2009年5月号
物流業のリスクマネジメント

OHSAS18001労働安全衛生マネジメントシステム

MAY 2009  68 宇野修 ロジスティクスバンク代表 物流業のリスクマネジメント 物流業のリスクマネジメント 第三の国際規格  日本の労働災害による死傷者数は年間約 一〇万人、うち死亡者数は約一三〇〇人に上 っている。
(厚生労働省統計二〇〇八年速報 値)このところ減少傾向にあるとはいえ、英 国と比べるとひと桁違う。
英国の労災死亡者 は年間二百数十人に過ぎず、労働者一〇万人 当たりの死亡災害数も日本の二・九人に対して 〇・八人と格段に低い。
(〇六年実績値)これ は「OHSAS18001」の定着度と無縁 ではないだろう。
 OHSAS(オーサス)とは「Occupational Health and Safety Assessment Series」の 略で、日本では「労働安全衛生マネジメント システム」と呼ばれる国際認証規格だ。
英国 規格協会(BSI)が一九九六年に発行し た「BS8800規格」をベースとして九九 年に発行した。
近い将来のISO化も見込ま れ、品質のISO9001、環境のISO 14001に続く第三の国際規格といえる。
 しかし、日本においてOHSAS1800 1の認証を受けた物流企業はまだ少ない。
そ の知名度も低い。
そもそも労働安全衛生に対 する関心自体、決して高いとはいえないのが現 状である。
このシステムが日本の物流業界に 普及し、定着に至るまでにはまだかなりの時間 がかかりそうだ。
 しかしながら、物流業を取り巻く環境は数 多の危険源で溢れている。
筆者はOHSAS 18001の導入と審査を行うために、日本 全国に散在する物流会社の事業所(倉庫と倉 庫内にある事務所)や空港・港の倉庫地区を 回った経験がある。
 暗い冷たい倉庫内に一歩足を踏み入れると、 高く積み上げられた貨物の山が崩れ落ちてくる のではないかという不安を感じた。
庫内を行き 交うフォークリフトの運転にも恐怖感を覚えた。
空港・港の倉庫地区ではトラックや作業車両 が頻繁に行き来している。
いつ衝突事故を起 こしても不思議ではない状況だ。
労働災害の 危険性を感じないサイトは一つもなかった。
 これらの事故を未然に防ぐ管理システム、 また事故が発生した場合にも適切に対処でき るシステムがなければ、「顧客満足・従業員満 足」に基づいた経営など、とうてい不可能で ある。
快適で安全な環境をつくり、顧客、従 業員、利害関係者に迷惑をかけないシステム を構築しなければならない。
労働災害ゼロの 職場である。
その指針となるのがOHSAS 18001である。
OHSAS : 〇七年版  O H S A S 1 8 0 0 1は九九年に発行 した後、〇七年に改訂されている。
I S O 14001環境マネジメントシステムが〇四 年に改訂されたことを受けたもので、ISO 9001およびISO14001との連動性 がより高まった。
この改訂により品質、環境、 労働安全衛生という三つのマネジメントシステ ムを、同時に導入し、認証審査を受けること が可能になった。
《第4回》 OHSAS18001 労働安全衛生マネジメントシステム  物流企業にとって“労災ゼロ”は単なるスローガンでも綺麗 事でもない。
労働災害の防止は、社員の生命だけでなく、深刻 な経営リスクから会社を守る決め手となる。
さらには事故の発 生を抑えることで、サービス品質の向上とコストダウンの両立 が可能になる。
ISO9001、ISO14001 と並ぶ第3 の国際規格と されるOHSAS18001 がその指針となる。
69  MAY 2009  図1はOHSAS18001:〇七年版の 規格要求事項である。
図の「4.1」から「4.6」 までの規格要求事項には、労働安全衛生マネ ジメントシステムを組織内に導入し、その結果 を内部審査し、さらには第三者機関による審 査登録を受けるときの活動の体系が示されてい る。
そして、その構成はISO9001およ びISO14001と同じPDCA(「Plan: 計画」「Do:実行」「Check:評価」「ACT: 見直し」)サイクルから成っている。
 その冒頭部分「一般要求事項(4.1)」の解 説文には「組織は、労働安全衛生マネジメン トシステムの適用範囲を定め、システムを確立 し、文書化し、実施し、維持し、継続的改善 をしなければならない」と書かれている。
その 要求事項が以下の「4.1」から「4.6」の全体だ という。
