2007年9月号
特集
特集
3PL市場2007 3PL──06年第11回年次国際調査
SEPTEMBER 2007 34
3PL──06年第11回年次国際調査
することで、委託の手間やコストの合理化を図ろうと
しているものと思われる。
アウトソーシングされたロジスティクスサービス 次章で詳述するが、ロジスティクスサービスのなか でも、より現場に近い業務や単純作業ほどアウトソー シングされている。
全地域を通じてもっとも利用され ているのが輸配送(九〇%)、保管(七四%)、通関(七 〇%)フォワーディング(五四%)などである。
逆に アウトソーシングされないのは、顧客対応やIT関連、 あるいはより戦略的とみなされる分野である。
3PLプロバイダー選定時の判断基準 3PLプロバイダーを選ぶ際の判断基準として、回 答者の八七%が価格と答えており、次いで多いのが「戦 術的、オペレーション的なロジスティクスサービス」(八 五%)となっている。
あるユーザーが言うように「重 要なのはサービス内容と価格のバランス」であり、こ の二つの基準は矛盾するものではない。
他の基準に関 しては後述する。
3PLサービスへの支出 アメリカと中南米に比べ、西ヨーロッパとアジア太 平洋の3PLユーザーは、ロジスティクス関連費用全 体に占めるアウトソーシング費の割合が高い。
今後のアウトソーシングの伸びを予測するには、〇 九年から一一年のロジスティクス関連費用全体の成長 率に準じて、アウトソーシング費の成長率を予測する という方法がひとつ考えられる。
全体の成長率はアメ リカが一七%、西ヨーロッパ一七%、アジア太平洋十 二%、中南米が十三%と予想されている。
アメリカと ヨーロッパにおける〇六年の成長率は最高で一七%と されているが、残念ながら〇七年および〇八年のデー 小 売 り 7 % 図1 回答者の業界区分 ハ イ テ ク ・ 電 機 22 % 化学 7% 自動車 14% 食 品 ・ 飲 料 10 % 日用品 14% 医薬品 10% 通 信 6 % 工 業 製 造 10 % 本レポートは、今回で11 回目となる3PL 年次調査の結果をまとめたものである。
こ の調査では1996 年から2006 年にわたり、3PL ユーザーからの情報をもとに、3PL 業界 全体の状況を明らかにしてきた。
3PLを利用する業種や地域が年々広がりつづけるなか、 各年のロジスティクスと3PL 業界においてもっとも重要なトピックをとりあげている。
今年度は2006 年の春から夏にかけ、ジョージア工科大学のC・ジョン・ラングレー Jr 博士、キャップジェミニ、DHL、SAP が共同で、アメリカ・西ヨーロッパ・アジア 太平洋・中南米の各地域において利用されている3PL サービスの包括的調査を行った。
アンケートは2万1631社に送られ、うち1430社から有効回答を得た(回答率7%)。
そのうち売り上げが10 億ドル( 約1200 億円) を超える会社の割合は、アメリカが 68%、西ヨーロッパ64%、アジア太平洋48%、中南米16%となっている。
回答者の業 界別内訳は図1の通りである。
1 ロジスティクスのアウトソーシング ■■全般的トレンド 戦略的観点 昨年度と同様、回答者はロジスティクスとサプライ チェーンをきわめて重要視している。
「ロジスティクス は自社の競争・戦略上の強みとなっている」という項 目にイエスと答えた割合は、アメリカが八五%、西ヨー ロッパ八九%、アジア太平洋八八%、南米九五%に ものぼる。
3PLプロバイダーによるロジスティクス効率化 回答者はおおむね「3PLを活用することでロジス ティクスは劇的に効率化される」と考えている(アメ リカ六二%、西ヨーロッパ四八%、アジア太平洋五 二%、南米八三%)。
しかしこの結果は同時に、改善 の余地はロジスティクスの効率化という側面に限られ る、と考えられているということでもある。
契約プロバイダーの数 地域によりばらつきはある が、前回までの調査でおよ そ六五%から八〇%が一社 から五社と契約している。
図2は今回の調査で「契約 している3PLの数を絞って いく方向である」と答えた 割合を示しており、〇四年 と〇五年にも同様の結果が 得られた。
総合的なロジス ティクスサービスを提供する プロバイダーに委託先を集約 図2 3PLの数を減らしていくと答えた割合 0 20 40 60 80(%) 北アメリカ 西ヨーロッパ アジア太平洋 中南米 46 64 64 42 平均 55% 翻訳 35 SEPTEMBER 2007 3PL市場 2007 特集 タはない。
アウトソーシングの成否 回答者たちは全般的に自社のアウトソーシ ングを「うまくいっている」と自己評価して いる。
しかし今年の調査でもまた、3PLプ ロバイダーとの関係においては改善すべき分 野が多々あると強調している。
■■3PLを利用していない 回答者たちの意見 図3にあるように、3PLを利用しない理 由でもっとも多いのは「ロジスティクスは自 社のコア・コンピタンスであるから」という ものである。
この項目にイエスと回答したの は全体の三八%だが、以前の調査とくらべて 割合は増えつつある。
3PLサービス 3PLユーザーが利用しているのは、輸配 送、保管、通関といった従来型のサービスが 主である(図4)。
西ヨーロッパでは輸配送 をアウトソーシングする割合は高いが、通関 はあまり利用されていない。
これはおそらく EU域内では通関の手続きが簡略化されてい るためであろう。
比較的高度な3PLサービスの需要は相対 的に少ないが、地域により違いがある。
アメ リカで多いのは運賃請求の監査/支払いであ り、西ヨーロッパとアジア太平洋ではコンソ リデーション(混載)、ラベル貼り、リバー スロジスティクスの割合が高い。
西ヨーロッ パでリバースロジスティクスの需要が多いの は、WEEE指令(電気・電子機器の廃棄に関する 欧州議会および理事会指令)の存在が影響しているも のと思われる。
コンソリデーションに関しては、自動車・ 日用品・小売りの三業種が需要を押し上げている。
クロスドッキングのような高度なサービスの利用が それほど一般的でないのは、単なる保管といった業務 がいまだ主流であるためであろう。
また、サプライチェー ン全体のアウトソーシングという包括的なアプローチ は、さらにまれである。
複数の3PLプロバイダー間の共通性・互換性の欠 如と、同じ会社であっても地域によってサービスレベ ルが一定しないことは、依然3PLユーザーの不満と するところである。
あるユーザーは「単に規模が大き くグローバルをカバーしているだけでは十分ではない。
地域ごとの特殊事情に通じ、グローバルで一定レベル のサービスが提供できることが重要だ」と語っている。
テクノロジー 3PLのサービスとビジビリテイ(可視性)を向上 させていくうえで、テクノロジーの果たす役割は重要 性を増すばかりである。
質問にITに関する項目を正 式に加えたのは今年で二回目だが、回答者の九二%が ITの能力は3PLプロバイダーにとって欠かせない 条件だとしている。
さらに3PLプロバイダーを選ぶ 際、六〇%はITの能力を評価項目に加えている。
しかし昨年度の調査で指摘したように、ITの能力 に関する3PLユーザーの要求レベルが高くなる一方 で、実際の満足度は低くなってきており、両者の乖離 は拡がりつつある。
今回の調査では、自社が使用して いる3PLプロバイダーのITの能力に満足している のは三五%にすぎない。
