2008年11月号
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海外トレンド報告
NOVEMBER 2008 58
2008年9月発表分
チームスターズがフェデックス批判
スミス体制は株主利益損ねる
■同組合プレスリリース 9・2など
チームスターズ(全米トラック運
転手組合)はフェデックスの株主に
対し、フェデックス創業者のフレデ
リック・スミス氏の会長職とCEO
(最高経営責任者)職兼任は、株主
利益を損なっている、とスミス体制
を批判する文書を送付した。
九月二九日にテネシー州で開催予 定の株主総会に向け、業績の低迷に 加えて?一人親方(インデペンデン ト・コントラクター:独立業務請負 人)問題?を抱えるフェデックスに 揺さぶりをかけるのが狙い。
チームスターズのトーマス・ケー グル書記長は「スミス氏が支配して いる役員会は、業績が低迷している にもかかわらず、高すぎる役員報酬 を支払っている。
しかも、罰金が数 十億ドルにも上る可能性のある(一 人親方という)不法なビジネスモデ ルを続けている」と主張する。
調査会社コーポレート・ライブラ リーによると、スミス氏の報酬は総 額四二〇〇万ドル(四四億一〇〇 〇万円)。
また、傘下の陸送業者フ ェデックス・グランドの一人親方問 題に関しては、国税局からの追徴金 や未払い給与の支払いなどが最高二 五億ドル(二六二五億円)に上る可 能性もあるとされている。
ただし、一人親方問題の行方は十 一月初旬の大統領選挙の結果に大き く左右されそうだ。
労働者寄りの民 主党のバラク・オバマ氏が当選すれ ば労働者側に有利、共和党のジョン・ マケイン氏が当選すれば経営側に有 利となる。
以前はマケイン氏の副大 統領の有力候補の一人として、スミ ス氏の名前も挙がっていた。
アジリティ カナダのフォワーダーを買収 ■同社プレスリリース 9・2 中東を本拠とする総合物流業者ア ジリティは、カナダのフォワーダー、 ジオペトロ・インターナショナルを 買収した。
ジオペトロ社は石油とガスの取り 扱いに特化し、両産業関連の輸送プ ロジェクトを手掛けてきた。
航空・ 海上貨物のフォワーディングと通関、 物流センター業務などを行い、エド モントン、カルガリーなどに事務所 を構えている。
DHLエクスプレス 香港ハブの処理能力を拡大 ■同社プレスリリース 9・8 ドイツポスト傘下のDHLエクス プレスは、一億一〇〇〇万ドル(一 一五億五〇〇〇万円)を投じた香 港の「セントラルアジアハブ」の拡 張工事を完了した。
施設面積はこ れまでの二倍の三万五〇〇〇平方メ ートルに拡大。
一時間当たりの貨物 取扱件数は三万五〇〇〇件から七 万五〇〇〇件に倍増し、年間取扱 件数は四〇〇〇万件に達する。
同ハブへの総投資額は二億一〇〇 〇万ドル(二二〇億五〇〇〇万円)。
DHLエクスプレス・アジア太平洋 地区のダン・マッキューCEOは「ア ジア太平洋地区は当社にとって成長 著しい市場だ。
同地区での二〇〇八 年上半期の取扱量は前年期同比一 三%増となっている。
そのうち六〇% がアジア域内の貨物であり、今後も 増加傾向が続くとみている」と語った。
UPS 中小輸入業者に金融サービス提供 ■同社プレスリリース 9・9 UPS傘下のUPSキャピタルは、 米国内の中小輸入業者向け金融サー ビスを開始する。
輸入業者に代わっ て海外のサプライヤーに商品の出荷 時点で代金を支払い、輸入業者の書 類業務負担を軽減する。
業務の流れは次の通り。
?輸入業者が海外のサプライヤーに 発注する。
?サプライヤーがUPSを使って出 荷した段階で、輸入業者は代金 を含めたコストの半額をUPSに 支払い、UPSはサプライヤーに 対して全額を支払う。
?輸入業者は契約内容に基づき(通 常六〇日以内に)UPSに残り の半額を支払う。
サービスの対象は年商五〇〇〇万 ドル(五二億五〇〇〇万円)以下、 月間取引件数一〇件以下の輸入業 者。
英ウィンカントン ビール大手の仏国内業務を受注 ■同社プレスリリース 9・9 英国の3PL業者ウィンカントン は、世界最大規模のビールメーカー、 インベブ(本社:ベルギー)からフ ランスでの物流業務を受注した。
インベブは現在、フランスとベル ギーの国境沿いのアルメンティエー ルに物流センターを構えているが、 同センターの近隣に二〇一〇年をめ どに新たな物流センターを建設。
ウ ィンカントンに業務を委託する。
