2009年7月号
ケース
ケース
プラスロジスティクス 環境事業
45 JULY 2009
環境事業
プラスロジスティクス
オフィス家具のリサイクル事業が本格化
オークション運営軸に独自モデルを構築
住宅メーカーの積水ハウスは業界で初めて、新築
施工現場で発生する廃棄物のゼロエミッションを達
成した。
現場で分別を行い、集荷拠点を経由して 自社のリサイクル施設に回収する仕組みを作ること で、廃棄物の発生量を大幅に削減した。
さらに部 材の設計段階から発生抑制を図るため、回収時に ICタグで廃棄物情報を収集するシステムの構築を めざしている。
“静脈の3PL”を目指す 大手金融機関のオフィスビルのワンフロア を占める資材置き場。
全国の支店から毎週、 大型車で七台〜八台分相当のオフィス家具や 什器が運び込まれてくる。
支店の統廃合やオ フィスレイアウトの変更で不要になった什器 類を東西二カ所に集めて保管している。
山と積まれた机や椅子、ロッカーなどをよ く見ると、資産番号の付いているもの、いな いもの。
新品同様のものや古いものが混在し、 管理が不十分であるのは明らかだ。
その多く はまだ十分に使用できるが、このまま放置し て経年劣化が進めば結局、廃棄するしかなく なる。
保管スペースもムダだ。
その管理を今年、プラスロジスティクスが 受託した。
入庫品を一つひとつチェックして 台帳を作成。
不要になったものは建物から搬 出し、プラスロジの拠点に移動。
そこで中古 販売価値のあるものと、原料リサイクルに回 すものを選別する。
中古販売価値のあるもの はプラスロジが運営するオークションに出品す る。
そこで落札されれば、十二%の手数料を 差し引いた金額を顧客に還元する。
オークションで売れ残ったものは、中古価 値のないものと一緒にリサイクル施設へ。
素 材別に選別して、提携先の産業廃棄物処理工 場で原材料や燃料に加工する。
最終的に埋め 立て処分されるのは重量ベースで全体の二% 以下に過ぎない。
処理費用もオークションの 落札分を差し引くことができるため、顧客が 支払うトータルコストは廃棄処分した場合と 比べて二〜三割安くなる。
某大手IT関連企業からも最近、新規案件 を受注した。
同社のオフィスから排出される 産業廃棄物の処分を一括して委託された。
オ フィス家具や什器は、先の金融機関のケース と同様の仕組みで処理する。
OA機器と機密 文書はすべて原料リサイクルに回す。
機密文 書はホチキスやクリップ、バインダーなどの状 態のまま回収し、機密保持のためすぐに破砕。
紙繊維はそのまま紙製品に、不純物は製鉄や セメントの原料に、一〇〇%リサイクルして いる。
一連の環境ビジネスを、プラスロジでは「M RS(マテリアル・リサイクル・システム)」 と呼んでいる。
親会社の中堅事務用品メーカ ーのプラスが自社製品のリサイクルのために 構築した仕組みをベースに、中古オフィス家 具のオークションなど、独自の機能を加えて 汎用的なトータルシステムにまとめ上げた。
さらに現在は大企業向けの新たなソリュー ションにも着手している。
オフィス家具や什 中堅事務用品メーカー、プラスの物流子会社。
不 要になったオフィス家具や什器の処分を一括して請 け負い、オークション利用して98 %以上を再利用 するリサイクル事業が急拡大している。
環境負荷低 減に加え、廃棄処分した時と比べてトータルの費用 を2割〜3割安くできる。
榎克幸環境ビジネス部部長 JULY 2009 46 器、機密文書だけでなく、コピー機やファク スなどのOA機器、社員食堂の厨房機器に至 るまで、オフィス内のモノの管理をすべて代 行する。
顧客の全国の支店や営業所で利用し ている什器類をリストアップ。
一時的に不要 になったものは回収して保管し、必要に応じ て横持ちする。
社内で再利用する可能性の低いものや保管 費が合わないなものは、MRSで処分する。
各拠点で既存の産業廃棄物処理業者と契約し ている場合には、顧客企業の総務部門に代わ って産廃業者を管理し、コンプライアンスを 担保する。
「そのため社内では?静脈の3P L?と呼んでいる。
この半年ほど試験的に営 業してみたが、かなりの反響がある」とプラ スロジの榎克幸環境ビジネス部部長は手応え を感じている。
環境ビジネス部で取り扱う物量は年々増加 している。
