2009年9月号
特集
特集
3PL市場 2009
特 集
■
08
年度の市場規模は初の減少
3PLの市場規模が初めて減少に転じた(図1)。
3PLは荷主企業に最適な物流体制を設計し、そ の運営を一括して請け負う物流市場の新業態として、 九〇年代初頭に日本に紹介された。
当初は新興荷主 企業や日本市場に新規参入する外資系など、物流管 理部門や物流アセット(資産)を持たない荷主の利用 が中心だった。
しかし、九〇年代後半から二〇〇〇年代初頭にか けて、老舗の大手メーカーが、業績低迷から人員削減 にまで踏み込んだ本格的な物流リストラに乗り出した ことで、その受け皿となる3PLのニーズが急速に拡 大した。
本誌が集計を始めた〇五年度には市場規模 が既に一兆円を超えていることが判明。
さらに翌〇 六年度は五・〇%増、〇七年度は十三・八%増と成 長が続いた。
ところが今回、本誌が国内主要3PL企業の〇八 年度の業績を独自に集計したところ、有効回答四五 社の合計売上高は一兆二七五三億円で、このうち年 度別推移を確認できる二二社の売上高の合計は、前 年度と比較して〇・八%の微減となった。
新規受託 は依然として増加傾向にあるものの、既存の荷主企 業の物量が減少した穴を埋めきれなかった。
3PL国内最大手の日立物流は〇八年度決算で、 同社が「システム物流」と呼ぶ3PL事業を新たに二 四六億円受注している。
期初の見込みを十一億円上 回った。
一カ月当たりの受託料金が一〇〇〇万円以 上の大型案件の新規立ち上げ・受注件数も、前年か ら大幅に増加した。
この他にも〇八年度のシステム物 流事業の業績には、二〇〇億円分が物流子会社の買 収や事業譲渡によるM&A効果として積み上がってい る。
計四四六億円が増加した計算だ。
SEPTEMBER 2009 12 120 115 110 105 100 95 90 140 120 100 80 60 40 20 0 96 (年度) (年度) (単位:億ドル) 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 図1 日本の3PL 市場規模の推移図2 米3PL 市場規模の推移 資料:米アームストロング&アソシエイツ 100 105.0 111.9 111.0 116.6 1270 1180 1250 05 06 07 08 09 (見込み) (見込み) (見込み) 5.0%増 6.5%増 0.8%減 5.1%増 ※3PL 売上高の合計額推移。
05年度を100として指数化した。
対象は05 年度〜09 年度(見込み)の3PL 売上高が揃った22社 荷主のリストラ本格化で再浮上 解 説 急ピッチで拡大を続けてきた3PL 市場も、世界同 時不況の影響を免れることはできなかった。
依然とし て新規案件は増加傾向にあるものの、既存荷主の物 量減少によって、市場規模は初めて前年割れした。
そ れでも今期は5.1%の売上増が見込まれている。
物流 市場全体のパイが縮小するなか、3PL のシェアは着実 に拡大している。
(本誌編集部) 特 集 しかし、既存荷主の物量減少の影響が期初見込み の一一七億円分から三〇〇億円分に拡大してしまっ た。
買収分を除けば売上規模は縮小したことになる。
今年四〜六月の〇九年度第1四半期では、この傾向 がさらに加速している。
今期、同社は初めて3PL 事業の前年割れを見込んでいる。
これに伴い一〇年 度に連結売上高五〇〇〇億円・営業利益二五〇億円 という中期目標の達成を二年後ろに倒す、経営計画 の仕切り直しを迫られている。
米国の3PL市場も日本とほぼ同じ動きを見せて いる(図2)。
十二月決算が中心の米国では、世界同 時不況の影響が〇八年度は第4四半期だけに限られ たため、同年度の市場規模は一二七〇億ドル(十二 兆六五〇億円、一ドル九五円で換算)と前期比四・ 一%拡大した。
しかし、今期〇九年度は七・一%減の一一八〇億 ドルに縮小する見込みだ。
一〇年度には五・九%増 の一二五〇億ドルが見込まれているものの、〇八年 度を回復するまでには至らない。
米国の3PL市場 は、米アームストロング&アソシエイツ社が九四年に 調査を開始して以降、毎年二桁のペースで成長を続け てきたが、ここに来て突然の足踏みを余儀なくされ ている。
■営業利益率は五%以下に低迷 既存荷主の物量減少は、売上規模だけでなく収益 性も悪化させる。
設備の稼働率が下がる。
輸送費は 傭車を抑制することで調整できても、倉庫施設費は 固定的で、庫内作業の効率も落ちる。
昨年の本誌の調査では、3PL事業の収益性が「向 上している」ないし「どちらかといえば向上してい る」と答えた3PLが全体の四七・四%を占めてい 13 SEPTEMBER 2009 2008年度 3PL売上高ランキング 会社名 05 年度 06 年度 07 年度 08 年度 09 年度(見込み) 日立物流 日本通運 キユーソー流通システム センコー ヤマトホールディングス SGホールディングス 三井物産物流本部 近鉄エクスプレス 三菱商事ロジスティクス 山九 ニチレイロジグループ※2 ハマキョウレックス 鈴与 バンテック セイノーホールディングス 安田倉庫 NECロジスティクス 日本梱包運輸倉庫 トランコム トナミ運輸 富士物流 第一貨物 日本ロジテム 三洋電機ロジスティクス 名糖運輸 丸全昭和運輸 日本トランスシティ エヌ・ティ・ティ・ロジスコ 三井倉庫 富士ロジテック 商船三井ロジスティクス キリン物流※3 三菱化学物流 日新 ロジパートナーズ 新開 丸協運輸 遠州トラック NYKロジスティックスジャパン 王子運送 アサヒロジ JFE 物流 東海運 名港海運 安川ロジテック (単位:百万円) ?????????????????〃??㉑㉒㉓㉔㉕㉖㉗㉘㉙㉚㉛3233343536373839404142434445 138,500 152,000※1 180,000※1 195,000〜200,000※1 ─ 130,000※1 140,000※1 150,000※1 150,000※1 ─ 95,660 99,488 103,163 105,284 ─ 68,600 73,500 77,000 93,000 117,000 111,500 91,392 95,692 92,947 82,500 67,400 54,700 ─ 55,000〜60,000※1 60,000〜65,000※1 60,000〜65,000※1 50,000〜55,000※1 55,000〜60,000※1 51,496 54,878 55,100 48,395 ─ ─ ─ 49,269 44,019 27,562 37,700 42,000 45,900 43,448 50,000 41,400 42,800 42,800 40,200 47,300 28,500 32,102 34,632 36,167 38,600 ─ 19,800 25,000 25,000 ─ 約14,500 15,500 17,400 18,800 15,600 9,000 