2001年11月号
ケース

松下電器産業――エコ物流

NOVEMBER 2001 50 予想以上に伸びる回収量 今年四月、家電リサイクル法(特定家庭用 機器再商品化法)が本格的にスタートした。
当初は使用済み家電製品が目論み通りに集ま るかを懸念されていたが、現在までの実績は、 事前の予想をはるかに上回っている。
四月一 日から九月末までの半年間の回収台数は、家 電四品目(テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯 機)の合計で約四四九万台(指定引取場所 ベース)。
猛暑によるエアコン商戦の急拡大 という特殊要因があったとはいえ、順調な滑 り出しといえる。
松下電器産業が家電リサイクル法に対応するために新設した使用済み家電のリサイクル 施設、松下エコテクノロジーセンターでも、 目標としてい た年間処理台 数の四〇万台 (家電四品目合 計)を上回り そうだ。
松下 の福田功リサ イクル事業推 進室長は「中 古品市場とか リサイクルシ ョップに合法 的に流れる分 動き出した家電リサイクル法 東芝と廃棄物処理業者を全国組織 家電リサイクル法への対応を巡って家電業界は、 「松下−東芝」を軸とする「Aグループ」と、日立、 ソニー、シャープなどが参加する「Bグループ」 に分かれた。
Aグループのインフラ整備を主導し てきた松下は、既存の廃棄物収集業者の活用によ る低コスト処理という方針をとった。
しかし一部 の地域では、佐川や岡山県貨物といった新規参入 の物流業者とも手を組んでいる。
松下電器産業 ――エコ物流 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 回収数量 (千台) 順調に伸びる使用済み家電の回収量 4月 5月 6月 7月 8月 9月 276 568 694 1200 1043 706 関係者)という見方を大幅に上積みすることは間違いない。
このことはリスクを承知で廃 家電の回収ビジネスに参入した物流業者にと っても、嬉しい誤算となっている。
家電リサイクル法の施行によって、廃家電 処理の流れは一変した。
従来は家電販売業者 や自治体の手を経て、リサイクル業者や廃棄 物処理業者に引き渡されていたのが、法律施 行後はいったん全ての使用済み家電四品目を メーカーの指定する集積拠点「指定引取場 所」に集め、そこからメー カーの指定する「再商品 化工場」へと横持ちするよ うに変わった。
厳密に廃家 電の回収業務を管理する ことによって、リサイクル を推進しようという狙いで ある。
家電リサイクル法の成 立はまた、使用済み家電 の「回収」と「再処理化」 を関係者すべてに義務付 けた。
家電メーカーは廃家 電の「引き取り」と「再商 品化」を義務付けられ、家 電販売業者は消費者から の「引き取り」とメーカー への「引き渡し」を求めら れるようになった。
消費者 51 NOVEMBER 2001 が多く出るのではと予想していたが、五月の 連休前ぐらいから処理台数がどんどん増え始 めた。
夏場のピークを過ぎた段階の実績を見 る限り、年間目標をクリアできそうだ」と安 堵の表情を見せる。
仮にこのペースでの回収が続けば、業界全 体で一年間に発生する約二〇〇〇万台の廃家 電四品目のうち、四割余りを集められる計算 になる。
当初ささやかれていた「初年度の回 収率はいいところ二、三割」(家電メーカー は使用済み家電を排出する際の「適正な引き 渡し」と、収集と再商品化に関する「費用」 の支払いを免れない。
もっとも、リサイクル費用を排出者が負担 する格好にはなっているものの、現実に家電 メーカーが消費者に請求できる金額には限度 があった。
あまりに高い処理コストを請求す れば、不法投棄を招くなどして家電業界その ものの将来を暗くしかねない。
こうして、メ ーカー各社は、否応なくコスト競争力のある 回収・再処理ネットワークの構築を迫られる ことになったのである。
