系のノン アセット型3PL企業は日本市場には少ない。
物流事業者から3PL事業者へ コスト削減が至上命令となっている荷主側 から見れば、3PLは今までにない形でコス ト削減に貢献してくれるのではないかとの期 待が大きい。
しかし、現実には3PLと称す る会社の多くは、勝手なことを言っているに 過ぎないというのが実態である。
ある物流会社は、ただの物流業務委託をア セット型3PLと称している。
あるソフトウ ェア会社は自社のソフトが3PLのカギにな るといって売ろうとしている。
また、あるマ テハン機器メーカーは、自社のハードウェア に他社のソフトをつけて3PLのインフラと 称している。
そして、あるコンサルティング 会社は業務領域拡大のために3PLといって 仕事を取ろうとしている。
ようするに、3P Lをブームと捉え、3PLという言葉をうま く使っているだけではないかとさえ思われる。
物流会社と3PLの違いを、﹇受託型←→ 提案型﹈、﹇物流←→ ロジスティクス﹈という ふたつの軸で発展的に見れば、従来型の物流 事業者は指示されたことを間違いなくこなす、 すなわち受託型ということができる。
彼らが、 運ぶ、保管するといういわゆる物流業務を行っているのに対して、3PLは提案型で全体 最適を目指すと位置付けられる。
問題は、統合的な提案ができるか否かであ る。
従来型の物流事業者と3PL事業者の間 には、2・5PL事業者、あるいは3P ―P D事業者と言った、さまざまなレベルの元請 物流事業者がいる。
しかし、元請物流事業者 といわゆる3PL事業者との間には極めて大 きな壁が存在しているといえる。
米国の3PL事業者は統合的な提案に必 要な人材を抱えているが、日本の物流事業者 はあくまでも「実務」中心になっている。
3 PL推進のためには、しっかりした「実務」 遂行力は当然として、戦略的に経営を捉え、 コンサルティングできる人材が不可欠である と思う。
出典:ロジスティック SEPTEMBER 2001 58 3PLビジネスと日本の実情 ロジスティクスは全体最適を目指しており、 3PL事業者は荷主のロジスティクスを支援 しようとしている。
ただし、そのためには物 流部門だけでなく、生産部門、販売部門を含 めた全社的な改革が欠かせない。
中小規模の製造業においては、工場単位、 支店単位に独立した物流を行っているケース が多い。
このように工場長が、調達から生産、 物流まですべてを担当したりしているケース では、大きな企業よりは対応しやすいと思わ れる。
だが物流を一元管理している企業にお けるロジスティクスの実現は簡単ではない。
例えば、花王やトヨタなどの大企業は、3 PL事業者より高いレベルの緻密な物流シス テムを既に構築しているが、それは一握りの 大手企業でしかない。
圧倒的多数の企業はま だまだのレベルにある。
ただ、ロジスティク スの実現には多くの人材を必要とするが、本 当に必要な人材を集めるのは簡単なことでは ないという事情もある。
このため3PL事業 の今後の可能性は大きいと思われる。
ただし、問題も少なくない。
荷主側は目先 の収支にとらわれ、とにかくコストダウ ンを求める。
3PLに対する理解度が不 足しており、3PLの使い方を分かって いない。
一方の3PL事業者側も社会 的認知度が低く、一般の人々にはピン ハネ屋か商社と見られている。
また提案 力が不足しており、本当にやってくれる のか顧客側に不安を与えている。
自社の アセットに縛られ、本当に顧客の立場に 立てるかどうか心配な企業もある。
荷主と物流事業者との関係を見ると、 いくつかのパターンがある。
ひとつの荷 主が複数の物流事業者と直接、取引を する「直接型」。
これと特定の物流事業 者が元請になって複数の物流事業者を 取りまとめて荷主と取引する「元請型」 は、従来からある一般的なものである。
ここに新たに「3PL」が加わった。
3PLはさらに二つのパターンに分けら れ、一つは3PL事業者が荷主と一体になっ て、荷主の立場で複数物流事業者を取りまと めるタイプ。
もう一つは、3PL事業者が荷 主と一体となって元請事業者を管理する形態 「3PL元請型」がある。
いずれにせよ、荷 主は3PL活用のスタンスを明確にする必要 がある。
(図2) 3PLを成功させるために 荷主側のキーポイントとして、まず役員ク ラスのリーダーシップを挙げたい。
生産、物 流、販売をコントロールすることが肝要であ る。
ロジスティクスをうまく管理するために は、トータルにコントロールする必要がある。
相性の良い3PL会社を選択することも重要である。