16,299 16,600 18,298 21,600 ─ ─ 17,249 17,389 ─ 14,600 16,500 19,000 17,000 17,000 約18,000 約20,000 約21,000 約17,000 ─ 12,925 13,774 14,264 15,158 16,370 22,343 15,128 15,000 13,000 約14,000 15,000 14,000 13,500 11,000 11,750 12,612 13,512 13,232 ─ ─ 約13,000 約13,500 約13,500 10,909 11,858 13,850 13,362 13,838 約15,000 15,000※1 15,000※1 13,200※1 12,900※1 5,100 14,000 15,000 12,000 15,000 約9,000 約9,800 10,678 10,624 10,310 ─ ─ 10,500 約10,400 約11,500 8,904 9,100 10,000 10,200 10,600 6,054 6,800 7,400 7,500 ─ 4,100 4,400 8,237 7,319 ─ 2,596 6,778 6,583 6,583 6,850 6,297 6,360 8,673 6,500 6,500 ─ ─ 7,084 6,150 5,600 ─ ─ ─ 6,000 8,000 4,000※1 4,000※1 4,500※1 5,000※1 5,000※1 ─ ─ ─ 4,691 5,157 ─ ─ 1,900 3,000 5,000 2,000 2,600 3,800 2,325 1,443 1,200 1,351 1,700 2,000 2,300 ─ ─ 773 1,700 2,000 1,630 1,711 1,730 1,600 1,000 958 1,088 1,003 900 800 ─ ─ 765 702※1 ─ ─ ─ 605 639 408 ※1 は本誌推定 ※2 は08 年度から算定基準を変更している。
05 年度〜07 年度は参考値 ※3 は06 年度から算定基準を変更している。
05 年度はメーカー向け一括物流のみ計上していたが、06 年度以降は卸・量販向けを含む ※決算期が3 月期以外の企業は直近決算を08 年度としている。
キユーソー流通システムは11 月決算、鈴与、富士ロジテックは8 月決算、キリン物流、新開、 アサヒロジは12 月決算 45 社計 1兆2753 億4000 万円 た。
それが今回は計一六・三%と大幅に減った(図 3)。
反対に、昨年はゼロだった3PL事業の収益性 が「低下している」との回答が、今回は一六・三% に上り、「どちらかといえば低下している」を合わせ ると三七・二%の3PLが収益性の悪化を訴えている。
具体的な営業利益率としては五%以下とする3PL が七六・三%に上っている。
「五%〜八%未満」とい う階層が昨年の三二・四%から一五・八%に減って、 下の階層の「三%〜五%未満」や「三%未満」に流 れた(図4)。
■今期売上高は五%増を見込む それでも今後の見通しは暗くはない。
日本通運は 「物流を専門業者に委託し、(荷主企業は)本業に集 中するという動きは今後も変わらない。
3PLとい う形式で物流をアウトソーシングすることへの顧客の 期待は大きく、市場規模は今後も増えると思われる」 とのコメントを寄せている。
昨年度の落ち込みは一時的な調整に過ぎず、長期 的には市場規模は拡大していくとの見方は、同社の みならず市場の大勢を占めている。
調査対象企業の 3PL事業の今期見込みの合計も前期比五・一%増 と既に最悪期は脱したという認識に立っている。
野心 的な3PLにとって、不況はむしろ飛躍のチャンスで もある。
荷主企業における物流改革圧力は一〇年ぶりの高 まりを見せている。
アジア通貨危機に見舞われて大幅 に輸出が落ち込んだ九〇年代末には、家電や自動車 などの日本の基幹産業で、物流子会社の売却を前提 とした抜本的な物流リストラが真剣に検討されていた。
その後、中国を始めとする新興国特需で業績が持ち 直したことから、痛みの伴うリストラは先送りされる SEPTEMBER 2009 14 0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100 図4 3PL事業の収益性(営業利益率)について 図5 海外の3PL 事業について 図6 3PL 案件の自社輸送率(N=45) 図7 3PL 案件の物流拠点所有率(N=44) 09 年 (N=38) 0 34.2 17.6 38.2 32.4 11.8 42.1 15.8 5.3 2.6 20 40 60 80 100 (%) (%) (%) 中国(N=46) アセアン(N=45) 欧州(N=45) 北米(N=46) 3% 未満 3%〜5% 未満 5%〜8% 未満 8% 以上 赤字 向上している どちらかといえば向上している 横ばい どちらかといえば低下している 低下している 09 年 (N=43) 図3 3PL 事業の収益性の傾向について 図8 3PL 案件でカバーしている業務領域(N=47) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) その他 決済・金融サービス 三国間輸送管理 製造支援 コールセンター 製品回収 中間流通拠点の調達輸送 海外物流拠点運営 構内(生産)物流 環境対応強化 国際一貫輸送 工場倉庫運用 輸送梱包 国際調達 輸出物流 メーカー調達輸送 中間流通拠点運営 二次輸送 クロスドッキング 一次輸送 共同物流企画・運用 流通加工 ロジスティクス設計 情報システム構築 ロジスティクス改革・改善 25.0% 51.1% 27.3% 24.4% 25.0% 15.6% 22.7% 8.9% その他(インド、ロシア、 メキシコ、中近東、バング ラデシュ、豪州、N=7) 08 年 (N=34) 08 年 (N=38) 進出している 具体的な進出計画がある 進出を検討している 進出は考えていない 撤退を検討している 撤退した 9.3 7.0 46.5 20.9 16.3 13.2 34.2 39.5 13.2 85.7 45.7 2.2 8.7 43.5 11.1 44.4 11.1 31.1 2.2 6.5 21.7 2.2 42.2 55.6 71.7 14.3 20% 未満 20%〜50% 未満 50%〜80% 未満 80% 以上 特 集 傾向にあったが、今回の不況で改めて物流子会社問 題が再燃している。
そこでは3PLが物流子会社を買収し、メーカー別 縦割りの物流インフラを統合、業界別の物流プラット フォームに再編するというシナリオが有力視されてい る。
一時は鳴りを潜めていた投資ファンドも今年に入 って再び活動を開始している。
有望な案件であれば買 収資金の調達は難しくない。
リスクを取って攻めに出 るには絶好の機会だ。
