2008年4月号
特集

トラック運賃2008 求車求貨市場の相場観

求車求貨市場の相場観 APRIL 2008  24 第4 部 法令順守で運賃改善へ  スポット運賃相場は二年前と比べ、地 域間と時期よる格差が広がってきた。
 中部地区は、五〜六年前にいったん運 賃が落ちてきたが、ここ二年は自動車関 連産業が伸びていることもあり、再び上 向きつつある。
九州地区は、自動車産 業や、IT関連製品の製造拠点が続々 と移転している。
そのため、以前はあま り活発でなかった中部、関西圏から九州 地区へのトラックのニーズが増えている。
 関東地区は全国各地から空車が集まり やすく、帰り便の希少価値があまりない。
この地域の特徴として普段は過剰気味に 空車が集まり、繁忙期になると極端に空 車情報が少なくなる。
両期間をおしなべ てみると、繁忙期に比べると閑散期の方 が長く、運賃は徐々に下がりつつある。
 時期による格差は、三月末、九月末、 十二月末の繁忙期に運賃は高騰する。
こ の月は空車情報が極端に少なくなる。
運 送会社が体力を考え、車両の保有台数 を減らしていることも影響しているので はないか。
この状況は以前に比べ悪化し ている。
 今後運賃は上がっていくだろう。
燃料 サーチャージの影響や、コンプライアン スに対する行政の指導が厳しくなってい ることが、その理由だ。
すぐにではない が、運送会社の淘汰の過程を経て上がっ ていくと思う。
 燃油高騰は運送会社が吸収できないと ころまできている。
高騰する軽油を避け、 天然ガスなど代替の燃料を上手に活用で きるようになればいいが、まだ難しい。
 荷主の物流費の原資は決まっている。
当社としてはできるだけ低コストで運べ るよう配車している。
必要なコストは荷 主に負担してもらうしかないが、原材料 費が上がり、製品値上げに踏み切るメー カーが多い中、運賃を上げてくれと運送 会社の方から言い出しにくい状況が続い ている。
(談) Neo ACTION──富士ロジテック ■稼働時期─一九八二年 ■事業売上高 三二億円(直近) ■平均成約件数 月約五〇〇〇件 ■利用社数 運送会社約三〇〇〇社、荷主 企業約一〇〇〇社 ■マッチング方法─荷主の貨物情報を基に、 配車マンが「Neo ACTION」というシス テムを使い、運送会社を選定する。
同シス テムは、過去の空車状況や支払い運賃な ど取引実績を基に、成約に結びつきそう な運送会社を検索することができる。
支 払い運賃は荷主が提示するが、富士ロジ テックが見積もりとして提示することも ある。
成約手数料は決まっていない。
荷 主から提示された運賃と、運送会社に支 払う運賃の差額が、富士ロジテックの収益 となる。
■特徴─求車求貨ビジネスで二〇年以上の 実績を持つ老舗。
本業は倉庫業で、運送 業者を熟知していることが、配車時の強 みとなっている。
荷主の入会条件は特に ない。
運送会社は車両台数や空車情報を 確認し、保険に入っていることが前提。
「運送業者の負担は増える 一方」と富士ロジテックの 大賀卓也運輸部部長はい う Neo ACTION 富士ロジテック 大賀卓也運輸部部長 ローカルネット 日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会 当麻保事務局長 WebKIT 日本貨物運送協同組合連合会 助川利信キット事業部部長 統合配車システム サントリーロジスティクス 野原浩敬営業二部部長 トラボックスネット トラボックス 吉岡泰一郎社長 物流情報サービス事業 トランコム 玉木慎一物流情報サービスグループ事業開発ブロックマネージャー 共同輸配送支援サービス SCM共同ネット研究所 鈴木公社長(エス・アイ・ネット)  求車求貨システムは、帰り荷を探すトラックに荷物を斡旋すること で、車両効率をアップさせる仕組みだ。
スポット運賃はその時々の市 場の相場で動く。
そのため、一般的に繁忙期といわれる年末には運賃 は上がり、閑散期には下がる傾向にある。
繁忙期と閑散期を平準化し て一律の価格で決定する常用トラック運賃との違いだ。
燃料費、人件 費などコスト増となる要因が増えている中、今後スポット運賃はどの ように推移していくのか。
求車求貨市場のキーマンたちが解説する。
(柴山高宏) 25  APRIL 2008 運賃は下げ止まり状態継続か  二〇〇六年三月から〇八年三月のス ポット運賃の相場動向はほとんど横ばい で推移している。