〇八年五月期には延べ二六四七ト ンを拠点に搬入した。
四トン車換算で約一八 〇〇台分。
机にして五万三〇〇〇台相当のオ フィス家具を処分したことになる。
そのうち 六割以上をオークションで販売した。
〇九年 五月期は、物量がさらに二割増加した。
「今 期も一五%増を見込んでいる。
大阪で子会社 が始めた分まで含めれば三〇%増はいくだろ う」と榎部長は見ている。
不況の影響で新品のオフィス家具の販売に は昨年秋から急ブレーキがかかっている。
し かし、それと反比例するかたちで中古品のニ ーズは拡大。
コスト削減を目的としたオフィ スの縮小や移転も増加し、オークションに流 れてくる玉数も増えている。
オークションは群馬県の前橋に約一〇〇〇 坪の会場を設けて、毎週水曜日に開催してい る。
入札に参加するのは全国各地の中古オフ ィス家具の販売業者。
国内に現在二〇〇社程 度あると目されているが、前橋のオークショ ンには約一五〇社が会員登録している。
毎回三〇社〜四〇社の会員企業の担当者が トラックを運転して会場を訪れる。
店舗で売 れ残った商品を会場に持ち込んでオークション で転売し、落札した中古品をトラックに積んで 持ち帰る。
五月二〇日に開催されたオークシ ョンでは落札額が約六〇〇万円に達した。
平 均落札価格は二五〇〇円程度だから二四〇〇 台分の机や椅子などが取引された計算だ。
今年一月には、子会社のプラスカーゴサー ビス(旧・阪急カーゴサービス。
昨年四月に 買収し今年三月に社名変更)でも、既存の荷 主企業を中心に出品を募り、大阪・西淀川区 のターミナルに会場を設けて、オークションを 開始した。
当面は二週間に一回のペースの開 催だが、前橋以上に滑り出しは好調だという。
中古品オークションを運営 同社が中古オフィス家具のオークションを 開始したのは〇二年八月のこと。
当初の目的 は親会社の営業支援だった。
企業がオフィス 家具を大量に購入するのは、事務所の移転や 拡大時。
その際に発生する不要な家具や備品 の処理をプラスグループで請け負うことで、新 規購入の商談を有利に運ぼうという狙いだ。
事業拡大の勢いに乗る企業の多くは、移転 先の新オフィスを最新の家具や什器でコーディ ネイトするため、それまで使っていたものを 処分する。
しかし、中古オフィス用品の買い 取り業者のほとんどは地場の中小企業。
買い 叩かれて二束三文にしかならないうえ、コン プライアンス上の懸念も残る。
そのため従来 は上場企業をはじめコンプライアンスを重視 毎週水曜日に開催されるオークションには 中古オフィス家具の販売業者が全国から 集まる 落札した商品はそのままトラックに積み込 み、その日のうちに店に持ち帰る 47 JULY 2009 これを受けてプラスロジは、同事業を親会社 に対する営業支援というだけでなく、物流子 会社の新規事業として位置付けを改めた。
オ フィス引越大手と提携。
オフィス家具の処分 が発生する引越主にアプローチするほか、有 力企業を親会社とする物流子会社に対して は、プラスロジを黒子にして親会社の環境負 荷低減を支援するというスキームを提案して いる。
〇七年一月には三菱地所とも提携。
同社の 東京・丸の内のオフィスに入居するテナントを 対象に「什器リサイクル&リユースサービス」 を開始した。
不要品をオークションに出品し たり、リサイクルするだけでなく、プラスロ ジを通じて中古オフィス家具を調達すること もできる。
昨年六月には「カーボンオフセット付MR S」を発売。
最終埋め立て処理で発生したC O2を排出権で相殺するサービスを開始した。
これを利用すればオフィス家具の処分に伴う CO2の排出がゼロになる。
MRSの取り扱い規模が拡大するにつれ、親 会社の営業部門にも変化が表れている。
MR Sという環境ソリューションを切り口に、そ れまで取引のなかった企業に入り込み、新た に口座を開くという流れが少しずつ目に見え る成果を生むようになってきたことで、昨年 あたりから提案に本腰が入ってきた。
MRS の本来の目的である営業支援効果が、いよい よ発揮できそうだ。
(大矢昌浩) 今泉嘉久プラス会長(当時社長)だった。
自 動車業界では中古車市場を整備することで、 新車販売を支援するという戦略が定着してい る。
オフィス家具においても、中古市場を整 備することは決して新品の販売にマイナスに ならないとの判断だった。
