2006年4月号
物流産業論
物流産業論
トラック運送業を知ろう
フレッシュマンのための
APRIL 2006 66
皆さんは日本の物流業についてどれ
だけのことをご存じでしょうか? マ
クロな数字でみると、日本の物流業の
市場規模は全体で約二〇兆円。
事業者 数は約七万二〇〇〇社に上り、労働者 数は一三〇万人を超えていると言われ ています(図1)。
物流業といってもトラック、鉄道、 内航海運、外航海運、航空、倉庫など 多種多様です。
各分野は事業の内容や 市場の規模が大きく異なります。
本連 載では今後、物流業を分野別に分かり やすく解説していきます。
まずは「ト ラック運送業」についての理解 を深め ましょう。
日本の物流はトラックが中心 トラック運送業界は物流業の中で最 大の規模を誇ります。
業界全体の売り 上げは物流業全体の半分以上を占めて います。
事業者数は約五万九五〇〇社 で、労働者の数は約一一六万人に達し ています。
二〇〇四年度の国内貨物輸送量はト ンベースで五七億トン、トンキロベー ス(トン数×輸送距離)で五六三九億 トンキロでした。
このうちトラック輸 送の分担率はトンベースで全体の九 一・三%、トンキロベースで五七・ 一%に上っています。
日本の物流業は トラック輸送がメーンであると言える でしょう。
トラック輸送は大きく「自家用トラ ック」と「営業用トラック」に分かれ ま す。
自家用トラックは自らの貨物を 自らの所有するトラックで輸送するも ので、事業としての輸送ではありませ ん。
街中で見かけるトラックのうち、 白いナンバープレートを有しているの が自家用トラックです。
これに対して緑色のナンバープレー トが営業用トラックになります。
日本 のトラック登録台数は約九〇九万台で、 このうち営業用トラックは約一三五万 台、全体の一四・九%(二〇〇四年 度)です。
輸送量ではトンベースで全 体の五四・三%、トンキロベースで八 五・二%を占めています。
営業用トラ ックのトンベースでの分担率が自家用 トラックを逆転したのは二〇〇〇年で、 その差は年を追うごとに拡大しつつあ ります。
トラックの稼働効率を示す指標に 「実働一日一車当たり輸送トンキロ」 があります。
この指標を用いて比較す ると 、営業用トラックは自家用トラッ クに比べおよそ二八倍の稼働効率であ ることがわかります( 図2 )。
つまり 極端な表現をすれば、自家用トラック には?遊んでいる〞車両が多いと言え ます。
営業用トラックの輸送品目は農水産 物、食料工業品、日用品といった消費 財で三二・九%。
建設関係で三六・ 五%、金属、機械、石油製品などの生 産財で三〇・六%とバランスが取れて います。
これに対して、自家用トラッ クは建設関係だけで六四・七%を占め ているなど偏りがあります。
トラック運送の事業形態とは? トラック運送の事業形態は?「一般 貨物自動車運送事業」、?「特定貨物 自動車運送事業」、?「貨物軽自動車 運送事業」の三つに分かれています。
このうち?一般貨物自動車運送事業は 第1回 物流企業に入社したフレッシュマンの皆さん、そして異動で新たにロジ スティクス部門に配属された皆さん。
物流業界にようこそ! 物流の基礎 を学べる新連載がスタートします。
?物流の教科書〞代わりに役立ててく ださい。
これを機にベテランの皆さんも初心に帰って物流をおさらいして みてはいかがでしょうか? (本誌編集部) トラック運送業を知ろう ? もり・たかゆき流通科学大学商学 部教授。
1975年、大阪商船三井 船舶に入社。
97年、MOL Di stribution GmbH 社長。
2006年4月より現職。
著書 は、「外航海運概論」(成山堂)、「外 航海運のABC」(成山堂)、「外航 海運とコンテナ輸送」(鳥影社)、 「豪華客船を愉しむ」(PHP新書)、 「戦後日本客船史」(海事プレス社) など。
日本海運経済学会、日本物流 学会、CSCMP(米)等会員。
東 京海洋大学、青山学院大学非常勤 講師。
67 APRIL 2006 「特別積み合わせ貨物運送事業(=特 積み事業)」と特積み以外の「一般貨 物運送事業」に分類されています。
次回に詳しく説明しますが、一九九 〇年十二月に施行された「物流二法 (=貨物自動車運送事業法と貨物運送 取扱事業法)」によってトラック運送 の事業規制が抜本的に見直されました。
それまで「路線トラック」と「区域ト ラック」に区分されていた「事業区分」 が整理されて「一般貨物自動車運送事 業」に一本化されました。
従来、区域 トラックには積み合わせ輸送が認めら れていませんでしたが、同法によって それが可能になるなど営業の自由 度が 飛躍的に高まりました。
もっとも、積み合わせ輸送が認めら れたとはいえ、旧区域トラック事業者 には中小零細が多く、旧路線トラック 事業者が行っていた中・長距離混載定 期便事業とは業態に大きな差があるこ とから、同法では旧路線トラック事業 者を「特別積み合わせ貨物運送事業 者」として別扱いにすることになりま した。
一般には、特別積み合わせ貨物 運送事業者を「特積みトラック事業 者」、特積み以外の一般トラック事業 者を「一般トラック事業者」と呼んで いま す。
ちなみに一般貨物自動車運送 事業には、特殊事業として「霊柩(れ いきゅう)運送事業」が含まれていま す。
?「特定貨物自動車運送事業」は 「特定の者(一荷主)の需要に応じて 有償で自動車による貨物運送をする事 業」と定義されています。
旧法をその まま引き継いでいます。
荷主が複数に なれば、「一般トラック」の資格が必 要になるため、近年は「一般トラック」 に切り替える事業者が増えており、「特 定」の事業者数は減少しつつあります。
現在、「特定」の事業者数は約一二〇 〇 社です。
?「貨物軽自動車運送事業」は軽自 動車によるトラック運送事業を指しま す。
バイク便もここに含まれます。