新 センターは週五日二四時間体制で運 営され、一日最大一五〇台のトラッ クへの積み込み作業を行う。
インベブはビールの製造に加えて 59 NOVEMBER 2008 為替レート:1ユーロ=144円、1ドル= 105円 カフェ、バーの経営も手掛ける。
こ れまで自社で抱えていたフランス国 内の物流業務を外部委託することで、 本業に集中する。
同社によると、現 物流センターの従業員五七人の処遇 方法がウィンカントン起用の決め手 になったという。
ドイツポスト 銀行部門の株売却でロジに集中 ■同社プレスリリース 9・ 12 など ドイツポストは傘下の銀行部門、 ポストバンクの株式を売却すること で、本業のロジスティクス業務に特 化する。
ポストバンクの株式二九・ 七五%を、ドイツ銀行に一株当たり 五七・二五ユーロ(八二四四円)で 売却すると発表した。
売却総額は二 七億九〇〇〇万ユーロ(四〇一七億 六〇〇〇万円)。
ドイツポストはポストバンクの株 式五〇%プラス一株を保有する最大 株主だが、売却後はドイツ銀行が筆 頭株主となる。
ドイツポストの出資 率は二〇・二五%に低下する。
ドイツポストのフランク・アペル CEOは「ドイツ銀行という信頼で きるパートナー企業に、われわれの 保有する株式を譲渡することができ た。
これによって当社は今後、本業 であるロジスティクス業務に一層注 力することができる」と述べた。
DHLエクスプレス 米下院でUPSとの提携で証言 ■ロイター 9・ 16 など DHLエクスプレスのジョン・マ レンCEOは八月九日と一六日、米 国内におけるUPSとの業務提携に 関し、米下院司法員会と同輸送イン フラ委員会で証言した。
同社が五月、赤字が続く米国部門 のテコ入れ策としてUPSとの業務 提携の可能性を発表して以来、米国 内では根強い反対が続いている。
米 国のエクスプレス市場でトップ3に 入るUPSとDHLとの提携が、U PSによるDHL買収につながれば、 市場が寡占化する恐れがある。
また、 雇用面での影響も懸念されている。
マレンCEOは二回の証言を通し て、UPSとの業務提携の理由を説 明した。
DHLは二〇〇三年にエア ボーン・エクスプレスを買収して米 国市場に本格参入して以来、五〇 億ドル(五二五〇億円)以上の投資 を行ってきた。
しかし取扱量を増や すことはできず、〇八年だけでも一 三億ドル(一三六五億円)の赤字と なる見通しであり、「会社にとって も株主にとっても、また従業員にと っても看過できる状態ではない」と した。
市場の寡占化に対する懸念に関し ては「あくまでも一部の業務に限っ た外注であり、DHLは今後も(ラ イバルである)UPSとフェデック スに対して十分な競争力を持ち続け る」と発言した。
雇用問題については、リストラの 対象となるABXエアとエースター・ エア・カーゴの従業員に対し、退職 金の上積みや健康保険の費用などと して二億六〇〇〇万ドル(二七三 億円)を支払うことで同意している、 と述べた。
蘭CEVAロジスティクス タイで完成車輸送事業を開始 ■同社プレスリリース 9・ 17 オランダのCEVAロジスティク スは、タイで完成車輸送部門を立ち 上げた。
完成車輸送事業は昨年四月、S CM業務とフォワーディング業務に 続く新事業として試験的に開始して おり、既に九万八〇〇〇台の輸送 実績を持つ。
一度に八〇〇台の完成 車を輸送でき、二万台を保管可能。
同事業の車両台数は一五〇台、従 業員は四〇〇人。
TNTポスト ドイツの税改正案に改善要求 ■同社プレスリリース 9・ 24 TNTポストは、現在ドイツの連 邦議会で草案作りが進んでいるVA T(付加価値税)の税制改正につ いて、改善要求を発表した。
同社は議会がVATの改正に取り 組んでいることは評価するとしなが らも、草案に曖昧な表現を残せばこ れまでドイツポストに有利だった条 件を温存することになりかねず、ド イツ国内の郵便市場における公平な 競争が阻害されることになる、と主 張している。
ドイツでは今年一月、郵便事業が 自由化されたが、ドイツポストはユ ニバーサルサービス分野については VATの免除を受けている。
TNT ポストによると、現在ドイツポスト の郵便取扱総数のうちほぼ半分がV AT免除となっており、免除額は年 間五億ユーロ(七二〇億円)に上る という。
TNTポスト・ドイツ部門のマリ オ・フラッシュCEOは「すべての 郵便事業者に対して同一のVATを 課すことが最善の方法だ。
