2009年3月号
NEWS

海外トレンド報告

MARCH 2009  64 2009年1月発表分 ドイツポスト アランCFOが六月で退任 ■同社プレスリリース 1・2  ドイツポストのナンバー2である ジョン・アランCFO(最高財務責 任者)は、六月末の任期切れをもっ て退任する。
 アラン氏はドイツポストが二〇〇 五年に買収した英国の3PL大手、 エクセルのCEO(最高経営責任者) だった。
ドイツポストではエクセル を吸収したロジスティクス部門のト ップを経て、〇七年からCFO職を 務めていた。
現在六〇歳。
 ドイツポストの役員会は速やかに 同氏の後任を指名するとしている。
米UTiワールドワイド CEOにUPS出身者を迎える ■同社プレスリリース 1・5ほか  米国の大手フォワーダー、UTi ワールドワイドの新CEOに一九日、 元UPSのエリック・W・カーチナ ー氏(四九歳)が就任した。
 カーチナー氏はコンウェイ傘下の 大手フォワーダー、エメリー・ワー ルドワイドやメンロー・ワールドワイ ド・フォワーディングで要職を歴任 後、メンロー・ワールドワイド・フ ォワーディングのCOO(最高執行 責任者)に就任。
〇四年のUPS によるメンロー・ワールドワイド・ フォワーディングの買収後はUPS サプライチェーン・ソリューションで フレイト・フォワーディング部門担 当社長を務めていた。
 U T iはナスダック上場企業。
M&Aを繰り返して売り上げを伸ば してきた。
直近の売上は約四四億ド ル(三九六〇億円)という規模に 成長しながらも、これまでは創業者 のロジャー・マクファーレン前CE Oとタイガー・ウェッセルズ氏の影 響力が強く、オーナー企業の色合い が濃かった。
 今回の人事は外部から経営トップ を迎え入れることで、経営に新風 を吹き込むのが狙いとみられている。
なお、マクファーレン、ウェッセル ズの両氏は代表権のない役員に退く。
UPS 医薬品大手のメルクの業務受注 ■同社プレスリリース 1・6  UPSの3PL・フォワーディン グ部門であるUPSサプライチェー ン・ソリューションは、ドイツの大 手医薬品メーカーのメルクから、米 国ジョージア州とネバダ州の物流セ ンター業務を受注した。
二つのセン ターの延べ床面積は計二〇万平方 フィート(一万八五八〇平方メート ル)。
UPSは温度管理の必要なワ クチンなどの医薬品の仕分け、梱包、 発送を手掛ける。
 UPSは既に北米で医薬品専門の 物流センター二三カ所を運営してお り、プエルトリコとオランダでも同 様のセンター業務を立ち上げる予定。
インテグレーター各社は現在、高収 益を見込める医薬品の取り扱いに力 を入れており、UPSの今回の業務 受注もその一環となる。
英ロイヤルメール ロジスティクス事業を本格展開 ■同社プレスリリース 1・6  英国のロイヤルメールは、イタリ アの白物家電大手、インデスト社向 けに英国内での部品の翌日配送サー ビスを開始する。
ロイヤルメールは 新サービスの投入によりロジスティ クス事業を本格展開する考えで、「企 業の効率的な部品の配送業務と顧客 満足度の向上を目標に据える」とし ている。
 両社は一年前にトライアルを開始。
ロイヤルメールはこれまでインデス ト社の部品五〇万個を英国内の一八 〇万カ所の顧客に配送し、サービス の精度を高めてきた。
受注翌日の午 前八時までに部品を届けるサービス ではオンタイム配送比率が九九・五% を超え、ウェブ上で貨物追跡も行え るほか、返品業務にも応じている。
 英国は二〇〇六年に郵便事業を完 全自由化しており、欧州内では自由 化が最も進んでいる。
既にドイツポ ストやTNTポストが市場に参入し、 ロイヤルメールの郵便事業は大きく 落ち込んでいる。
今回の新サービス の投入は、ロジスティクス事業への 本格参入で郵便事業での劣勢を挽回 するという思惑があるとみられる。
EUの郵便自由化に関する報告書 「進捗あるものの不十分」 ■欧州委員会プレスリリース 1・8  欧州委員会は、二〇〇六年から 〇八年までのEUでの郵便事業の自 由化の進捗度に関する報告書をまと めた。
 報告書は「郵便事業の自由化は おおむね計画通りに進んでいる」、「郵 便市場では競争原理が働きつつある」 としながらも、「欧州委員会の予想 よりもペースが遅い」、「いくつかの 加盟国においては今後自由化の速度 をさらに速める必要がある」などと している。
 欧州議会は〇八年、二〇一〇年 年末を最終期限とする郵便事業の 完全自由化に関する新郵便指令を 採択。
英国は〇六年、ドイツは〇八 年に完全自由化を実施した。
一方、 オランダは当初は〇八年の自由化を 65  MARCH 2009 為替レート:1ドル=90円、1ユーロ= 115円 予定していたが、延期を決めたまま 今日に至っている。