軽 運送事業者は保有車両台数が一台のみ といった零細企業が大半を占めていま す。
現在、軽運送の事業者数は約一〇 万社に上ると言われています。
物流二法と物流三法で規制緩和 トラック運送事業は、一九四九年に 施行され、五一年に改正された「道路 運送法」によって長い間規制されてき ました。
同法はバスやタクシーといっ た旅客と、トラック運送などの物流を 「道路を使ったサービス」として一括 りで規制していました。
これに対して 九〇年に施行された「貨物自動車運送 事業法」はトラック運送事業だけを対 象にした独立した制度です。
同時に運 送取扱事業(フォワーダー)を規定し た新法「貨物運送取扱事業法」も施行 されました。
この二つは「物流二法」 と呼ばれています。
物流二法の特徴はトラック運送事業 の規制緩和を大幅に進めたことです。
旧法では 事業が「免許制」でしたが、 新法では「許可制」に緩和されました。
つまり一定の資格要件さえ満たしてい れば、誰でもトラック運送事業に参入 することが可能になったのです。
さらに運賃は「認可制」から「事前 届出制」に緩和されました。
前述した 通り、「事業区分」が「一般貨物自動 車運送事業」に一本化され、旧区域ト ラック事業者による積み合わせ輸送も認められるようになりました。
物流二法では経済的規制を緩和する 一方で、社会的規制を強化するととも に、自己責任体制が明確化されました。
従来、過労運転や過積載は省令によっ て 罰則規定が決められていましたが、 物流二法施行後は法律の管理下へ変更。
また、各営業所には国家試験をパスし た運行管理者を置くことが義務付けら れました。
業界区分 営業収入 事業者数 従業員数 中小企業の割合 トラック運送業 11 兆4,817 億円 59,529 1,160,000 99.9% 鉄道業(JR 貨物) 1,574 億円 1 6,000 0.0% 内航海運業1 兆7,067 億円 5,084 19,000 99.6% 外航海運業3 兆1,572 億円 265 8,000 52.5% 港湾運送業1 兆1,196 億円 966 53,000 92.8% 航空貨物運送業3,522 億円 20 40,000 50.0% 鉄道利用運送業2,716 億円 930 8,000 88.2% 外航利用運送業2,238 億円 460 3,000 74.4% 航空利用運送業6,270 億円 142 13,000 54.7% 倉庫業 1 兆6,217 億円 5,083 110,000 91.1% トラックターミナル業335 億円 18 600 94.4% 合 計 20 兆7,524 億円 72,498 1,367,600 − 図1 物流業界の概要(2004 年度) 資料:国土交通省 図2 営業用・自家用別輸送効率比較(2004 年) 走行キロ 実働延日車 実働1日1車走行距離 トン当たり平均輸送キロ 実働1日1車当たり輸送トンキロ 輸送効率格差(A/B) 百万km 百万日車 km km トンキロ 72,897 308 236.85 96.86 889.60(A) 39.8 17.6 110,480 1,443 76.57 20.31 31.95(B) 60.2 82.4 889.60/31.95=27.8倍 資料:国土交通省、普通車・小型車・特殊用途車の合計 全日本トラック協会ホームページ 項 目 単 位 営業用 構成比(%) 自家用 構成比(%) ─ ─ ─ ─ ─ ─ APRIL 2006 68 つまり、物流二法によってトラック 運送事業は「過保護」「護送船団方式」 から「自己責任」「競争促進」への転 換が進められることになったのです。
物流二法は二〇〇〇年の一部改正を 経て、二〇〇三年に再び改正されまし た。
二〇〇三年の改正で対象になった のは「貨物自動車運送事業法」、「貨物 運送取扱事業法」、「鉄道事業法」の三 つ。
これらを総称して「物流三法」と 呼ぶようになりました。
物流三法の改 正のポイントは「事業者の柔軟な事業 展開を可能にし、物流サービス全体の 効率化および多様化、物流市場の活性 化を図る」ことにあります。
「貨物 自動車運送事業法」の主な改 正点は従来の都道府県単位を基本とし た営業区域制を廃止し、全国で自由に 事業を展開できるようにしたこと。
そ して運賃の事前届出制を廃止し、サー ビスに合った柔軟な料金・運賃設定を 可能にしたことになります。
物流三法 によって物流二法よりもさらにトラッ ク運送事業の規制緩和が進んだと言え るでしょう。
トラック輸送の歴史を学ぶ 日本のトラック輸送は一九六〇年代 に入って急成長しました。
それまで日 本の陸上貨物輸送は鉄道が中心で、ト ラックは鉄道の補完的輸送として「小 運送」や域内輸送など限定された輸送 を担う程度にすぎませんでした。
日本では、六〇年代に政府の所得倍 増計画に後押しされて高度経済成長、 大量生産・大量消費時代に突入したの を受けて、輸送需要が急増しました。
その結果、鉄道や内航海運といった既 存の輸送モードだけで増大した輸送需 要を満たすことが困難になりました。
実はこの需要を吸収するかたちで台頭 して きたのがトラックでした。
車両の大型化、高速道路建設など道 路インフラの整備が進展したこともあ って、トラック輸送は急成長を遂げま した。
一九五五年、国内貨物輸送のト ンキロベースでのシェアは鉄道(国鉄) が五三%、内航海運が三六%であった のに対して、トラックはわずか十二% にすぎませんでした。
それが一〇年後 の六五年には鉄道三一%、内航四三%、 トラック二六%というシェアに。
さら に一〇年後の七五年になると、鉄道が 十三%までシェアを落としたのに対し て、トラックは三六%まで急伸。
トラ ックは陸上輸送の主役の座を鉄道から 完全に奪い取ることに成功したのです (図 3)。
続いて、トラック輸送の歴史を振り 返ってみましょう。