二年前と比べ、原油 価格、人件費ともに上昇しており、運 賃は限界に近づきつつある。
 季節による波動は多少あるが、繁忙 期だろうと閑散期だろうと、運賃はほ ぼ変わらない。
スポット運賃は最終的に は荷物と空車の需給バランスで価格が決 まる。
確かに十二月など、車両数が少 ない時期に運賃が多少上がることはある が、それは一時的なものに過ぎない。
こ の傾向は今も昔も変わらない。
荷主の出 荷調整により、繁忙期と閑散期のアンバ ランスは年々改善している。
 地域別の相場動向として、仙台、大 阪、名古屋にある当社の営業拠点を調べ たが、変化はほとんど見られなかった。
 ETCを導入することで、深夜や早 朝の高速道路の通行料が割り引かれるよ うになったが、相場動向には変化が見ら れなかった。
よってETCの通行料割引 とスポット運賃には連動性がなく、両者 は別問題だと考えている。
 今後もスポット運賃は、横ばいで推移 していくと思う。
ただ、運賃は下げ止ま っており、これ以上下がることはないだ ろう。
 運送会社の淘汰が進まない限り、今 後もスポット運賃が上昇することはない。
運賃は、本当にこれ以上下げることがで きないとなった時、初めて上がる。
仮に 荷主が運賃の値上げに応じてくれたとし ても、他の運送会社が自社より安い運賃 を設定すれば、結局その値段に合わせざ るを得ない。
運送会社の足並みが揃って おらず、安値でトラックを動かす会社が 存在する限り、運賃は上がらないだろう。
 燃料サーチャージ問題により、今年の 夏以降、段階的に現在より二、三%程 度上がるかもしれないが、あくまで希望 的観測だ。
実際は、来年も現状を維持 し続ける可能性が高いだろう。
(談) 物流情報サービス事業──トランコム ■稼働開期─一九八二年 ■事業売上高─二九四億円(直近) ■平均成約件数─一日約二四〇〇件 ■利用社数─運送会社、荷主計約九〇〇〇 社 ■マッチング方法─電話で行う。
アジャスタ ーと呼ぶ配車マンが「COMPASS」 というシステムを用い、登録された空車情 報の中から運送会社を選定する。
運賃は 荷主から提示された価格を基に、運送会 社と交渉して決める。
成約時には手数料 として、運賃の約一〇%を徴収する。
■特徴─五五年創業の地場の配送会社、愛 知小型運輸が前身。
インターネット掲示板 のような形式での求車求貨システムも検討 したが、輸送条件など顧客の細かいニー ズに対応するため、現在も顧客とのイン ターフェースに電話を用いている。
アジャ スターが利用するCOMPASSは成約 率のさらなる向上、マッチングの迅速化を 図るため、現在リニューアル中だ。
会費は とっていない。
荷主は現状を理解すべき  この二年間でスポット運賃の相場は、 ほんの数%だが下がっている。
燃料費は 上昇し続けているが、運賃に転嫁できて いない。
窮状を行政などに訴えているが、 いまだ運賃には反映されていない。
運送 会社は燃料費高騰分を人件費を削減す るなどして、内部で吸収している。
 運送会社は荷主と運賃交渉をしたく ても、「おたくはもう結構。
運送業者は たくさんいるので、他のところに変えま すよ」と言われるのではないかと怖じ気 づいてしまい、結局断念してしまう。
 荷主は運送業界のこの現状を理解して いない。
あるいは関心がない。
しかし、 燃料費高騰の問題は、運送会社だけで なく荷主含め全体で話し合わないといけ ない。
強い立場の荷主側から話がない限 り、市場は正常化しない。
 ローカルネットは取引高が上がり続け ており、今期は五七〇億円を見込んで いる。
目標は一〇〇〇億円だ。
求車求 貨ビジネスは既に市場で確固たる地位を 築いている。
大手メーカーなどの荷主 は、運送業者がこのようなシステムを利 用し、空車をなくし効率的な運行を行う よう努力している現状を知ってほしい。
 しかし今後、運賃が今以上に下がるこ とはないだろう。
希望としては上がって もらいたいし、上がらなければ困る。
二 〇%とまではいかないでも、五%でも いいからあげてほしい。
それが運送会社 の願いだ。
 燃料サーチャージ制は、船、航空業界 では導入の動きが進んでいるようだが、 トラック業界は今後の動向をみないとわ からない。
運賃の概念が消費者を含め、 世の中に浸透していないのも問題だ。
製 品に製造原価があることはわかっている が、運賃も製品価格に含まれているもの と認識している。
物流サービスにも、費 用がかかっていることを認知してもらい たい。
