2008年10月号
NEWS

海外トレンド報告

OCTOBER 2008  64 2008年8月発表分 米CHロビンソン カナダのフォワーダー買収 ■同社プレスリリース 8・4  米国の3PL大手CHロビンソ ン・ワールドワイドは、トランセラ・ インターナショナル・ホールディング ス( Transera:本社=カナダ・カル ガリー)が所有するフォワーディン グ会社を買収した。
買収金額は公表 していない。
 トランセラは一九八五年創業の 未上場企業。
直近の売上高は一億 二五〇〇万ドル(一三六億二五〇 〇万円)、従業員は一〇七人。
カナ ダ国内のほか、ドバイ、シンガポー ル、米国などに八カ所の拠点を構え る。
石油産業やガス産業などを中心 に多くの荷主を抱えているという。
英TDG ケロッグのセンター業務を受注 ■トランスポート・インテリジェンス 8・4など  英国の3PL業者TDGは、食 品メーカーのケロッグから英国国内 の物流センター業務を受託した。
年 間の取引額は一一〇〇万ポンド(二 一億二三〇〇万円)、契約期間は五 年間。
 ケロッグはこれまで二都市に分散 していた在庫を工場を置くマンチェ スターに集約し、工場〜物流センタ ー間の輸送を削減する。
 ケロッグはシリアルを中心とする 食品の物流センターを、マンチェス ターに加えてウォリントンに置いて いた。
このウォリントン・センター をマンチェスターの既存センターの 近隣に移転する。
工場とウォリント ン・センター間のシャトル便は年間 十一万便に上っていた。
 TDGは業務の受託に当たり、マ ンチェスターの既存センター(三三 万平方フィート〈三万六五八平方メ ートル〉)をケロッグから取得。
併 せて、三一万一〇〇〇平方フィー ト(二万八八九二平方メートル)の 物流センターを新たに買収し、三万 枚のパレットが取り扱えるようケロ ッグ向けに整備した。
新センターは、 これまでのウォリントン・センター から一五マイル(二四キロメートル) に位置する。
 なお、TDGは英国のヘッジファ ンド、ラクシー・パートナーズが買 収する予定。
スイスポスト ドイツの雑誌宅配会社を買収 ■トランスポート・インテリジェンス 8・7など  スイス郵政公社(スイスポスト) の国際部門、スイスポスト・インタ ーナショナルは、ドイツの雑誌宅配 会社グローバル・プレス・ディスト リビューション(GPD)を一月に 買収したと発表した。
欧州最大の雑 誌市場、ドイツでのネットワークを 強化する。
 GPDはフランクフルト近郊のモ ーフェルデンに本社を置き、雑誌の 輸出入と国内配送を行っている。
直 近の売上高は八〇〇万スイスフラン (七億八四〇〇万円)、従業員は三 一人。
 スイスポストは国際郵便物の取扱 高では、欧米の郵政事業者の中でド イツポスト、米国郵政公社、英ロイ ヤルメール、仏ラ・ポストに次ぐ第 五位となる。
UPSがTNT買収を計画 提案額は一〇〇億ユーロか ■英サンデー・テレグラム紙 8・ 10 など  英サンデー・テレグラム紙は、U PSがTNTを一〇〇億ユーロ(一 兆五七〇〇億円)で買収する交渉 に入ったと報じた。
TNTの時価総 額九六億ユーロ(一兆五〇七二億円) にプレミアムを上乗せしたとみられ ている。
一方、UPSの時価総額 は六六二億ユーロ(一〇兆三九三四 億円)。
 エクスプレス各社は昨年来の燃料 費の高騰で打撃を受けており、生き 残りをかけた業界再編の一環として 今回の買収提案が浮上した。
サンデ ー・テレグラフは、UPSによるT NTの買収が成立すれば物流業界 で過去最大規模の大型買収になる、 と報じている。
二〇〇四年のドイツ ポストによる英エクセルの買収の例 もあるが、今回の提案額はエクセル の買収額三七億ポンドを大きく上回 る。
 TNTの買収観測は過去に何度 もマスコミをにぎわせてきた。
七月 にも英フィナンシャル・タイムズが、 フェデックスがTNTと交渉を開始 したと報じている。
 UPSとフェデックスは、これま で北米を中心にネットワークを構築 してきた。
TNTを買収し欧州のネ ットワークを手に入れるという青写 真を描くのは容易だが、実現の可能 性は決して高くはない。
 TNTが買収対象として注目を集 めていたのは、経営不振に陥ってい た二〇〇〇年から〇六年。
〇六年 に利益率の低いロジスティクス部門 (現CEVAロジスティクス)を売 却した最大の目的は買収防止だった といわれている。
同社は昨年にはフ ォワーディング部門(現ジオディス・ ウィルソン)も売却し、体質強化を 進めてきた。
 一方、UPSとフェデックスの米 国勢は、今ではそれぞれ社内に問題 を抱える。