■戦前 貨物輸送の中心は鉄道であり、その 末端輸送を受け持つ「小運送」が育成 されました。
小運送とは、鉄道輸送の 「大運送」に対する言葉です。
鉄道輸 送は「駅から駅」であり、「駅から戸 口」への末端輸送を担うのが小運送で す。
小運送は戦後、通運業と呼ばれる ようになりました。
一八七二年、新橋〜横浜間で鉄道輸 送がスタートしたと同時に、小運送も 始まりました。
小運送を担う「陸運元 会社」が設立されたのもこの年です。
陸運元会社は三年後の一八七五年に 「内国通運」に改称され ました。
同社 は陸運会社の総元締めとして小運送を 独占したほか、官営郵便事業も請け負 いました。
その後、内国通運は「国際 通運」への改称を経て、「日本通運」 になりました。
現在の日本通運の前身 にあたります。
一八七九年に小運送業は自由化され ました。
そしてこれを機に現在のスタ イルのようなトラック運送業が本格化 していきます。
トラック輸送は一九〇 二年の明治屋食料品店および三井呉服 店(現・三越)によるものが最初で、 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 資料:国土交通省総合政策局情報管理部 年度 合計 鉄道 自動車 内航海運 航空 百万 トンキロ 百万 トンキロ 分担率 百万 トンキロ 分担率 百万 トンキロ 分担率 百万 トンキロ 分担率 図3 輸送機関別国内貨物輸送トンキロの推移 1 87年度より、自動車には軽自動車を加えたので、86年度以前と連続しない。
2 94年度の自動車の数値には、95年1月〜3月の兵庫県の数値を含まない。
3 94年度の自動車の指数は、兵庫県の数値を含まないため省略した。
4 鉄道は、有賃のみである。
5 内航海運の月別及び2003年度平均値は、自家用を除く。
6 国内航空(定期のみ)の輸送量には、超過手荷物・郵便物を含む。
7 指数は、基準年を90年度から2000年度に変更した。
なお、2003年度の月別の指数については、 2003年度の月平均の数値を基準としたものである。
注) 185,726 350.264 360,490 438,792 434,160 546,785 559,948 557,073 535,661 544,491 559,002 573,196 568,880 551,555 560,161 578,000 580,710 570,732 563,873 56,678 63,031 47.058 37,428 21,919 27,196 27,157 26,668 25,433 24,493 25,101 24,968 24,618 22,920 22,541 22,136 22,193 22,131 22,794 30.5 18.0 13.1 8.5 5.0 5.0 4.8 4.8 4.7 4.5 4.5 4.4 4.3 4.2 4.0 3.8 3.8 3.9 4.0 48,392 135,916 129,701 178,901 205,941 274,244 283,776 281,599 275,885 280,587 294,648 305,510 306,263 300,670 307,149 313,118 313,072 312,028 321,862 26.1 38.8 36.0 40.8 47.4 50.2 50.7 50.5 51.5 51.5 52.7 53.3 53.8 54.5 54.8 54.2 53.9 54.7 57.1 80,635 151,243 183,579 222,173 205,818 244,546 248,203 248,002 233,526 238,540 238,330 241,756 237,018 226,980 229,432 241,671 244,451 235,582 218,190 43.4 43.2 50.9 50.6 47.4 44.7 44.3 44.5 43.6 43.8 42.6 42.2 41.7 41.2 41.0 41.8 42.1 41.3 38.7 21 74 152 290 482 799 812 804 817 871 924 962 981 985 1,039 1,075 994 991 1,027 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 69 APRIL 2006 一九〇七年には自動車を使った初の貨 物運送会社「日本自動車運輸」が設立 されました。
その後、一九三三年には自動車交通 事業法、三七年には小運送業法および 日本通運株式会社法が施行されました。
第二次世界大戦の戦時下では政府によ ってトラック運送会社と小運送会社の 統合が進められました。
■一九四五年〜 戦後間もない頃の日本の道路事情は 劣悪でした。
道路整備が進展するのは 六〇年代以降です。
東京〜大阪間の国 道一号線が全面舗装されたのは五九年。
五二年の段階で国道の総延長は二万四 〇〇〇キロメートル、舗装率はわずか 十三%にすぎませんでした。
五五年以降、高速道路をはじめとす る道路整備が加速し、それに伴いトラ ックによる高速大量輸送時代が到来し ました。
五九年に国道一号線が開通し たのを受けて、路線トラック事業者十 二社が東海道路線免許を取得。
長距離 定期便トラックの運行が本格化しまし た。
「神武景気」、さらに「岩戸景気」と 日 本経済は活況が続き、貨物輸送需要 は飛躍的に伸びました。
この頃は道路 整備に資本が集中投下された時期でも ありました。
六三年七月には日本初の 高速道路として名神高速道路の尼崎〜 栗東間が開通しています。
こうした道 路インフラの整備がトラック輸送の伸 長を後押ししました。
それまで国内貨物輸送の中心プレー ヤーだった鉄道や内航海運は、急拡大 する貨物輸送需要に対応しきれません でした。
彼らに代わって拡大する輸送 ニーズを吸収して成長を遂げたのがト ラック輸送です。