環境事業で親会社の営業活動を支援 プラスロジとしては当初、親会社の営業支 援という以上の欲は持ってはいなかったとい う。
「正直なところ営業活動は本社がやるの だし、我々としては費用をペイできる売り上 げがあればいいという程度に考えていた」と 榎部長は当時を振り返る。
ところが、思ったように親会社の営業が動 いてくれない。
オークションをやりたくても、 肝心の出品物が集まらない。
常に一定以上の 出品量を確保できなければ、入札者を集める こともできない。
いざ開始してみて、オーク ション事業の難しさに気が付いた。
尻に火が 付くかたちで、プラスロジ自ら出品者の開拓 に乗り出した。
すると「何でもっと早く来てくれなかったん だ」といった、予想以上の反応があった。
〇 三年には富士通の本社移転で約四〇〇〇人分 のオフィス用品の処分を受託。
MRSを活用 して、ごみゼロを実現したことが、テレビや 一般紙などのマスコミに大きく取り上げられ て、環境意識の高い大手企業から依頼が舞い 込むようになっていった。
する企業ほど、オフィス家具をリサイクルせ ず、費用をかけて廃棄処分していた。
そこにプラスロジがMRSという新たなソ リューションを持ち込んだ。
不要になったオ フィス家具や什器をプラスロジが責任を持っ て処分する。
オークションを利用することで 廃棄費用の負担軽減と環境負荷低減も同時に 実現することができる。
他のオフィス用品メ ーカーにはないソリューションであるため、中 堅メーカーのプラスが優良顧客にアプローチす るうえでは有効な武器になると目論んだ。
社内には、メー カーであるプラス が、なぜ中古品を扱 うのかという批判も あったという。
バブ ル崩壊以降、オフィ ス家具の市場規模 はずっと低迷してい る。
ただでさえ売 れ行きがよくないの に中古品を売り出 したらもっと新品が 売れなくなってしま う。
営業部門を中心 にそんな懸念の声が 上がっていた。
グループ内の反 対を押し切ったの は、オーナー一族の プラスロジスティクスの「MRS」の概要 中古価値の ないもの 原料化 約35% 最終埋め立て 約2% 売れ残り リサイクル 中古価値の あるものオークションリサイクルショップへ 約63% 落札・販売 不要になったオフィス家具
現場で分別を行い、集荷拠点を経由して 自社のリサイクル施設に回収する仕組みを作ること で、廃棄物の発生量を大幅に削減した。
さらに部 材の設計段階から発生抑制を図るため、回収時に ICタグで廃棄物情報を収集するシステムの構築を めざしている。
“静脈の3PL”を目指す 大手金融機関のオフィスビルのワンフロア を占める資材置き場。
全国の支店から毎週、 大型車で七台〜八台分相当のオフィス家具や 什器が運び込まれてくる。
支店の統廃合やオ フィスレイアウトの変更で不要になった什器 類を東西二カ所に集めて保管している。
山と積まれた机や椅子、ロッカーなどをよ く見ると、資産番号の付いているもの、いな いもの。
新品同様のものや古いものが混在し、 管理が不十分であるのは明らかだ。
その多く はまだ十分に使用できるが、このまま放置し て経年劣化が進めば結局、廃棄するしかなく なる。
保管スペースもムダだ。
その管理を今年、プラスロジスティクスが 受託した。
入庫品を一つひとつチェックして 台帳を作成。
不要になったものは建物から搬 出し、プラスロジの拠点に移動。
そこで中古 販売価値のあるものと、原料リサイクルに回 すものを選別する。
中古販売価値のあるもの はプラスロジが運営するオークションに出品す る。
そこで落札されれば、十二%の手数料を 差し引いた金額を顧客に還元する。
オークションで売れ残ったものは、中古価 値のないものと一緒にリサイクル施設へ。
素 材別に選別して、提携先の産業廃棄物処理工 場で原材料や燃料に加工する。
最終的に埋め 立て処分されるのは重量ベースで全体の二% 以下に過ぎない。
処理費用もオークションの 落札分を差し引くことができるため、顧客が 支払うトータルコストは廃棄処分した場合と 比べて二〜三割安くなる。
某大手IT関連企業からも最近、新規案件 を受注した。
同社のオフィスから排出される 産業廃棄物の処分を一括して委託された。