■七割以上が中国市場に進出済み 今回の調査対象となった3PLのうち、既に七一・ 七%が中国に進出している。
アセアン、米国、欧州へ の進出も半数に達している。
しかし、連結売上高に 占める海外事業の比率はまだまだ小さく、収益性も 振るわない。
日本の大手メーカーの海外売上比率は今 や五割近くに達している。
食品や建設などの内需型 産業を除けば、その比率はさらに跳ね上がる。
これ をキャッチアップすることが3PLの大きな課題にな っている(図5)。
■輸送は傭車、倉庫は所有が主流 運用しているアセットの自社所有比率は、輸送は 「二〇%未満」とする3PLが過半数を占めた。
コン プライアンス強化のため食品業界等では改めて自社配 送を増やす動きも見られるが、輸送市場の供給過剰 が解消されない限り、全体としては傭車優位が当分 続きそうだ。
一方で倉庫は「二〇%未満」、「二〇% 〜五〇%未満」、「五〇%〜八〇%未満」、「八〇%以 上」で、ほぼ均等に分かれた。
倉庫は自社資産の利 用にこだわらず、案件ごとに最適な施設を選ぶとい うスタイルが定着しつつある(図6・7)。
15 SEPTEMBER 2009 なり、在庫を持たないお客様が増えつつある。
匿名(大手3PL) 今後の市場動向は物流子会社が収益 向上のカギを握る。
大手メーカーを中心に物流子会社の取 り扱いは二極化(強化・譲渡)しており、物流子会社の 買収が収益向上への鍵となっている。
物流事業者は提案力、 運営力だけでなく、資金力も求められるようになってきて いる。
匿名(一般運送) CSRを最優先とする企業が増加して いく。
それにより、3PL業者も意識・認識はもちろん、 それをサポートできるようなシステムが必要になる。
三井倉庫 規模の大きな業者にグローバルで貨物を集約し、 コストメリットを検討する荷主が増えている。
三菱化学物流 現在、3PLの乱立期から、弱い業者の 淘汰期にさしかかっているのではないかと思う。
先行投資 を行い、ノウハウを蓄積した3PL企業は、成長市場の中 で大きなスタンスを占めると思う。
匿名(物流子会社) 業務をどの範囲まで第三者に任せるか。
日本における3PLは、一部の業務を第三者にアウトソー シングするレベルにとどまっているケースがほとんど。
三洋電機ロジスティクス 物流子会社のアウトソーシングを 業界ごとにまとめていくという3PL業者が成長していく。
東海運 リードタイムや多頻度納品等を犠牲にしてでも、 環境面への対応が必要。
日本通運 物流を専門業者に委託し、本業に集中すると いう動きは今後も変わらない。
3PLという形式で物流を アウトソーシングすることへの顧客の期待は大きく、市場 規模は今後も増えると思われる。
事故やトラブル等がない こと、オペレーション能力が高いことはもちろん、提案コ ンサル能力など品質指標を年々高めていくことなど、業者 には総合力がますます求められるようになる。
丸協運輸 荷主企業のニーズはコスト面だけでなく、品質 重視の傾向にあるので、各アセットの自社率を重視して きている。
環境を配慮した仕組み(共同倉庫、共同配送、 無人航送、モーダルシフトなど)を取り入れた提案を求め られる。
匿名(化学品運送) 実輸送を行う下請け業者に運賃・労 働条件でしわ寄せがいく。
その是正を行うなら、超大手物 流業者の場合以外は3PLに回す人的・資金的余力は残ら ないのではないか。
匿名(倉庫業) 不景気の影響を受けて、取引先も大変な ので、よほど3PLにメリット(特にコスト面)がない限 り受け入れられないのでは…。
全体として、しばらくの間 3PL市場は衰退すると考える。
アンケートで読む3PL業者のホンネ バンテック 製造業や小売業におけるコア事業の見直しが 一層進むものと予想され、それに伴い、ノンコアと位置づ ける物流のアウトソーシングが加速、物流事業者の一括請 負などが増え、広義の3PL市場は拡大の傾向に向かう。
匿名(物流子会社) 現在、日本では国内物流を中心とし た3PL事業の展開がメインとなっているが、今後はグロ ーバル視点での3PL事業が拡大していくと思われる。
セイノーホールディングス 3PL事業者と実行物流事業 者の二極化、荷主企業の物流管理部門自体のアウトソーシ ング・シェアードサービス化などが進む。
匿名(港湾運送) 3PL業者のレベルを向上させない限 り、荷主の物流部門はなくならない。
レベル向上が無い限 り、日本の3PL市場は縮小して、従来と同じ形態となる だろう。
3PLビジネスモデルは衰退してゆく。
日本ロジテム 〇八年度の日本企業の売上高物流コスト比 率は全業種平均で四・八七%であり、更なる効率化のため には、一企業のみの3PLでは限界がある。
この物流コス トの約六〇%は輸送費用であるため、共同物流・物流のネ ットワーク化により、更なる物流の効率化を図る必要がある。
ニチレイロジグループ 荷主企業を取り巻く環境は、多様 化する消費者ニーズへの対応等で複雑化しており、更なる 効率化のために物流機能を積極的にアウトソースする傾向 にある。
3PL業者にとっては本格的な成長期に入ると同 時に、厳しい競争の時代になると思われる。
匿名(港湾運送) 個人向けのネット通販については引き 続き伸びる。
流通加工品質に対する要求はよりいっそう厳 しくなっていく。
危機管理対策として、バックアップ拠点 の整備・情報システムの二重化などを3PL業者に求める 企業が増える。
ヤマトホールディングス 環境対応型物流が更に強く求め られるようになると予想している。
山九 海外生産や国際調達などグローバル化の進展により、 国内〜海外、海外〜海外等の物流を一元的に運営管理する 国際3PLのニーズもさらに高まると考えている。
近鉄エクスプレス 最近はヘルスケア関連の製造業、販売 業・賃貸業やエレクトロニクス製品の納入前検査やキッテ ィング業務、更にはカスタマーサービスなどのニーズが高ま っている。
匿名(倉庫業) 経営資源の「選択と集中」が進んでいく中で、 物流においても一層の物流費用削減を図り、かつ高度化す るロジスティクスへ対応するためには、専門業者の必要性 が高まっていくものと思われる。
SGホールディングス 商品切り売り方のSPA型が多く 3PL市場の今後の見通し 特集 SEPTEMBER 2009 16 的な業務の範囲・内容・前提条件を明確にす ることが重要。
複数会社に提案を依頼する場 合は、評価基準を明確にしておく。
料金の安 さだけで選定するのではなく、事業継続を前 提とした適切な料金設定や物流管理体制を評 価ポイントに置くことが重要。
名港海運 厳しい経営環境が続く中でも、安 全、環境問題、コンプライアンスといった物 流品質に対する要求事項は増加するばかりで ある。
継続的、安定的に物流サービスを確保 するためにも、荷主企業と物流事業者とが、 今まで以上に「Win─Win」の関係を意 識した連携が重要になってくる。
匿名(物流子会社) 物量の時期的変化、作 業条件などを含めた詳細な情報を提供しても らうことが不可欠。