しかしトラック輸送 はその一方で、労働力不足や交 通渋滞 といった新たな社会問題も引き起こし ました。
■一九六五年〜 引き続きトラック輸送は拡大を続け ました。
中でも営業用トラックはすさ まじい勢いで伸びていきました。
六五 年のトラック輸送量は四八四億トンで したが、それが一〇年後の七五年には 一二九七億トンと二・八六倍にまで膨 れ上がっています。
当初、トラック輸 送は自家用トラックが中心でしたが、 この年には営業用トラックのシェア (輸送トン数ベース)が五三%に達し、 初めて自家用トラックを上回りました。
六八年に東名高速道路の東京〜厚木 間が完成。
その翌年には名神高速道路 とつながり、東京〜大阪間は一〇時間 で結ばれるようになりました。
また、 六 八年には日本初の長距離フェリーが 神戸〜小倉間で運航(阪九フェリー) をスタート。
その後、川崎〜宮崎、阪神〜東九州、舞鶴〜小樽、東京〜苫小 牧、東京〜釧路など日本列島全体にフ ェリー網が完成したことも、トラック 輸送の効率化に一役買いました。
トラック輸送は日本の高度経済成長 を支えてきましたが、七一年のニクソ ンショック、七三年の第一次石油ショ ックによって転換期を迎えました。
高 度経済成長の終焉に伴い、売り上げ重 視から利益重視へと経営戦略の見直し 、 ト 今月のポイント 図4 トラック運送業の歴史 西暦 1872 年 明治5 年 1875 年明治8 年 1879 年明治12 年 1902 年 1907 年明治40 年 1926 年大正15 年 1933 年昭和8 年 1937 年昭和12 年 1952 年昭和27 年 1957 年昭和32 年 1959 年 昭和34 年 1963 年昭和38 年 1965 年昭和40 年 1968 年昭和43 年 1969 年昭和44 年 1976 年昭和51 年 1985 年昭和60 年 1987 年昭和62 年 1990 年平成2 年 2005 年平成17 年 2007 年平成19 年 主な出来事 「 陸運元会社」設立。
小運送のはじめ 新橋〜横浜間鉄道輸送開始 「陸運元会社」が「内国通運」に改称 小運送自由化 業者乱立 トラック輸送開始 ト ラック輸送の最初は、明治屋食料品店 ・三井呉服店(三越)であった。
「 日本自動車運輸」設立。
最初の自動車による貨物輸送会社 小運送の大手、「内国通運」・「国際運送」 ・「明治運送」が合併し、「合同運送」設立 1928(昭和3)年「国際通 運」に改称 自動車交通事業法施行 小運送業法、日本通運株式会社法施行 国道総延長 24,000km、舗装率13.3% 名神高速道路着工 国道1 号(東京〜大阪)全面舗装 関門国道トンネル開通 路線事業者12 社が東海道路線免許取得 長距離定期便トラック運行が本格化 名神高速道路(尼崎〜栗東)開通 初めての高速道路開通 名神高速道路全面開通 高速道路総延長181km 東名高速道路(東京〜厚木)開通 日本初の長距離フェリー神戸・小倉に就航 阪九フェリー 東名・名神高速道路がつながる 宅配便開始。
ヤマト運輸が宅急便をはじ める。
1 月20 日 初日11 個だった ・高速道路総延長1,888km 輸送トンキロでもトラックが内航を抜き 国内貨物輸送のトップに 輸送トンキロでトラックがシェア50% 超に 国鉄分割民営化、JR 貨物が誕生 モーダルシフト政策 「物流二法」施行 日本郵政公社民営化法案通過 日本郵政会社誕生 著者作成 明治35 年代 APRIL 2006 70 を迫られるようになりました。
■一九七五年〜 二度の石油危機を経験して日本の産 業構造は大きく変化していきました。
「重厚長大」から「軽薄短小」へ、「第 二次産業」から「第三次産業」への変 化です。
このことは貨物輸送にも大き な影響を与えました。
貨物輸送需要の 減少によって、とりわけ鉄道や内航海 運の輸送量が激減したのです。
ただし、 トラック輸送は相変わらず堅調に推移 し、八五年にはトンキロベースでトッ プに躍り出ました。
八七年にはトラック輸送のトンキロ ベースでのシェアが五割を突破。
名実 ともにトラック輸送が国内輸送の主役 の座におさまりました。
とくに鉄道の 衰退は著 しく、国鉄の貨物部門は赤字 運営を余儀なくされるようになりまし た。
八七年、国鉄は分割民営化され、 貨物部門はJR貨物として再出発して います。
■一九九〇年〜 一九八五年のプラザ合意後の円高の 進展によって、輸出が減少し、輸入が 増加。
日本の物流は輸入型へと急速に 変化していきました。
国内貨物輸送も 急増しますが、輸送力不足が顕在化し ます。
若年労働者が確保できないこと を背景に、運輸省(現・国土交通省) 森教授が執筆した「戦後日 本客船史〜南米移住船から現 代のクルーズ客船まで」(発行・ 海事プレス社)が4 月中旬に 発売されます。
四六判、160 ページ。
定価2500円(税込み)。
これまで世に送り出された戦 後日本客船史は、南米移住船 が活躍した頃と、クルーズ元年 とされる89 年以降の記録が中 心で、70 年代、80 年代につ いてページが割かれているもの が少ない。
これに対して本書 は1970 〜 80 年代の記述に重 点を置くことで、客船史の連続 性を実現しています。
新刊本紹介 はモーダルシフト政策を掲げ、幹線輸 送のトラックから鉄道や内航海運への 切り替えを推進しました。
一九九〇年の「物流二法」の施行で、 トラック運送事業は「免許制」から 「許可制」へと規制緩和されました。
業 界保護から自由競争への政策転換です。
これを受けて、新法施行後はトラック 運送事業者の数が毎年一〇〇〇〜二〇 〇〇社のペースで増え続けています。
バブル崩壊以降、トラック運送事業者 の収入は低下しています。
輸送量の減 少と競争激化によって、倒産も毎年五 〇〇件程度と高い水準にあります。