今の草案 のままではドイツポストを使って個 人が五〇通以下の郵便物を出す場合、 VATの免除を受けることもできる、 と解釈できる余地が残っている。
こ の点は改善されなければならないし、 ドイツポストにこうした法律の抜け 道を与えてはいけない」と公平な競 争条件の整備を訴えた。
九月二九日にテネシー州で開催予 定の株主総会に向け、業績の低迷に 加えて?一人親方(インデペンデン ト・コントラクター:独立業務請負 人)問題?を抱えるフェデックスに 揺さぶりをかけるのが狙い。
チームスターズのトーマス・ケー グル書記長は「スミス氏が支配して いる役員会は、業績が低迷している にもかかわらず、高すぎる役員報酬 を支払っている。
しかも、罰金が数 十億ドルにも上る可能性のある(一 人親方という)不法なビジネスモデ ルを続けている」と主張する。
調査会社コーポレート・ライブラ リーによると、スミス氏の報酬は総 額四二〇〇万ドル(四四億一〇〇 〇万円)。
また、傘下の陸送業者フ ェデックス・グランドの一人親方問 題に関しては、国税局からの追徴金 や未払い給与の支払いなどが最高二 五億ドル(二六二五億円)に上る可 能性もあるとされている。
ただし、一人親方問題の行方は十 一月初旬の大統領選挙の結果に大き く左右されそうだ。
労働者寄りの民 主党のバラク・オバマ氏が当選すれ ば労働者側に有利、共和党のジョン・ マケイン氏が当選すれば経営側に有 利となる。
以前はマケイン氏の副大 統領の有力候補の一人として、スミ ス氏の名前も挙がっていた。
アジリティ カナダのフォワーダーを買収 ■同社プレスリリース 9・2 中東を本拠とする総合物流業者ア ジリティは、カナダのフォワーダー、 ジオペトロ・インターナショナルを 買収した。
ジオペトロ社は石油とガスの取り 扱いに特化し、両産業関連の輸送プ ロジェクトを手掛けてきた。
航空・ 海上貨物のフォワーディングと通関、 物流センター業務などを行い、エド モントン、カルガリーなどに事務所 を構えている。
DHLエクスプレス 香港ハブの処理能力を拡大 ■同社プレスリリース 9・8 ドイツポスト傘下のDHLエクス プレスは、一億一〇〇〇万ドル(一 一五億五〇〇〇万円)を投じた香 港の「セントラルアジアハブ」の拡 張工事を完了した。
施設面積はこ れまでの二倍の三万五〇〇〇平方メ ートルに拡大。
一時間当たりの貨物 取扱件数は三万五〇〇〇件から七 万五〇〇〇件に倍増し、年間取扱 件数は四〇〇〇万件に達する。
同ハブへの総投資額は二億一〇〇 〇万ドル(二二〇億五〇〇〇万円)。
DHLエクスプレス・アジア太平洋 地区のダン・マッキューCEOは「ア ジア太平洋地区は当社にとって成長 著しい市場だ。
同地区での二〇〇八 年上半期の取扱量は前年期同比一 三%増となっている。
そのうち六〇% がアジア域内の貨物であり、今後も 増加傾向が続くとみている」と語った。
UPS 中小輸入業者に金融サービス提供 ■同社プレスリリース 9・9 UPS傘下のUPSキャピタルは、 米国内の中小輸入業者向け金融サー ビスを開始する。
輸入業者に代わっ て海外のサプライヤーに商品の出荷 時点で代金を支払い、輸入業者の書 類業務負担を軽減する。
業務の流れは次の通り。
?輸入業者が海外のサプライヤーに 発注する。
?サプライヤーがUPSを使って出 荷した段階で、輸入業者は代金 を含めたコストの半額をUPSに 支払い、UPSはサプライヤーに 対して全額を支払う。
?輸入業者は契約内容に基づき(通 常六〇日以内に)UPSに残り の半額を支払う。
サービスの対象は年商五〇〇〇万 ドル(五二億五〇〇〇万円)以下、 月間取引件数一〇件以下の輸入業 者。
英ウィンカントン ビール大手の仏国内業務を受注 ■同社プレスリリース 9・9 英国の3PL業者ウィンカントン は、世界最大規模のビールメーカー、 インベブ(本社:ベルギー)からフ ランスでの物流業務を受注した。
インベブは現在、フランスとベル ギーの国境沿いのアルメンティエー ルに物流センターを構えているが、 同センターの近隣に二〇一〇年をめ どに新たな物流センターを建設。
ウ ィンカントンに業務を委託する。
新 センターは週五日二四時間体制で運 営され、一日最大一五〇台のトラッ クへの積み込み作業を行う。
インベブはビールの製造に加えて 59 NOVEMBER 2008 為替レート:1ユーロ=144円、1ドル= 105円 カフェ、バーの経営も手掛ける。