つまり、労働安全衛生マネジメント システムを確立・維持するためには、以下に 示されているすべての要求事項に従わなければ ならないということである。
計画: Plan(4.2 〜4.3)  労働安全衛生マネジメントシステムの構築 は、「労働安全衛生方針(4.2)」を作ることか ら始まる。
解説文では「組織の最高経営層に よって承認された労働安全衛生方針が存在し なければならない。
その方針には、全体的な 安全衛生の目標およびパフォーマンスを改善す ることの約束が明確に述べられていなければな らない」として、最高経営層の関与の必要性 が強調されている。
 経営層が考慮しなければならない主なインプ ットとしては以下が挙げられている。
「組織の ビジネス全体に関する方針および目標」、「組 織の労働安全衛生の危険源」、「法的およびそ の他の要求事項」、「組織の歴史的および現状 の労働安全衛生パフォーマンス」、「その他の 利害関係者のニーズ」、「継続的改善のための 機会とニーズ」、「必要とされる経営資源」、「労 働者(従業員)の寄与」、「請負者、その他外 部関係者の寄与」である。
 規格要求事項「計画(4.3)」では、危険源(ハ ザード)を特定し、リスクアセスメントおよび リスク管理策の決定のプロセスを確立し、実施、 維持しなければならないことが述べられている。
その管理対象は以下のように整理されている。
a . 定常活動と非定常活動 b . 請負者や訪問者を含む職場に出入りするす べての人々の活動 c . 人間の行動、その可能性とほかの人的要素 d . 職場内で組織の管理下にある人々の安全衛 生に悪影響を及ぼす職場の外からもたらさ れる特定された危険源 PDCAサイクル 規格要求事項 項目 一般要求事項 4.1 PLAN(計画) 労働安全衛生方針 4.2 計画 4.3 危険源の特定、リスクアセスメント及びリスク管理策の決定 2004.3.1 法的及びその他の要求事項 2004.3.2 目標及び計画実施 2004.3.3 DO(実行) 実施及び運用 4.4 資源、役割、責任、説明責任及び権限 2004.4.1 力量、教育訓練及び自覚 2004.4.2 コミュニケーション、参画及び協議 2004.4.3 コミュニケーション 4.4.3.1 参画及び協議 4.4.3.2 文書類 2004.4.4 文書管理 2004.4.5 運用管理 2004.4.6 緊急事態への準備及び対応 2004.4.7 CHECK(点検) 点検 4.5 パフォーマンスの測定とモニタリング 2004.5.1 順守評価 2004.5.2 事故誘因の調査、不適合並びに是正及び予防処置 2004.5.3 事故誘因の調査 4.5.3.1 不適合並びに是正及び予防処置 4.5.3.2 記録の管理 2004.5.4 内部監査 2004.5.5 ACT(見直し) マネジメントレビュー(経営層による見直し) 4.6 図1 OHSAS18001:2007 労働安全衛生マネジメントシステムの規格要求事項と項目 MAY 2009  70 物流業のリスクマネジメント 宇野修 ロジスティクスバンク代表 e . 組織の管理下にある仕事に関係する活動に より職場の付近で生じた危険源 f . 組織、または、他者により提供されるイン フラストラクチャー、機器、材料など g . 組織(事業場)又は使用する材料等に関 する変更あるいは、計画された変更 h . 一時的な変更を含む労働安全衛生マネジメ ントシステムに対する修正、運用、プロセ スおよび活動に対する影響 i . リスクアセスメントと必要な管理策の実行 に関するすべての適用可能な法的規制 j . 人的能力に対する適応性を含む、作業場、 プロセス、設備、機械/装置、操作手順、 作業組織の設計  次の作業はこの方針に基づいた「労働安全 衛生目標」(定量的な目標)の設定と、目標 達成のためのアクション計画「計画と労働安 全衛生マネジメントプログラム」の作成である。
誰が、何を、どこで、いつまでに、どれだけ 行動をするのか、その具体的なプログラムを示 すのである。
 定量的な目標の作成には、組織内に存在す るあらゆる危険源を洗い出し、その危険源を 評価し、その管理策を作成することが要求さ れる。
それが規格要求事項「危険源の特定、 リスクアセスメントおよびリスク管理策決定 (4.3.1)」の作業である。
