2008年10月号
ケース

3PL サンアロマー

OCTOBER 2008  46 3PL サンアロマー システム開発から物流企画まで山九に外注 成果配分を徹底し年間5億円のコスト削減 石化業界の再編が引き金に  「さまざまな問題を打破できる手段を考え ているうちに、3PLというオプションに行 きついた。
二〇〇一年当時の日本の石油化学 品業界で、大々的に3PLを導入している会 社はまだなかった。
しかし、シェルグループ としてはヨーロッパなどで実施した経験があ る。
そうした情報も参考にしながら3PLの 導入を進めていくことになった」と、サンア ロマーのサプライチェーン本部カスタマーサー ビスグループの藤井能成シニアマネージャーは 説明する。
 合成樹脂(プラスチック)の原料であるポ リプロピレン(PP)の製造で国内四位のサ ンアロマーは、過去一〇年にわたり、めまぐ るしい業界再編の波にもまれてきた。
一九九 〇年代初めに一四社を数えた国内のPPメー カーは現在、四社に集約されている。
この再 編劇がサンアロマーに本格的な3PLの導入 を決意させる背景になっている。
 現在、PPの国内市場では三井、三菱、住 友の財閥系メーカーを中核とする上位三社が 合わせて九割近いシェアを握っている。
サン アロマーのシェアは一割余り。
生産規模が物 をいう業界にあって決して強い立場にはない。
 ただし、サンアロマーの株式の五〇%を保 有するライオンデルバセル・インダストリーは 世界最大のPPメーカーだ。
韓国、タイ、オ ーストラリアにもグループ企業を構え、ここに サンアロマーを加えたアジア太平洋でのトータ ル生産量は国内首位のプライムポリマー(三 井系)を凌駕している。
グループレベルで手 掛けているサンアロマーの資材購入の価格交 渉力は、国内の上位企業にひけをとらない。
 しかも、残り五〇%の株式を保有する昭和 電工(三二・五%)と新日本石油(一七・ 五%)は、サンアロマーへの原料供給者だ。
そ もそもサンアロマーは、昭和電工と新日本石 油が九五年に傘下の事業を統合して誕生した 日本ポリオレフィン(JPO)を前身として いる。
この会社はPPとポリエチレン(PE) の生産を主力事業としていたが、九九年にP P事業だけを分離して新会社を設立。
このと きシェル系のモンテル(現ライオンデルバセル) に五〇%の株式を譲渡したことによってMS Sという会社が誕生した。
これが〇一年に社 名を変更してサンアロマーとなった。
 PPとPEはいずれも、原油からガソリン などを精製する過程で生み出されるナフサを 原料とする。
ナフサを分解すると、プロピレ ン(PPの原料)とエチレン(PEの原料) が、おおよそ三対七の割合で生成される。
こ ポリプロピレン樹脂メーカーのサンアロマーは 2003年4月から、年間40億円規模の物流業務企 画・管理まで含めてすべて山九にアウトソーシング している。
受発注や物流管理のためのシステム開発 も山九に委ねた。
外資系企業らしい合理的な役割 分担によって、サーチャージの支払いを容認しなが ら配送費を年間5億円削減した。
サンアロマーのサプライチェ ーン本部カスタマーサービス グループの藤井能成シニアマ ネージャー 47  OCTOBER 2008 のためJPOのPE事業も、PP事業の二倍 程度の物量を持っていた。
 つまりJPOは、PP事業の物流をPE事 業に相乗りさせることでコスト競争力を確保 していた。
ところが前述したように、同社は 九九年にPP事業を分離した。
この時点では MSS(現サンアロマー)はまだ、従来通り JPOに物流業務を委託して、自身は製品の 研究開発と製造に特化するという選択が可能 だった。
しかし、さらなる再編がこれを許さ ない状況を生み出していくことになる。
 その後、JPOは、残っていたPE事業を 〇三年九月に三菱系の会社と統合することを 決定した。
これはサンアロマーにとっては、物 流業務を委託してきた相手が、競合企業の側 に回ってしまうことを意味していた。