社風というのは無視できない要素 で、これが合う会社となら円滑に業務を進め ることが可能になる。
その上で3PL会社を 活用するスタンスを明確にすることが求めら れる。
提案を求めるならば、それなりの情報 を公開せねばならない。
そして、対等の関係 を構築し、お互いに独立企業として長い付き 合いができるようにする必要がある。
一方、3PL会社としては、何としても提 案力を磨かなければならない。
ロジスティク ス戦略を提案し、全体を見たマスタープラン を提示し、具体的で実行可能な運用案を提案 することが重要である。
全体を支える情報シ ステムの提案、具体的なデータ蓄積と分析結 果のフィードバックといった情報システム力 もポイントになる。
出典:ロジスティック 59 SEPTEMBER 2001 Q1 SOLEにおいて環境への配慮がますます重要になっ てきている。
包装技術者が環境面から取り組むべき重要な2 つの側面とはどれか? a.生物分解性とリサイクル性 b.廃棄性と生物分解性 c.リサイクル性と廃棄性 d.圧縮性と生物分解性 Q2 供給地点から要求地点への商品やサービスの移動をコ ーディネートする製造業者、問屋、小売業者の企業グループ を何と言うか? a.輸送組合 b.流通チャネル c.工業カルテル d.ロジスティクスチェーン 8月号で紹介したCPL模擬試験問題は「流通と顧客支援」 という分野からの出題。
いかがでしたか? Q1は、最近特に注目されている環境・資源に関する問題 で、正解は「a.生物分解性とリサイクル性」。
日本政府が昨 年6月に制定した循環型社会形成推進基本法の目的として、? 廃棄物の発生抑制、?循環資源の循環的な利用、?適正な処 分による天然資源の消費の抑制及び環境負荷低減をあげてい る。
また、処理の優先順位として、?発生抑制、?再使用、? 再生利用、?熱回収、?適正処分を定め、その対策推進を法 制化した。
生分解性プラスチックに代表されるように、生物分解性と は、自然界の微生物によって最終的には水と二酸化炭素に分 解される物質の性質を指す。
リサイクルが難しい分野での利用 が期待されている技術である。
また、リサイクル性については、 前述の処理の優先順位?に上げられているように、再生利用 が求められている。
「b」「c」の廃棄性については、上記順位 ?に該当し優先順位は低い。
また「d」の圧縮性については、 収集運搬時または最終処分時には有効だが、優先順位として は低い。
Q2は正解は模範解答によれば[b]。
輸送組合は移動の手 段を提供するが、コーディネートはしない。
カルテルは横断的 結合で、製造→卸→小売のチェーンとは異なる。
ロジスティク スチェーンは少々分かりにくいかもしれないが、いわゆるサプ ライチェーンであれば調達、サプライヤーも含めるべき。
ここ は製造以降(商品)の流れと言うことで、「流通チャネル」が 正解。
第6回 CPLの試験問題に挑戦 今回は「システムマネジメント」の領域から出題します。
Q1 “therblic(サーブリック)”についての記述で、 正しいのはどれか? a.仕事の単位 b.ソフトウェアを構成する最小単位 c.Gilbrethのスペルの逆 d.“a”、“c”のいずれも正しい CPL(Certified Professional Logistician)の試験問題に挑戦 前回のおさらい ※今回の設問の答えと解説は、本誌10月号の当コーナーでお読みいただけます Q2 最も一般的な組織の構造は次のどれか? a.プロジェクト組織 b.マトリツクス組織 c.統合的組織 d.官僚主義的組織 さらに実務運営管理力も欠かせない。
自社 のアセットに縛られることなく、最適物流体 制をコーディネートし、日々の運営管理を間 違いなくこなし、実務改善を実施する。
もっ とも、実態としては、こうした業務を幅広く 手掛けられる会社は少ない。
3PLにおいては、戦略パートナーという 位置付けがポイントになる。
3PL 物流業 務委託である。
3PLという言葉はキーワー ドに過ぎず、3PLという言葉を使おうが使 うまいが要するにロジスティクスを確立する ことが狙いである。
3PL成功のためには既 成概念にとらわれないことが大切である。
(七月一七日のロジスティクスフォーラムで の講演より) SOLE東京支部フォーラム報告 SOLE東京支部では毎月「フォーラム」 を開催しているが、八月はフォーラムを休 んで米国で開催されるSOLE二〇〇X (年次国際ロジスティクス会議と展示)に参 加する。
今年のテーマは「ロジスティクス: 21 世紀のツール」で、ワークショップ、チ ュートリアル、基調講演、論文発表、パネ ルディスカッション、展示など盛りだくさ んのプログラムが用意されている。