◆ ◆ いかがでしたか? 次回は特別 積み 合わせ事業と一般トラック事業の違い などについて詳しく解説し、トラック 運送業に対する理解をより深めていき たいと思います。
事業者 数は約七万二〇〇〇社に上り、労働者 数は一三〇万人を超えていると言われ ています(図1)。
物流業といってもトラック、鉄道、 内航海運、外航海運、航空、倉庫など 多種多様です。
各分野は事業の内容や 市場の規模が大きく異なります。
本連 載では今後、物流業を分野別に分かり やすく解説していきます。
まずは「ト ラック運送業」についての理解 を深め ましょう。
日本の物流はトラックが中心 トラック運送業界は物流業の中で最 大の規模を誇ります。
業界全体の売り 上げは物流業全体の半分以上を占めて います。
事業者数は約五万九五〇〇社 で、労働者の数は約一一六万人に達し ています。
二〇〇四年度の国内貨物輸送量はト ンベースで五七億トン、トンキロベー ス(トン数×輸送距離)で五六三九億 トンキロでした。
このうちトラック輸 送の分担率はトンベースで全体の九 一・三%、トンキロベースで五七・ 一%に上っています。
日本の物流業は トラック輸送がメーンであると言える でしょう。
トラック輸送は大きく「自家用トラ ック」と「営業用トラック」に分かれ ま す。
自家用トラックは自らの貨物を 自らの所有するトラックで輸送するも ので、事業としての輸送ではありませ ん。
街中で見かけるトラックのうち、 白いナンバープレートを有しているの が自家用トラックです。
これに対して緑色のナンバープレー トが営業用トラックになります。
日本 のトラック登録台数は約九〇九万台で、 このうち営業用トラックは約一三五万 台、全体の一四・九%(二〇〇四年 度)です。
輸送量ではトンベースで全 体の五四・三%、トンキロベースで八 五・二%を占めています。
営業用トラ ックのトンベースでの分担率が自家用 トラックを逆転したのは二〇〇〇年で、 その差は年を追うごとに拡大しつつあ ります。
トラックの稼働効率を示す指標に 「実働一日一車当たり輸送トンキロ」 があります。
この指標を用いて比較す ると 、営業用トラックは自家用トラッ クに比べおよそ二八倍の稼働効率であ ることがわかります( 図2 )。
つまり 極端な表現をすれば、自家用トラック には?遊んでいる〞車両が多いと言え ます。
営業用トラックの輸送品目は農水産 物、食料工業品、日用品といった消費 財で三二・九%。
建設関係で三六・ 五%、金属、機械、石油製品などの生 産財で三〇・六%とバランスが取れて います。
これに対して、自家用トラッ クは建設関係だけで六四・七%を占め ているなど偏りがあります。
トラック運送の事業形態とは? トラック運送の事業形態は?「一般 貨物自動車運送事業」、?「特定貨物 自動車運送事業」、?「貨物軽自動車 運送事業」の三つに分かれています。
このうち?一般貨物自動車運送事業は 第1回 物流企業に入社したフレッシュマンの皆さん、そして異動で新たにロジ スティクス部門に配属された皆さん。
物流業界にようこそ! 物流の基礎 を学べる新連載がスタートします。
?物流の教科書〞代わりに役立ててく ださい。
これを機にベテランの皆さんも初心に帰って物流をおさらいして みてはいかがでしょうか? (本誌編集部) トラック運送業を知ろう ? もり・たかゆき流通科学大学商学 部教授。
1975年、大阪商船三井 船舶に入社。
97年、MOL Di stribution GmbH 社長。
2006年4月より現職。
著書 は、「外航海運概論」(成山堂)、「外 航海運のABC」(成山堂)、「外航 海運とコンテナ輸送」(鳥影社)、 「豪華客船を愉しむ」(PHP新書)、 「戦後日本客船史」(海事プレス社) など。
日本海運経済学会、日本物流 学会、CSCMP(米)等会員。
東 京海洋大学、青山学院大学非常勤 講師。
67 APRIL 2006 「特別積み合わせ貨物運送事業(=特 積み事業)」と特積み以外の「一般貨 物運送事業」に分類されています。
次回に詳しく説明しますが、一九九 〇年十二月に施行された「物流二法 (=貨物自動車運送事業法と貨物運送 取扱事業法)」によってトラック運送 の事業規制が抜本的に見直されました。
それまで「路線トラック」と「区域ト ラック」に区分されていた「事業区分」 が整理されて「一般貨物自動車運送事 業」に一本化されました。
従来、区域 トラックには積み合わせ輸送が認めら れていませんでしたが、同法によって それが可能になるなど営業の自由 度が 飛躍的に高まりました。
もっとも、積み合わせ輸送が認めら れたとはいえ、旧区域トラック事業者 には中小零細が多く、旧路線トラック 事業者が行っていた中・長距離混載定 期便事業とは業態に大きな差があるこ とから、同法では旧路線トラック事業 者を「特別積み合わせ貨物運送事業 者」として別扱いにすることになりま した。
一般には、特別積み合わせ貨物 運送事業者を「特積みトラック事業 者」、特積み以外の一般トラック事業 者を「一般トラック事業者」と呼んで いま す。
ちなみに一般貨物自動車運送 事業には、特殊事業として「霊柩(れ いきゅう)運送事業」が含まれていま す。
?「特定貨物自動車運送事業」は 「特定の者(一荷主)の需要に応じて 有償で自動車による貨物運送をする事 業」と定義されています。
旧法をその まま引き継いでいます。
荷主が複数に なれば、「一般トラック」の資格が必 要になるため、近年は「一般トラック」 に切り替える事業者が増えており、「特 定」の事業者数は減少しつつあります。
現在、「特定」の事業者数は約一二〇 〇 社です。
?「貨物軽自動車運送事業」は軽自 動車によるトラック運送事業を指しま す。
バイク便もここに含まれます。
軽 運送事業者は保有車両台数が一台のみ といった零細企業が大半を占めていま す。
現在、軽運送の事業者数は約一〇 万社に上ると言われています。