オ フィス家具や什器は、先の金融機関のケース と同様の仕組みで処理する。
OA機器と機密 文書はすべて原料リサイクルに回す。
機密文 書はホチキスやクリップ、バインダーなどの状 態のまま回収し、機密保持のためすぐに破砕。
紙繊維はそのまま紙製品に、不純物は製鉄や セメントの原料に、一〇〇%リサイクルして いる。
一連の環境ビジネスを、プラスロジでは「M RS(マテリアル・リサイクル・システム)」 と呼んでいる。
親会社の中堅事務用品メーカ ーのプラスが自社製品のリサイクルのために 構築した仕組みをベースに、中古オフィス家 具のオークションなど、独自の機能を加えて 汎用的なトータルシステムにまとめ上げた。
さらに現在は大企業向けの新たなソリュー ションにも着手している。
オフィス家具や什 中堅事務用品メーカー、プラスの物流子会社。
不 要になったオフィス家具や什器の処分を一括して請 け負い、オークション利用して98 %以上を再利用 するリサイクル事業が急拡大している。
環境負荷低 減に加え、廃棄処分した時と比べてトータルの費用 を2割〜3割安くできる。
榎克幸環境ビジネス部部長 JULY 2009 46 器、機密文書だけでなく、コピー機やファク スなどのOA機器、社員食堂の厨房機器に至 るまで、オフィス内のモノの管理をすべて代 行する。
顧客の全国の支店や営業所で利用し ている什器類をリストアップ。
一時的に不要 になったものは回収して保管し、必要に応じ て横持ちする。
社内で再利用する可能性の低いものや保管 費が合わないなものは、MRSで処分する。
各拠点で既存の産業廃棄物処理業者と契約し ている場合には、顧客企業の総務部門に代わ って産廃業者を管理し、コンプライアンスを 担保する。
「そのため社内では?静脈の3P L?と呼んでいる。
この半年ほど試験的に営 業してみたが、かなりの反響がある」とプラ スロジの榎克幸環境ビジネス部部長は手応え を感じている。
環境ビジネス部で取り扱う物量は年々増加 している。
〇八年五月期には延べ二六四七ト ンを拠点に搬入した。
四トン車換算で約一八 〇〇台分。
机にして五万三〇〇〇台相当のオ フィス家具を処分したことになる。
そのうち 六割以上をオークションで販売した。
〇九年 五月期は、物量がさらに二割増加した。
「今 期も一五%増を見込んでいる。
大阪で子会社 が始めた分まで含めれば三〇%増はいくだろ う」と榎部長は見ている。
不況の影響で新品のオフィス家具の販売に は昨年秋から急ブレーキがかかっている。
し かし、それと反比例するかたちで中古品のニ ーズは拡大。
コスト削減を目的としたオフィ スの縮小や移転も増加し、オークションに流 れてくる玉数も増えている。
オークションは群馬県の前橋に約一〇〇〇 坪の会場を設けて、毎週水曜日に開催してい る。
入札に参加するのは全国各地の中古オフ ィス家具の販売業者。
国内に現在二〇〇社程 度あると目されているが、前橋のオークショ ンには約一五〇社が会員登録している。
毎回三〇社〜四〇社の会員企業の担当者が トラックを運転して会場を訪れる。
店舗で売 れ残った商品を会場に持ち込んでオークション で転売し、落札した中古品をトラックに積んで 持ち帰る。
五月二〇日に開催されたオークシ ョンでは落札額が約六〇〇万円に達した。
平 均落札価格は二五〇〇円程度だから二四〇〇 台分の机や椅子などが取引された計算だ。
今年一月には、子会社のプラスカーゴサー ビス(旧・阪急カーゴサービス。
昨年四月に 買収し今年三月に社名変更)でも、既存の荷 主企業を中心に出品を募り、大阪・西淀川区 のターミナルに会場を設けて、オークションを 開始した。
当面は二週間に一回のペースの開 催だが、前橋以上に滑り出しは好調だという。
中古品オークションを運営 同社が中古オフィス家具のオークションを 開始したのは〇二年八月のこと。
当初の目的 は親会社の営業支援だった。
企業がオフィス 家具を大量に購入するのは、事務所の移転や 拡大時。
その際に発生する不要な家具や備品 の処理をプラスグループで請け負うことで、新 規購入の商談を有利に運ぼうという狙いだ。
事業拡大の勢いに乗る企業の多くは、移転 先の新オフィスを最新の家具や什器でコーディ ネイトするため、それまで使っていたものを 処分する。
しかし、中古オフィス用品の買い 取り業者のほとんどは地場の中小企業。