それら の内容については九月のフォーラムで報告 する予定。
SOLE東京支部についてのお問合せ、 ご意見などはsole_consult@jmac.co.jp まで。
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七月一七日の 会合では、ロジスティックの中谷祐治ロジス ティクス・プロデューサーを講師に招き、サ ードパーティー・ロジスティクス(3PL) に関する話を聴いた。
今回はここでの講演内 容を中心に紹介する。
おさらいの意味で、まず「サードパーテ ィ・ロジスティクス(3PL)とは何か」と いう話から始めたい。
歴史的に見ると3PLには二つの流れがあ る。
一つは物流事業者が求めてきた3PLで ある。
かつて欧米で規制緩和が進められたと き、物流業界への新規参入が増大し、競争が 激化して、大手物流企業は生き残りをかけて 事業の付加価値を高めようとした。
このとき に運賃以外で利益を生み出そうと考えた物流 業者が目指したのが3PLだった。
もう一つの流れは、企業間競争を勝ち抜こ うとする荷主側の要請に基づくものだ。
本業 以外をアウトソースすることによって、自ら はコアコンピタンスに集中して利益をあげよ うとする荷主が、ロジスティクス業務のアウ トソーシング先として目をつけたのが3PL 事業者だった。
このように荷主と物流事業者 の双方の思惑が一致した結果、3PL市場は 急速に拡大することになった(図1)。
3PLには、荷主と3PL事業者が互い にメリットを得られる関係を目指すというコ アコンセプトがある。
荷主はロジスティクス 業務を一社に委託し、そのために必要な情報 を開示する。
これを受けて3PL事業者は投 資を行い、荷主の物流業務の問題解決をは かり提案・改善活動を実施する。
結果とし て3PL事業者は業容を拡大し、荷主も投 資の軽減、競争力アップにつながるという考 え方である。
いまだ定義が定まらない3PL もっとも、まだ発展途上にある3PLの定義は明確には定まっていない。
そのため多く の人がさまざまな解釈を与えていて、なかに は「物流の外注=3PL」という定義もある。
ちなみに私は、次のように考えている。
「クライアント(荷主)が顧客満足度の向 上/市場競争力アップを目的としてロジステ ィクス業務を専門事業者に委託し、その事業 者は、自らのノ ウハウを使ってク ライアントの立場 から、提案/改 善 / 実 施 す る 。
その活動の結果 として両者が最 終的に効果分配 する。
このような 第6回 「戦略的パートナーとしての3PL」 ロジスティックの中谷祐治ロジステ ィクス・プロデューサー ロジスティック 中谷祐治 ロジスティクス・プロデューサー 57 SEPTEMBER 2001 互恵的戦略同盟を組み、ロジスティクス業務 を推進することをサードパーティー・ロジス ティクス(3PL)という」 一般に、外注における荷主と物流事業者は 上下の関係にあって、物流事業者は倉庫やト ラックなど自社の保有する資産を有効活用し ようとする。
これに対して3PLでは、荷主 と3PL事業者は互いに戦略的なパートナー であり、3PL事業者は荷主の立場に立って 改善の提案をする。
この対等な関係が3PL のポイントになる。
3PLを標榜する会社は世界中に数多くあ るが、米国のライダーインテグレーテッドロ ジスティクス、C. H. ロビンソン、J. B. ハントロジスティクス(現トランスプレース ドットコム)などが有名である。
ライダーは アセット型3PLの最大手で自動車関係を中 心に事業を展開しており、ロビンソンはノン アセット型で食品系を中心としている。
私は数年前にロビンソンとハントを訪問し たことがあるが、物流会社のイメージはなく、 オフィスでコンピュータを駆使してロジステ ィクスをコントロールしているという印象を 受けた。
日本でいちはやく3PLに取り組んだ事例 としては、センチュリーロジスティクスがあ る。
冷凍・冷蔵庫のネットワークを持ち、衛 星通信を活用してトラックの温度管理をして 注目された。
また、日立物流やヤマトロジス ティクスプロデュースなど目の離せない会社 は多いが、いずれもアセット系、またはアセ ット系の親会社を持っており、独立系のノン アセット型3PL企業は日本市場には少ない。
物流事業者から3PL事業者へ コスト削減が至上命令となっている荷主側 から見れば、3PLは今までにない形でコス ト削減に貢献してくれるのではないかとの期 待が大きい。
しかし、現実には3PLと称す る会社の多くは、勝手なことを言っているに 過ぎないというのが実態である。