物流二法と物流三法で規制緩和 トラック運送事業は、一九四九年に 施行され、五一年に改正された「道路 運送法」によって長い間規制されてき ました。
同法はバスやタクシーといっ た旅客と、トラック運送などの物流を 「道路を使ったサービス」として一括 りで規制していました。
これに対して 九〇年に施行された「貨物自動車運送 事業法」はトラック運送事業だけを対 象にした独立した制度です。
同時に運 送取扱事業(フォワーダー)を規定し た新法「貨物運送取扱事業法」も施行 されました。
この二つは「物流二法」 と呼ばれています。
物流二法の特徴はトラック運送事業 の規制緩和を大幅に進めたことです。
旧法では 事業が「免許制」でしたが、 新法では「許可制」に緩和されました。
つまり一定の資格要件さえ満たしてい れば、誰でもトラック運送事業に参入 することが可能になったのです。
さらに運賃は「認可制」から「事前 届出制」に緩和されました。
前述した 通り、「事業区分」が「一般貨物自動 車運送事業」に一本化され、旧区域ト ラック事業者による積み合わせ輸送も認められるようになりました。
物流二法では経済的規制を緩和する 一方で、社会的規制を強化するととも に、自己責任体制が明確化されました。
従来、過労運転や過積載は省令によっ て 罰則規定が決められていましたが、 物流二法施行後は法律の管理下へ変更。
また、各営業所には国家試験をパスし た運行管理者を置くことが義務付けら れました。
業界区分 営業収入 事業者数 従業員数 中小企業の割合 トラック運送業 11 兆4,817 億円 59,529 1,160,000 99.9% 鉄道業(JR 貨物) 1,574 億円 1 6,000 0.0% 内航海運業1 兆7,067 億円 5,084 19,000 99.6% 外航海運業3 兆1,572 億円 265 8,000 52.5% 港湾運送業1 兆1,196 億円 966 53,000 92.8% 航空貨物運送業3,522 億円 20 40,000 50.0% 鉄道利用運送業2,716 億円 930 8,000 88.2% 外航利用運送業2,238 億円 460 3,000 74.4% 航空利用運送業6,270 億円 142 13,000 54.7% 倉庫業 1 兆6,217 億円 5,083 110,000 91.1% トラックターミナル業335 億円 18 600 94.4% 合 計 20 兆7,524 億円 72,498 1,367,600 − 図1 物流業界の概要(2004 年度) 資料:国土交通省 図2 営業用・自家用別輸送効率比較(2004 年) 走行キロ 実働延日車 実働1日1車走行距離 トン当たり平均輸送キロ 実働1日1車当たり輸送トンキロ 輸送効率格差(A/B) 百万km 百万日車 km km トンキロ 72,897 308 236.85 96.86 889.60(A) 39.8 17.6 110,480 1,443 76.57 20.31 31.95(B) 60.2 82.4 889.60/31.95=27.8倍 資料:国土交通省、普通車・小型車・特殊用途車の合計 全日本トラック協会ホームページ 項 目 単 位 営業用 構成比(%) 自家用 構成比(%) ─ ─ ─ ─ ─ ─ APRIL 2006 68 つまり、物流二法によってトラック 運送事業は「過保護」「護送船団方式」 から「自己責任」「競争促進」への転 換が進められることになったのです。
物流二法は二〇〇〇年の一部改正を 経て、二〇〇三年に再び改正されまし た。
二〇〇三年の改正で対象になった のは「貨物自動車運送事業法」、「貨物 運送取扱事業法」、「鉄道事業法」の三 つ。
これらを総称して「物流三法」と 呼ぶようになりました。
物流三法の改 正のポイントは「事業者の柔軟な事業 展開を可能にし、物流サービス全体の 効率化および多様化、物流市場の活性 化を図る」ことにあります。
「貨物 自動車運送事業法」の主な改 正点は従来の都道府県単位を基本とし た営業区域制を廃止し、全国で自由に 事業を展開できるようにしたこと。
そ して運賃の事前届出制を廃止し、サー ビスに合った柔軟な料金・運賃設定を 可能にしたことになります。
物流三法 によって物流二法よりもさらにトラッ ク運送事業の規制緩和が進んだと言え るでしょう。
トラック輸送の歴史を学ぶ 日本のトラック輸送は一九六〇年代 に入って急成長しました。
それまで日 本の陸上貨物輸送は鉄道が中心で、ト ラックは鉄道の補完的輸送として「小 運送」や域内輸送など限定された輸送 を担う程度にすぎませんでした。
日本では、六〇年代に政府の所得倍 増計画に後押しされて高度経済成長、 大量生産・大量消費時代に突入したの を受けて、輸送需要が急増しました。
その結果、鉄道や内航海運といった既 存の輸送モードだけで増大した輸送需 要を満たすことが困難になりました。
実はこの需要を吸収するかたちで台頭 して きたのがトラックでした。
車両の大型化、高速道路建設など道 路インフラの整備が進展したこともあ って、トラック輸送は急成長を遂げま した。
一九五五年、国内貨物輸送のト ンキロベースでのシェアは鉄道(国鉄) が五三%、内航海運が三六%であった のに対して、トラックはわずか十二% にすぎませんでした。
それが一〇年後 の六五年には鉄道三一%、内航四三%、 トラック二六%というシェアに。
さら に一〇年後の七五年になると、鉄道が 十三%までシェアを落としたのに対し て、トラックは三六%まで急伸。
トラ ックは陸上輸送の主役の座を鉄道から 完全に奪い取ることに成功したのです (図 3)。
続いて、トラック輸送の歴史を振り 返ってみましょう。
■戦前 貨物輸送の中心は鉄道であり、その 末端輸送を受け持つ「小運送」が育成 されました。
小運送とは、鉄道輸送の 「大運送」に対する言葉です。
