2009年1月号
物流不動産市場レポート
物流不動産市場レポート
福岡県・佐賀県九州全域を対象とした配送拠点鳥栖中心に大型施設の竣工相次ぐ
物流不動産市場レポート
JANUARY 2009 80
(延べ床面積二万六七四五平米)」と「J─R
EPロジステーション福岡?(四万四一三六
平米)を竣工させた。
今後は、三井物産が〇九年一〇月、福岡市 東区香椎浜の外貨コンテナターミナル港湾地 区に、「福岡香椎浜物流センター(仮称、二 万三五二一平米)」を、ラサールインベストメ ントマネジメントとイヌイ建物が共同出資でア イランドシティに「福岡アイランドシティ物流 センター(仮称、一五万平米)」の開発を予 定している。
竣工時期は一〇年の見込みだ。
佐賀鳥栖 大型供給相次ぐ 博多中心部への利便性では福岡市内の拠点 に劣るが、若干割安な賃料水準を設定するこ とで、需要を吸収している。
なかでも佐賀県が分譲した「グリーン・ロ ジスティクス・パーク鳥栖」は、九州自動車 道、長崎自動車道、大分自動車道が交わるな 倉庫着工面積は〇六年以降再び増加 福岡県は福岡市と北九州市の二つの政令指 定都市を持つ、九州地方で最も人口の多い県 だ。
北九州を中心に自動車関連企業の集積が 進んでおり、新北九州空港では羽田空港間に 加え、関西国際空港間の貨物便が運航してい る。
施設需要は福岡県の博多港周辺や九州自動 車道IC周辺に集中しているが、近年は佐賀 県鳥栖エリアでも開発が進んでいる。
福岡県の倉庫着工面積は、最盛期の一九 九〇年代前半には八〇万平米に迫る勢いだっ たが、近年は三〇万平米前後で推移している (図1)。
二〇〇六年以降再び増加しており、 四〇万平米を超える水準で推移している。
施設需要は一〇〇〇坪以上の大型物件に対 する需要は見られるものの、近年はやや落ち 着いてきた。
賃料水準は中小物件を含め横ば いで推移している(図2)。
福岡博多港周辺 空室消化は二極化 箱崎埠頭を中心とする博多港湾部は、食品 などの消費財を取り扱う倉庫や大規模工場が 古くから集積している。
荷主企業の拠点再編 成による統廃合の動きは増加傾向にあり、不 動産投資家等による施設建設などの動きも顕 在化している。
箱崎埠頭や香椎パークポート、 アイランドシティを中心に、大型物件に対す る引き合いが見られるなど、賃貸市場は拡大 傾向にあるといえる。
空き室消化は順調に進んでいる施設と、そ うでない施設との二極化が進んでいる。
今後 は内陸エリアで大型施設の竣工が控えている ため、賃料設定次第ではテナント獲得競争が 発生する可能性もある。
〇八年の開発動向は、日本レップが三月、 箱崎埠頭に「J─REPロジステーション福岡 第19回 福岡県・佐賀県 九州全域を対象とした配送拠点 鳥栖中心に大型施設の竣工相次ぐ シービー・リチャードエリス福岡支店 インダストリアル営業部 野田勝秀 シービー・リチャードエリス総合研究所 鈴木公二 81 JANUARY 2009 今後は、日本レップが〇九年二月、鳥栖市に 「J─REPロジステーション鳥栖(三万五〇 〇〇平米)」、大和ハウス工業が同月、鳥栖市 に「Dプロジェクト鳥栖A棟・B棟(仮称)」 を開発する計画だ。
現状、空き室消化は順調 だが、今後の需給動向には注意が必要だ。
ど、九州地方の交通の要衝である鳥栖ジャン クションからわずか五〇〇メートルと好立地 にある。
九州全域の配送拠点として、分譲消 化も順調だ。
近年、不動産投資会社等による大型施設の 供給が相次いでいる。
〇八年は、コマーシャ ル・アールイーが六月、鳥栖市に「CREロ ジスクエア鳥栖?(四七七五平米)」を、プロ ロジスが二月、同市に「プロロジスパーク鳥栖 ?(七万三〇三七平米)」を竣工させした。
福岡空港は都市部へのアクセスがとて も良いことで知られる。
同空港から博 多まで地下鉄でわずか二駅、天神へ行 くにも五駅と、一〇分程度で移動できる。
県外から出張で来たビジネスマンにとっ ても移動に手間取ることがなく、日本 一便利な空港といっても過言ではない だろう。