二社連合 vs 五社連合 家電リサイクル法では、排出者から指定引 取場所までの回収業務を「一次輸送」と呼び、 この部分の作業責任を家電販売業者に負わせ ている。
また、指定引取場所での一時保管と 再商品化工場までの横持ち業務については 「二次輸送」と呼び、家電メーカーにインフ ラ整備を義務付けた。
具体的には、九八年六 月の法案成立から二〇〇一年四月の本格施 行までの約三年間で、全国各地に「指定引取 場所」と「再商品化工場」を設置する必要が あった。
法案が成立したとき、多くの家電メーカー は途方に暮れた。
法律では家電メーカーに、 回収物流の中間デポともいうべき「指定引取 場所」を全く新たに全国に配置することを求 家電リサイクル法で変わった使用済み家電の処理ルート 家電販売業者 自治体 最終埋め立て リサイクル 中間処理業者 (金属回収など) 消費者 処理業者 (適正な引き渡し) (費用の支払い) 消費者 「1次輸送」(販売業者の業務範囲) 家電販売業者 及び指定法人 (引き取り義務) (引き渡し義務) 自治体など (引き取り可能) (引き渡し可能) 最終埋め立て リサイクル (素材業者など)  全国三八〇カ所 (A・Bとも一九〇カ所) 指定引取場所 (引き取り義務)  Aグループ二四カ所  Bグループ一四カ所 再商品化工場 (再商品化等の義務) 「2次輸送」 (家電メーカーの業務範囲) 現在(2001年4月以後) 従 来 NOVEMBER 2001 52 めている。
しかし、条文には「円滑な引渡し が確保されるよう適正に配置しなければなら ない」(家電リサイクル法・第二九条)とい う曖昧な表現でしか条件は示されていない。
どれくらいの規模の指定引取場所を、全国 に何カ所設置すれば法律をクリアできるのか が明示されていなかった。
指定引取場所の数 が少なすぎれば一次輸送の距離が長くなって 排出を阻害するし、逆に多すぎればコストア ップにつながる。
多からず、少なからずの ?適正な〞線をメーカーが調整せよ、という 丸投げとも思える指示だった。
対応に窮した家電メーカー各社は当初、業 界共同で利用する静脈プラットフォームを作 るという案で合意しかけた。
各メーカーが個 別に、全国数百カ所の指定引取場所を設ける のでは効率が悪すぎる。
そこで、「業界を挙 げて共同リサイクル・ネットワークを整備し ようという話が持ち上がった。
実際、数社の 役員クラスの方々が集まって話し合いも始め ていた」と松下の福田室長は明かす。
ところが通産省(現・経済産業省)が、こ の動きに「待った」をかけた。
最初から業界 ぐるみというのはよくない。
市場原理を取り 入れて、競争のなかでより良いリサイクル網 を整備せよ、と行政指導に乗り出したのであ る。
そうは言われたものの、家電最大手の松 下といえども、一社単独でリサイクルに乗り 出すのは現実的ではない。
にわかに家電メー カーの間でグループ化を模索する動きが活発になった。
各メーカーの担当者が接触を繰り返すうち、 既存の廃棄物処理業者を活用するか否かとい う点で、各社の対応は二つに分かれていった。
「一方は、可能な限り既存のインフラを活用 することで投資を押さえ、ローコストの仕組 みを作ろうとした。
もう一方は、新たな法律 に対応する、新たなシステムを自分達で作ろ うという話になった」(福田室長)。
法案成立から半年ほど経つと、グループ化 の動きは決定的な局面を迎えた。
最大手の松 下と二番手グループの筆頭ともいうべき東芝 が急接近したのである。
当時、北九州市では、 東芝が設立した家電リサイクル事業会社「西 日本家電リサイクル」(九八年十二月設立) が活動を開始していた。
東芝の一〇〇%子会 社として資本金三〇〇〇万円でスタートした 同社は、ほどなく第三者割当増資を実施して 家電メーカー各社に出資を要請し、資本金を 一気に四億円まで引き上げた。