これまでの調査で明らかにしてきたように、ITへ の満足度が下がりつづけていることは、ITが3PL 図3 3PLにアウトソーシングしていない回答者:3PLを利用しない理由 ロジスティクスは コア・コンピタンスだから コスト削減にならない コントロールがきかなくなる 満足のいくサービスが得られない 自分たちのほうが 専門知識を持っている ロジスティクスはとても重要なので アウトソーシングできない 会社の方針 3PLがグローバル化に 対応できていない 信頼関係が築ける相手ではない 出荷のセキュリティーに 疑問を感じる 0 10 20 30 40 50 60 38 51 30 42 31 37 26 26 29 40 19 26 20 23 15 26 20 23 19 32 17 16 22 16 16 19 15 16 9 14 15 0 7 7 15 5 5 9 4 0 (%) 全体 北アメリカ 西ヨーロッパ アジア・太平洋 図4 アウトソーシングされているロジスティクスサービス ロジスティクスのアクティビティ 90 74 70 54 47 35 34 34 33 33 19 18 14 11 10 83 74 71 55 44 28 36 27 55 26 13 21 14 12 8 95 76 59 54 50 44 40 36 22 45 20 16 10 13 9 95 77 83 66 53 36 30 48 18 33 21 16 14 6 13 90 57 65 15 35 30 18 18 17 20 30 10 19 15 10 全地域北米西 ヨーロッパ アジア・ 太平洋中南米 (%) 輸配送 保管 通関 フォワーディング コンソリデーション リバースロジスティクス (不具合、修理、返品) クロスドッキング 輸配送管理 運賃請求の監査/支払い 製品のラベル貼り、梱包、 アッセンブリ、キッティング フリート管理 3PLプロバイダーによる サプライチェーンコンサルティング オーダー入力、プロセッシング、 フルフィルメント LLP/4PLサービス カスタマーサービス 2 3 SEPTEMBER 2007 36 業界全体で継続的に取り組まなければならない課題で あることを示している。
ITの能力に対する不満はと くに二つの地域で顕著であり、過去四年間にわたるデー タがある。
〇三年、アメリカで3PLプロバイダーの IT能力に満足しているのは七五%であった。
それが 〇四年には四五%、〇五年に四〇%、そして今年は三 六%にまで低下している。
この傾向は西ヨーロッパで もみられ、〇三年に五六%あった満足度が、〇六年は 三六%になっている。
3PLプロバイダーとユーザー双方が吟味すべきこと は「この傾向は、3PLプロバイダー側の質と能力が 低下している結果なのか」、あるいは「ユーザー側の要 求レベルが加速度的に高まっているのか」、あるいは「そ の両方の要因が関係しているのか」ということである。
■■ITベースのサービス 今回の調査では、いま現在利用されているITベー スのサービスおよびユーザーが将来的に必要になると 考えているサービスについて調べた。
上位五つは、倉 庫/配送センター管理、輸配送管理(実行)、可視化 のツール(貨物追跡・トレーシング・イベント管理)、 ウェブベースのコミュニケーション、輸配送管理(計画) であった(図5)。
われわれがITベースのサービスに注目してきた四 年間、これら五つのサービスは常に上位を占めてきた。
しかし今回の調査でとくに注目すべき点は、サプライ チェーン計画(三〇%)と輸配送計画(三〇%)という、 より戦略的な分野のサービスを今後利用するとの答え が多かったことである。
これら二つのITをベースと するサービスは、サプライチェーン・ビジネス・プロ セスのなかではいっそう“川上”に近いものである。
こうした事実から考えられるのは、3PLユーザー はいままで以上に複雑で包括的なロジスティクスサー ビスを求めているということだ。
さらに今後3PLプ ロバイダーは、顧客からより高度なITベースのサー ビスを要求されるようになるだろうということを、今 回の結果は示唆している。
したがって、3PLプロバ イダーは、顧客および潜在顧客とともにこの流れに対 応していかなければならない。
また、3PLプロバイ ダーがいっそう川上に進出し、業務の統合とユーザー との協同作業を進展させるためには、まえもって両者 の役割と契約内容をきちんと決めておくことが必要だ。
■■RFIDの状況 自社の利用している3PLのサービスにRFID関 連も含まれるとしている回答者は全体の一四%。
〇五 年が十二%であったので、微増傾向である。
また、将 来的にRFIDが必要となると答えた割合は〇五年に は四七%だったが、〇六年は五六%となった。
使用率が増加(わずかずつではあるが)し今後も伸 びが期待されるということは、RFIDのハイプサイ クル(新しい技術などに対する世の中の期待値の変化) が終息しつつあるわけではないということだ。
むしろ、 サプライチェーン・マネジメントにとり、その戦略的 重要性はいっそう増すものと思われる。
RFIDの普 及と3PLへのアウトソーシング市場がいっそう拡大 するのにともない、ますますプロバイダーはユーザーか らRFIDへの対応を強く求められるようになるだろ う。
そこで問題となるのは、この技術的な要請に応え うる資金的・人的リソースがプロバイダー側にあるか どうかだ。
3PLプロバイダーとユーザー双方がリソー スを拠出しあうことによってのみ、この将来的課題は 解決しうると我々は考えている。
マネジメントとリレーションシップ これまでの調査同様、今回も3PLプロバイダーを 選ぶ際にもっとも重視する項目は価格であり、「戦術的、 オペレーション的なロジスティクスサービスの品質」が 僅差でそれに次ぐ。
しかし、3PLプロバイダーを選 ぶ次のいくつかの基準には、戦略的 vs. 戦術的オファー が含まれる。
たとえば回答者たちは、「付加価値の高 いロジスティクスサービスの品揃え」(六三%)や「グ ローバル対応」(五一%)を重要視している。
しかし これらの項目がプロバイダーとの協同作業の成功に実 際に寄与しているかという質問になると、その割合は 低下する(それぞれ三八%、三一%)。
その他いくつ かの項目も、選択時に考慮する場合には高いが、実際 の貢献度の評価では低くなる傾向がある(図7)。
この結果から次の三つの疑問が浮かぶ。
まず、3P Lユーザーが提案と見積もりを要求する項目そのもの の選択は適切か? プロバイダーに対して適切な質問 を投げかけているが、貢献度を評価するのに適切な基 図5 3PLが提供しているITサービスと今後の計画 0 20 40 60 80 100(%) 倉庫/配送センター管理 輸配送管理(実行) 可視化のツール 輸配送管理(計画) オーダー管理 コラボレーション・ツール ヤード管理 65 63 63 57 38 27 24 22 21 21 19 14 14 56 17 19 27 31 30 26 19 36 13 31 25 30 現在使っている 今後使う計画 インターネットベースの輸配送/ ロジスティクス交換(競売) サプライチェーン計画 RFID ウェブベースの コミュニケーション サプライヤー・ リレーションシップ管理 カスタマー・ リレーションシップ管理 4 37 SEPTEMBER 2007 3PL市場 2007 特集 準を用いていないのではないか? そして、プロバイ ダー選定の意思決定者が、選定後の評価プロセスに関 わっているか?──われわれがユーザーから集めた情報 によれば、その答えは“イエス、ノー、ノー”である。
これらの基準は一般的に揺るぎない決定要因であるの だが、典型的に失敗しているのは、成功の評価で使わ れる基本データと、選定がなされた後での実際のオペ レーションへの引き継ぎの両方である。