事前に この情報を知らされたサンアロマーは、輸配 送や保管などの物流実務の委託体制ばかりか、 受発注システムまで含む物流管理業務をすべ てゼロから構築することを求められることに なった。
 サンアロマーの社内で、経営を主導してい るシェルグループの出身者たちを中心に対応 策が練られた。
新たに物流インフラを整えれ ば、システム開発のための多額の初期投資な どは避けられない。
事業規模の小さい同社が、 上位企業と同じやり方をすればコスト競争力 で遅れをとってしまう。
何よりもサンアロマ ーの社内には、物流管理のノウハウを持つ人 材が育っていなかった。
システム開発力で3PLを選定  〇一年の秋、3PLパートナーを選ぶコン ペを開催する方針を正式に決定した。
JPO 時代に付き合いのあった複数の物流事業者に 声をかけて提案を募集。
翌〇二年の三月末に、 第一候補を山九に絞り込んだ。
それから約三 カ月を費やして、山九をパートナーとする3 PL体制が、本当にサンアロマーの望むもの になるのかどうかを徹底的に検証した。
 このとき最も重視したのが、山九の持つ情 報システムの開発力だった。
山九には3PL として物流のオペレーションを運用するため のシステムだけでなく、メーカーであるサンア ロマー側の物流管理システムまで開発するこ とが求められた。
山九にとって過去に経験の ないことであり、このプロジェクトの最大の 焦点だった。
 山九は創業以来、新日本製鉄などを主要荷 主としながら成長してきた。
古くから荷主の 懐深くに入りこんで物流業務を手掛けてきた 経験を持つ。
システム開発を担う情報子会社 も擁しており、IT活用にはそれなりの実績 がある(本誌〇八年四月号「物流IT解剖」 参照)。
検討の結果、候補となった企業のなか で「ズバ抜けたシステム力を持っていた」(藤 井氏)ことが、最終的に山九をパートナーに 選ぶ決め手となった。
 両者が正式に契約を交わした〇二年六月か らシステム開発をスタートした。
総額六億円 近くを投じたシステムの内容は、サンアロマー のための機能、山九のための機能、両者で利 用する機能の三つに切り分けられ、開発費も 両社で按分した。
システムの帰属を山九に置 く代わりに、投資額の過半となる約四億円を 山九側が負担した。
 システムへの初期投資額が大きいこともあ って、両者の契約期間は、外資系のサンアロ マーにとっては異例の長期となった。
当初は 五年契約で、それ以降は一年ごとに更新する 山九がサンアロマーのために開発したシステム ユーザー ユーザーA ユーザーB ユーザーC ユーザーD サンアロマー SAP R/3 (基幹システム) 注文 受注 3PLコントロールシステム ●受注/引当/指図 ●生産/入出庫/在庫管理 ●移庫/転送/輸配送管理 ●検査情報管理 ●物流費用管理 ●マスター管理 SanPLシステム サンアロマー・大分工場 構内ロケーションシステム構内自動倉庫システム 山九以外 物流業者 指図/報告 指図/報告指図/報告 輸出輸出 EDI or Web 保管/配送  生産/出荷/配送 EDI 実績情報 輸入 山九の業務範囲 貨物 情報 サンアロマー・川崎工場 CEO 製造本部 研究開発本部 (川崎ディベロップメントセンター) サプライチェーン本部 企画管理本部 カスタマーサービスグループ 購買/輸入グループ 品質/生産管理グループ 環境保安・品質管理 川崎工場 業務グループ 山九 3PLグループ OCTOBER 2008  48 という内容である。
サンアロマーとしては、ノ ウハウを蓄積したシステムを活用して山九が 将来的に石化業界でのビジネスを拡大し、共 同物流事業などによって物量を確保して欲し いという思惑もあった。
メーカーの物流部として機能する  こうして〇三年四月から新体制がスタート した。
現在、サンアロマーの組織図の中に?物 流部?は存在しない。
物流の企画・管理まで 含めて、山九の本社に在籍している3PLチ ームの約一五人が完全に肩代わりしている。