この際に、松下が三〇%の出資を引き受け、 東芝に次ぐ大株主になることを検討し始めた。
これによって両社の距離は急速に縮まること になった。
「(松下と同じように)東芝も既存 のインフラを使うことで投資を抑えようとし ていた」(福田室長)ことが、両社が手を組 むに至った最大の理由だった。
松下と東芝の急接近は、他の家電メーカー に大きな衝撃 を与えた。
ほ どなく家電業 界は「松下― 東芝」による 二社連合と、 「日立製作所 ―シャープ― 三菱電機― 三洋電機― ソニー」の五 社連合に二 分されること になるのだが、五社連合の 内訳は残され たメーカーが大同団結した結果という面が色 濃かった。
以降、廃家電処理をめぐる家電メーカーの グループ化は、この二陣営を軸に進められる ことになった。
現在では、「松下―東芝」の 二社連合には計一九の家電メーカーが所属し 「Aグループ」と呼ばれている。
他方、「Bグ ループ」と呼ばれるようになった五社連合に も計二一のメーカーが名を連ねるに至ってい る。
回収ネットワークの整備 松下が既存業者とのインフラ整備にこだわ 管理伝票の管理はすべてパソコンで行う 53 NOVEMBER 2001 った背景には、鉄スクラップ業大手の中田屋 というパートナーの存在が大きく影響してい た。
九五年から九七年にかけて松下は、業界 団体である家電製品協会の一員として、廃家 電処理のコストや課題の検証を行っている。
このときに一緒に実証実験に取り組んだのが 中田屋の関連会社、サニーメタルだった。
こ れをきっかけに松下と中田屋の付き合いが始 まった。
中田屋は鉄スクラップ業者の全国組織「マ リソルネットワーク」の事務局を務めている。
ある時、たまたま松下の社員がマリソルネッ トワークの研修会に参加する機会があった。
そこで松下の構想を会員に話したところ、「ぜ ひ一緒にやろうという話になった」と福田室 長は振り返る。
このマリソルとの出会いが、 既存業者と組んで処理コストを抑えたいとい う松下の戦略を一気に現実的なものにした。
と言うのも、いくら松下が既存インフラを 使いたいと望んでも、廃棄物処理の業界には 一筋縄ではいかない事情があった。
中田屋の ような中間処理業者には、そこそこに大手と 呼べる存在がいる。
しかし、中間処理施設に 廃棄物を運び込む廃棄物の収集・運搬業者 (静脈分野を専門とする運送業者)となると、 地場の零細企業がほとんどだ。
実際、収集・運搬の許可を持つ事業者の数 は全国約一〇万社にも上る。
各地に点在する こうした事業者を組織して、ネットワーク化 するのは、天下の松下といえども至難の業だった。
しかし、マリソルの人脈を活用できれ ば、突破口が開ける。
まず中間処理施設を持っているマリソルの メンバーに各地の再商品化工場を任せ、そこ と取引実績のある収集・運搬業者のなかから 「指定引取場所」と「二次輸送」の担い手を 探す。
いずれも過去にビジネス上の付き合い のある事業者ばかりのため、評判の悪い業者 などをあらかじめ排除することも可能だ。
事業者との実際の交渉は、始めのうちは松 下のリサイクル事業推進室が中心になった。
さらにグループ化が進んでくると、東芝とも 協力しながらパートナーを選ぶ作業を進めた。
担当者が全国に点在する廃棄物処理業者を訪 ねて、現場を確認し、経営者と話し合うとい う繰り返しだった。
訪問した事業者の数は、 実に三〇〇社を超えたという。
その結果、Aグループの全国二四カ所の再 化工場のうち二〇カ所をマリソルの会員の拠 点でまかなうことができた。
試行錯誤の末に 全国一九〇カ所という数に落ち着いた指定引 取場所についても、多くはマリソルの会員企 業による情報を元に設置した。
「輸送費が高くならないように、なるべく運 ばずに地域単位で処理するのがAグループの コンセプト。
どこからでも一時間から一時間半で行ける場所にあることが一つの目安だっ た」と松下の関連会社、エコロジーネットの 古川廣行社長は説明する。