だが、空港と市街地が近接している ことは諸刃の剣でもある。
深夜、早朝 は近隣への騒音対策のため、飛行規制 が行われている。
また、市街地の建築 物はフライトへの影響を避けるために高 さ制限が設けられている(博多駅周辺 で約四五メートル、天神地区で約七〇 メートル)。
そこでこれらの問題を解決し、福岡 空港の能力を向上させるため、国と地 域の行政機関が連携し、「福岡空港調査 連絡調整会議」を発足させた。
市民に 積極的に情報を提供することで意見を 収集、反映していく「パブリック・イン ボルブメント」の手法を採用。
滑走路の 増設、移転等の検討を行っている。
〇八年七月に発表された具体案では、 博多中心部から一時間程度離れた新宮 沖への移転案も出ているようだが、こ れでは前述の交通利便性が失われてし まう。
ビジネスマンにとっては痛いとこ ろだ。
中心市街地までわずか一〇分! 日本一便利な福岡空港の課題 (?) 図1 福岡県の新規着工面積と棟数の推移(棟) 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 900,000 800,000 700,000 600,000 500,000 400,000 300,000 200,000 100,000 0 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 床面積棟数 図2 福岡県の物流施設の平均賃料 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 -2.0 -4.0 -6.0 -8.0 10.0 -12.0 -14.0 97年98 年99 年00 年01年02 年03 年04 年05 年06 年07年08 年 上期 5,390 4,920 4,340 4,160 3,760 3,540 3,370 3,070 3,320 3,050 3,120 2,910 -8.7 -11.8 -4.1 -9.6 -5.9 -4.8 -8.9 8.1 -8.1 2.3 -6.7 変動率 (%) 平均賃料 (円/坪) (円/坪) (%)
今後は、三井物産が〇九年一〇月、福岡市 東区香椎浜の外貨コンテナターミナル港湾地 区に、「福岡香椎浜物流センター(仮称、二 万三五二一平米)」を、ラサールインベストメ ントマネジメントとイヌイ建物が共同出資でア イランドシティに「福岡アイランドシティ物流 センター(仮称、一五万平米)」の開発を予 定している。
竣工時期は一〇年の見込みだ。
佐賀鳥栖 大型供給相次ぐ 博多中心部への利便性では福岡市内の拠点 に劣るが、若干割安な賃料水準を設定するこ とで、需要を吸収している。
なかでも佐賀県が分譲した「グリーン・ロ ジスティクス・パーク鳥栖」は、九州自動車 道、長崎自動車道、大分自動車道が交わるな 倉庫着工面積は〇六年以降再び増加 福岡県は福岡市と北九州市の二つの政令指 定都市を持つ、九州地方で最も人口の多い県 だ。
北九州を中心に自動車関連企業の集積が 進んでおり、新北九州空港では羽田空港間に 加え、関西国際空港間の貨物便が運航してい る。
施設需要は福岡県の博多港周辺や九州自動 車道IC周辺に集中しているが、近年は佐賀 県鳥栖エリアでも開発が進んでいる。
福岡県の倉庫着工面積は、最盛期の一九 九〇年代前半には八〇万平米に迫る勢いだっ たが、近年は三〇万平米前後で推移している (図1)。
二〇〇六年以降再び増加しており、 四〇万平米を超える水準で推移している。
施設需要は一〇〇〇坪以上の大型物件に対 する需要は見られるものの、近年はやや落ち 着いてきた。
賃料水準は中小物件を含め横ば いで推移している(図2)。
福岡博多港周辺 空室消化は二極化 箱崎埠頭を中心とする博多港湾部は、食品 などの消費財を取り扱う倉庫や大規模工場が 古くから集積している。
荷主企業の拠点再編 成による統廃合の動きは増加傾向にあり、不 動産投資家等による施設建設などの動きも顕 在化している。