鉄道輸 送は「駅から駅」であり、「駅から戸 口」への末端輸送を担うのが小運送で す。
小運送は戦後、通運業と呼ばれる ようになりました。
一八七二年、新橋〜横浜間で鉄道輸 送がスタートしたと同時に、小運送も 始まりました。
小運送を担う「陸運元 会社」が設立されたのもこの年です。
陸運元会社は三年後の一八七五年に 「内国通運」に改称され ました。
同社 は陸運会社の総元締めとして小運送を 独占したほか、官営郵便事業も請け負 いました。
その後、内国通運は「国際 通運」への改称を経て、「日本通運」 になりました。
現在の日本通運の前身 にあたります。
一八七九年に小運送業は自由化され ました。
そしてこれを機に現在のスタ イルのようなトラック運送業が本格化 していきます。
トラック輸送は一九〇 二年の明治屋食料品店および三井呉服 店(現・三越)によるものが最初で、 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 資料:国土交通省総合政策局情報管理部 年度 合計 鉄道 自動車 内航海運 航空 百万 トンキロ 百万 トンキロ 分担率 百万 トンキロ 分担率 百万 トンキロ 分担率 百万 トンキロ 分担率 図3 輸送機関別国内貨物輸送トンキロの推移 1 87年度より、自動車には軽自動車を加えたので、86年度以前と連続しない。
2 94年度の自動車の数値には、95年1月〜3月の兵庫県の数値を含まない。
3 94年度の自動車の指数は、兵庫県の数値を含まないため省略した。
4 鉄道は、有賃のみである。
5 内航海運の月別及び2003年度平均値は、自家用を除く。
6 国内航空(定期のみ)の輸送量には、超過手荷物・郵便物を含む。
7 指数は、基準年を90年度から2000年度に変更した。
なお、2003年度の月別の指数については、 2003年度の月平均の数値を基準としたものである。
注) 185,726 350.264 360,490 438,792 434,160 546,785 559,948 557,073 535,661 544,491 559,002 573,196 568,880 551,555 560,161 578,000 580,710 570,732 563,873 56,678 63,031 47.058 37,428 21,919 27,196 27,157 26,668 25,433 24,493 25,101 24,968 24,618 22,920 22,541 22,136 22,193 22,131 22,794 30.5 18.0 13.1 8.5 5.0 5.0 4.8 4.8 4.7 4.5 4.5 4.4 4.3 4.2 4.0 3.8 3.8 3.9 4.0 48,392 135,916 129,701 178,901 205,941 274,244 283,776 281,599 275,885 280,587 294,648 305,510 306,263 300,670 307,149 313,118 313,072 312,028 321,862 26.1 38.8 36.0 40.8 47.4 50.2 50.7 50.5 51.5 51.5 52.7 53.3 53.8 54.5 54.8 54.2 53.9 54.7 57.1 80,635 151,243 183,579 222,173 205,818 244,546 248,203 248,002 233,526 238,540 238,330 241,756 237,018 226,980 229,432 241,671 244,451 235,582 218,190 43.4 43.2 50.9 50.6 47.4 44.7 44.3 44.5 43.6 43.8 42.6 42.2 41.7 41.2 41.0 41.8 42.1 41.3 38.7 21 74 152 290 482 799 812 804 817 871 924 962 981 985 1,039 1,075 994 991 1,027 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 69 APRIL 2006 一九〇七年には自動車を使った初の貨 物運送会社「日本自動車運輸」が設立 されました。
その後、一九三三年には自動車交通 事業法、三七年には小運送業法および 日本通運株式会社法が施行されました。
第二次世界大戦の戦時下では政府によ ってトラック運送会社と小運送会社の 統合が進められました。
■一九四五年〜 戦後間もない頃の日本の道路事情は 劣悪でした。
道路整備が進展するのは 六〇年代以降です。
東京〜大阪間の国 道一号線が全面舗装されたのは五九年。
五二年の段階で国道の総延長は二万四 〇〇〇キロメートル、舗装率はわずか 十三%にすぎませんでした。
五五年以降、高速道路をはじめとす る道路整備が加速し、それに伴いトラ ックによる高速大量輸送時代が到来し ました。
五九年に国道一号線が開通し たのを受けて、路線トラック事業者十 二社が東海道路線免許を取得。
長距離 定期便トラックの運行が本格化しまし た。
「神武景気」、さらに「岩戸景気」と 日 本経済は活況が続き、貨物輸送需要 は飛躍的に伸びました。
この頃は道路 整備に資本が集中投下された時期でも ありました。
六三年七月には日本初の 高速道路として名神高速道路の尼崎〜 栗東間が開通しています。
こうした道 路インフラの整備がトラック輸送の伸 長を後押ししました。
それまで国内貨物輸送の中心プレー ヤーだった鉄道や内航海運は、急拡大 する貨物輸送需要に対応しきれません でした。
彼らに代わって拡大する輸送 ニーズを吸収して成長を遂げたのがト ラック輸送です。
しかしトラック輸送 はその一方で、労働力不足や交 通渋滞 といった新たな社会問題も引き起こし ました。