前回の調査でも指摘したように、3PLプロバイダー の選定プロセスにおいては、包括的な観点(サプライ チェーンをまるごとアウトソーシングする場合など)で 考える場合から、個々のサービス(輸配送、保管、ク ロスドッキングなど)をベースとして検討していく場 合がある。
ここで重要なことは、3PLユーザーはプ ロバイダーにサービスの豊富な品揃えを求める一方で、 先進的なプロバイダーが提供する高度なサービスには あまり関心を示さないということだ。
ユーザーは3P Lプロバイダーを利用するうえで、ユーザーとプロバイ ダー双方がより高いレベルの関係を築くことができる ようになる戦略的な決定をしなければならない──そ れこそが真のパートナーシップにつながるのである。
新興市場 今回、新たな市場としてどこが有望かという質問を した。
回答者の五三%が中国 への進出を加速させるとしてお り、いちばん多い答えだった。
ついでインドが三五%、ロシア が二三%である。
3PLのユーザー企業は、 中国においてさまざまな事業を 展開する計画をもっている(図 8)。
もっとも多い(五〇%超) のは完成品の中国への輸入、 および中国からの輸出であり、 それに僅差で続くのが第三者 への生産委託(四七%)、生産 設備の新設(四一%)となっ ている。
また、物流センター の新設(三九%)と、中国か らの原材料輸入(三六%)に も高い関心を示している。
一方、 中核事業ではないITや管理 部門を中国に移管(一〇%) したり、小売店を新設(八%) したりすることには比較的関心が薄い。
新しい市場の開拓には数多の課題が伴う。
そのため、 ロジスティクス・オペレーションを中国で展開するに あたり、3PLユーザー企業の多くは現在利用してい るプロバイダーの助けを借りようとするだろうと、我々 は考えた。
そうすれば、必ずしもロジスティクスに関 する課題を自分自身で解決しなくてもすむからだ。
こ の見通しは正しかった。
大半の回答者は中国への進出 に際して既存のプロバイダーを起用するとしており、 起用しないとの答えは一九%に満たない。
さらに、お よそ三〇%のユーザーは進出に際し、既存のプロバイ ダーを「とても頼りにしている」と答えている。
中国のサプライチェーンマネジャーの見方 今回、中国から得た回答は八二であった。
全調査対 象の場合と同じく、業界別区分でもっとも多いのがハ イテク/電機業界からの回答で、回答全体の三分の一 にあたる。
世界の他の地域同様、中国でアウトソーシ ングされるロジスティクスサービスの上位四種は輸配 送、保管、通関、フォワーディングである。
しかしそ こには興味深い違いもみられる。
たとえば輸配送はよ り多く(九七%、全体平均九〇%)、輸配送管理(五 六%、全体平均三四%)とフリート管理(三〇%、 全体平均一九%)も同様だ。
上海で開かれた我々のワー クショップでは、輸配送管理の注目すべき数字の高さ について討議された。
出席者たちの一致した見方は、 輸配送管理という言葉の意味内容に解釈の幅がありす ぎるというものだった。
おそらくそれが原因でこうした 予期しない高いスコアになったわけであり、中国の現 実を忠実に反映したものではないと思われる。
通関については、中国は他の地域に比べて明らかに 多い(八四%、全体平均七〇%)。
これには二つの要 因が挙げられる。
ひとつは、中国経済が大量の輸入 3PLサービスの価格 IT能力 グローバル対応力 図7 実際に必要だと考えられていることvs実際に貢献していること 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90(%) 必要だと考えている 実際に貢献している 図6 リレーションシップ管理に関する期待の持ち方 3PL プロバイダーに対する顧客の期待顧客に対する3PL プロバイダーの期待 サプライチェーンの革新と 改善についての知識とアドバイス 戦術的、オペレーション的な ロジスティクスサービスの品質 付加価値の高いロジスティクス サービスの品揃え 戦略的なロジスティクス サービスの可用性 85 63 63 38 41 21 87 64 60 34 51 31 49 24 両者の合意によって明確に定義された サービスレベル=客観的評価基準に基 づくこと 地域が異なれば「リレーションシップ」 がより広い意味合いを持つということ を理解している 優れたサービスを一貫したレベルで 提供する オポチュニティーを積極的に 先取りして特定する サプライチェーンと共に 進化するソリュ−ション 信頼とオープンな情報共有 地域・国・ブランドをまたいで統合さ れたオペレーションとテクノロジー 期待することについて社内で 垂直的・水平的に調整する プロバイダーを単なる“関係のある”ベ ンダーではなく真のパートナーとする 共同の戦略立案に投資する サービスの購買側に“トータルの価値” について教育する 信頼・コミュニケーション・ 柔軟性・責任感 5 SEPTEMBER 2007 38 (とくに原材料)と輸出で成り立っていること。
もう ひとつは、ワークショップでも指摘されたことだが、 関税の法律がおそろしく複雑であることだ。
出席者の ひとりはこう話す「中国でビジネスをするには、“Guan Xi =関係”を理解しなければならない。
“関係”とは コネクションや人的結びつきをいう。
ビジネスの世界 では、誰を知っていて誰とコネがあるかということを 意味する。
“関係”には多種多様なレベルがあるが、 適切な“関係”は、気が遠くなるような官僚主義の壁 を突破するのにきわめて有効だ」 税関とやりとりするには、目まぐるしく変わる法律 と中国各地の言葉に関する幅広い知識、関係各省庁 や各種団体との個人的人間関係など、特別な専門的 能力とコネが必要であるとされている。
八四%という 数字は低すぎで、実際にはもっと多くの企業がアウト ソーシングしていると、出席者たちはみている。
クロスドッキングのアウトソーシングは中国ではそれ ほど普及していない(二一%、全体平均三四%)。
そ の理由をワークショップ出席者は次のように考えてい る。
中国における3PLはまだ成熟しておらず、それ ゆえ中国全土をカバーする輸配送ネットワークは存在 しない。
また、よく整備された配送システムが必要と なるクロスドッキングのような高度なコンセプトに、I Tシステムが追いついていない現状もある。
3PL選定時、中国の回答者は価格よりも戦術的、 オペレーション的なロジスティクスサービスの品質を重 視するという結果が出た──他地域との注目すべき違 いである。
だがこれはおそらく一時的な状況であるだ ろうし、驚くべきことでもない。
ロジスティクスサービ ス全体の質が他地域と肩をならべるようになれば、や はり価格がより重要になるであろう。
価格の重要度は、回答者たちが中国の3PLプロバ イダーの成果をどう評価しているかということの反映 でもある。
他の地域では選定基準としてまず価格がき て、戦術的なサービスの品質が僅差で次ぐ。
不断の改 善努力に欠けるという評価が他の地域にくらべて多く (六〇%、全体平均四五%)、これが中国でもっとも問 題視されていることだ。
全般的に、中国の回答者は3 PLプロバイダーとのあいだに相対的に多くの問題を 抱えている。
特筆すべき問題はないと答えたのは全体 平均で十二%あるが、中国では二%に満たない。
その 他中国でとくに指摘される問題点は、プロジェクト管 理のスキル、ITの能力、グローバル化への対応である。
我々の上海ワークショップでは、人件費の低さのため に、ITを利用するようなケースが必ずしも当然のこ ととはならないとの意見が出た。