 年間四〇億円を超す物流業務を担当してい るサンアロマー側の社員は、藤井氏を含めて わずかに二人。
サプライチェーン本部に所属 する他の社員たちは、サプライチェーン戦略 や生産管理、需給調整などの業務に注力して いる。
 「山九さんには完全に当社の物流部として 機能してもらっている。
すべてを任せるのが この3PLの特徴だ」と藤井氏。
実際、サン アロマーは、生産計画や販売予定など物流業 務を効率化していく上で必要なデータを全面 的に山九に開示している。
一方の山九は、物 流分野における改善策の立案はもとより、サ ンアロマーの生産計画に対する提案まで行っ ている。
絵に描いたような欧米流のスキーム だ。
 この物流アウトソーシングを主導してきた藤 井氏は二〇代のときにシェルのオランダ本社 場での製品の充填作業から、各地のストックポ イントへの転送、保管および詰め替え、そし て顧客への製品納入に至る全工程を山九に委 ねている。
広汎な裁量権を与えることで、山 九自身の判断で配送効率や保管効率を高める 余地を増やそうという狙いがあった。
協力物 流事業者の選択権も完全に委譲し、現場にお ける安全確保や物流品質の維持、人材教育も 一任している。
 佐藤氏は「サンアロマーさんからは完全に権 に駐在し、その後はシェル・ジャパンで工場 の立ち上げや購買業務などに携わった経験を もつ。
サンアロマーに移ってきてからは、品 質保証部門や、ERP(統合業務パッケージ ソフト)の導入プロジェクトなどを担当した。
その後、購買部門を経て、〇二年一〇月に物 流の担当責任者に異動になるが、着任したと きには既に3PLパートナーは山九に決まっ ていた。
 藤井氏に求められたのは、まずは〇三年四 月に新体制を円滑にスタートさせること、そ してPE事業に相乗りしていた時代と比べて 格段に物量が減ることになる物流管理に競争 力を持たせることだった。
幸い山九サイドの 担当責任者は、長らくサンアロマーをはじめ とする石化業界の物流に関与してきた人物だ った。
両者は相談を重ねながら、手探りで新 体制をつくり上げていくことになる。
 山九サイドの担当者として藤井氏と苦労を ともにしてきた同社ロジスティクス・ソリュ ーション事業本部3PL事業部の佐藤重雄担 当部長は、こう述懐する。
「私はこの取り組 みが成功した一番の要因は、藤井さんの存在 だと思っている。
われわれの中にまだメーカ ーの文化がなくて、仕事の進め方にギャップ があったとき、藤井さんが歩みよってきてア ドバイスをくれた」。
いわば同志ともいうべき 二人の信頼関係が、この取り組みを進化させ てきた。
 サンアロマーは大分と川崎にある二つの工 山九がサンアロマーのために開発したシステム ユーザー ユーザーA ユーザーB ユーザーC ユーザーD 注文 山九以外 物流業者 保管/配送 輸入 物流部門の役割を山九の3PL グループが果たしている CEO 営業本部 製造本部 研究開発本部 (川崎ディベロップメントセンター) サプライチェーン本部 企画管理本部 カスタマーサービスグループ 購買/輸入グループ 品質/生産管理グループ 環境保安・品質管理 受注センター 物流管理チーム 大分工場 業務グループ 川崎工場 業務グループ 山九 3PLグループ 49  OCTOBER 2008 限を委譲され、責任も明確になっている。
こ れは日本流の元請けの発想とはぜんぜん違う。
そのぶん求められるスピード感も圧倒的に早 いため、正直なところ仕事は疲れる。
しかし、 任せられるということは、それだけやり甲斐 があって面白い」と強調する。
信賞必罰のルールで改善を促進  メーカーの物流部としての役割を期待され ている以上、稼働後は物流の企画・管理でい かに成果を出していくかが最大のポイントだ った。
そのためにサンアロマーと山九は、双 方がウィン─ウィンの関係になるための目標管 理を導入している。