(談) ローカルネット──日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会 ■稼働時期─一九九〇年 ■事業売上高─五三〇億円(直近) ■平均成約件数─月約三万三〇〇〇件、年 約四〇万件 ■利用社数─実運送業者約一六三〇社(組 合数一二〇) ■マッチング方法─実運送業者はインターネ ット掲示板の求車情報を見て、元請け業 者に直接電話をして交渉する。
運賃精算 は実運送業者の所属する協同組合を通し て行う。
元請け業者は、組合に運賃を支 払い、実運送業者は組合を通じて運賃を 受け取る。
手数料は元請け業者が、成約 運賃の五%を日本ローカルネット協同組 合連合会(以下、JL連合会)に支払う。
■特徴─既存の求車求貨システムに満足し ない中小の実運送業者が共同出資で設立 した。
入会の条件は「ローカルネット」を 利用できる組合に加盟する実運送業者で あること。
加盟組合の約三分の二は、ロ ーカルネットを利用するために新設され た。
会費は組合が月三万五〇〇〇円、組 合員は五五〇〇円を支払う。
「運送業者の意見は十分に 反映している」とJL連 合会の当麻保事務局長は 胸を張る 「物流情報サービス事業はま だまだ伸びる」とトランコ ムの玉木慎一物流情報サー ビスグループ事業開発ブ ロックマネージャーはいう APRIL 2008  26 建築基準法改正で輸送需要減少  ここ二年のスポット運賃相場は、概ね 横ばいで推移している。
例年、五〜六月 は閑散期で輸送需要が減り、運賃もわず かに下がる。
一〇〜十二月と年末の繁忙 期には需要が増え、運賃は上昇していく。
しかし、昨年は例年と異なる傾向がみら れた。
この年は一〇〜十一月に輸送需 要が低下し、運賃も下がった。
これは改 正建築基準法が六月に施行され、建築 確認審査が厳格化したことで、住宅の 新規着工数が対前年比で四四%と、大 幅に落ち込んだことが要因だと思う。
 住宅関連資材は裾野が非常に広い。
セ メントや鉄などの建築資材から、じゅう たんやカーテンといった家具類、自動車 などさまざまなものが動く。
新規着工数 が減ったことで、住宅関連資材の輸送が 減ったことが、運賃にも響いているので はないか。
だが、十二月には運賃は例年 通り上昇した。
 スポット運賃は地域によっても異なり をみせる。
首都圏全域、中部地方では 愛知県と、三重県と静岡県の一部、近 畿圏では大阪府と兵庫県神戸市の一部 は輸送需要があり、スポット運賃も高い。
 九州では北九州市は輸送需要、運賃と もに高いが、他の県は低い。
東北地方・ 北海道は福島県の一部を除き、輸送需 要も運賃も低い。
 今後のスポット運賃は、希望的意味合 いも含め、上がっていくと思う。
原因 としては燃料サーチャージが挙げられる。
この問題が荷主に浸透してきているの で、サーチャージ分が運賃に転嫁されれ ば、数%に留まるが、上昇していくだ ろう。
   運送事業者数は増えているが、一社当 たりの保有車両台数が減っているため、 車両数はほぼ併行線だ。
大手運送会社 にも車両を手放す動きがみられる。
空車 による生産性の悪化を懸念し、長距離を 走ることが難しくなっている。
WebKIT──日本貨物運送協同組合連合会 ■稼働時期─一九九一年 ■事業売上高─把握していない ■成約件数─約六万件(二〇〇六年度) ■利用社数─運送会社一四九五社(一四八 組合) ■マッチング方法─インターネット掲示板を 介して、運送会社と荷主が直接電話で交 渉する。
運賃精算は荷主、運送会社とも に所属する協同組合を通して行う。
運送 会社は組合を通じて、荷主の所属する組合 に運賃を請求。
荷主は組合を通じて、運 送会社の所属する組合に支払う。
成約手 数料は運送会社、荷主ともに運賃の五% 以内を、日本貨物協同組合連合会(以下、 日貨協連)に、組合を通じて支払う。
■特徴─中小の運送会社向けに、全日本ト ラック協会(以下、全ト協)がシステムを 開発し、日貨協連が運営している。
運送 業者の入会条件は、全ト協の会員である ことが前提条件で、さらに所属する組合 が「WebKIT」に参加、利用していること。
荷主は会員には加われないが、協同組合 に参加していることが利用条件となる。
運賃はサービス価値で決まるべき  スポット運賃はこの二年間ほとんど変 化が見られなかった。
季節的な要因とし て、三月と十二月には多少上がるが、概 ね横ばいで推移している。
 今後のスポット運賃は微増を続けてい くだろう。