丸全昭和運輸 3PLはトータルコストの最 適化であり、保管・輸送それぞれの良い所だ けの部分取りであってはならない。
匿名(物流子会社) 大手3PL業者への業 務委託が常に結果としてベストチョイスにな るとは限らない。
積極的な物流コンペ等を開 催していただき、多角的な面での業者選択を 荷主企業に望む。
匿名(物流子会社) アウトソーシングと直営 の使い分けに明確な方針を持ち、ノンコア業 務は思い切って外部に出す荷主の成長事例が 多いと実感している。
匿名(物流子会社) 物流に期待するものを、 はっきり物流会社に明示した方が、早く結果 に結びつくものと考える。
三菱化学物流 3PLは物流に係る人員管理 の負担軽減や、物流設備に係る資産効率の改 善に寄与する。
匿名(化学品運送) 物流費を単価の安い下 請けに流してコストダウンするのには限界が ある。
効率化や物流品質の向上のためには、 ある程度の運賃は覚悟すべき。
日本梱包運輸倉庫 物流業者に委託するメリ ットをもう少し考えて貰いたい。
例:単にコ スト面だけでなく、災害への対応力等。
匿名(化学品運送) コスト偏重でなく、物 流の質を重視してほしい。
ョンの強化を進めている。
名港海運 荷主企業から値下げの要請も避け られないと考えることから、経営のスリム化 に速やかに取り組む必要がある。
同時に、当 社の得意とする国際複合一貫輸送を軸とし、 荷主企業への積極的な提案を行っていく予定 である。
富士物流 当社は発足の歴史から、電機・電 子業界関連の物流には強みがある。
豊田自動 織機との資本提携により、TPSの展開を強 化し、現場での効率化を進めている。
丸全昭和運輸 社内におけるネットワーク力 はもとより、同業他社との企業間コラボレー ションによりコスト競争力や安全・品質マネ ジメント力をより強化し、更なる全体最適化 を実現していきたい。
三井倉庫 実物流業務を担ってもらえる良質 なパートナーの選定、3PLの品質の評価を 透明・客観的に荷主と共有できる手法の確立、 3PLのメリットを顧客に訴求し認めてもら えるセールス力の強化などが課題。
匿名(物流子会社) 物流子会社として親会 社・グループ会社へのグループシナジー、貢献 をキーワードとして3PL事業に取り組む。
セイノーホールディングス 提案型セールスが できる人材の育成が課題。
今後の展開として は、ロジスティクス戦略立案のコンサルティン グサービスを充実させる。
日本通運 3PL業務開始後に顧客とのパー トナーシップのもとでKPIを設定し、お互 いに効果を確認し合うと同時に積極的な改善 提案を行う。
そのほか、フルフィルメント・ サービスの強化や商流ニーズ(VMI型取引 における決済・金融サービス)への対応も進 める。
丸協運輸 環境対応、人材育成(現場力・提 案力)、自社システム開発力の強化、ネットワ ーク力(協力企業含め)の拡大・品質強化、 などが課題。
匿名(化学品運送) 会社規模が小さく、従 業員数が不足しているため大規模3PLに対 応できていない。
遠州トラック 人材の育成。
(本誌抜粋、順不同) 匿名(物流子会社) 受託時の条件が曖昧な ケースが多く、結果的に、立上げ時に混乱す るケースが多い。
また、追加要求などもあり、 収益が圧迫されるケースも多い。
3PLは、 荷主と物流会社のパートナーシップで成立する ものであり、条件については整合をとる必要 がある。
セイノーホールディングス SCMを構築する には、いくつかの大きな壁を乗り越える必要 がある。
大きな変革の場合、複数の組織にか かわってくるので、トップが明確なゴールを示 し、きちんとしたプロジェクト組織を作ったと ころが成功している。
日本ロジテム 物流センターの運営および業 務の改善は、部分的に見ていては物流課題の 解決はできない。
新しい物流を生み出すため には、現状と要件を定性・定量的に把握した 全体物流としての判断が必要。
ニチレイロジグループ 最も重要な点は、荷主 企業と物流事業者が信頼関係を築き、対等な ビジネスパートナーとして協働していくこと。
荷主企業側が「一物流業者」という認識で対 応すれば情報は制約され、適正な分析や改善 提案ができなくなる。
匿名(港湾運送) 入荷情報、出荷情報など 事前に共有する情報に関する精度の向上。
山九 往々にして、「3PLは、物流費削減 の打ち出の小槌、丸投げさえすれば目的は果 たせる」との誤解もみられ、荷主側の3PL への理解、導入にあたっての社内条件が整備 されていないケースも多い。
3PLは、生・販 と一体となった物流改革であるとの基本認識 をもっていただくことが必要。
匿名(特殊運送) ゲインシェアリングを実行 してほしい。
近鉄エクスプレス コスト削減については、プ ロセスの見直しによる業務の効率化が不可欠 であるので、お互いに協力して進めさせてい ただきたい。
RFQにおいては、お客様から の情報開示が不十分なケースも見受けられる ので、出来るだけ多くの情報をいただきたい。
匿名(大手3PL) 目的に見合った業者を 選定する必要がある。
選定を行う際は、具体 山九 3PL事業の安定的な成長を目指すた め、消費財分野3PLの拡大による事業構造 のバランス化に注力する。
消費財分野での当 社の知名度はまだ低いため、3PLプロバイ ダーとしての実績を広く的確にアピールする 広報対策が課題であると考えている。
バンテック 新規顧客の開拓(一括アウトソ ーシングニーズの取り込み)、新ビジネスモデ ルの構築、グローバルSCMビジネスの深化。
匿名(大手港湾運送) きめ細かいサービスと、 それに対する対価がマッチしていない。
日本ロジテム 自社の持つ資産(車両・倉庫・ 要員・情報)を活かしきれていない部分がある。
今後は、コンサルティング型の提案で、プラン ニング・オペレーション・現場改善および流通 加工を伴うトータル物流の提案が必要となる。
NYKロジスティックスジャパン 事業環境の 激変に伴い、業務の棚卸しを行い、人員の整 理を含め、合理化を徹底した。
その上で、輸 入ビジネスの拡大を中心に、事業基盤の強化 を図りたい。
NVOCC事業については、我 慢するだけではシュリンクしていく一方なので、 強化すべきところに営業を集中する必要があ る。
ニチレイロジグループ 品質レベルを維持・向 上させつつ効率的な物流提案を実現できる「人 財」が不足気味であり、その確保・育成に力 を注いでいる。
また、報酬対価に対する理解 が浸透しないことも悩みの一つ。
匿名(港湾運送) 庫内レイアウト、作業工 程・手順を見直すと共に、波動に対応した人 員配置をきめ細かく行うことで作業効率を向 上させる。
ヤマトホールディングス ヤマトグループの経 営資源を活用した新商品・新サービスの開発、 コスト競争力の強化、営業マンの提案スキル 向上などを進めていく。
近鉄エクスプレス 今秋の成田空港平行滑走 路の延長および来春の発着枠増加に伴う需要 の増加に対応していく。
SGホールディングス アパレル業界の不振に より、海外へ倉庫を移転するお客様も増えつ つあり、海外からのロジスティクスソリューシ 荷主企業への要望、アドバイス 自社3PL事業の課題や対策、今後の展開