買い 叩かれて二束三文にしかならないうえ、コン プライアンス上の懸念も残る。
そのため従来 は上場企業をはじめコンプライアンスを重視 毎週水曜日に開催されるオークションには 中古オフィス家具の販売業者が全国から 集まる 落札した商品はそのままトラックに積み込 み、その日のうちに店に持ち帰る 47 JULY 2009 これを受けてプラスロジは、同事業を親会社 に対する営業支援というだけでなく、物流子 会社の新規事業として位置付けを改めた。
オ フィス引越大手と提携。
オフィス家具の処分 が発生する引越主にアプローチするほか、有 力企業を親会社とする物流子会社に対して は、プラスロジを黒子にして親会社の環境負 荷低減を支援するというスキームを提案して いる。
〇七年一月には三菱地所とも提携。
同社の 東京・丸の内のオフィスに入居するテナントを 対象に「什器リサイクル&リユースサービス」 を開始した。
不要品をオークションに出品し たり、リサイクルするだけでなく、プラスロ ジを通じて中古オフィス家具を調達すること もできる。
昨年六月には「カーボンオフセット付MR S」を発売。
最終埋め立て処理で発生したC O2を排出権で相殺するサービスを開始した。
これを利用すればオフィス家具の処分に伴う CO2の排出がゼロになる。
MRSの取り扱い規模が拡大するにつれ、親 会社の営業部門にも変化が表れている。
MR Sという環境ソリューションを切り口に、そ れまで取引のなかった企業に入り込み、新た に口座を開くという流れが少しずつ目に見え る成果を生むようになってきたことで、昨年 あたりから提案に本腰が入ってきた。
MRS の本来の目的である営業支援効果が、いよい よ発揮できそうだ。
(大矢昌浩) 今泉嘉久プラス会長(当時社長)だった。
自 動車業界では中古車市場を整備することで、 新車販売を支援するという戦略が定着してい る。
オフィス家具においても、中古市場を整 備することは決して新品の販売にマイナスに ならないとの判断だった。
環境事業で親会社の営業活動を支援 プラスロジとしては当初、親会社の営業支 援という以上の欲は持ってはいなかったとい う。
「正直なところ営業活動は本社がやるの だし、我々としては費用をペイできる売り上 げがあればいいという程度に考えていた」と 榎部長は当時を振り返る。
ところが、思ったように親会社の営業が動 いてくれない。
オークションをやりたくても、 肝心の出品物が集まらない。
常に一定以上の 出品量を確保できなければ、入札者を集める こともできない。
いざ開始してみて、オーク ション事業の難しさに気が付いた。
尻に火が 付くかたちで、プラスロジ自ら出品者の開拓 に乗り出した。
すると「何でもっと早く来てくれなかったん だ」といった、予想以上の反応があった。
〇 三年には富士通の本社移転で約四〇〇〇人分 のオフィス用品の処分を受託。
MRSを活用 して、ごみゼロを実現したことが、テレビや 一般紙などのマスコミに大きく取り上げられ て、環境意識の高い大手企業から依頼が舞い 込むようになっていった。
する企業ほど、オフィス家具をリサイクルせ ず、費用をかけて廃棄処分していた。
そこにプラスロジがMRSという新たなソ リューションを持ち込んだ。
不要になったオ フィス家具や什器をプラスロジが責任を持っ て処分する。
オークションを利用することで 廃棄費用の負担軽減と環境負荷低減も同時に 実現することができる。
他のオフィス用品メ ーカーにはないソリューションであるため、中 堅メーカーのプラスが優良顧客にアプローチす るうえでは有効な武器になると目論んだ。
社内には、メー カーであるプラス が、なぜ中古品を扱 うのかという批判も あったという。
バブ ル崩壊以降、オフィ ス家具の市場規模 はずっと低迷してい る。
ただでさえ売 れ行きがよくないの に中古品を売り出 したらもっと新品が 売れなくなってしま う。
営業部門を中心 にそんな懸念の声が 上がっていた。
グループ内の反 対を押し切ったの は、オーナー一族の プラスロジスティクスの「MRS」の概要 中古価値の ないもの 原料化 約35% 最終埋め立て 約2% 売れ残り リサイクル 中古価値の あるものオークションリサイクルショップへ 約63% 落札・販売 不要になったオフィス家具