軽油の価格高騰もあるが、そ れ以上に人材確保の問題が大きい。
優れ た人材を確保するためには、それなりの 賃金はどうしても必要になる。
どんなに 会社が好きだからといっても、同じ仕事 で賃金に格差があれば、当然高い方に流 れていく。
そのためには、ある程度の運 賃をとらないといけない。
 燃料サーチャージは、荷主との交渉材 料としてとてもわかりやすいと思う。
し かし、これが契機となり、将来的な運 賃の上げ下げにつながるかはわからない。
単に燃料の価格が上がったから運賃を上 げろと交渉するのではダメだ。
それでは 今後燃料の価格が下がるようなことがあ れば、運賃を下げろといわれてしまう。
 運送会社は収益的に厳しくなってい る。
淘汰が進み、運送会社が減少すれ ば、需要と供給の関係で運賃が上がるだ ろう。
しかし、そうではなく、物流の 持つサービスの価値が評価されて運賃が 決まってほしいものだ。
 運送会社は荷主に対し、立場上弱い ところがあるため、必要な運賃交渉がで きていないのではないか。
自分たちのサ ービスにもっと誇りを持って荷主と折衝 してもらいたい。
荷主に対し、当社のサ ービスはこの運賃では提供できないと主 張する運送会社も出てきている。
 A地点からB地点まできっちり運ぶこ とは大切だが、そこにどれだけ付加価値 をつけることができるかが重要だ。
『当 社のサービスは他社と違い、このような 特徴がある。
だから価格はこうなる』と いったように、荷主に対し提案していく ことができるようになれば、運賃は自ず と上昇していく。
(談) トラボックスネット──トラボックス ■稼働時期─一九九九年 ■事業売上高─一億三〇〇〇万円(直近) ■平均成約件数─把握していない ■利用社数─運送会社約五二〇〇社、荷主 企業約六八〇〇社 ■マッチング方法─インターネット掲示板を 介して、運送会社と荷主が電話で直接交 渉する。
また、運送会社は事前に運行希 望地域を登録しておくと、該当エリアの 求車情報が発生したとき、リアルタイムで パソコンや携帯電話にメールを送信する機 能もある。
会員ページにログインしなくて も求車情報を確認できるため、掲示板よ り利用率が高い。
成約手数料はとってい ない。
■特徴─足立区の運送会社の二代目経営者 二人がサイトを開設した。
運送会社の会 費は月六三〇〇円で、荷主は無料だ。
入 会審査はなく、誰でも入ることができる。
入会の敷居を低くしたことで、会員数は わずか一年で一三〇〇社になった。
その後 も順調に増え続け、今年三月一八日、会 員数は一万二〇〇〇社を突破した。
「低コストで利用できるの も人気の理由」と日貨協 連の助川利信キット事業部 部長はいう 「創業者が運送会社のニー ズを熟知していることも 当社の強み」とトラボック スの吉岡泰一郎社長はい う 27  APRIL 2008 運賃は二年で約一五%低下  スポット運賃はここ二年で〇六年三月 比一〇〜一五%程度下がった。
いきな りガクンと落ち込むのではなく、段階を 踏んで下がっている。
現在のところ運賃 が上がるような兆しはみられない。
今後、 さらに運賃は落ち込み、〇六年度比二〇 %近くまで下がるのではないか。
このギ リギリの状態をしばらく維持すると思う。
 燃費、人件費などの諸経費が上がり、 その運賃で運ぶのは難しいと頭を抱える 運送業者が増えている。
そういう業者ほ ど運行時の安全管理など、コンプライア ンスをきちっと守ってくれる傾向にある。
 極端に安い運賃を提示されてものんで しまうようなところは、コンプライアン スをあまり意識せず、軽視しているよう な業者だ。
安さしか売りがないような業 者がダンピング合戦を行ったことが、運 賃が下がった原因の一つだ。
 当社の「統合配車システム」は一般的 な求車求貨システムとは一線を画してい る。
まず、運送業者を三〇社に厳選し ている。
ドライバーへの安全指導、コン プライアンスのしっかり行き届いた業者 にのみ配車をしている。
さらに、完全配 車保証制度をしいている。
引き受けた貨 物は必ず配車して運ぶ。
成約率は一〇〇 %だ。
協力してもらっている三〇社には ある程度車両を確保してもらい、そのか わり安定的に配車している。
 燃料費はまさかここまで高騰するとは 思っていなかった。
歯止めがきかない状 態だ。
荷主には、燃料高騰分を運送業 者に対して支払うのが義務だという声が 徐々に浸透し始めている。
荷主、運送業 者がお互いに折半し、助け合うという考 え方だ。