しかしながら国際的 なネットワークを構築するうえでITシステムが果た す役割は依然として大きく、サプライチェーンの起点 は中国のような新興国である場合が多い。
しかしこうした問題点を抱えつつも、中国の3PL ユーザーのプロバイダーへの満足度は、他の地域と比 べそれほど遜色がない。
ワークショップでの一致した意 見は、中国におけるサプライチェーンのビジネス環境は “大変ではあるがやりがいがある”というもので、つま り全般的に高めの数値は、こうした課題が山積してい ることをも考慮にいれた上でのものであるのだろう。
中国における3PLが比較的あたらしい産業である ことはまちがいない。
ユーザーとプロバイダー双方の学 習曲線(学習の進行過程をグラフ曲線で表したもの) は急な右肩上がりである。
中国では、オペレーション 管理の主眼は個々人の生産性と職場の人間関係に向け られており、業務の標準化やITシステムの果たす役 割は副次的なものにとどまっている。
急成長をつづけ る新興市場の労働市場は流動性が高いため、中国のプ ロバイダーにとって成功のカギとなるのは、効率的な 人材管理、人材確保となるだろう。
戦略の評価 3PL分野の成長と合併統合 ここ数年、3PL分野では数々の吸収合併や統合が 行われてきた。
主な要因は、カバーすべき地域の広がり、 サービス領域の拡大、サービス内容の専門化などであ る。
こうした合併のマーケットが引き続き盛んななか で、案件の入札や交渉のプロセスに、“戦略的”バイヤー と“投機的”バイヤーが同時に参加しているのは珍し い光景ではない。
3PL分野の企業の収益性が千差万 別であることを思えば、興味深い──意外なことでさ えある。
合併案件数が減少に転じる気配がないなか、 交渉人たちはそうした合併が戦略的・経済的に意味が あるのかどうかを吟味すべきである。
“サービス・ポートフォリオ”の提供 自分たちのサプライチェーンのニーズに合うサービス に対し、3PLユーザーは多大な関心を示している。
完成品を中国から輸入する 完成品を中国に輸出する 中国に生産設備を新設する 中国に物流センターを新設する 中国から原材料を輸入する 小売店を中国に新設する 図8 中国進出の方法として企業が計画していること 0 10 20 30 40 50 60(%) 51 51 47 41 39 36 10 8 コアでないビジネスプロセスを 中国に移管する 中国の第三者企業に生産を 委託する 6 39 SEPTEMBER 2007 3PL市場 2007 特集 調査結果によれば、それぞれの3PLプロバイダーが 提供する主要サービスのあいだには互換性・共通性が なく、サービスレベルにもばらつきがあることをユー ザーたちは理解している。
規模とカバーできる地域の 広さは大事なことだが、地域ごとの特殊性とグローバ ルサービスを結ぶ一貫したシステムも重要だ。
したがっ て、3PLに有効有益なサービス戦略を求めること、 つまりニーズに合致するようなサービス・ポートフォリ オをはっきりと提案してもらうことは、ユーザーの立 場からすれば当然の要求なのである。
“グローバル3PLプロバイダー”の登場 単独で成長するにせよ吸収合併によって規模を拡大 するにせよ、“グローバル3PLプロバイダー”として 認められることは、多くのプロバイダーにとって一つの 大きな目標である。
一方で、地域ごとのプロバイダー とそれぞれやり取りをするのは、ユーザーにとっては煩 雑以外のなにものでもない。
また、トータルコストの 抑制につながる、労働者の低賃金といった地域メリッ トを享受するための支援を、ユーザーはプロバイダー に求めている。
多地域に展開するプロバイダーにとっ て、標準化された業務プロセスと国際的に活躍する有 能なマネジャークラスの人材が重要であることはもちろ んだが、自社のサービスとその管理を地域の特性にあ わせてカスタマイズすることも大事なことである。
ユーザーは“3PL戦略”を練る必要がある 3PL活用の戦略的プランを立案することと、ロジ スティクス/サプライチェーンの計画、計測、プロセ ス評価の一環としてその“3PL戦略”をトップマネ ジメントに周知させる必要が、ユーザーの側にはある。
過去の調査でも取り上げらように、「戦略的」なサー ビスと、「オペレーション的/戦術的」なサービスのニー ズの区別への継続的な注意が絶対的に必要である。
3PLユーザーとプロバイダーの協力関係 3PLプロバイダーの多くは、従来の顧客─サプラ イヤーの関係から、真のパートナーシップへと移行す ることを目指している。
しかしそうした関係を築くには、 プロバイダーとユーザー双方がもっと積極的に関わる 必要がある。
普遍的で強力なソリューションが大事な のはいうまでもないが、ユーザーより幾分か先を見据 え、ユーザーが自らの課題を特定し、そのを解決を助 けることも、プロバイダーにとっては重要なことである。
一方ユーザー側にも、もっと歩み寄りの姿勢が必要だ。
つまり自分たちの戦略的方向性についての情報を、もっ とプロバイダーと共有すべきだということである。
目 先の利益のみを追求するのでなく、お互いが長期的視 野に立って関係を構築していく必要がある。
RFIDとIT 3PLプロバイダーはIT化を適切に進めなけれ ばならないことが、ここ数年の調査で確かめられた。
実際すでにユーザーはプロバイダーに、より高度なI Tベースのサービスを要求するようになっている。
普 及が期待されるテクノロジーのひとつがRFIDであ るが、ロジスティクスとサプライチェーンの課題に対 処するためにRFIDをどう役立てるかを模索する ことは、プロバイダーとユーザー双方にとって引き続 き課題となっている。
しかしサプライチェーンのダイ ナミクスと競合の激しさを考えると、あらゆる可能 性を試している暇はないだろう。
さらにRFIDの 開発サイクルのなかで、経済性と適用可能性の両方 がいまだ“イントロ”段階にあることも考え合わせれ ば、プロバイダーとユーザーで費用を負担し合うこと が必要である。
4PLプロバイダーというコンセプトの将来性 ロジスティクスのアウトソーシングで起こりそうな将 来のシナリオのなかで、4PLプロバイダーというコ ンセプトがそれほど特筆大書すべき位置を占めそうに もないことは、いくらか奇妙に聞こえるかもしれない。
このことは〇六年の調査で明らかになった。
ユーザー は依然として戦略的なITを駆使したサービスより、 より戦術的なサービスに重点を置いている。
3PLが バリューチェーンを売却することができない場合、こ うした傾向に対する3PLの反応は、既存のサービス を同じユーザー(あるいは他のユーザー)にさらに売 り込むというものである。
4PLプロバイダーの潜在 能力を活用できるようになるほど、3PLユーザーが、 多くの組織と地域を網羅する巨視的なサービスに重点 を置くようになるかどうかはまだわからない。
3PLが生み出すサプライチェーン・バリュー “バリュー”をめぐる議論をする場合、短期的観点 に立った意思決定と長期的観点のそれの違いをはっき り認識しなければならない。
短期でそれなりの収益を あげることに異を唱える者はだれもいないが、長期的 発展を可能にする能力を犠牲にし、短期的観点のみに もとづいた意思決定をする企業があることは残念なこ とである。
3PLのプロバイダーとユーザーがお互い の関係を深めていくにつれ、関連する三つの文脈にお いてプロバイダーをとらえていくことが重要になってく るだろう。
つまり3PLユーザーのリソースの要として、 サプライチェーン各構成員間のリンクの要として、そ してサプライチェーン統合の要として、である。