3PLは荷主企業に最適な物流体制を設計し、そ の運営を一括して請け負う物流市場の新業態として、 九〇年代初頭に日本に紹介された。
当初は新興荷主 企業や日本市場に新規参入する外資系など、物流管 理部門や物流アセット(資産)を持たない荷主の利用 が中心だった。
しかし、九〇年代後半から二〇〇〇年代初頭にか けて、老舗の大手メーカーが、業績低迷から人員削減 にまで踏み込んだ本格的な物流リストラに乗り出した ことで、その受け皿となる3PLのニーズが急速に拡 大した。
本誌が集計を始めた〇五年度には市場規模 が既に一兆円を超えていることが判明。
さらに翌〇 六年度は五・〇%増、〇七年度は十三・八%増と成 長が続いた。
ところが今回、本誌が国内主要3PL企業の〇八 年度の業績を独自に集計したところ、有効回答四五 社の合計売上高は一兆二七五三億円で、このうち年 度別推移を確認できる二二社の売上高の合計は、前 年度と比較して〇・八%の微減となった。
新規受託 は依然として増加傾向にあるものの、既存の荷主企 業の物量が減少した穴を埋めきれなかった。
3PL国内最大手の日立物流は〇八年度決算で、 同社が「システム物流」と呼ぶ3PL事業を新たに二 四六億円受注している。
期初の見込みを十一億円上 回った。
一カ月当たりの受託料金が一〇〇〇万円以 上の大型案件の新規立ち上げ・受注件数も、前年か ら大幅に増加した。
この他にも〇八年度のシステム物 流事業の業績には、二〇〇億円分が物流子会社の買 収や事業譲渡によるM&A効果として積み上がってい る。
計四四六億円が増加した計算だ。
SEPTEMBER 2009 12 120 115 110 105 100 95 90 140 120 100 80 60 40 20 0 96 (年度) (年度) (単位:億ドル) 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 図1 日本の3PL 市場規模の推移図2 米3PL 市場規模の推移 資料:米アームストロング&アソシエイツ 100 105.0 111.9 111.0 116.6 1270 1180 1250 05 06 07 08 09 (見込み) (見込み) (見込み) 5.0%増 6.5%増 0.8%減 5.1%増 ※3PL 売上高の合計額推移。
05年度を100として指数化した。
対象は05 年度〜09 年度(見込み)の3PL 売上高が揃った22社 荷主のリストラ本格化で再浮上 解 説 急ピッチで拡大を続けてきた3PL 市場も、世界同 時不況の影響を免れることはできなかった。
依然とし て新規案件は増加傾向にあるものの、既存荷主の物 量減少によって、市場規模は初めて前年割れした。
そ れでも今期は5.1%の売上増が見込まれている。
物流 市場全体のパイが縮小するなか、3PL のシェアは着実 に拡大している。
(本誌編集部) 特 集 しかし、既存荷主の物量減少の影響が期初見込み の一一七億円分から三〇〇億円分に拡大してしまっ た。
買収分を除けば売上規模は縮小したことになる。
今年四〜六月の〇九年度第1四半期では、この傾向 がさらに加速している。
今期、同社は初めて3PL 事業の前年割れを見込んでいる。
これに伴い一〇年 度に連結売上高五〇〇〇億円・営業利益二五〇億円 という中期目標の達成を二年後ろに倒す、経営計画 の仕切り直しを迫られている。
米国の3PL市場も日本とほぼ同じ動きを見せて いる(図2)。
十二月決算が中心の米国では、世界同 時不況の影響が〇八年度は第4四半期だけに限られ たため、同年度の市場規模は一二七〇億ドル(十二 兆六五〇億円、一ドル九五円で換算)と前期比四・ 一%拡大した。
しかし、今期〇九年度は七・一%減の一一八〇億 ドルに縮小する見込みだ。
一〇年度には五・九%増 の一二五〇億ドルが見込まれているものの、〇八年 度を回復するまでには至らない。
米国の3PL市場 は、米アームストロング&アソシエイツ社が九四年に 調査を開始して以降、毎年二桁のペースで成長を続け てきたが、ここに来て突然の足踏みを余儀なくされ ている。
■営業利益率は五%以下に低迷 既存荷主の物量減少は、売上規模だけでなく収益 性も悪化させる。
設備の稼働率が下がる。
輸送費は 傭車を抑制することで調整できても、倉庫施設費は 固定的で、庫内作業の効率も落ちる。
昨年の本誌の調査では、3PL事業の収益性が「向 上している」ないし「どちらかといえば向上してい る」と答えた3PLが全体の四七・四%を占めてい 13 SEPTEMBER 2009 2008年度 3PL売上高ランキング 会社名 05 年度 06 年度 07 年度 08 年度 09 年度(見込み) 日立物流 日本通運 キユーソー流通システム センコー ヤマトホールディングス SGホールディングス 三井物産物流本部 近鉄エクスプレス 三菱商事ロジスティクス 山九 ニチレイロジグループ※2 ハマキョウレックス 鈴与 バンテック セイノーホールディングス 安田倉庫 NECロジスティクス 日本梱包運輸倉庫 トランコム トナミ運輸 富士物流 第一貨物 日本ロジテム 三洋電機ロジスティクス 名糖運輸 丸全昭和運輸 日本トランスシティ エヌ・ティ・ティ・ロジスコ 三井倉庫 富士ロジテック 商船三井ロジスティクス キリン物流※3 三菱化学物流 日新 ロジパートナーズ 新開 丸協運輸 遠州トラック NYKロジスティックスジャパン 王子運送 アサヒロジ JFE 物流 東海運 名港海運 安川ロジテック (単位:百万円) ?????????????????〃??㉑㉒㉓㉔㉕㉖㉗㉘㉙㉚㉛3233343536373839404142434445 138,500 152,000※1 180,000※1 195,000〜200,000※1 ─ 130,000※1 140,000※1 150,000※1 150,000※1 ─ 95,660 99,488 103,163 105,284 ─ 68,600 73,500 77,000 93,000 117,000 111,500 91,392 95,692 92,947 82,500 67,400 54,700 ─ 55,000〜60,000※1 60,000〜65,000※1 60,000〜65,000※1 50,000〜55,000※1 55,000〜60,000※1 51,496 54,878 55,100 48,395 ─ ─ ─ 49,269 44,019 27,562 37,700 42,000 45,900 43,448 50,000 41,400 42,800 42,800 40,200 47,300 28,500 32,102 34,632 36,167 38,600 ─ 19,800 25,000 25,000 ─ 約14,500 15,500 17,400 18,800 15,600 9,000 16,299 16,600 18,298 21,600 ─ ─ 17,249 