しかしこれはあくまで変動費で、 燃費が下がればなくなってしまう。
運賃 の固定額を上げようとするよりも、ただ 運ぶだけじゃなく、安全性や環境面での 配慮など、そこに付加価値を付けていく。
運送会社の挑戦しどころだ。
(談) 物統合配車システム──サントリーロジスティクス ■稼働時期─一九九七年 ■事業売上高─一四〇億円(直近) ■平均成約件数─一日約一二〇〇件 ■利用社数─運送会社三〇社 ■マッチング方法─サントリーグループから、 一日三万件近い貨物情報が入ってくる。
そ れを配車マンが協力運送会社三〇社すべ ての空車情報をプールした「統合配車シス テム」でマッチングする。
同システムは自 動で最適な運行ルートを設定し、しかも 積載率を限りなく一〇〇%に近付け、労 働時間などのコンプライアンス面にも配慮 した上で配車する。
運賃は、トンキロベー スで全国一律で決定する。
■特徴─サントリーグループの飲料、食品の 輸送効率化を図ることがコンセプト。
工 場〜倉庫間といった拠点間輸送に特化し、 車種も大型車に限定している。
二〇〇三 年頃から、他社の荷物も扱い始めた。
現 在、グループ内荷物と他社の比率は九対 一。
このシステムの導入で、サントリーは 二〇%弱の車両台数を削減し、物流コス トを年間五億円削減することに成功した。
車両規制厳格化で管理コスト増  〇六年三月から〇八年三月のスポッ ト運賃の相場動向に関して、会員企業に アンケート調査を行ったところ、ほぼ変 動なく推移したという意見と、多少だが 上昇に転じたという意見がみられた。
 今後のスポット運賃の相場動向は、安 価な運賃で請け負う運送業者が減ってい く傾向であることは間違いない。
結果、 求車求貨の需給バランスが大幅に崩れた 時、スポット運賃は大幅に増加していく と思う。
 また、国の運行管理体制が大変厳しく なっている。
来年一月一日から、大阪府 で車両規制が行われ、自動車NOX・P M法で義務付けられた窒素酸化物、粒 子状物質が少ない車両を使用しなければ ならない。
これによって、古い車両が乗 り入れできなくなる。
この規制は、順次 全国に広がっていくだろう。
そうなると、 車両の減価償却をキチンと行っていく必 要が出てくるので、現状のように古い償 却の終わったトラックを使うことが難し くなってくることが予想される。
運送業 者の車両管理コストは上がり、運賃の値 上げのできない会社は、いずれ淘汰され ていくだろう。
 当研究所では、昨年「共同物流プロ ジェクト」を立ち上げ、同年一〇月に共 同物流や求車求貨サービスの全国展開を 行う「共同輸配送支援サービス」を始め た。
今までは“ヒューマンネット”とし て、会員企業間がシステムを介さず直接 求車求貨などの交渉を行ってきた。
しか し、会員数が全国規模で増加したことに 伴い、荷物も増えてきた。
同研究所が 中心となって、荷主からの求車情報を登 録し、データベースとしてまとめること で、運送業者の業務効率や空車削減に つなげようと動き出した。
 他の求車求貨システムとの違いは、荷 主一社に対し、複数の中小運送会社が 共同でプレゼンテーションを行うことだ。
中小運送会社は営業力が弱いといわれる が、幹線、地場配送など、それぞれ得 意とする分野の運送会社同士が集まるこ とで、荷主に対する提案力を強化する。
(談) 共同輸配送支援サービス──SCM共同ネット研究所 ■稼働時期─二〇〇七年一〇月 ■利用社数─荷主五〇社、運送会社二〇〇 社 ■特徴─SCM共同ネット研究所は、物流 会社の営業力強化を目的に、〇三年に二〇 社前後で発足した。
現在の会員数は、一 般会員として物流会社二〇〇社、特別会 員としてメーカー、小売業、IT企業な どの荷主企業五〇社で構成している。
特 別会員には、車両のリースを行う住友三 井オートサービス、物流施設のイーソーコ、 豊田自動織機といったさまざまな会員が いて、会員企業に物流関連サービスを提 供している。
入会金は月五〇〇〇円。
入 会条件は設けていない。
敷居を低くする ことで会員数を増やし、情報量を増やす ことが狙いだ。
「サントリーグループの荷物 だけでは効率化に限界が あった」と野原浩敬営業 二部部長はいう 「ただの求車求貨とは違う」 と、SCM共同ネット研究 所の事務局会社、エス・アイ・ ネットの鈴木社長はいう

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