したがっ てユーザー、サプライチェーンの各構成員、サプライ チェーン全体にとり、3PLプロバイダーがどのよう なバリューを発揮しているかを、継続的に理解、評価 していく必要があるわけである。
アウトソーシングされたロジスティクスサービス 次章で詳述するが、ロジスティクスサービスのなか でも、より現場に近い業務や単純作業ほどアウトソー シングされている。
全地域を通じてもっとも利用され ているのが輸配送(九〇%)、保管(七四%)、通関(七 〇%)フォワーディング(五四%)などである。
逆に アウトソーシングされないのは、顧客対応やIT関連、 あるいはより戦略的とみなされる分野である。
3PLプロバイダー選定時の判断基準 3PLプロバイダーを選ぶ際の判断基準として、回 答者の八七%が価格と答えており、次いで多いのが「戦 術的、オペレーション的なロジスティクスサービス」(八 五%)となっている。
あるユーザーが言うように「重 要なのはサービス内容と価格のバランス」であり、こ の二つの基準は矛盾するものではない。
他の基準に関 しては後述する。
3PLサービスへの支出 アメリカと中南米に比べ、西ヨーロッパとアジア太 平洋の3PLユーザーは、ロジスティクス関連費用全 体に占めるアウトソーシング費の割合が高い。
今後のアウトソーシングの伸びを予測するには、〇 九年から一一年のロジスティクス関連費用全体の成長 率に準じて、アウトソーシング費の成長率を予測する という方法がひとつ考えられる。
全体の成長率はアメ リカが一七%、西ヨーロッパ一七%、アジア太平洋十 二%、中南米が十三%と予想されている。
アメリカと ヨーロッパにおける〇六年の成長率は最高で一七%と されているが、残念ながら〇七年および〇八年のデー 小 売 り 7 % 図1 回答者の業界区分 ハ イ テ ク ・ 電 機 22 % 化学 7% 自動車 14% 食 品 ・ 飲 料 10 % 日用品 14% 医薬品 10% 通 信 6 % 工 業 製 造 10 % 本レポートは、今回で11 回目となる3PL 年次調査の結果をまとめたものである。
こ の調査では1996 年から2006 年にわたり、3PL ユーザーからの情報をもとに、3PL 業界 全体の状況を明らかにしてきた。
3PLを利用する業種や地域が年々広がりつづけるなか、 各年のロジスティクスと3PL 業界においてもっとも重要なトピックをとりあげている。
今年度は2006 年の春から夏にかけ、ジョージア工科大学のC・ジョン・ラングレー Jr 博士、キャップジェミニ、DHL、SAP が共同で、アメリカ・西ヨーロッパ・アジア 太平洋・中南米の各地域において利用されている3PL サービスの包括的調査を行った。
アンケートは2万1631社に送られ、うち1430社から有効回答を得た(回答率7%)。
そのうち売り上げが10 億ドル( 約1200 億円) を超える会社の割合は、アメリカが 68%、西ヨーロッパ64%、アジア太平洋48%、中南米16%となっている。
回答者の業 界別内訳は図1の通りである。
1 ロジスティクスのアウトソーシング ■■全般的トレンド 戦略的観点 昨年度と同様、回答者はロジスティクスとサプライ チェーンをきわめて重要視している。
「ロジスティクス は自社の競争・戦略上の強みとなっている」という項 目にイエスと答えた割合は、アメリカが八五%、西ヨー ロッパ八九%、アジア太平洋八八%、南米九五%に ものぼる。
3PLプロバイダーによるロジスティクス効率化 回答者はおおむね「3PLを活用することでロジス ティクスは劇的に効率化される」と考えている(アメ リカ六二%、西ヨーロッパ四八%、アジア太平洋五 二%、南米八三%)。
しかしこの結果は同時に、改善 の余地はロジスティクスの効率化という側面に限られ る、と考えられているということでもある。
契約プロバイダーの数 地域によりばらつきはある が、前回までの調査でおよ そ六五%から八〇%が一社 から五社と契約している。
図2は今回の調査で「契約 している3PLの数を絞って いく方向である」と答えた 割合を示しており、〇四年 と〇五年にも同様の結果が 得られた。
総合的なロジス ティクスサービスを提供する プロバイダーに委託先を集約 図2 3PLの数を減らしていくと答えた割合 0 20 40 60 80(%) 北アメリカ 西ヨーロッパ アジア太平洋 中南米 46 64 64 42 平均 55% 翻訳 35 SEPTEMBER 2007 3PL市場 2007 特集 タはない。
アウトソーシングの成否 回答者たちは全般的に自社のアウトソーシ ングを「うまくいっている」と自己評価して いる。
しかし今年の調査でもまた、3PLプ ロバイダーとの関係においては改善すべき分 野が多々あると強調している。
■■3PLを利用していない 回答者たちの意見 図3にあるように、3PLを利用しない理 由でもっとも多いのは「ロジスティクスは自 社のコア・コンピタンスであるから」という ものである。
この項目にイエスと回答したの は全体の三八%だが、以前の調査とくらべて 割合は増えつつある。
3PLサービス 3PLユーザーが利用しているのは、輸配 送、保管、通関といった従来型のサービスが 主である(図4)。
西ヨーロッパでは輸配送 をアウトソーシングする割合は高いが、通関 はあまり利用されていない。
これはおそらく EU域内では通関の手続きが簡略化されてい るためであろう。
比較的高度な3PLサービスの需要は相対 的に少ないが、地域により違いがある。
アメ リカで多いのは運賃請求の監査/支払いであ り、西ヨーロッパとアジア太平洋ではコンソ リデーション(混載)、ラベル貼り、リバー スロジスティクスの割合が高い。
西ヨーロッ パでリバースロジスティクスの需要が多いの は、WEEE指令(電気・電子機器の廃棄に関する 欧州議会および理事会指令)の存在が影響しているも のと思われる。
コンソリデーションに関しては、自動車・ 日用品・小売りの三業種が需要を押し上げている。
クロスドッキングのような高度なサービスの利用が それほど一般的でないのは、単なる保管といった業務 がいまだ主流であるためであろう。
また、サプライチェー ン全体のアウトソーシングという包括的なアプローチ は、さらにまれである。
複数の3PLプロバイダー間の共通性・互換性の欠 如と、同じ会社であっても地域によってサービスレベ ルが一定しないことは、依然3PLユーザーの不満と するところである。
あるユーザーは「単に規模が大き くグローバルをカバーしているだけでは十分ではない。
地域ごとの特殊事情に通じ、グローバルで一定レベル のサービスが提供できることが重要だ」と語っている。
テクノロジー 3PLのサービスとビジビリテイ(可視性)を向上 させていくうえで、テクノロジーの果たす役割は重要 性を増すばかりである。
質問にITに関する項目を正 式に加えたのは今年で二回目だが、回答者の九二%が ITの能力は3PLプロバイダーにとって欠かせない 条件だとしている。
さらに3PLプロバイダーを選ぶ 際、六〇%はITの能力を評価項目に加えている。
しかし昨年度の調査で指摘したように、ITの能力 に関する3PLユーザーの要求レベルが高くなる一方 で、実際の満足度は低くなってきており、両者の乖離 は拡がりつつある。
今回の調査では、自社が使用して いる3PLプロバイダーのITの能力に満足している のは三五%にすぎない。