古川社長の前職は、松下のリサイクル事業 推進室の部長。
回収インフラの整備のために 全国を飛び回った経験を持つ。
その後、松下 が九九年九月に、Aグループのリサイクル事 業の委託先管理や契約業務を代行するために 一〇〇%出資でエコロジーネットを設立した のに合わせて出向した。
同社には、今年一月 に東芝も出資し、現在では松下六五%、東芝 三五%という持ち株比率の共同事業会社にな っている。
エコロジーネットはAグループに属する家 電メーカー一九社を代表して、処理業者との 家電回収デポとして機能する指定引取場所 (岡山県貨物運送・広島主管支店) NOVEMBER 2001 54 契約手続きなどを一手に引き受けている。
今 年の四月以降は、再商品化工場や指定引取 場所でかかった経費をメーカーに代わって事 業者に支払う精算業務も開始した。
松下の福 田室長は「本来であれば処理業者は一九社分 の契約書を作る必要があった。
それがエコロ ジーネットを使うことで一枚だけでよくなっ た」と、そのメリットを強調する。
水面下に潜った物流コスト こうして着々とインフラ整備を進めながら も、松下は消費者に請求する再商品化の料金 (二次輸送費+リサイクル料)をいくらに設 定すべきかについては、最後まで頭を悩ませ ていた。
リサイクルにかかるコスト自体はあ る程度まで把握できていた。
しかし、本格稼 働後の物量が読めなかったこともあって、二 次輸送にかかる輸送費の試算が難航した。
このことは見積もり金額の提示を求められ る物流業者の立場で考えると理解しやすい。
急ぐ荷物ではない廃家電の輸送は、総物量に かかわらずトラック一台あたりの積載効率を ほぼ満載まで高めることが可能だ。
しかし、 指定引取場所での保管コストや専属社員の人 件費、さらに特定の車両を専用で使うことま で考えると、従来の延長線上で考えるわけに はいかない。
どうしても慎重にならざるを得 ない。
実は松下は、法案成立と前後して四国と福 井で約一カ月をかけて、回収物流の実験に取 り組んだことがある。
また、これ以外にもさ まざまな物流業者と組んでコスト試算に取り 組んだが、「(家電販売店の)倉庫からリサイ クル拠点まで運ぶ試算料金をみたときは、率 直に言って高いなと思った」と福田室長。
販 売物流との混載による効率化も検討したが、 時間に制約のある荷物と、いつ運んでもいい 廃家電を一緒に運ぶのは現実的ではなかった。
一方では当時の通産省が、五〇〇〇円程度を 上限に再商品化料金を設定するよう家電業界 に働きかけていたこともあって、高いコスト をそのまま請求料金に転嫁できる状況ではな かった。
さらにライバルの家電メーカーの多 くが松下の出方を注視していたことも料金設 定を混迷させる一因となっていた。
二〇〇〇年九月四日、もうこれ以上は先送 りにできないという時期になって、ようやく 松下は、洗濯機二四〇〇円、テレビ二七〇〇 円、エアコン三五〇〇円、冷蔵庫四六〇〇円 という処理料金を公表した。
「実際にかかるコストをすべてお客様からも らうことはできない。
不法投棄されないよう 我々の回収ルートに廃家電を乗せてもらうた めには、コストとは別に処理料金を考えざる を得なかった。
現状では、実際にかかるコス トの何割かを排出者からいただいている状況」と福田室長は内情を語る。
処理料金の発表時期については業界で申し 合わせていたため、松下の発表に続いて大手 家電メーカー各社が相次いで料金を公表した。
九月五日に東芝が、九月七日にはBグループ の中核をなす日立、シャープ、三菱、三洋、 ソニーも続いた。
仕組みの違いによってコス トが明らかに違うにもかかわらず、処理料金 はすべて松下と同額。
全くの横並びだった。
物流専業者の静脈輸送 家電リサイクル事業への参入を検討してい た物流業者にとっても、最大の悩みは不透明 なコストだった。