17,389 ─ 14,600 16,500 19,000 17,000 17,000 約18,000 約20,000 約21,000 約17,000 ─ 12,925 13,774 14,264 15,158 16,370 22,343 15,128 15,000 13,000 約14,000 15,000 14,000 13,500 11,000 11,750 12,612 13,512 13,232 ─ ─ 約13,000 約13,500 約13,500 10,909 11,858 13,850 13,362 13,838 約15,000 15,000※1 15,000※1 13,200※1 12,900※1 5,100 14,000 15,000 12,000 15,000 約9,000 約9,800 10,678 10,624 10,310 ─ ─ 10,500 約10,400 約11,500 8,904 9,100 10,000 10,200 10,600 6,054 6,800 7,400 7,500 ─ 4,100 4,400 8,237 7,319 ─ 2,596 6,778 6,583 6,583 6,850 6,297 6,360 8,673 6,500 6,500 ─ ─ 7,084 6,150 5,600 ─ ─ ─ 6,000 8,000 4,000※1 4,000※1 4,500※1 5,000※1 5,000※1 ─ ─ ─ 4,691 5,157 ─ ─ 1,900 3,000 5,000 2,000 2,600 3,800 2,325 1,443 1,200 1,351 1,700 2,000 2,300 ─ ─ 773 1,700 2,000 1,630 1,711 1,730 1,600 1,000 958 1,088 1,003 900 800 ─ ─ 765 702※1 ─ ─ ─ 605 639 408 ※1 は本誌推定 ※2 は08 年度から算定基準を変更している。
05 年度〜07 年度は参考値 ※3 は06 年度から算定基準を変更している。
05 年度はメーカー向け一括物流のみ計上していたが、06 年度以降は卸・量販向けを含む ※決算期が3 月期以外の企業は直近決算を08 年度としている。
キユーソー流通システムは11 月決算、鈴与、富士ロジテックは8 月決算、キリン物流、新開、 アサヒロジは12 月決算 45 社計 1兆2753 億4000 万円 た。
それが今回は計一六・三%と大幅に減った(図 3)。
反対に、昨年はゼロだった3PL事業の収益性 が「低下している」との回答が、今回は一六・三% に上り、「どちらかといえば低下している」を合わせ ると三七・二%の3PLが収益性の悪化を訴えている。
具体的な営業利益率としては五%以下とする3PL が七六・三%に上っている。
「五%〜八%未満」とい う階層が昨年の三二・四%から一五・八%に減って、 下の階層の「三%〜五%未満」や「三%未満」に流 れた(図4)。
■今期売上高は五%増を見込む それでも今後の見通しは暗くはない。
日本通運は 「物流を専門業者に委託し、(荷主企業は)本業に集 中するという動きは今後も変わらない。
3PLとい う形式で物流をアウトソーシングすることへの顧客の 期待は大きく、市場規模は今後も増えると思われる」 とのコメントを寄せている。
昨年度の落ち込みは一時的な調整に過ぎず、長期 的には市場規模は拡大していくとの見方は、同社の みならず市場の大勢を占めている。
調査対象企業の 3PL事業の今期見込みの合計も前期比五・一%増 と既に最悪期は脱したという認識に立っている。
野心 的な3PLにとって、不況はむしろ飛躍のチャンスで もある。
荷主企業における物流改革圧力は一〇年ぶりの高 まりを見せている。
アジア通貨危機に見舞われて大幅 に輸出が落ち込んだ九〇年代末には、家電や自動車 などの日本の基幹産業で、物流子会社の売却を前提 とした抜本的な物流リストラが真剣に検討されていた。
その後、中国を始めとする新興国特需で業績が持ち 直したことから、痛みの伴うリストラは先送りされる SEPTEMBER 2009 14 0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100 図4 3PL事業の収益性(営業利益率)について 図5 海外の3PL 事業について 図6 3PL 案件の自社輸送率(N=45) 図7 3PL 案件の物流拠点所有率(N=44) 09 年 (N=38) 0 34.2 17.6 38.2 32.4 11.8 42.1 15.8 5.3 2.6 20 40 60 80 100 (%) (%) (%) 中国(N=46) アセアン(N=45) 欧州(N=45) 北米(N=46) 3% 未満 3%〜5% 未満 5%〜8% 未満 8% 以上 赤字 向上している どちらかといえば向上している 横ばい どちらかといえば低下している 低下している 09 年 (N=43) 図3 3PL 事業の収益性の傾向について 図8 3PL 案件でカバーしている業務領域(N=47) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) その他 決済・金融サービス 三国間輸送管理 製造支援 コールセンター 製品回収 中間流通拠点の調達輸送 海外物流拠点運営 構内(生産)物流 環境対応強化 国際一貫輸送 工場倉庫運用 輸送梱包 国際調達 輸出物流 メーカー調達輸送 中間流通拠点運営 二次輸送 クロスドッキング 一次輸送 共同物流企画・運用 流通加工 ロジスティクス設計 情報システム構築 ロジスティクス改革・改善 25.0% 51.1% 27.3% 24.4% 25.0% 15.6% 22.7% 8.9% その他(インド、ロシア、 メキシコ、中近東、バング ラデシュ、豪州、N=7) 08 年 (N=34) 08 年 (N=38) 進出している 具体的な進出計画がある 進出を検討している 進出は考えていない 撤退を検討している 撤退した 9.3 7.0 46.5 20.9 16.3 13.2 34.2 39.5 13.2 85.7 45.7 2.2 8.7 43.5 11.1 44.4 11.1 31.1 2.2 6.5 21.7 2.2 42.2 55.6 71.7 14.3 20% 未満 20%〜50% 未満 50%〜80% 未満 80% 以上 特 集 傾向にあったが、今回の不況で改めて物流子会社問 題が再燃している。
そこでは3PLが物流子会社を買収し、メーカー別 縦割りの物流インフラを統合、業界別の物流プラット フォームに再編するというシナリオが有力視されてい る。
一時は鳴りを潜めていた投資ファンドも今年に入 って再び活動を開始している。
有望な案件であれば買 収資金の調達は難しくない。
リスクを取って攻めに出 るには絶好の機会だ。
■七割以上が中国市場に進出済み 今回の調査対象となった3PLのうち、既に七一・ 七%が中国に進出している。