これまでの調査で明らかにしてきたように、ITへ の満足度が下がりつづけていることは、ITが3PL 図3 3PLにアウトソーシングしていない回答者:3PLを利用しない理由 ロジスティクスは コア・コンピタンスだから コスト削減にならない コントロールがきかなくなる 満足のいくサービスが得られない 自分たちのほうが 専門知識を持っている ロジスティクスはとても重要なので アウトソーシングできない 会社の方針 3PLがグローバル化に 対応できていない 信頼関係が築ける相手ではない 出荷のセキュリティーに 疑問を感じる 0 10 20 30 40 50 60 38 51 30 42 31 37 26 26 29 40 19 26 20 23 15 26 20 23 19 32 17 16 22 16 16 19 15 16 9 14 15 0 7 7 15 5 5 9 4 0 (%) 全体 北アメリカ 西ヨーロッパ アジア・太平洋 図4 アウトソーシングされているロジスティクスサービス ロジスティクスのアクティビティ 90 74 70 54 47 35 34 34 33 33 19 18 14 11 10 83 74 71 55 44 28 36 27 55 26 13 21 14 12 8 95 76 59 54 50 44 40 36 22 45 20 16 10 13 9 95 77 83 66 53 36 30 48 18 33 21 16 14 6 13 90 57 65 15 35 30 18 18 17 20 30 10 19 15 10 全地域北米西 ヨーロッパ アジア・ 太平洋中南米 (%) 輸配送 保管 通関 フォワーディング コンソリデーション リバースロジスティクス (不具合、修理、返品) クロスドッキング 輸配送管理 運賃請求の監査/支払い 製品のラベル貼り、梱包、 アッセンブリ、キッティング フリート管理 3PLプロバイダーによる サプライチェーンコンサルティング オーダー入力、プロセッシング、 フルフィルメント LLP/4PLサービス カスタマーサービス 2 3 SEPTEMBER 2007 36 業界全体で継続的に取り組まなければならない課題で あることを示している。
ITの能力に対する不満はと くに二つの地域で顕著であり、過去四年間にわたるデー タがある。
〇三年、アメリカで3PLプロバイダーの IT能力に満足しているのは七五%であった。
それが 〇四年には四五%、〇五年に四〇%、そして今年は三 六%にまで低下している。
この傾向は西ヨーロッパで もみられ、〇三年に五六%あった満足度が、〇六年は 三六%になっている。
3PLプロバイダーとユーザー双方が吟味すべきこと は「この傾向は、3PLプロバイダー側の質と能力が 低下している結果なのか」、あるいは「ユーザー側の要 求レベルが加速度的に高まっているのか」、あるいは「そ の両方の要因が関係しているのか」ということである。
■■ITベースのサービス 今回の調査では、いま現在利用されているITベー スのサービスおよびユーザーが将来的に必要になると 考えているサービスについて調べた。
上位五つは、倉 庫/配送センター管理、輸配送管理(実行)、可視化 のツール(貨物追跡・トレーシング・イベント管理)、 ウェブベースのコミュニケーション、輸配送管理(計画) であった(図5)。
われわれがITベースのサービスに注目してきた四 年間、これら五つのサービスは常に上位を占めてきた。
しかし今回の調査でとくに注目すべき点は、サプライ チェーン計画(三〇%)と輸配送計画(三〇%)という、 より戦略的な分野のサービスを今後利用するとの答え が多かったことである。
これら二つのITをベースと するサービスは、サプライチェーン・ビジネス・プロ セスのなかではいっそう“川上”に近いものである。
こうした事実から考えられるのは、3PLユーザー はいままで以上に複雑で包括的なロジスティクスサー ビスを求めているということだ。
さらに今後3PLプ ロバイダーは、顧客からより高度なITベースのサー ビスを要求されるようになるだろうということを、今 回の結果は示唆している。
したがって、3PLプロバ イダーは、顧客および潜在顧客とともにこの流れに対 応していかなければならない。
また、3PLプロバイ ダーがいっそう川上に進出し、業務の統合とユーザー との協同作業を進展させるためには、まえもって両者 の役割と契約内容をきちんと決めておくことが必要だ。
■■RFIDの状況 自社の利用している3PLのサービスにRFID関 連も含まれるとしている回答者は全体の一四%。
〇五 年が十二%であったので、微増傾向である。
また、将 来的にRFIDが必要となると答えた割合は〇五年に は四七%だったが、〇六年は五六%となった。
使用率が増加(わずかずつではあるが)し今後も伸 びが期待されるということは、RFIDのハイプサイ クル(新しい技術などに対する世の中の期待値の変化) が終息しつつあるわけではないということだ。
むしろ、 サプライチェーン・マネジメントにとり、その戦略的 重要性はいっそう増すものと思われる。
RFIDの普 及と3PLへのアウトソーシング市場がいっそう拡大 するのにともない、ますますプロバイダーはユーザーか らRFIDへの対応を強く求められるようになるだろ う。
そこで問題となるのは、この技術的な要請に応え うる資金的・人的リソースがプロバイダー側にあるか どうかだ。
3PLプロバイダーとユーザー双方がリソー スを拠出しあうことによってのみ、この将来的課題は 解決しうると我々は考えている。
マネジメントとリレーションシップ これまでの調査同様、今回も3PLプロバイダーを 選ぶ際にもっとも重視する項目は価格であり、「戦術的、 オペレーション的なロジスティクスサービスの品質」が 僅差でそれに次ぐ。
しかし、3PLプロバイダーを選 ぶ次のいくつかの基準には、戦略的 vs. 戦術的オファー が含まれる。
たとえば回答者たちは、「付加価値の高 いロジスティクスサービスの品揃え」(六三%)や「グ ローバル対応」(五一%)を重要視している。
しかし これらの項目がプロバイダーとの協同作業の成功に実 際に寄与しているかという質問になると、その割合は 低下する(それぞれ三八%、三一%)。
その他いくつ かの項目も、選択時に考慮する場合には高いが、実際 の貢献度の評価では低くなる傾向がある(図7)。
この結果から次の三つの疑問が浮かぶ。
まず、3P Lユーザーが提案と見積もりを要求する項目そのもの の選択は適切か? プロバイダーに対して適切な質問 を投げかけているが、貢献度を評価するのに適切な基 図5 3PLが提供しているITサービスと今後の計画 0 20 40 60 80 100(%) 倉庫/配送センター管理 輸配送管理(実行) 可視化のツール 輸配送管理(計画) オーダー管理 コラボレーション・ツール ヤード管理 65 63 63 57 38 27 24 22 21 21 19 14 14 56 17 19 27 31 30 26 19 36 13 31 25 30 現在使っている 今後使う計画 インターネットベースの輸配送/ ロジスティクス交換(競売) サプライチェーン計画 RFID ウェブベースの コミュニケーション サプライヤー・ リレーションシップ管理 カスタマー・ リレーションシップ管理 4 37 SEPTEMBER 2007 3PL市場 2007 特集 準を用いていないのではないか? そして、プロバイ ダー選定の意思決定者が、選定後の評価プロセスに関 わっているか?──われわれがユーザーから集めた情報 によれば、その答えは“イエス、ノー、ノー”である。
これらの基準は一般的に揺るぎない決定要因であるの だが、典型的に失敗しているのは、成功の評価で使わ れる基本データと、選定がなされた後での実際のオペ レーションへの引き継ぎの両方である。