こ れまで自社で抱えていたフランス国 内の物流業務を外部委託することで、 本業に集中する。
同社によると、現 物流センターの従業員五七人の処遇 方法がウィンカントン起用の決め手 になったという。
ドイツポスト 銀行部門の株売却でロジに集中 ■同社プレスリリース 9・ 12 など ドイツポストは傘下の銀行部門、 ポストバンクの株式を売却すること で、本業のロジスティクス業務に特 化する。
ポストバンクの株式二九・ 七五%を、ドイツ銀行に一株当たり 五七・二五ユーロ(八二四四円)で 売却すると発表した。
売却総額は二 七億九〇〇〇万ユーロ(四〇一七億 六〇〇〇万円)。
ドイツポストはポストバンクの株 式五〇%プラス一株を保有する最大 株主だが、売却後はドイツ銀行が筆 頭株主となる。
ドイツポストの出資 率は二〇・二五%に低下する。
ドイツポストのフランク・アペル CEOは「ドイツ銀行という信頼で きるパートナー企業に、われわれの 保有する株式を譲渡することができ た。
これによって当社は今後、本業 であるロジスティクス業務に一層注 力することができる」と述べた。
DHLエクスプレス 米下院でUPSとの提携で証言 ■ロイター 9・ 16 など DHLエクスプレスのジョン・マ レンCEOは八月九日と一六日、米 国内におけるUPSとの業務提携に 関し、米下院司法員会と同輸送イン フラ委員会で証言した。
同社が五月、赤字が続く米国部門 のテコ入れ策としてUPSとの業務 提携の可能性を発表して以来、米国 内では根強い反対が続いている。
米 国のエクスプレス市場でトップ3に 入るUPSとDHLとの提携が、U PSによるDHL買収につながれば、 市場が寡占化する恐れがある。
また、 雇用面での影響も懸念されている。
マレンCEOは二回の証言を通し て、UPSとの業務提携の理由を説 明した。
DHLは二〇〇三年にエア ボーン・エクスプレスを買収して米 国市場に本格参入して以来、五〇 億ドル(五二五〇億円)以上の投資 を行ってきた。
しかし取扱量を増や すことはできず、〇八年だけでも一 三億ドル(一三六五億円)の赤字と なる見通しであり、「会社にとって も株主にとっても、また従業員にと っても看過できる状態ではない」と した。
市場の寡占化に対する懸念に関し ては「あくまでも一部の業務に限っ た外注であり、DHLは今後も(ラ イバルである)UPSとフェデック スに対して十分な競争力を持ち続け る」と発言した。
雇用問題については、リストラの 対象となるABXエアとエースター・ エア・カーゴの従業員に対し、退職 金の上積みや健康保険の費用などと して二億六〇〇〇万ドル(二七三 億円)を支払うことで同意している、 と述べた。
蘭CEVAロジスティクス タイで完成車輸送事業を開始 ■同社プレスリリース 9・ 17 オランダのCEVAロジスティク スは、タイで完成車輸送部門を立ち 上げた。
完成車輸送事業は昨年四月、S CM業務とフォワーディング業務に 続く新事業として試験的に開始して おり、既に九万八〇〇〇台の輸送 実績を持つ。
一度に八〇〇台の完成 車を輸送でき、二万台を保管可能。
同事業の車両台数は一五〇台、従 業員は四〇〇人。
TNTポスト ドイツの税改正案に改善要求 ■同社プレスリリース 9・ 24 TNTポストは、現在ドイツの連 邦議会で草案作りが進んでいるVA T(付加価値税)の税制改正につ いて、改善要求を発表した。
同社は議会がVATの改正に取り 組んでいることは評価するとしなが らも、草案に曖昧な表現を残せばこ れまでドイツポストに有利だった条 件を温存することになりかねず、ド イツ国内の郵便市場における公平な 競争が阻害されることになる、と主 張している。
ドイツでは今年一月、郵便事業が 自由化されたが、ドイツポストはユ ニバーサルサービス分野については VATの免除を受けている。
TNT ポストによると、現在ドイツポスト の郵便取扱総数のうちほぼ半分がV AT免除となっており、免除額は年 間五億ユーロ(七二〇億円)に上る という。
TNTポスト・ドイツ部門のマリ オ・フラッシュCEOは「すべての 郵便事業者に対して同一のVATを 課すことが最善の方法だ。
今の草案 のままではドイツポストを使って個 人が五〇通以下の郵便物を出す場合、 VATの免除を受けることもできる、 と解釈できる余地が残っている。
こ の点は改善されなければならないし、 ドイツポストにこうした法律の抜け 道を与えてはいけない」と公平な競 争条件の整備を訴えた。
