2007年9月号
NEWS

海外トレンド報告

SEPTEMBER 2007  68 2007 年7 月発表分 独DHL 米とシンガポールに拠点新設 ■同社プレスリリース 7・2など  DHLは七月に入り、アメリカと シンガポールで相次いでエクスプレ ス(国際宅配便)用のセンターを開 設した。
二日にはオハイオ州コロン バスで二一〇万ドル(二億五二〇〇 万円)をかけ、五万九五〇〇平方 フィート(五三五五平方メートル) の集配センターを稼働させた。
コロ ンバスでは三つ目のセンターとなり、 同地区のネットワークをより密度の 濃いものにした。
 また六日には、シンガポールで九 〇〇万ドル(一〇億八〇〇〇万円) をかけ、七万六六〇〇平方フィート (六八九四平方メートル)のサービ スセンターを立ち上げた。
月間二四 万件のエクスプレス貨物を処理する 予定で、これは他のシンガポールに あるセンターの平均値の二倍以上の 数となる。
 さらに一〇日には、アメリカのミ ネアポリス州ブルーミングで七八〇 万ドル(九億三六〇〇万円)をかけて、 約八万平方フィート(七二〇〇平方 メートル)の仕分けセンターを立ち 上げた。
従来の仕分けセンターを閉 鎖して、作り替えたもの。
同地区の 仕分け能力は、従来の二倍となった。
独シェンカー ベンツ向け部品センター安定稼働 ■同社プレスリリース 7・6  ドイツ鉄道の子会社である3PL 企業のシェンカーは、ドイツ北西部 のブレーメンにあるダイムラークライ スラー社の工場に隣接し、メルセデ スベンツのCクラスの部品を供給する 物流センターが順調に稼働していると 発表した。
シェンカーが約二〇社の サプライヤーから部品を受け取り、工 場のラインに納入している。
 同センターでシェンカーは現在、 一日二万一〇〇〇個の自動車部品 やモジュールを工場のラインに納入 している。
センターには専従社員一 〇〇人が働き、五〇台のトラックを 使用している。
工場から六キロの距 離に立地する同センターに部品を在 庫し、工場からの出荷指示を受けて、 ピッキングと梱包を済ませ、受注後 約五時間でラインに運ぶ。
同センター の建設は二〇〇五年末に始まり、二 〇〇六年一〇月から稼働している。
米YRCワールドワイド (旧イエロー・トランスポート) 上海の佳宇物流を買収へ ■ロジスティクス・トゥデイ 7・6など  アメリカの大手特積み業者のYR Cワールドワイドは、上海に本社を 置く特積み業者の佳宇物流(Jiayu Logistics)を買収することで交渉 に入った。
佳宇物流は、従業員 一六〇〇人、トラクター三〇〇台、 トラック三〇〇〇台を擁する中国の 大手特積み業者で、顧客数は三万 社に上る。
 YRCワールドワイドのビル・ゾ ラスCEO(最高経営責任者)は、「今 回の買収は、アメリカ国内のわれわ れの顧客に対して、中国国内への継 ぎ目のないサービスを提供すること を可能にするだろう。
今回の買収を 足掛かりとして、中国国内のネット ワークを広げていきたい」と語った。
 買収の交渉が始まったのと時期を 同じくして、同社はロジスティクス 部門の「メリディアンIQ」の名称 を「YRCロジスティクス」へと変 更した。
オランダTNT 社員の異動で組合と合意 ■ロジスティクス・トゥデイ 7・6など  TNTは六月下旬に、社内にある 五つの組合と、社員の異動について 合意した。
従来はエクスプレス部門 と郵便部門の部門内に限定していた 異動を、部門をまたいで異動できる ように話し合いを進めていた。
 今回の合意は、社員六万人が対象 となり、有効期限は二〇一一年まで。
このほかTNTは、社員がTNTを 退社して就職活動を行う際も、充分 な支援を行う体制を整える。
オランダTNT ドイツの郵便事業者を買収 ■ロジスティクス・トゥデイ 7・6など  TNTは七月二日付のリリースで、 ドイツ北西部の地方都市ブレーメン にある郵便事業者「CITIPOS T ブレーメン」の株式の二五・一% を取得したと発表した。
 CITIPOSTは二〇〇五年に 設立した地場の郵便事業者。
TNT は今回の株式の取得により、CIT IPOSTが持つ四〇万世帯への郵 便配達ネットワークにアクセスでき ることになった。
 TNTは、ドイツ国内の郵便自由 化をにらんで、今年末をめどに、ドイ ツ国内全世帯の九〇%以上を自社の 配達ネットワークにおさめたいという 目標を立てている。
今回の株式取得 もその一環。
欧州議会 EU内の郵便自由化を二年先送り ■同議会プレスリリース 7・ 11 など  欧州会議は二〇〇九年をめどに進 めてきた域内の郵便事業の完全自由 69  SEPTEMBER 2007 為替レート 1 ドル=120 円 化を、二年先延ばしして二〇一一年 とする妥協案を受け入れた。