アセアン、米国、欧州へ の進出も半数に達している。
しかし、連結売上高に 占める海外事業の比率はまだまだ小さく、収益性も 振るわない。
日本の大手メーカーの海外売上比率は今 や五割近くに達している。
食品や建設などの内需型 産業を除けば、その比率はさらに跳ね上がる。
これ をキャッチアップすることが3PLの大きな課題にな っている(図5)。
■輸送は傭車、倉庫は所有が主流 運用しているアセットの自社所有比率は、輸送は 「二〇%未満」とする3PLが過半数を占めた。
コン プライアンス強化のため食品業界等では改めて自社配 送を増やす動きも見られるが、輸送市場の供給過剰 が解消されない限り、全体としては傭車優位が当分 続きそうだ。
一方で倉庫は「二〇%未満」、「二〇% 〜五〇%未満」、「五〇%〜八〇%未満」、「八〇%以 上」で、ほぼ均等に分かれた。
倉庫は自社資産の利 用にこだわらず、案件ごとに最適な施設を選ぶとい うスタイルが定着しつつある(図6・7)。
15 SEPTEMBER 2009 なり、在庫を持たないお客様が増えつつある。
匿名(大手3PL) 今後の市場動向は物流子会社が収益 向上のカギを握る。
大手メーカーを中心に物流子会社の取 り扱いは二極化(強化・譲渡)しており、物流子会社の 買収が収益向上への鍵となっている。
物流事業者は提案力、 運営力だけでなく、資金力も求められるようになってきて いる。
匿名(一般運送) CSRを最優先とする企業が増加して いく。
それにより、3PL業者も意識・認識はもちろん、 それをサポートできるようなシステムが必要になる。
三井倉庫 規模の大きな業者にグローバルで貨物を集約し、 コストメリットを検討する荷主が増えている。
三菱化学物流 現在、3PLの乱立期から、弱い業者の 淘汰期にさしかかっているのではないかと思う。
先行投資 を行い、ノウハウを蓄積した3PL企業は、成長市場の中 で大きなスタンスを占めると思う。
匿名(物流子会社) 業務をどの範囲まで第三者に任せるか。
日本における3PLは、一部の業務を第三者にアウトソー シングするレベルにとどまっているケースがほとんど。
三洋電機ロジスティクス 物流子会社のアウトソーシングを 業界ごとにまとめていくという3PL業者が成長していく。
東海運 リードタイムや多頻度納品等を犠牲にしてでも、 環境面への対応が必要。
日本通運 物流を専門業者に委託し、本業に集中すると いう動きは今後も変わらない。
3PLという形式で物流を アウトソーシングすることへの顧客の期待は大きく、市場 規模は今後も増えると思われる。
事故やトラブル等がない こと、オペレーション能力が高いことはもちろん、提案コ ンサル能力など品質指標を年々高めていくことなど、業者 には総合力がますます求められるようになる。
丸協運輸 荷主企業のニーズはコスト面だけでなく、品質 重視の傾向にあるので、各アセットの自社率を重視して きている。
環境を配慮した仕組み(共同倉庫、共同配送、 無人航送、モーダルシフトなど)を取り入れた提案を求め られる。
匿名(化学品運送) 実輸送を行う下請け業者に運賃・労 働条件でしわ寄せがいく。
その是正を行うなら、超大手物 流業者の場合以外は3PLに回す人的・資金的余力は残ら ないのではないか。
匿名(倉庫業) 不景気の影響を受けて、取引先も大変な ので、よほど3PLにメリット(特にコスト面)がない限 り受け入れられないのでは…。
全体として、しばらくの間 3PL市場は衰退すると考える。
アンケートで読む3PL業者のホンネ バンテック 製造業や小売業におけるコア事業の見直しが 一層進むものと予想され、それに伴い、ノンコアと位置づ ける物流のアウトソーシングが加速、物流事業者の一括請 負などが増え、広義の3PL市場は拡大の傾向に向かう。
匿名(物流子会社) 現在、日本では国内物流を中心とし た3PL事業の展開がメインとなっているが、今後はグロ ーバル視点での3PL事業が拡大していくと思われる。
セイノーホールディングス 3PL事業者と実行物流事業 者の二極化、荷主企業の物流管理部門自体のアウトソーシ ング・シェアードサービス化などが進む。
匿名(港湾運送) 3PL業者のレベルを向上させない限 り、荷主の物流部門はなくならない。
レベル向上が無い限 り、日本の3PL市場は縮小して、従来と同じ形態となる だろう。
3PLビジネスモデルは衰退してゆく。
日本ロジテム 〇八年度の日本企業の売上高物流コスト比 率は全業種平均で四・八七%であり、更なる効率化のため には、一企業のみの3PLでは限界がある。
この物流コス トの約六〇%は輸送費用であるため、共同物流・物流のネ ットワーク化により、更なる物流の効率化を図る必要がある。
ニチレイロジグループ 荷主企業を取り巻く環境は、多様 化する消費者ニーズへの対応等で複雑化しており、更なる 効率化のために物流機能を積極的にアウトソースする傾向 にある。
3PL業者にとっては本格的な成長期に入ると同 時に、厳しい競争の時代になると思われる。
匿名(港湾運送) 個人向けのネット通販については引き 続き伸びる。
流通加工品質に対する要求はよりいっそう厳 しくなっていく。
危機管理対策として、バックアップ拠点 の整備・情報システムの二重化などを3PL業者に求める 企業が増える。
ヤマトホールディングス 環境対応型物流が更に強く求め られるようになると予想している。
山九 海外生産や国際調達などグローバル化の進展により、 国内〜海外、海外〜海外等の物流を一元的に運営管理する 国際3PLのニーズもさらに高まると考えている。
近鉄エクスプレス 最近はヘルスケア関連の製造業、販売 業・賃貸業やエレクトロニクス製品の納入前検査やキッテ ィング業務、更にはカスタマーサービスなどのニーズが高ま っている。
匿名(倉庫業) 経営資源の「選択と集中」が進んでいく中で、 物流においても一層の物流費用削減を図り、かつ高度化す るロジスティクスへ対応するためには、専門業者の必要性 が高まっていくものと思われる。
SGホールディングス 商品切り売り方のSPA型が多く 3PL市場の今後の見通し 特集 SEPTEMBER 2009 16 的な業務の範囲・内容・前提条件を明確にす ることが重要。
複数会社に提案を依頼する場 合は、評価基準を明確にしておく。
料金の安 さだけで選定するのではなく、事業継続を前 提とした適切な料金設定や物流管理体制を評 価ポイントに置くことが重要。
名港海運 厳しい経営環境が続く中でも、安 全、環境問題、コンプライアンスといった物 流品質に対する要求事項は増加するばかりで ある。
継続的、安定的に物流サービスを確保 するためにも、荷主企業と物流事業者とが、 今まで以上に「Win─Win」の関係を意 識した連携が重要になってくる。
匿名(物流子会社) 物量の時期的変化、作 業条件などを含めた詳細な情報を提供しても らうことが不可欠。
丸全昭和運輸 3PLはトータルコストの最 適化であり、保管・輸送それぞれの良い所だ けの部分取りであってはならない。