ある物流会社は、ただの物流業務委託をア セット型3PLと称している。
あるソフトウ ェア会社は自社のソフトが3PLのカギにな るといって売ろうとしている。
また、あるマ テハン機器メーカーは、自社のハードウェア に他社のソフトをつけて3PLのインフラと 称している。
そして、あるコンサルティング 会社は業務領域拡大のために3PLといって 仕事を取ろうとしている。
ようするに、3P Lをブームと捉え、3PLという言葉をうま く使っているだけではないかとさえ思われる。
物流会社と3PLの違いを、﹇受託型←→ 提案型﹈、﹇物流←→ ロジスティクス﹈という ふたつの軸で発展的に見れば、従来型の物流 事業者は指示されたことを間違いなくこなす、 すなわち受託型ということができる。
彼らが、 運ぶ、保管するといういわゆる物流業務を行っているのに対して、3PLは提案型で全体 最適を目指すと位置付けられる。
問題は、統合的な提案ができるか否かであ る。
従来型の物流事業者と3PL事業者の間 には、2・5PL事業者、あるいは3P ―P D事業者と言った、さまざまなレベルの元請 物流事業者がいる。
しかし、元請物流事業者 といわゆる3PL事業者との間には極めて大 きな壁が存在しているといえる。
米国の3PL事業者は統合的な提案に必 要な人材を抱えているが、日本の物流事業者 はあくまでも「実務」中心になっている。
3 PL推進のためには、しっかりした「実務」 遂行力は当然として、戦略的に経営を捉え、 コンサルティングできる人材が不可欠である と思う。
出典:ロジスティック SEPTEMBER 2001 58 3PLビジネスと日本の実情 ロジスティクスは全体最適を目指しており、 3PL事業者は荷主のロジスティクスを支援 しようとしている。
ただし、そのためには物 流部門だけでなく、生産部門、販売部門を含 めた全社的な改革が欠かせない。
中小規模の製造業においては、工場単位、 支店単位に独立した物流を行っているケース が多い。
このように工場長が、調達から生産、 物流まですべてを担当したりしているケース では、大きな企業よりは対応しやすいと思わ れる。
だが物流を一元管理している企業にお けるロジスティクスの実現は簡単ではない。
例えば、花王やトヨタなどの大企業は、3 PL事業者より高いレベルの緻密な物流シス テムを既に構築しているが、それは一握りの 大手企業でしかない。
圧倒的多数の企業はま だまだのレベルにある。
ただ、ロジスティク スの実現には多くの人材を必要とするが、本 当に必要な人材を集めるのは簡単なことでは ないという事情もある。
このため3PL事業 の今後の可能性は大きいと思われる。
ただし、問題も少なくない。
荷主側は目先 の収支にとらわれ、とにかくコストダウ ンを求める。
3PLに対する理解度が不 足しており、3PLの使い方を分かって いない。
一方の3PL事業者側も社会 的認知度が低く、一般の人々にはピン ハネ屋か商社と見られている。
また提案 力が不足しており、本当にやってくれる のか顧客側に不安を与えている。
自社の アセットに縛られ、本当に顧客の立場に 立てるかどうか心配な企業もある。
荷主と物流事業者との関係を見ると、 いくつかのパターンがある。
ひとつの荷 主が複数の物流事業者と直接、取引を する「直接型」。
これと特定の物流事業 者が元請になって複数の物流事業者を 取りまとめて荷主と取引する「元請型」 は、従来からある一般的なものである。
ここに新たに「3PL」が加わった。
3PLはさらに二つのパターンに分けら れ、一つは3PL事業者が荷主と一体になっ て、荷主の立場で複数物流事業者を取りまと めるタイプ。
もう一つは、3PL事業者が荷 主と一体となって元請事業者を管理する形態 「3PL元請型」がある。
いずれにせよ、荷 主は3PL活用のスタンスを明確にする必要 がある。
(図2) 3PLを成功させるために 荷主側のキーポイントとして、まず役員ク ラスのリーダーシップを挙げたい。
生産、物 流、販売をコントロールすることが肝要であ る。
ロジスティクスをうまく管理するために は、トータルにコントロールする必要がある。
相性の良い3PL会社を選択することも重要である。
社風というのは無視できない要素 で、これが合う会社となら円滑に業務を進め ることが可能になる。
その上で3PL会社を 活用するスタンスを明確にすることが求めら れる。
提案を求めるならば、それなりの情報 を公開せねばならない。
そして、対等の関係 を構築し、お互いに独立企業として長い付き 合いができるようにする必要がある。