■一九六五年〜 引き続きトラック輸送は拡大を続け ました。
中でも営業用トラックはすさ まじい勢いで伸びていきました。
六五 年のトラック輸送量は四八四億トンで したが、それが一〇年後の七五年には 一二九七億トンと二・八六倍にまで膨 れ上がっています。
当初、トラック輸 送は自家用トラックが中心でしたが、 この年には営業用トラックのシェア (輸送トン数ベース)が五三%に達し、 初めて自家用トラックを上回りました。
六八年に東名高速道路の東京〜厚木 間が完成。
その翌年には名神高速道路 とつながり、東京〜大阪間は一〇時間 で結ばれるようになりました。
また、 六 八年には日本初の長距離フェリーが 神戸〜小倉間で運航(阪九フェリー) をスタート。
その後、川崎〜宮崎、阪神〜東九州、舞鶴〜小樽、東京〜苫小 牧、東京〜釧路など日本列島全体にフ ェリー網が完成したことも、トラック 輸送の効率化に一役買いました。
トラック輸送は日本の高度経済成長 を支えてきましたが、七一年のニクソ ンショック、七三年の第一次石油ショ ックによって転換期を迎えました。
高 度経済成長の終焉に伴い、売り上げ重 視から利益重視へと経営戦略の見直し 、 ト 今月のポイント 図4 トラック運送業の歴史 西暦 1872 年 明治5 年 1875 年明治8 年 1879 年明治12 年 1902 年 1907 年明治40 年 1926 年大正15 年 1933 年昭和8 年 1937 年昭和12 年 1952 年昭和27 年 1957 年昭和32 年 1959 年 昭和34 年 1963 年昭和38 年 1965 年昭和40 年 1968 年昭和43 年 1969 年昭和44 年 1976 年昭和51 年 1985 年昭和60 年 1987 年昭和62 年 1990 年平成2 年 2005 年平成17 年 2007 年平成19 年 主な出来事 「 陸運元会社」設立。
小運送のはじめ 新橋〜横浜間鉄道輸送開始 「陸運元会社」が「内国通運」に改称 小運送自由化 業者乱立 トラック輸送開始 ト ラック輸送の最初は、明治屋食料品店 ・三井呉服店(三越)であった。
「 日本自動車運輸」設立。
最初の自動車による貨物輸送会社 小運送の大手、「内国通運」・「国際運送」 ・「明治運送」が合併し、「合同運送」設立 1928(昭和3)年「国際通 運」に改称 自動車交通事業法施行 小運送業法、日本通運株式会社法施行 国道総延長 24,000km、舗装率13.3% 名神高速道路着工 国道1 号(東京〜大阪)全面舗装 関門国道トンネル開通 路線事業者12 社が東海道路線免許取得 長距離定期便トラック運行が本格化 名神高速道路(尼崎〜栗東)開通 初めての高速道路開通 名神高速道路全面開通 高速道路総延長181km 東名高速道路(東京〜厚木)開通 日本初の長距離フェリー神戸・小倉に就航 阪九フェリー 東名・名神高速道路がつながる 宅配便開始。
ヤマト運輸が宅急便をはじ める。
1 月20 日 初日11 個だった ・高速道路総延長1,888km 輸送トンキロでもトラックが内航を抜き 国内貨物輸送のトップに 輸送トンキロでトラックがシェア50% 超に 国鉄分割民営化、JR 貨物が誕生 モーダルシフト政策 「物流二法」施行 日本郵政公社民営化法案通過 日本郵政会社誕生 著者作成 明治35 年代 APRIL 2006 70 を迫られるようになりました。
■一九七五年〜 二度の石油危機を経験して日本の産 業構造は大きく変化していきました。
「重厚長大」から「軽薄短小」へ、「第 二次産業」から「第三次産業」への変 化です。
このことは貨物輸送にも大き な影響を与えました。
貨物輸送需要の 減少によって、とりわけ鉄道や内航海 運の輸送量が激減したのです。
ただし、 トラック輸送は相変わらず堅調に推移 し、八五年にはトンキロベースでトッ プに躍り出ました。
八七年にはトラック輸送のトンキロ ベースでのシェアが五割を突破。
名実 ともにトラック輸送が国内輸送の主役 の座におさまりました。
とくに鉄道の 衰退は著 しく、国鉄の貨物部門は赤字 運営を余儀なくされるようになりまし た。
八七年、国鉄は分割民営化され、 貨物部門はJR貨物として再出発して います。
■一九九〇年〜 一九八五年のプラザ合意後の円高の 進展によって、輸出が減少し、輸入が 増加。
日本の物流は輸入型へと急速に 変化していきました。
国内貨物輸送も 急増しますが、輸送力不足が顕在化し ます。
若年労働者が確保できないこと を背景に、運輸省(現・国土交通省) 森教授が執筆した「戦後日 本客船史〜南米移住船から現 代のクルーズ客船まで」(発行・ 海事プレス社)が4 月中旬に 発売されます。
四六判、160 ページ。
定価2500円(税込み)。
これまで世に送り出された戦 後日本客船史は、南米移住船 が活躍した頃と、クルーズ元年 とされる89 年以降の記録が中 心で、70 年代、80 年代につ いてページが割かれているもの が少ない。
これに対して本書 は1970 〜 80 年代の記述に重 点を置くことで、客船史の連続 性を実現しています。
新刊本紹介 はモーダルシフト政策を掲げ、幹線輸 送のトラックから鉄道や内航海運への 切り替えを推進しました。
一九九〇年の「物流二法」の施行で、 トラック運送事業は「免許制」から 「許可制」へと規制緩和されました。
業 界保護から自由競争への政策転換です。
これを受けて、新法施行後はトラック 運送事業者の数が毎年一〇〇〇〜二〇 〇〇社のペースで増え続けています。
バブル崩壊以降、トラック運送事業者 の収入は低下しています。
輸送量の減 少と競争激化によって、倒産も毎年五 〇〇件程度と高い水準にあります。
◆ ◆ いかがでしたか? 次回は特別 積み 合わせ事業と一般トラック事業の違い などについて詳しく解説し、トラック 運送業に対する理解をより深めていき たいと思います。