そこでは、効率化のメリ ットを両者が享受できるようにすることによ って改善行為を促進しようとする原則が貫か れている。
 そうした仕掛けの一つが「Penalty & Rewardシステム」という取り組みだ。
文字 通り3PLパートナーの行為に?罰則と報償? で応えるというものである。
山九への支払い の七割を占める配送費を削減することを目的 に、どのようにすれば互いにメリットのある 仕組みを構築できるか手探りするなかで、ス タートから二、三年かけて整備した。
 この取り組みでは、あらかじめ配送費の削 減目標として設定した数値を基準に、それを 上回る成果が残れば数百万円単位で山九にボ ーナスが支払われる。
逆に、やむをえない事 情もないのに配送費が増えてしまったら、山 九がペナルティを負担する。
一般的な3PL で実施されている成果配分からさらに踏み込 んで、効率が悪化した場合の結果責任まで共 有している。
 また「From-Toタリフシステム」という取 り組みでは、工場から顧客に製品を運ぶとき の配送費の料金表を工夫した。
通常の企業物 流では、配送手段やルートによってコストが 異なるため、配送費を一律で処理するような ことはしない。
それをあえて輸送距離と輸送 ロットに基づくシンプルな?標準単価?によ る料金表を作成した。
 狙いは二つある。
一つは、具体的な配送方 法を3PLパートナーが選択できるようにし て、改善活動を促そうというものだ。
結果と して標準単価より安く運べば、その差額は山 九の懐に入る。
こうすることで、自ら工夫す ることが山九のメリットにつながるようにし ている。
 二つ目の狙いは、標準的な配送コストを誰 にでも分かるように明示することだ。
この料 金表をサンアロマーの営業マンが使えば、二ト ン車による配送を一〇トン車に切り換えると、 どれぐらいのコストメリットがあるのかをす ぐに顧客に説明できる。
日常の営業活動の一 環としてこうした説明ができれば、顧客の満 足度を高めながら、配送車両の大型化、つま りコスト削減や配送時のCO2の排出量の削減 などを期待できる。
 もちろん「From-Toタリフシステム」を導 入するためには、あらかじめ関係者が納得で きる?標準単価?の設定が欠かせない。
工場 から直送するのか、営業倉庫を経由するのか。
内航船で運ぶのか、フェリーで運ぶのか、あ るいはトラックで陸送するのか。
こうした複 数の選択肢と過去の実績から平均的な標準単 価を設定している。
この段階でサンアロマー と山九が腹の探り合いをすれば、互いに納得 のいく標準単価など設定できない。
ここでも ベースにあるのは両者の信頼関係だ。
 顧客の要望に応じた小口配送も、改善しな ければいけない深刻なテーマだった。
近年は PPの納入にもジャスト・イン・タイムを望 む顧客が増えており、四トン車すら満載にな らないケースが少なくない。
配送コストの削 減と、環境負荷の低減を促進するため、サン アロマーは四トン未満の配送を極力、減らす という目標を立てて活動してきた。
 この活動に山九を巻き込むため、従来は四 トン未満だった配送を四トン以上に変えられ れば、それによるコストメリットの一〇%を 山九に支払うというルールを定めた。
これは 顧客との交渉事のため山九が直接タッチでき 山九ロジスティクス・ソリュ ーション事業本部3PL事業 部の佐藤重雄担当部長 OCTOBER 2008  50 る。
同社が七年前にERP(SAPのR/3) を導入したときにも、それが如実に表れてい た。
一般的な日本企業であればR/3の導入 に一年から二年かかる。
これをサンアロマー はわずか半年間で終えた。
システムをカスタ マイズするのではなく、R/3の仕組みに合 わせて自らのビジネスのあり方を変えてしま ったからだ。
 社内にサプライチェーン部門を設置したの も、このR/3を上手く機能させるための方 策だったという。
そうした取り組みの延長線 上にあった今回の3PL導入が、一般的な日 本企業では考えられないほど?あるべき論? にこだわりつづけたのもそのためだ。