フェデックスには子会社 65  OCTOBER 2008 為替レート:1ユーロ=157円、1ドル= 109円、1ポンド= 193円、スイスフラン= 98円 のインディペンデント・コントラクタ ー(一人親方)問題があり、UP Sはチームスターズ(全米トラック 運転手組合)との交渉の結果、昨 年はドライバーの福利厚生などに六 〇億ユーロ(九四二〇億円)の支出 を余儀なくされた。
加えて、ユーロ は歴史的な高水準あり、環境が整っ ているとはいい難い。
仏ジオディス 仏国鉄による子会社化で上場廃止 ■同社プレスリリース 8・ 13  フランス最大の物流業者ジオディ スは、フランス国鉄の一〇〇%子会 社となったことを受け、八月八日付 けでユーロネクスト・パリでの上場 を廃止した。
 フランス国鉄はジオディスの株式 四〇%超を保有する筆頭株主だった。
サルコジ大統領の「(フランス国鉄は) 物流と貨物輸送でフランス最大の企 業となるべき」との意向を受け、四 月、完全子会社化に踏み切った。
DHL 仏国内でメトロとICタグ実用化 ■同社プレスリリース 8・ 18  D H Lは、今秋からドイツ最大 の小売業者メトロとフランス国内を 対象にICタグ活用事業を開始す る。
メトロ傘下のセルフサービスの 総合卸売チェーン「キャッシュアン ドキャリー」八九店舗への商品配送 で、年間一三〇万枚のパレットにI Cタグを貼付する。
フランスの小売 業の物流としては最大規模の取り組 みという。
 DHLの食品専用物流センター五 カ所からキャッシュアンドキャリー向 けに出荷する全商品を、ICタグで 管理する。
出庫時にタグのデータを 読み取り、各店舗に転送。
店舗到 着時に再度データを読み取り、商品 の発注内容と照合する。
 DHLの親会社、ドイツポストの ジョン・アランC F O( 最高財務 責任者)は「今回のプロジェクトは、 ICタグが実用段階に入ったことの 証左となる」とコメントした。
DHL 米運輸省がUPSへの委託認める ■米デイトン・デイリー・ニュース 8・ 27  米国運輸省は、オハイオ州が連邦 政府にDHLの米国内航空貨物輸 送業務のUPSへの委託を禁止する よう求めていたのに対し、同州の要 求を拒否した。
 テッド・ストリックランド州知事 が七月、運輸省のメアリー・ピータ ーズ長官宛ての文書でDHLに業務 提携の中止命令を出すよう求めて いた。
しかし同省はこれを受け入 れず、両社の業務提携を追認した 格好だ。
 オハイオ州の要請の背景にあるの は雇用問題。
DHLは現在、同州 ウィルミントンのハブ拠点でABX エアとエースター・エア・カーゴの 二社に業務を委託している。
ウィル ミントンの業務をUPSのハブ拠点 があるケンタッキー州ルイビルに移 管すれば、八〇〇〇人分以上の雇 用が流出するという。
 DHLは五月から、赤字が続く 米国部門のテコ入れ策の一環として、 UPSと北米域内航空輸送の委託を 柱とした提携交渉を続けている。
オ ハイオ州は航空貨物業界における公 正な競争環境が損なわれ、連邦法に 違反すると主張していた。
フェデックス・エクスプレス メキシコで翌日配送開始 ■同社プレスリリース 8・ 27  フェデックス・エクスプレスは一 〇月初旬から、メキシコ国内で翌日 配送サービスを開始する。
 ウェブ上での貨物追跡も可能。
加 えて、指定配達時間までに遅れた場 合は運賃を返金する保証サービスを 利用できる。
対象地域はメキシコ国 内の全住所で、重量の上限は六八キ ロ。
翌日午前一〇時半までと、同 終日までの時間指定便の二種類のサ ービスを設定する。
 同社はこれまで、米国以外では中 国、インド、英国に翌日配送サービ スを広げてきた。
DBシェンカー ベルギー子会社で巨額の不正会計 ■同社プレスリリース 8・ 29 など  ドイツ鉄道は、傘下のDBシェン カーのベルギーの子会社で大規模な 不正会計処理が発覚したと発表し た。
各紙の報道によると不正会計 が始まったのは数年前にさかのぼり、 総額は四〇〇〇〜五〇〇〇万ユーロ (六二億八〇〇〇万円〜七八億五〇 〇〇万円)に上るという。
 ドイツ鉄道はこれを受け、ベルギ ーを統括しているDBシェンカー・ ドイツのユーゴ・ルーマン( Hugo Ruhmann)CFO(最高財務責任 者)を八月三一日付で解任。
代わっ てフリジョフ・シャファー( Frithjof Schafer)氏が同職に就任する人事 を決めた。
 ベルギーの子会社はアントワープ に本部を置き、ベルギー国内七カ所 に拠点を構えている。
ドイツ鉄道の コンプライアンス担当者は「アント ワープのトップは数千万ユーロに及 ぶ不明朗な資金の動きを説明する必 要がある」と語った。

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