 ここでいう「危険源(ハザード)」とは、「人 の障害、疾病、それらの組合せなどの危害を もたらしうる潜在的な原因、状況、行為」と 定義されている。
つまり、危険な場所、危険 な設備、危険な作業、危険な物質、危険にさ らされる時間などを考慮に入れ、危険源を特 定するのである。
 物流業務における主な危険源と管理策を次 頁の図2に示した。
もちろん、これら以外に も危険源は沢山ある。
ポイントは、このうち のどれが労働安全衛生に大きな影響を与える 「重大な危険源」であるのかを明確にすること である。
社会的、技術的、経済的、エコロジ ー的、政策的な視点から危険源を分析し、そ の対策を取ることが要求される。
危険源の回避、 危険源の防止、危険源の管理、危険源の緩和 などを計画し、実行するのである。
 具体的なリスクアセスメントの手順としては 次のようなステップを踏むことになる。
?危害を受ける可能性のあるのは誰なのかを明 確にする。
自分を含めて仕事に就いている 人たち、オフィスのスタッフ、請負者、他 のメンテナンス要員、清掃者、近隣の人々 など全ての関係者をリストアップする。
?どんなことがこれらの人々への危害の原因と なりうるのかを整理する。
滑る、つまずく ─転倒、ほこり─肺への急性的および慢性 的刺激、アレルギーの発症、騒音─耳覚へ の急性的および慢性的障害、電気─感電死、 火災、危険物─火傷、アレルギー、高所で の作業─落下、フォークリフト─衝突によ るけが・重傷、温度─火傷および風邪、不 適切な照明─目の疲れ、手作業─過労、振 動などである。
?リスクが適切に管理されているかを検証する。
どのような予防措置、是正措置が実行され ているかを把握し確実なものにする。
装置の 隔離、電源の絶縁、フォークリスト運転マ ニュアルの順守、保護具の着用などの実施 し、それを確実なものにするわけである。
 また「危険源改善対策案」はI S O 14001環境マネジメントシステムと同様に 関連法への配慮が必要になる。
それが規格要 求項目「法的およびその他の要求事項(4.3.3)」 の作業である。
労働安全衛生法には何がある のかを明確にして、それを「Check(評価)」 のプロセスの「順守評価(4.5.2)」で点検する のである。
 七二頁の図3は日本における労働安全衛生 法体系を示したものである。
多くの法律がある が、このうち中心となるのは労働安全衛生法 である。
参考までに、安全衛生管理体制につ いて規制している同法の第十条を七三頁の図 4に紹介しておく。
実行: Do(4.4)  規格要求事項「4.4.1」〜「4.4.7」は「DO: 実行」のステップである。
最初の「資源、役割、 責任、説明責任および権限(4.4.1)」の解説文は、 「組織(事業者)は、労働安全衛生マネジメ ントを促進するために、組織(事業場)の活 71  MAY 2009 図2 物流企業における主な危険要因 室温・照明 清掃・衛生 ●危険物保管場所が特定されていない。
●危険物取扱の知識が不足している。
●フォークリフト作業のマニュアルがない。
●ヘルメットの数が不足している。
●倉庫内の貨物梱包用のスペースが足りない。
●倉庫のドアにガラスの部分がある。
●倉庫内に高付加価値貨物の保管ケージがない。
●倉庫外に雨濡れを防ぐ屋根がない。
●倉庫内において貨物落下の危険性がある。
●倉庫内スペースが狭く、人身事故、貨物損傷事故の可能性が高い。
●空港貨物地区内において、交通法規無視のフォークリフトや大型トラッ クがあり、事故に遭う可能性がある。
●貨物地区内の歩行者通路と車両用がはっきり区別されてないため人身 事故の可能性がある。
●保存義務のある通関書類の置き場が狭いため、オフィスの壁に山積み になっており、崩れ落ちた場合にケガをする可能性がある。
●トラック、フォークリフトなどの排気ガスや貨物の粉塵が多く貨物地区 内の空気が汚れている。
●パソコンのスクリーン及びサーバールームからの電磁波を避ける対策が ない。
●長時間のパソコン作業(VDT:ビジュアル・ディスプレイ・ターミナルズ) により起こる眼精疲労などを防止するシステムがない。
●液晶モニターが設置されていない。
●各営業所に労働安全衛生委員がいない。
●安全衛生教育が行われていない。
●ケーブル類が床の上にむき出しになっている。
断線、火災、転倒の危 険性がある。
●オフィス内にダンボール箱、書類、PC 部品などが散乱している。
●事務所スペースが従業員数、仕事量からみて狭いため、精神的なプレッ シャーが大きく、業務効率が下がる。