一方、3PL会社としては、何としても提 案力を磨かなければならない。
ロジスティク ス戦略を提案し、全体を見たマスタープラン を提示し、具体的で実行可能な運用案を提案 することが重要である。
全体を支える情報シ ステムの提案、具体的なデータ蓄積と分析結 果のフィードバックといった情報システム力 もポイントになる。
出典:ロジスティック 59 SEPTEMBER 2001 Q1 SOLEにおいて環境への配慮がますます重要になっ てきている。
包装技術者が環境面から取り組むべき重要な2 つの側面とはどれか? a.生物分解性とリサイクル性 b.廃棄性と生物分解性 c.リサイクル性と廃棄性 d.圧縮性と生物分解性 Q2 供給地点から要求地点への商品やサービスの移動をコ ーディネートする製造業者、問屋、小売業者の企業グループ を何と言うか? a.輸送組合 b.流通チャネル c.工業カルテル d.ロジスティクスチェーン 8月号で紹介したCPL模擬試験問題は「流通と顧客支援」 という分野からの出題。
いかがでしたか? Q1は、最近特に注目されている環境・資源に関する問題 で、正解は「a.生物分解性とリサイクル性」。
日本政府が昨 年6月に制定した循環型社会形成推進基本法の目的として、? 廃棄物の発生抑制、?循環資源の循環的な利用、?適正な処 分による天然資源の消費の抑制及び環境負荷低減をあげてい る。
また、処理の優先順位として、?発生抑制、?再使用、? 再生利用、?熱回収、?適正処分を定め、その対策推進を法 制化した。
生分解性プラスチックに代表されるように、生物分解性と は、自然界の微生物によって最終的には水と二酸化炭素に分 解される物質の性質を指す。
リサイクルが難しい分野での利用 が期待されている技術である。
また、リサイクル性については、 前述の処理の優先順位?に上げられているように、再生利用 が求められている。
「b」「c」の廃棄性については、上記順位 ?に該当し優先順位は低い。
また「d」の圧縮性については、 収集運搬時または最終処分時には有効だが、優先順位として は低い。
Q2は正解は模範解答によれば[b]。
輸送組合は移動の手 段を提供するが、コーディネートはしない。
カルテルは横断的 結合で、製造→卸→小売のチェーンとは異なる。
ロジスティク スチェーンは少々分かりにくいかもしれないが、いわゆるサプ ライチェーンであれば調達、サプライヤーも含めるべき。
ここ は製造以降(商品)の流れと言うことで、「流通チャネル」が 正解。
第6回 CPLの試験問題に挑戦 今回は「システムマネジメント」の領域から出題します。
Q1 “therblic(サーブリック)”についての記述で、 正しいのはどれか? a.仕事の単位 b.ソフトウェアを構成する最小単位 c.Gilbrethのスペルの逆 d.“a”、“c”のいずれも正しい CPL(Certified Professional Logistician)の試験問題に挑戦 前回のおさらい ※今回の設問の答えと解説は、本誌10月号の当コーナーでお読みいただけます Q2 最も一般的な組織の構造は次のどれか? a.プロジェクト組織 b.マトリツクス組織 c.統合的組織 d.官僚主義的組織 さらに実務運営管理力も欠かせない。
自社 のアセットに縛られることなく、最適物流体 制をコーディネートし、日々の運営管理を間 違いなくこなし、実務改善を実施する。
もっ とも、実態としては、こうした業務を幅広く 手掛けられる会社は少ない。
3PLにおいては、戦略パートナーという 位置付けがポイントになる。
3PL 物流業 務委託である。
3PLという言葉はキーワー ドに過ぎず、3PLという言葉を使おうが使 うまいが要するにロジスティクスを確立する ことが狙いである。
3PL成功のためには既 成概念にとらわれないことが大切である。
(七月一七日のロジスティクスフォーラムで の講演より) SOLE東京支部フォーラム報告 SOLE東京支部では毎月「フォーラム」 を開催しているが、八月はフォーラムを休 んで米国で開催されるSOLE二〇〇X (年次国際ロジスティクス会議と展示)に参 加する。
今年のテーマは「ロジスティクス: 21 世紀のツール」で、ワークショップ、チ ュートリアル、基調講演、論文発表、パネ ルディスカッション、展示など盛りだくさ んのプログラムが用意されている。
それら の内容については九月のフォーラムで報告 する予定。
SOLE東京支部についてのお問合せ、 ご意見などはsole_consult@jmac.co.jp まで。
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