YRCが倒産の危機回避 チームスターズと賃下げで合意 ■同組合プレスリリース 1・8など  チームスターズ(全米トラック運 転手組合)は組合員の投票により、 米国のトラック輸送大手YRCワー ルドワイドと一〇%の賃下げなどで 合意した。
これにより、YRCは非 組合員を含めて五万八〇〇〇人を対 象とした賃金カットが可能になった。
コスト削減効果は二億九五〇〇万〜 三億三五〇〇万ドル(二六五億五 〇〇〇万〜三〇一億五〇〇〇万円) に上り、同社は倒産の危機を当面は 回避した格好だ。
 金融危機以前は二〇ドル前後で推 移していたYRCの株価は、昨年一 〇月以降急落し、同十一月には一 ドル台にまで下落。
倒産の危機がさ さやかれていた。
 YRCは経営環境の悪化を受け てコスト削減を打ち出し、昨年十二 月に傘下のイエロー・トランスポー ト、ロードウェイ、ホーランド、ペ ン・ステイトの事業部門でチームス ターズに加盟する従業員に対し、一 〇%の賃金カットのほか定期昇給と 毎年のインフレ調整の一時中止を提 案。
代わりに組合員にはYRCの株 式一五%の保有を認め、同社の業績 が回復した際にはキャピタルゲイン を得られるようにする、と申し入れ ていた。
 また、非組合員に対しても同様に 賃金カットを行い、同社株式の七% を与える。
さらに傘下の特別積み合 わせ業者、イエロー・トランスポー トとロードウェイの業務を四月まで に統合し、二億ドル(一八〇億円) を削減する方針。
フェデックスの“一人親方”問題 チームスターズが「新戦略」非難 ■同組合プレスリリース 1・ 16  チームスターズはフェデックスの内 部文書から、?一人親方?(インデペ ンデント・コントラクター:独立業 務請負人)問題に関して、同社子 会社のフェデックス・グランドが東 部のニューハンプシャー州でドライバ ーと新たな個人契約を結ぶという情 報を入手し、同社の「新戦略」を 非難した。
 「新戦略」は、これまでのように フェデックス・グランドの従業員と 同様の契約を結ぶのではなく、ドラ イバー個人が賃金を含むサービス契 約を結ぶというもの。
ドライバーは フェデックス仕様のトラックやスキャ ナー、制服が不要なことに加え、特 定の条件の元では荷物の集荷・集配 を拒否する権利も持つ、という。
し かし一方で、個人の責任において担 当エリアの配送を行い、季節波動に も対応しなければならないという問 題もある。
 チームスターズは、フェデックスの 新戦略は法の目をかいくぐり、一人 親方という違法な雇用状態を維持し ようという意図があり、ドライバー だけでなく同社の株主にも大きな損 害を与える可能性がある、としている。
 フェデックスは一人親方問題で、 全米約四〇州で提訴されている。
昨 年一〇月にはカリフォルニア州最高 裁判所が同社のドライバーに対する 支配を認定し、同社に対して原告の ドライバー約二〇〇人に一一四〇万 ドル(一〇億二六〇〇万円)を支 払うよう命じた。
ドイツポストの元CEO 脱税で執行猶予付き有罪判決 ■フィナンシャル・タイムズ 1・ 27 など  ドイツ北部のボーフム州裁判所は、 ドイツポストの元CEOで脱税容疑 に問われていたクラウス・ツムヴィ ンケル氏(六五歳)に対して、執行 猶予付きの懲役二年、罰金一〇〇 万ユーロ(一億一五〇〇万円)の有 罪判決を下した。
 ツムヴィンケル氏は昨年二月、脱 税容疑が発覚した直後にドイツポス トのCEO職を辞任。
法廷ではドイ ツの隣国リヒテンシュタインの銀行 を利用して過去二〇年以上にわた って脱税を続けていたことについて、 「私の人生で最大の過ちだった」と 罪を認めていた。
米YRCワールドワイド 二期連続赤字を受け資金調達へ ■同社プレスリリース 1・ 29 、 30 など  米YRCワールドワイドの二〇〇 八年十二月期決算は、売上高が前 期比七・一%減の八九億四〇〇〇 万ドル(八〇四六億円)、最終損失 が九億七四〇〇万ドル(八七六億 六〇〇〇万円、前期は六億三八〇 〇万ドル〈五七四億二〇〇〇万円〉 の損失)と二期連続の最終赤字とな った。
 倒産の瀬戸際にある同社は今後、 あらゆる手段を講じて経費を削減 し、運転資金を集める構え。
既に最 終赤字による資金繰りの悪化を見越 し、昨年十二月中にNATMIトラ ックターミナルとセール・リースバ ック(自社の資産を売却した後で同 じ物件を借り受けること)契約を締 結している。
一月中に現金で一億一 〇〇万ドル(九〇億九〇〇〇万円)、 さらに今後、五〇〇〇万ドル(四五 億円)を受け取る予定になっている と発表した。

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