●書類の保管スベースが狭いため、重要書類紛失の可能性がある。
●船積書類を受け付けるオフィスの人の出入りが多いため情報セキュリ ティに不安がある。
●会議室で食事をする人がいる。
衛生面の配慮が必要である。
●室内の換気が悪い。
●PC、プリンター、コピー機などの電源が24時間、365日入ったままになっ ている。
●休憩室又は医務室がない。
●室内温度が高く、作業効率が落ちる。
●火災の避難訓練が行なわれていない。
●地震を想定したビジネス継続計画が不備である。
●非常階段が災害時に使用できるか不安である。
●防災ヘルメット・防災用品が不十分である。
●期限切れの消火器が設置されている。
●1年中事務所が暑く、体調が悪くなる。
●冬季など事務所が乾燥する。
●倉庫・倉庫内ブースの照明が暗い。
●照度、気積について標準化されたものがない。
●冷蔵庫が汚い。
●給湯室の衛生管理が不備である。
分類 危険源 管理策 倉庫作業 倉庫環境 倉庫安全 労働災害 (空港上屋地域) パソコン作業 安全衛生管理体制 オフィス環境 災害対策 ●保管場所を安全なところに設ける ●トレーニングの実施 ●マニュアルの作成・維持 ●十分な数を確保する ●十分なスペースの確保 ●割れないガラスにする ●高付加価値ケージを設ける ●屋根をつける ●落下防止策をとる ●適切なスペースの確保 ●交通法規順守規制を導入する ●歩行者用通路の確保をする ●通関書類の保管場所を確保する ●ハイブリッド車の導入及び保護具などを考える ●電磁波を避ける管理策の導入 ●防止機器を取り付ける ●液晶モニターを設置する ●労働安全衛生委員会を法律に基づき設ける ●教育の実施 ●ケーブル類を保護する機器をつける ●5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾)の徹底 ●法律に基づいた気積(1人当たり10 ?以上)を  確保する ●適正な保管スペースの確保 ●情報セキュリティシステムの導入・管理 ●5Sの導入 ●排気装置の設置 ●未使用時は電源を切る ●休憩室・医務室を設ける ●至適温度に設定する ●法律に基づき避難訓練を実施 ●BCP(事業継続計画)を導入・管理 ●非常階段への誘導標識を設ける ●適正な数を揃える ●消火器の有効期限管理の徹底 ●適正温度管理の導入 ●加湿器の設置 ●照明機器の設置 ●6 カ月以内に1 回、定期点検し適切な照明を行う ●5Sの実行 ●5Sの実行 MAY 2009  72 物流業のリスクマネジメント 動、設備、およびプロセスの労働安全衛生リ スクに影響を及ぼす活動を管理し、実施しか つ検証する要員の役割、責任および権限を定め、 文書化し、伝達しなければならない」とある。
 ここで謳われているのも、やはり最高経営層 の責務である。
労働安全衛生の最終責任は最 高経営層にあり、その責任に基づいて最高経 営層は、?労働安全衛生方針を承認し、?安 全衛生担当管理者を選任し、?経営資源を用 意し、さらには?労働安全マネジメントシステ ムを見直すわけである。
評価: Check(4.5)  OHSAS18001における「パフォー マンスの測定とモニタリング(4.5.1)」は以下 のように規定されている。
a . 組織(事業場)の必要に応じた定性的およ び定量的指標 b . 労働安全衛生目標の達成度合いおよび管理 策のモニタリング c . 労働安全衛生の実施計画(プログラム)、 管理策、運用基準および適用可能な法的 要求事項の順守をモニターする予防的実績 指標 d . 事故、疾病、事故誘因(ノアミス含む)、 および労働安全衛生の欠陥実績の経時的 証拠までをモニターする事後的実績指標 e . その後の是正および予防措置の分析を容易 にするのに十分なモニタリングおよび測定 のデータ並びに結果の記録。
もし、モニタ リング機器が実績の測定およびモニタリン グに必要なら、組織(事業者)はその機 器の校正および保持の手順を確立し、維持 しなければならない。
校正および保守活動 並びに結果の記録は、保持されなければな らない。
 このほか、Check のプロセスには、「順守評 価(4.5.2)」すなわち法的要求事項の定期的評 価とその結果の記録、「事故誘因の調査、不適 合並びに是正および予防処置(4.5.3)」、「記録 の管理(4.5.4)」、「内部監査(4.5.5)」という ステップがある。
見直し: Action(4.6)  PDCAサイクルの最後は経営層による見 直し(Action)である。