箱崎埠頭や香椎パークポート、 アイランドシティを中心に、大型物件に対す る引き合いが見られるなど、賃貸市場は拡大 傾向にあるといえる。
空き室消化は順調に進んでいる施設と、そ うでない施設との二極化が進んでいる。
今後 は内陸エリアで大型施設の竣工が控えている ため、賃料設定次第ではテナント獲得競争が 発生する可能性もある。
〇八年の開発動向は、日本レップが三月、 箱崎埠頭に「J─REPロジステーション福岡 第19回 福岡県・佐賀県 九州全域を対象とした配送拠点 鳥栖中心に大型施設の竣工相次ぐ シービー・リチャードエリス福岡支店 インダストリアル営業部 野田勝秀 シービー・リチャードエリス総合研究所 鈴木公二 81 JANUARY 2009 今後は、日本レップが〇九年二月、鳥栖市に 「J─REPロジステーション鳥栖(三万五〇 〇〇平米)」、大和ハウス工業が同月、鳥栖市 に「Dプロジェクト鳥栖A棟・B棟(仮称)」 を開発する計画だ。
現状、空き室消化は順調 だが、今後の需給動向には注意が必要だ。
ど、九州地方の交通の要衝である鳥栖ジャン クションからわずか五〇〇メートルと好立地 にある。
九州全域の配送拠点として、分譲消 化も順調だ。
近年、不動産投資会社等による大型施設の 供給が相次いでいる。
〇八年は、コマーシャ ル・アールイーが六月、鳥栖市に「CREロ ジスクエア鳥栖?(四七七五平米)」を、プロ ロジスが二月、同市に「プロロジスパーク鳥栖 ?(七万三〇三七平米)」を竣工させした。
福岡空港は都市部へのアクセスがとて も良いことで知られる。
同空港から博 多まで地下鉄でわずか二駅、天神へ行 くにも五駅と、一〇分程度で移動できる。
県外から出張で来たビジネスマンにとっ ても移動に手間取ることがなく、日本 一便利な空港といっても過言ではない だろう。
だが、空港と市街地が近接している ことは諸刃の剣でもある。
深夜、早朝 は近隣への騒音対策のため、飛行規制 が行われている。
また、市街地の建築 物はフライトへの影響を避けるために高 さ制限が設けられている(博多駅周辺 で約四五メートル、天神地区で約七〇 メートル)。
そこでこれらの問題を解決し、福岡 空港の能力を向上させるため、国と地 域の行政機関が連携し、「福岡空港調査 連絡調整会議」を発足させた。
市民に 積極的に情報を提供することで意見を 収集、反映していく「パブリック・イン ボルブメント」の手法を採用。
滑走路の 増設、移転等の検討を行っている。
〇八年七月に発表された具体案では、 博多中心部から一時間程度離れた新宮 沖への移転案も出ているようだが、こ れでは前述の交通利便性が失われてし まう。
ビジネスマンにとっては痛いとこ ろだ。
中心市街地までわずか一〇分! 日本一便利な福岡空港の課題 (?) 図1 福岡県の新規着工面積と棟数の推移(棟) 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 900,000 800,000 700,000 600,000 500,000 400,000 300,000 200,000 100,000 0 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 床面積棟数 図2 福岡県の物流施設の平均賃料 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 -2.0 -4.0 -6.0 -8.0 10.0 -12.0 -14.0 97年98 年99 年00 年01年02 年03 年04 年05 年06 年07年08 年 上期 5,390 4,920 4,340 4,160 3,760 3,540 3,370 3,070 3,320 3,050 3,120 2,910 -8.7 -11.8 -4.1 -9.6 -5.9 -4.8 -8.9 8.1 -8.1 2.3 -6.7 変動率 (%) 平均賃料 (円/坪) (円/坪) (%)