匿名(物流子会社) 大手3PL業者への業 務委託が常に結果としてベストチョイスにな るとは限らない。
積極的な物流コンペ等を開 催していただき、多角的な面での業者選択を 荷主企業に望む。
匿名(物流子会社) アウトソーシングと直営 の使い分けに明確な方針を持ち、ノンコア業 務は思い切って外部に出す荷主の成長事例が 多いと実感している。
匿名(物流子会社) 物流に期待するものを、 はっきり物流会社に明示した方が、早く結果 に結びつくものと考える。
三菱化学物流 3PLは物流に係る人員管理 の負担軽減や、物流設備に係る資産効率の改 善に寄与する。
匿名(化学品運送) 物流費を単価の安い下 請けに流してコストダウンするのには限界が ある。
効率化や物流品質の向上のためには、 ある程度の運賃は覚悟すべき。
日本梱包運輸倉庫 物流業者に委託するメリ ットをもう少し考えて貰いたい。
例:単にコ スト面だけでなく、災害への対応力等。
匿名(化学品運送) コスト偏重でなく、物 流の質を重視してほしい。
ョンの強化を進めている。
名港海運 荷主企業から値下げの要請も避け られないと考えることから、経営のスリム化 に速やかに取り組む必要がある。
同時に、当 社の得意とする国際複合一貫輸送を軸とし、 荷主企業への積極的な提案を行っていく予定 である。
富士物流 当社は発足の歴史から、電機・電 子業界関連の物流には強みがある。
豊田自動 織機との資本提携により、TPSの展開を強 化し、現場での効率化を進めている。
丸全昭和運輸 社内におけるネットワーク力 はもとより、同業他社との企業間コラボレー ションによりコスト競争力や安全・品質マネ ジメント力をより強化し、更なる全体最適化 を実現していきたい。
三井倉庫 実物流業務を担ってもらえる良質 なパートナーの選定、3PLの品質の評価を 透明・客観的に荷主と共有できる手法の確立、 3PLのメリットを顧客に訴求し認めてもら えるセールス力の強化などが課題。
匿名(物流子会社) 物流子会社として親会 社・グループ会社へのグループシナジー、貢献 をキーワードとして3PL事業に取り組む。
セイノーホールディングス 提案型セールスが できる人材の育成が課題。
今後の展開として は、ロジスティクス戦略立案のコンサルティン グサービスを充実させる。
日本通運 3PL業務開始後に顧客とのパー トナーシップのもとでKPIを設定し、お互 いに効果を確認し合うと同時に積極的な改善 提案を行う。
そのほか、フルフィルメント・ サービスの強化や商流ニーズ(VMI型取引 における決済・金融サービス)への対応も進 める。
丸協運輸 環境対応、人材育成(現場力・提 案力)、自社システム開発力の強化、ネットワ ーク力(協力企業含め)の拡大・品質強化、 などが課題。
匿名(化学品運送) 会社規模が小さく、従 業員数が不足しているため大規模3PLに対 応できていない。
遠州トラック 人材の育成。
(本誌抜粋、順不同) 匿名(物流子会社) 受託時の条件が曖昧な ケースが多く、結果的に、立上げ時に混乱す るケースが多い。
また、追加要求などもあり、 収益が圧迫されるケースも多い。
3PLは、 荷主と物流会社のパートナーシップで成立する ものであり、条件については整合をとる必要 がある。
セイノーホールディングス SCMを構築する には、いくつかの大きな壁を乗り越える必要 がある。
大きな変革の場合、複数の組織にか かわってくるので、トップが明確なゴールを示 し、きちんとしたプロジェクト組織を作ったと ころが成功している。
日本ロジテム 物流センターの運営および業 務の改善は、部分的に見ていては物流課題の 解決はできない。
新しい物流を生み出すため には、現状と要件を定性・定量的に把握した 全体物流としての判断が必要。
ニチレイロジグループ 最も重要な点は、荷主 企業と物流事業者が信頼関係を築き、対等な ビジネスパートナーとして協働していくこと。
荷主企業側が「一物流業者」という認識で対 応すれば情報は制約され、適正な分析や改善 提案ができなくなる。
匿名(港湾運送) 入荷情報、出荷情報など 事前に共有する情報に関する精度の向上。
山九 往々にして、「3PLは、物流費削減 の打ち出の小槌、丸投げさえすれば目的は果 たせる」との誤解もみられ、荷主側の3PL への理解、導入にあたっての社内条件が整備 されていないケースも多い。
3PLは、生・販 と一体となった物流改革であるとの基本認識 をもっていただくことが必要。
匿名(特殊運送) ゲインシェアリングを実行 してほしい。
近鉄エクスプレス コスト削減については、プ ロセスの見直しによる業務の効率化が不可欠 であるので、お互いに協力して進めさせてい ただきたい。
RFQにおいては、お客様から の情報開示が不十分なケースも見受けられる ので、出来るだけ多くの情報をいただきたい。
匿名(大手3PL) 目的に見合った業者を 選定する必要がある。
選定を行う際は、具体 山九 3PL事業の安定的な成長を目指すた め、消費財分野3PLの拡大による事業構造 のバランス化に注力する。
消費財分野での当 社の知名度はまだ低いため、3PLプロバイ ダーとしての実績を広く的確にアピールする 広報対策が課題であると考えている。
バンテック 新規顧客の開拓(一括アウトソ ーシングニーズの取り込み)、新ビジネスモデ ルの構築、グローバルSCMビジネスの深化。
匿名(大手港湾運送) きめ細かいサービスと、 それに対する対価がマッチしていない。
日本ロジテム 自社の持つ資産(車両・倉庫・ 要員・情報)を活かしきれていない部分がある。
今後は、コンサルティング型の提案で、プラン ニング・オペレーション・現場改善および流通 加工を伴うトータル物流の提案が必要となる。
NYKロジスティックスジャパン 事業環境の 激変に伴い、業務の棚卸しを行い、人員の整 理を含め、合理化を徹底した。
その上で、輸 入ビジネスの拡大を中心に、事業基盤の強化 を図りたい。
NVOCC事業については、我 慢するだけではシュリンクしていく一方なので、 強化すべきところに営業を集中する必要があ る。
ニチレイロジグループ 品質レベルを維持・向 上させつつ効率的な物流提案を実現できる「人 財」が不足気味であり、その確保・育成に力 を注いでいる。
また、報酬対価に対する理解 が浸透しないことも悩みの一つ。
匿名(港湾運送) 庫内レイアウト、作業工 程・手順を見直すと共に、波動に対応した人 員配置をきめ細かく行うことで作業効率を向 上させる。
ヤマトホールディングス ヤマトグループの経 営資源を活用した新商品・新サービスの開発、 コスト競争力の強化、営業マンの提案スキル 向上などを進めていく。
近鉄エクスプレス 今秋の成田空港平行滑走 路の延長および来春の発着枠増加に伴う需要 の増加に対応していく。
SGホールディングス アパレル業界の不振に より、海外へ倉庫を移転するお客様も増えつ つあり、海外からのロジスティクスソリューシ 荷主企業への要望、アドバイス 自社3PL事業の課題や対策、今後の展開