自ら定めた間隔でシ ステムを見直すことが規格要求事項には明記 されている。
しかし実際には、認証を取得済 みの企業であっても、見直しは行われていな ■労働基準法 ■労働安全衛生法 ○総括安全衛生管理者(第10 条) ○安全管理者(第11 条) ○衛生管理者(第12 条) ○安全衛生推進者等(第12 条の2) ○産業医(第13 条) ○作業主任者制度(第14 条) ○安全・衛生委員会(第17 条ー19 条) ○安全衛生教育(第59 条ー60 条) ○就業制限業務(第61 条) ○作業環境測定(第65 条) ○健康診断(第66 条) ■労働安全衛生法施行令 ■労働安全衛生規則 ■事務所衛生基準規則 ■有機溶剤中毒予防規則 ■鉛中毒予防規則 ■四アルキル鉛中毒予防規則 ■特定化学物質等障害予防規則 ■高気圧作業安全衛生規則 ■電離放射線障害防止規則 ■酸素欠乏症等防止規則 ■粉じん障害防止規則 ■じん肺法 ■じん肺法施行規則 ■作業環境測定法 ■作業環境測定法施行規則 図3 日本における労働安全衛生法体系 労働安全衛生法体系 労働衛生(有害業務) 関係法令 消防法 高圧ガス保安法 73  MAY 2009 いことが多い。
忙しいことを理由に経営者が 部下に任せっきりにしてしまうのである。
これ はOHSASに限らずISO9001やIS O14001でも同様である。
経営者が自ら 進んで、プロセスを見直して改善点を指摘し、 PDCAサイクルを回していかないかぎり、マ ネジメントシステムは画餅で終わる。
 労働安全衛生マネジメントシステムが組織 に定着することによるベネフィットは決して小 さくない。
組織内に労働災害防止のプロセス・ システムを導入することで、労働災害リスク は大幅に低減する。
従業員のモチベーション、 健全な組織経営の実現および社会的信頼が高 まる。
業務中の事故を防ぐことにより、納期 順守やサービス品質も向上する。
損害賠償責 任の保険料率を引き下げにもつながる。
仮に 災害が起きた場合でも、それによって発生する ダメージを最小限に抑えることができる。
つま りコストセーブが可能になるわけである。
(1) 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関 すること。
(2) 労働者の安全教育または衛生教育の実施に関すること。
(3) 健康診断の実施、その他健康の保持増進のための措置 に関すること。
(4) 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。
(5) 総括安全衛生管理者は、事業所においてその事業の実 施を統括管理する者をもって充てなければならない。
(6) 都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要が あると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執 行について事業者に勧告することができる。
図4 10 条:総括安全衛生管理者の法令上の義務  事業者は、政令で定める(労働安全衛生法施行令:第2 条) 規模の事業所ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、 総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生 管理者又は技術的事項を管理する者の指揮をさせるととも に、次の業務を総括管理させなければならない。
参考文献 ■ペリージョンソンレジストラーのホームページ ■JQA(日本品質保証機構)のホームページ ■ http://OHSAS18001.isolesson.com ■「OHSAS18001 審査員研修コーステキスト」グ ローバルテクノ、二〇〇二年五月 宇野 修(うのおさむ) 1946 年生まれ。
青山学院大学卒。
英国航空、フライングタイガー航空、 エア・カナダ、ジャパン・シェンカー、 エクセル・ジャパンを経て、2008 年にロジスティクスバンクを設立、 代表に就任。
現在に至る。
http://www.e-logisticsbank.com/、 e-mail:uno-osamu@e-logistics bank.com

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