前回の調査でも指摘したように、3PLプロバイダー の選定プロセスにおいては、包括的な観点(サプライ チェーンをまるごとアウトソーシングする場合など)で 考える場合から、個々のサービス(輸配送、保管、ク ロスドッキングなど)をベースとして検討していく場 合がある。
ここで重要なことは、3PLユーザーはプ ロバイダーにサービスの豊富な品揃えを求める一方で、 先進的なプロバイダーが提供する高度なサービスには あまり関心を示さないということだ。
ユーザーは3P Lプロバイダーを利用するうえで、ユーザーとプロバイ ダー双方がより高いレベルの関係を築くことができる ようになる戦略的な決定をしなければならない──そ れこそが真のパートナーシップにつながるのである。
新興市場 今回、新たな市場としてどこが有望かという質問を した。
回答者の五三%が中国 への進出を加速させるとしてお り、いちばん多い答えだった。
ついでインドが三五%、ロシア が二三%である。
3PLのユーザー企業は、 中国においてさまざまな事業を 展開する計画をもっている(図 8)。
もっとも多い(五〇%超) のは完成品の中国への輸入、 および中国からの輸出であり、 それに僅差で続くのが第三者 への生産委託(四七%)、生産 設備の新設(四一%)となっ ている。
また、物流センター の新設(三九%)と、中国か らの原材料輸入(三六%)に も高い関心を示している。
一方、 中核事業ではないITや管理 部門を中国に移管(一〇%) したり、小売店を新設(八%) したりすることには比較的関心が薄い。
新しい市場の開拓には数多の課題が伴う。
そのため、 ロジスティクス・オペレーションを中国で展開するに あたり、3PLユーザー企業の多くは現在利用してい るプロバイダーの助けを借りようとするだろうと、我々 は考えた。
そうすれば、必ずしもロジスティクスに関 する課題を自分自身で解決しなくてもすむからだ。
こ の見通しは正しかった。
大半の回答者は中国への進出 に際して既存のプロバイダーを起用するとしており、 起用しないとの答えは一九%に満たない。
さらに、お よそ三〇%のユーザーは進出に際し、既存のプロバイ ダーを「とても頼りにしている」と答えている。
中国のサプライチェーンマネジャーの見方 今回、中国から得た回答は八二であった。
全調査対 象の場合と同じく、業界別区分でもっとも多いのがハ イテク/電機業界からの回答で、回答全体の三分の一 にあたる。
世界の他の地域同様、中国でアウトソーシ ングされるロジスティクスサービスの上位四種は輸配 送、保管、通関、フォワーディングである。
しかしそ こには興味深い違いもみられる。
たとえば輸配送はよ り多く(九七%、全体平均九〇%)、輸配送管理(五 六%、全体平均三四%)とフリート管理(三〇%、 全体平均一九%)も同様だ。
上海で開かれた我々のワー クショップでは、輸配送管理の注目すべき数字の高さ について討議された。
出席者たちの一致した見方は、 輸配送管理という言葉の意味内容に解釈の幅がありす ぎるというものだった。
おそらくそれが原因でこうした 予期しない高いスコアになったわけであり、中国の現 実を忠実に反映したものではないと思われる。
通関については、中国は他の地域に比べて明らかに 多い(八四%、全体平均七〇%)。
これには二つの要 因が挙げられる。
ひとつは、中国経済が大量の輸入 3PLサービスの価格 IT能力 グローバル対応力 図7 実際に必要だと考えられていることvs実際に貢献していること 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90(%) 必要だと考えている 実際に貢献している 図6 リレーションシップ管理に関する期待の持ち方 3PL プロバイダーに対する顧客の期待顧客に対する3PL プロバイダーの期待 サプライチェーンの革新と 改善についての知識とアドバイス 戦術的、オペレーション的な ロジスティクスサービスの品質 付加価値の高いロジスティクス サービスの品揃え 戦略的なロジスティクス サービスの可用性 85 63 63 38 41 21 87 64 60 34 51 31 49 24 両者の合意によって明確に定義された サービスレベル=客観的評価基準に基 づくこと 地域が異なれば「リレーションシップ」 がより広い意味合いを持つということ を理解している 優れたサービスを一貫したレベルで 提供する オポチュニティーを積極的に 先取りして特定する サプライチェーンと共に 進化するソリュ−ション 信頼とオープンな情報共有 地域・国・ブランドをまたいで統合さ れたオペレーションとテクノロジー 期待することについて社内で 垂直的・水平的に調整する プロバイダーを単なる“関係のある”ベ ンダーではなく真のパートナーとする 共同の戦略立案に投資する サービスの購買側に“トータルの価値” について教育する 信頼・コミュニケーション・ 柔軟性・責任感 5 SEPTEMBER 2007 38 (とくに原材料)と輸出で成り立っていること。
もう ひとつは、ワークショップでも指摘されたことだが、 関税の法律がおそろしく複雑であることだ。
出席者の ひとりはこう話す「中国でビジネスをするには、“Guan Xi =関係”を理解しなければならない。
“関係”とは コネクションや人的結びつきをいう。
ビジネスの世界 では、誰を知っていて誰とコネがあるかということを 意味する。
“関係”には多種多様なレベルがあるが、 適切な“関係”は、気が遠くなるような官僚主義の壁 を突破するのにきわめて有効だ」 税関とやりとりするには、目まぐるしく変わる法律 と中国各地の言葉に関する幅広い知識、関係各省庁 や各種団体との個人的人間関係など、特別な専門的 能力とコネが必要であるとされている。
八四%という 数字は低すぎで、実際にはもっと多くの企業がアウト ソーシングしていると、出席者たちはみている。
クロスドッキングのアウトソーシングは中国ではそれ ほど普及していない(二一%、全体平均三四%)。
そ の理由をワークショップ出席者は次のように考えてい る。
中国における3PLはまだ成熟しておらず、それ ゆえ中国全土をカバーする輸配送ネットワークは存在 しない。
また、よく整備された配送システムが必要と なるクロスドッキングのような高度なコンセプトに、I Tシステムが追いついていない現状もある。
3PL選定時、中国の回答者は価格よりも戦術的、 オペレーション的なロジスティクスサービスの品質を重 視するという結果が出た──他地域との注目すべき違 いである。
だがこれはおそらく一時的な状況であるだ ろうし、驚くべきことでもない。
ロジスティクスサービ ス全体の質が他地域と肩をならべるようになれば、や はり価格がより重要になるであろう。
価格の重要度は、回答者たちが中国の3PLプロバ イダーの成果をどう評価しているかということの反映 でもある。
他の地域では選定基準としてまず価格がき て、戦術的なサービスの品質が僅差で次ぐ。
不断の改 善努力に欠けるという評価が他の地域にくらべて多く (六〇%、全体平均四五%)、これが中国でもっとも問 題視されていることだ。
全般的に、中国の回答者は3 PLプロバイダーとのあいだに相対的に多くの問題を 抱えている。
特筆すべき問題はないと答えたのは全体 平均で十二%あるが、中国では二%に満たない。
その 他中国でとくに指摘される問題点は、プロジェクト管 理のスキル、ITの能力、グローバル化への対応である。
我々の上海ワークショップでは、人件費の低さのため に、ITを利用するようなケースが必ずしも当然のこ ととはならないとの意見が出た。
しかしながら国際的 なネットワークを構築するうえでITシステムが果た す役割は依然として大きく、サプライチェーンの起点 は中国のような新興国である場合が多い。