とくに従来、動脈分野を中 心に活動してきた物流業者にとって、静脈物 指定引取場所に持ち込まれる使用済み家電 55 NOVEMBER 2001 流には未知の部分が多い。
それでも中長期的 には廃家電の回収量の増加は間違いない。
多 くの物流業者がビジネスチャンスとみなして 新規参入を試みた。
しかし、既存業者の活用を基本方針にすえ るAグループへの参入余地は小さく、最終的 に複数の「指定引取場所」を受注できた動脈 系の物流業者は、佐川急便グループと岡山県 貨物運送の二社だけだった。
しかも、いずれ の企業も、既存業者にはまかない切れないエ リアを任されたという面が強い。
近畿圏の二府四県を中心に受注した佐川の 場合は、同地区のリサイクル拠点が松下自身 の新設した松下エコテクノロジーセンターだ ったことが大きい。
前述した通り、松下のイ ンフラ整備の手法は、まずリサイクル拠点を 任せられる既存業者を選び、そこと取引実績 のある処理業者に「指定引取場所」と輸送を 任せてきた。
しかし、要となるリサイクル拠 点を松下自身が運営するとなると、この手法 は使えない。
福田室長は「エコテクノロジーセンターの 周辺の住民の皆さんとの関係があって、何時 から何時までの間に搬入してもらうといった 厳格なコントロールが不可欠だった。
しかも、 搬入車両は一〇トンのウイング車で低公害車 じゃなければダメ。
これに対応できる事業者 となると、佐川急便以外にはほとんどいなか った」と説明する。
また、中四国地方で四カ所の「指定引取場 所」を任された岡山県貨物運送のケースでは、 同地域のリサイクル拠点を運営する鉄スクラ ップ処理業者、平林金属の紹介による部分が 大きかった。
松下が特定の地域内に「指定引 取場所」の設置を望んでも、上手く思惑が合 致する既存事業者が見つからないケースがあ る。
こうした地域で、それまでに平林金属と 取引があった岡山県貨物に白羽の矢がたった のである。
岡山県貨物の安原晃常務は、「従来から、ご く一部ではパソコン回収などの静脈物流を手 掛けていた。
しかし、本格参入したのは家電 リサイクルから。
幸い物量は順調に増えてい るものの、まだ当社にとっては将来のビジネ ス拡大のためのインフラ整備の段階に過ぎな い。
この分野は路線業者にとっては蓄積して きたノウハウを活かせる分野だ。
将来的には 既存の取引先からリサイクル品を回収すると いった需要も大きくなるはず」と期待する。
現在、岡山県貨物は広島県内で三カ所の 「指定引取場所」を担っているが、その一つ の運営に携わっている同社広島主管支店の禰 屋輝夫支店長代理は、現状を次のように説明 する。
「現在の廃家電処理の物量は一〇トン 車で毎日二、三台分ぐらい。
七月のピーク時 には一〇台ぐらい出た日もあった。
決して利 益率の高い仕事ではないが、既存のインフラ や人材を活用しているため赤字ではない」 こうした取引業者と松下との契約期間は一 年間で、問題がなければ自動更新する仕組み になっている。
複雑な契約手続きや許認可の 関係を考えれば、現実には松下の側から業者 を入れ換えるのは容易ではない。
むしろ、家電回収を任されている既存の取引業者の方か ら、採算が合わないと悲鳴が上がる可能性の ほうが高い。
「東北とか北海道の一部では、極 端に物量が少ない地域がある」(エコロジー ネットの古川社長)ためだ。
その点、岡山県貨物のように既存の施設の 一角で運営している事業者には、こうした物 量の変動に対応しやすいという強味がある。
さらに今後、輸送コスト削減の圧力が強まれ ば、動脈分野で培ったノウハウが活きてくる。
そうなればリスクを承知で参入した動脈系の 物流業者の先行者メリットは大きい。
ただし、 静脈物流のマーケットがどれほどのビジネス チャンスなのかが明らかになるには、まだ時 間がかかりそうだ。
(岡山宏之) 岡山県貨物運送の安原晃常務

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