い応じてしまう。
そして、それがいつしか当 たり前の習慣になってしまっているというケ ースは多い。
こうした特別作業をサンアロマ ーは、山九との3PLをスタートしたことを きっかけに徹底的に?見える化?して、改善 していった。
 まずはそれぞれの特別作業に単価を設定し た。
特別作業をなくすとか、顧客から作業費 を徴収するのが目的ではなかった。
「サービス は有償」という当然の原則に基づいて、関係 者の意識を改めていくことを最大の狙いとし ていた。
 物流部門で特別作業の単価表を作成し、サ ンアロマー社内の営業担当者に明示した。
営 業部門が、そのコスト負担を許容してもビジ ネスが成り立つと判断するのであれば、従来 通り顧客への無償サービスとして続けても構 わない。
しかし、負担するのが嫌なら顧客に 交渉してもらう。
当たり前の話だが、こうし た行為を実践できている企業は少ない。
 顧客への納品時の物流サービスというセン シティブな問題にサンアロマーがメスを入れる ことができたのは、外国人トップを担ぐ外資 系企業であることも影響しているかもしれな い。
藤井氏も「誰がみても合理的なかたちに なっていなければ私自身が経営陣に説明でき ない。
そういうことは常に意識している」と いう。
 このように?あるべき論?をストレートに 追求する姿勢は、サンアロマーの社風でもあ る話ではない。
実際に動くのはサンアロマー の営業担当者だ。
 それでも、現状は四トン以下で納入してい るが、取引規模などから判断して交渉次第で 大型車に移行できそうな案件をピックアップ するという仕事は山九にしかできない。
その 情報提供に対する報酬が削減額の一〇%とい うわけだ。
 この取り組みの成果は大きかった。
「業界 団体によると、石化業界で四トン未満の配送 はまだ全体の二〇%ぐらいある。
当社も〇五 年の段階では約一六%あった。
これが昨年に は約九%まで減った。
これだけでも二億円程 度のコストメリットにつながっている」と藤 井氏は明かす。
営業部門や3PLパートナー などの関係者を上手く巻き込んでいった成果 だった。
三年前からサーチャージを容認  他にも特筆すべき取り組みがある。
なかで も外資系企業ならではといえる施策が、顧客 への納入時に発生する「特別作業」の有料化 だ。
一般には?物流サービス?と呼ばれるこ とも多い行為だが、製品を納入する配送ドラ イバーが契約事項に含まれていない荷降ろし を無償で手掛けたり、通常料金のまま緊急配 送をするといったことは、物流の現場では珍 しくない。
 納入側にとっては、やる筋合いのない行為 だと承知してはいても、顧客に頼まれるとつ 特別作業をタリフ化し“ サービスは有償”を徹底 ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ?フォークリフト運転作業 ?手荷役・肩荷役 ?納入時間指定 ?指定納品伝票作成 ?ホイスト運転作業 ?ドライバー限定 ?持ち帰り ?緊急出荷手配 ?特別手配便 ?キャンセル料 ?タンク投入作業 ?カンバン回収 ?キャップ指定 ?パレット積み替え 製品降ろし パレット積み替え・かつぎ込み 時間指定・朝一番ほか 客先指定伝票 製品降ろし 客先運転手指定 不在時・雨天時ほか 出荷日の前々日14 時以降 出荷時の前日14 時以降 出荷時の前日14 時以降 客先サイロホッパーへの投入作業 カンバン注文伝票の回収 客先指定キャップ使用 パレットのサイズ・材質指定 特別費用項目単価 51  OCTOBER 2008 シングした結果、山九が提供するサービスの 妥当性を主体的に判断できなくなってしまう ことだ。
そこに疑念が生じれば、両者の信頼 関係は根底から崩れてしまう。
 山九の実力を検証するため、実はサンアロ マーはスタートから四年目の段階で他の物流 事業者の提案を募ってみたことがある。
当初 の五年契約の期限切れをにらんだ動きだった。