しかしこうした問題点を抱えつつも、中国の3PL ユーザーのプロバイダーへの満足度は、他の地域と比 べそれほど遜色がない。
ワークショップでの一致した意 見は、中国におけるサプライチェーンのビジネス環境は “大変ではあるがやりがいがある”というもので、つま り全般的に高めの数値は、こうした課題が山積してい ることをも考慮にいれた上でのものであるのだろう。
中国における3PLが比較的あたらしい産業である ことはまちがいない。
ユーザーとプロバイダー双方の学 習曲線(学習の進行過程をグラフ曲線で表したもの) は急な右肩上がりである。
中国では、オペレーション 管理の主眼は個々人の生産性と職場の人間関係に向け られており、業務の標準化やITシステムの果たす役 割は副次的なものにとどまっている。
急成長をつづけ る新興市場の労働市場は流動性が高いため、中国のプ ロバイダーにとって成功のカギとなるのは、効率的な 人材管理、人材確保となるだろう。
戦略の評価 3PL分野の成長と合併統合 ここ数年、3PL分野では数々の吸収合併や統合が 行われてきた。
主な要因は、カバーすべき地域の広がり、 サービス領域の拡大、サービス内容の専門化などであ る。
こうした合併のマーケットが引き続き盛んななか で、案件の入札や交渉のプロセスに、“戦略的”バイヤー と“投機的”バイヤーが同時に参加しているのは珍し い光景ではない。
3PL分野の企業の収益性が千差万 別であることを思えば、興味深い──意外なことでさ えある。
合併案件数が減少に転じる気配がないなか、 交渉人たちはそうした合併が戦略的・経済的に意味が あるのかどうかを吟味すべきである。
“サービス・ポートフォリオ”の提供 自分たちのサプライチェーンのニーズに合うサービス に対し、3PLユーザーは多大な関心を示している。
完成品を中国から輸入する 完成品を中国に輸出する 中国に生産設備を新設する 中国に物流センターを新設する 中国から原材料を輸入する 小売店を中国に新設する 図8 中国進出の方法として企業が計画していること 0 10 20 30 40 50 60(%) 51 51 47 41 39 36 10 8 コアでないビジネスプロセスを 中国に移管する 中国の第三者企業に生産を 委託する 6 39 SEPTEMBER 2007 3PL市場 2007 特集 調査結果によれば、それぞれの3PLプロバイダーが 提供する主要サービスのあいだには互換性・共通性が なく、サービスレベルにもばらつきがあることをユー ザーたちは理解している。
規模とカバーできる地域の 広さは大事なことだが、地域ごとの特殊性とグローバ ルサービスを結ぶ一貫したシステムも重要だ。
したがっ て、3PLに有効有益なサービス戦略を求めること、 つまりニーズに合致するようなサービス・ポートフォリ オをはっきりと提案してもらうことは、ユーザーの立 場からすれば当然の要求なのである。
“グローバル3PLプロバイダー”の登場 単独で成長するにせよ吸収合併によって規模を拡大 するにせよ、“グローバル3PLプロバイダー”として 認められることは、多くのプロバイダーにとって一つの 大きな目標である。
一方で、地域ごとのプロバイダー とそれぞれやり取りをするのは、ユーザーにとっては煩 雑以外のなにものでもない。
また、トータルコストの 抑制につながる、労働者の低賃金といった地域メリッ トを享受するための支援を、ユーザーはプロバイダー に求めている。
多地域に展開するプロバイダーにとっ て、標準化された業務プロセスと国際的に活躍する有 能なマネジャークラスの人材が重要であることはもちろ んだが、自社のサービスとその管理を地域の特性にあ わせてカスタマイズすることも大事なことである。
ユーザーは“3PL戦略”を練る必要がある 3PL活用の戦略的プランを立案することと、ロジ スティクス/サプライチェーンの計画、計測、プロセ ス評価の一環としてその“3PL戦略”をトップマネ ジメントに周知させる必要が、ユーザーの側にはある。
過去の調査でも取り上げらように、「戦略的」なサー ビスと、「オペレーション的/戦術的」なサービスのニー ズの区別への継続的な注意が絶対的に必要である。
3PLユーザーとプロバイダーの協力関係 3PLプロバイダーの多くは、従来の顧客─サプラ イヤーの関係から、真のパートナーシップへと移行す ることを目指している。
しかしそうした関係を築くには、 プロバイダーとユーザー双方がもっと積極的に関わる 必要がある。
普遍的で強力なソリューションが大事な のはいうまでもないが、ユーザーより幾分か先を見据 え、ユーザーが自らの課題を特定し、そのを解決を助 けることも、プロバイダーにとっては重要なことである。
一方ユーザー側にも、もっと歩み寄りの姿勢が必要だ。
つまり自分たちの戦略的方向性についての情報を、もっ とプロバイダーと共有すべきだということである。
目 先の利益のみを追求するのでなく、お互いが長期的視 野に立って関係を構築していく必要がある。
RFIDとIT 3PLプロバイダーはIT化を適切に進めなけれ ばならないことが、ここ数年の調査で確かめられた。
実際すでにユーザーはプロバイダーに、より高度なI Tベースのサービスを要求するようになっている。
普 及が期待されるテクノロジーのひとつがRFIDであ るが、ロジスティクスとサプライチェーンの課題に対 処するためにRFIDをどう役立てるかを模索する ことは、プロバイダーとユーザー双方にとって引き続 き課題となっている。
しかしサプライチェーンのダイ ナミクスと競合の激しさを考えると、あらゆる可能 性を試している暇はないだろう。
さらにRFIDの 開発サイクルのなかで、経済性と適用可能性の両方 がいまだ“イントロ”段階にあることも考え合わせれ ば、プロバイダーとユーザーで費用を負担し合うこと が必要である。
4PLプロバイダーというコンセプトの将来性 ロジスティクスのアウトソーシングで起こりそうな将 来のシナリオのなかで、4PLプロバイダーというコ ンセプトがそれほど特筆大書すべき位置を占めそうに もないことは、いくらか奇妙に聞こえるかもしれない。
このことは〇六年の調査で明らかになった。
ユーザー は依然として戦略的なITを駆使したサービスより、 より戦術的なサービスに重点を置いている。
3PLが バリューチェーンを売却することができない場合、こ うした傾向に対する3PLの反応は、既存のサービス を同じユーザー(あるいは他のユーザー)にさらに売 り込むというものである。
4PLプロバイダーの潜在 能力を活用できるようになるほど、3PLユーザーが、 多くの組織と地域を網羅する巨視的なサービスに重点 を置くようになるかどうかはまだわからない。
3PLが生み出すサプライチェーン・バリュー “バリュー”をめぐる議論をする場合、短期的観点 に立った意思決定と長期的観点のそれの違いをはっき り認識しなければならない。
短期でそれなりの収益を あげることに異を唱える者はだれもいないが、長期的 発展を可能にする能力を犠牲にし、短期的観点のみに もとづいた意思決定をする企業があることは残念なこ とである。
3PLのプロバイダーとユーザーがお互い の関係を深めていくにつれ、関連する三つの文脈にお いてプロバイダーをとらえていくことが重要になってく るだろう。
つまり3PLユーザーのリソースの要として、 サプライチェーン各構成員間のリンクの要として、そ してサプライチェーン統合の要として、である。
したがっ てユーザー、サプライチェーンの各構成員、サプライ チェーン全体にとり、3PLプロバイダーがどのよう なバリューを発揮しているかを、継続的に理解、評価 していく必要があるわけである。