ここで 自由化とは、五〇グラム以下の郵便 物の独占状態の撤廃を指す。
投票で は賛成五一二票、反対一五六票と大 差がついた。
またギリシャのように 新規に欧州連合(EU)に参加して きた国に対しては、二年以上の猶予 が認められるもようだ。
 郵便自由化の青写真を描いてきた EUの官僚は、二〇〇九年の自由 化を強く望んでいたが、政治家たち が議会の投票によってそれに待った をかけた形となった。
今回、自由化 延長に投票した政治家たちは、自国 の郵便局の労働者が有する政治力に 一定の配慮を払ったものとみられる。
特に反対が根強かったのはフランス とベルギーだった。
 しかし、EUの郵便市場が完全自 由化となるのは時間の問題だ。
例えば、 イギリスとスウェーデンの郵便市場 は既にほとんど完全自由化されてい るし、ドイツとオランダでも残る規 制が取り払われようとしている。
米コンウェイ 区域業者を七・五億ドルで買収 ■同社プレスリリース 7・ 16  米トラック輸送大手のコンウェイ は、区域業者のコントラクト・フレ イターズ社(CFI)を買収するこ とで話し合いに入った。
買収金額は 七億五〇〇〇万ドル(九〇〇億円) となる見込み。
 CFIは一九五一年の創業で、ミ ズーリ州に本社を置く。
トラクター 二六〇〇台、トレーラー七〇〇〇台 を擁する未上場企業。
 コンウェイは今回の買収によって、 同社の区域輸送部門の売上高を五億 ドル(六〇〇億円)強に引き上げら れると見込んでいる。
このことは同 社の特積み部門であるコンウェイ・ フレイトの売上げの増加にもつなが るとみている。
 また、CFIはメキシコにおいて 二〇年以上にわたり積極的に事業を 進めてきたことから、そのノウハウを 吸収してメキシコにおける営業基盤 を強化できるとも見込んでいる。
加 えてCFIは多くの小売業者を顧客 としてきたため、そのサプライチェー ンを請け負うノウハウを同社の3P L部門であるメンロ・ロジスティク スに移管したい考えだ。
英CEVAロジスティクス (旧TNTロジスティクス) マレーシアで小売りの業務受注 ■同社プレスリリース 7・ 17  米アポロ・マネジメント傘下のC EVAロジスティクス(旧TNTロ ジスティクス)はマレーシア東部で 最大の小売りチェーンであるH&L スーパーマーケットのサプライチェー ン業務を受注した。
契約期間は五年 間。
CEVAは、サプライヤーから の集荷、物流センター業務、在庫管理、 店舗への配送を請け負う。
 H&LスーパーマーケットがCE VAの小売りにおけるノウハウを評 価したことが、今回の契約につながっ た。
CEVAはまた、H&L社のた めに、各店舗がインターネットを使っ て同社が管理する物流センターに発 注をかける際のインターフェースも 設計した。
米フェデックス・フレイト 燃油サーチャージ二五%値下げ ■同社プレスリリース 7・23  フェデックス傘下のフェデックス・ フレイトは七月二三日から、燃油サー チャージ(燃料費の高騰による追加 料金)を二五%引き下げた。
同社は、 北米で翌日と翌々日配達を行う近距 離の特積み業者。
これに連動して長 距離の特積み業者であるフェデック ス・ナショナルLTLも、同様の値 下げを行う。
 燃油サーチャージについては、米 国エネルギー省が発表する燃料の価 格に基づき毎週更新される。
なお、 フェデックス・エクスプレスとフェ デックス・グランドの燃油サーチャー ジについては、この特積み二社の値 下げの動きには影響を受けない。
米チームスターズ 元フェデックス社員が議会で証言 ■同労組プレスリリース 7・ 24  フェデックスの子会社フェデック ス・ホーム・デリバリーでドライバー として働いていたボブ・ウィリアム ズ氏が米議会の公聴会でフェデック スの労働条件について証言した。
 証言内容は、フェデックス・ホーム・ デリバリーが、同氏の日々の労働を フルタイム労働者のように管理しな がらも、インデペンデント・コント ラクター(一人親方)として不当に 扱っていたというもの。
 公聴会でウィリアムズ氏は「私は、 車両や燃料代、タイヤからメンテナ ンス代まですべて自腹で支払わなけ ればなりませんでした。
各種の保険 も自腹でした」と語った。
 ウィリアムズ氏は二〇〇五年に、 会社の処遇に反発したことと、組合 活動に参加したために解雇されてい る。
米国労働関係委員会(National Labor Relations Board)はウィリア ムズ氏やほかの組合関係者からの証 言を元に調査に乗り出しており、こ の八月にはフェデックス・ホーム・ デリバリーに対するヒアリングを行 う予定だ。

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