結果として、山九の提供するサービスの競争 力を確認することができ、両者の信頼関係は より強固なものとなった。
 次の課題は共同化だ。
国内市場で第四位の サンアロマーが規模の経済を追求する上で同 業者との物流共同化は有効な施策となる。
実 際、藤井氏は「3PLを導入した狙いの一つ に、パートナーを介して同業他社との連携を 図るという狙いがあった」(藤井氏)と明言 している。
 山九にとってもサンアロマー向け3PL事 業は、単体荷主としては最大の案件だ。
その 経験を通じて培ったノウハウや仕組みを使っ て、山九自身が石化業界での業務受託を進め ていくことで、自らの事業拡大とともに、荷 主に対して共同化と同様の効果を提供するこ とができる   すでに山九は、サンアロマーの他にも石化 学品の専門商社を対象とするビジネスをいく つか手掛けている。
それを本格的な共同物流 事業に発展させられるかどうか。
腕の見せ所 だ。
   (フリージャーナリスト・岡山宏之) すると、約六億円少なくなっている。
「燃料 調整金」の約一億を差し引いても、配送費だ けで五億円の削減効果が出ている。
年間の物 流コストが四〇億円程度の同社にとってはイ ンパクトの大きい数字だ。
しかもこのコスト メリットは、もっぱら車両の大型化や配送ル ートの見直しなどの工夫によって捻出された ものだ。
 成果はコスト削減だけにとどまらない。
サ ンアロマーの在庫水準は近年、国内の業界平 均より二〇%ほど低い水準でずっと推移して きた。
ところが今年に入って販売に大きなブ レが生じ、一万トン規模の在庫が急増すると いう事態に直面した。
既存の倉庫から溢れた 製品を低コストで保管できるスペースを確保 できなければ、工場での生産をストップしな ければならないところまで一時は追いつめら れた。
 この窮地を救ったのも山九の3PLチーム だった。
「安全面や品質、コストなどの条件を クリアできる倉庫を急に探すのは簡単ではな い。
それを山九さんは全国各地から見つけて きてくれた。
われわれがやっていたら、たぶ んギブアップしていたと思う」と、藤井氏は このときの山九の対応を高く評価している。
次の課題は物流共同化  順風満帆に見える取り組みだが、懸念はゼ ロではない。
サンアロマーにとって何より避 けたいのは、全面的に物流業務をアウトソー  支払い物流費についても、誰もが納得する 理由のある項目であれば、それを無理に削減 するようなことはしない。
実際、サンアロマ ーは三年前から山九に燃料代の値上がりに伴 うコストアップ分を「燃料調整金」(サーチャ ージ)として支払っている。
その金額は現状 では年間一億円を超えている。
 「全日本トラック協会のデータを基準に、そ ことの差がどうなっているのかというタリフ に基づいてサンアロマーさんが燃料調整金を 認めてくれている。
彼らは、絶対に必要なコ ストは理解してくれる。
だからこそコスト削 減を厳しく積み上げていくなかでも、われわ れも適正利益を確保できる」と山九の佐藤氏 はその考え方を説明する。
 それでもサンアロマーのトータル物流コスト は、コストアップ要因を大幅に上回る勢いで 減っている。
〇七年の配送費を〇三年と比較 3PL 運営のポイント ●最適物流に必要な社内データの開示  +販売予定(製品、顧客、数量)、生産予定、   販売予定(5カ年計画) ●輸送会社/倉庫会社の選択権の委譲 ●KP(I Key Performance Indicator)によ  る目標管理 ●Penalty & Reward システムの導入 ●From─To タリフシステムの導入 ●Penalty & Reward システムの導入 ●費用を変動費化することで3PL の努力は  3PL が享受できる仕組みの導入 物流受託業者⇨3PL パートナーへの意識改革 効率化によるメリット還元システムの導入

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