2009年9月号
CLIP
CLIP
三井物産がASP型物流情報管理サービス個品のステータス情報まで社内外で共有可能
79 SEPTEMBER 2009
三井物産は、日本ユニシスと共同
で開発したASP(インターネット
を通じて利用できるソフトウェア)型
物流情報管理サービス「UNITR
A(ユニトラ)」の利用拡大を進めて
いる。
貨物や物流容器の移動履歴な どのステータス情報を一元管理し、企 業内・企業間での情報共有も可能な サービスだ。
現在、トライアルを含め て国内外で約一〇社が導入している。
〇六年から開発に着手し、昨年四 月に運用を開始した。
実際の業務に 利用しているのはパレットレンタル業 や大手製造業など現状では数社に過 ぎないが、一〇月には大手流通業で も実運用が開始される予定だ。
昨秋 以降停滞していた案件が再び動き出 し、新規の引き合いも受けるなど手 応えが出てきたという。
UNITRAでは任意の管理対象 物に付加したIDを、工場や物流セン ターでの入出荷、加工などのイベント ごとに、バーコードやICタグなどの 個体識別技術で読み取る。
この情報 をインターネット経由でサーバーに送 信して、データベースに蓄積する。
利 用者はネットを通じてリアルタイムの データを照会できる。
利用する個体識別技術は問わない。
貨物量や作業負荷、利用環境に応じ て自由にツールを選択できる。
UNI TRAで特注パレットの動態管理を行 っている大手メーカーではバーコード も使用せず、パレットに貼付した伝票 情報を、出荷時と返却時にパソコン で手入力して運用しているという。
物流容器の移動履歴に貨物情報を 紐付けすることで、貨物のステータス 情報も把握できる。
食品メーカーのト ライアルでは、パレットに貼付したI Cタグに製品の製造ロット番号、出荷 指示番号を紐付けし、工場と配送セ ンターでの入出荷時にパレットのIC タグを読むことで、販売先までのトレ ーサビリティを実現した。
これについて三井物産物流本部物 流機能推進部LIT室の御手洗正夫 室長は「個々のパレットごとに積載製 品のロット番号と出荷先・数量を確 実に特定する『絶対個体管理』が可 能になった。
通常のWMSは入荷数 量から出荷数量を引き、単純に在庫 数量を管理する『総数管理』で、問 題が起きれば出荷先すべてに問い合わ せをするしかない」と説明する。
さらに、データベースに蓄積された 情報をUNITRAが標準機能とし て備えるアプリケーション「RTIマ ネージャー」を用いて、さまざまな角 度から分析することで現場のオペレー ション改善や生産・販売計画の精度 向上などに活用できる。
RTIマネ ージャーはカスタマイズに対応してい るほか、CSV形式でデータを出力 することができるため、利用者は自 由に加工することが可能だ。
インターネット経由で利用するサー ビスのため、国内外の複数拠点・企 業間での情報収集・閲覧ができるの も大きな特徴の一つ。
製造業であれ ば、工場に納入された部品の入荷・ 検収情報を組み立てメーカーと部品メ ーカー間で共有し、生産調整に活用 可能。
多言語対応、利用者別のアク セス権限設定機能も備えている。
料金体系は使った分だけ月々の利用 料を支払う従量課金制。
初期投資が 少額で済みみ、要件さえ合えばすぐ にでも導入できることもASPの利 点だ。
同様のシステムを自前で構築し ようとすれば、億単位の投資と時間 がかかる。
また拠点や取引先の増加 にも容易に対応できる。
一方、ASPの課題としては、カ スタマイズの限界、トランザクション 集中時のパフォーマンス低下、セキュ リティに対するリスク等が挙げられて いる。
そのため、物流領域での利用 には不向きとする見方もある。
しかしUNITRAの本質は個体 単位で物流上のイベント情報を収集 することにある。
あとは顧客に応じ てデータの加工方法を変更するだけ で、データを時系列でみればトレーサ ビリティ、数量でみれば在庫管理に なる。
トランザクションの容量やセキ ュリティについても、金融系のシステ ム運用で実績のある日本ユニシスが開 発・管理・運営・保守を行っている ため、十分に信頼性が確保されてい るという。
御手洗室長はUNITRAについ て、「サービスのコンセプトは『絶対 個体管理』、『ネットワーク型情報共 有』、『情物一致』。
サプライチェーン 全体で個体の物流情報を可視化して 一元管理・分析し、改善を進めてい くための基盤として整えた。
利用者 が広がればUNITRAの価値はも っと出てくるはずだ」として、期待 をかけている。
(梶原) 三井物産がASP型物流情報管理サービス 個品のステータス情報まで社内外で共有可能 三井物産物流本部物流機能推 進部LIT室の御手洗正夫室長
貨物や物流容器の移動履歴な どのステータス情報を一元管理し、企 業内・企業間での情報共有も可能な サービスだ。
現在、トライアルを含め て国内外で約一〇社が導入している。
〇六年から開発に着手し、昨年四 月に運用を開始した。
実際の業務に 利用しているのはパレットレンタル業 や大手製造業など現状では数社に過 ぎないが、一〇月には大手流通業で も実運用が開始される予定だ。
昨秋 以降停滞していた案件が再び動き出 し、新規の引き合いも受けるなど手 応えが出てきたという。
UNITRAでは任意の管理対象 物に付加したIDを、工場や物流セン ターでの入出荷、加工などのイベント ごとに、バーコードやICタグなどの 個体識別技術で読み取る。
この情報 をインターネット経由でサーバーに送 信して、データベースに蓄積する。
利 用者はネットを通じてリアルタイムの データを照会できる。
利用する個体識別技術は問わない。
貨物量や作業負荷、利用環境に応じ て自由にツールを選択できる。
UNI TRAで特注パレットの動態管理を行 っている大手メーカーではバーコード も使用せず、パレットに貼付した伝票 情報を、出荷時と返却時にパソコン で手入力して運用しているという。
物流容器の移動履歴に貨物情報を 紐付けすることで、貨物のステータス 情報も把握できる。
食品メーカーのト ライアルでは、パレットに貼付したI Cタグに製品の製造ロット番号、出荷 指示番号を紐付けし、工場と配送セ ンターでの入出荷時にパレットのIC タグを読むことで、販売先までのトレ ーサビリティを実現した。
これについて三井物産物流本部物 流機能推進部LIT室の御手洗正夫 室長は「個々のパレットごとに積載製 品のロット番号と出荷先・数量を確 実に特定する『絶対個体管理』が可 能になった。
通常のWMSは入荷数 量から出荷数量を引き、単純に在庫 数量を管理する『総数管理』で、問 題が起きれば出荷先すべてに問い合わ せをするしかない」と説明する。
さらに、データベースに蓄積された 情報をUNITRAが標準機能とし て備えるアプリケーション「RTIマ ネージャー」を用いて、さまざまな角 度から分析することで現場のオペレー ション改善や生産・販売計画の精度 向上などに活用できる。
RTIマネ ージャーはカスタマイズに対応してい るほか、CSV形式でデータを出力 することができるため、利用者は自 由に加工することが可能だ。
インターネット経由で利用するサー ビスのため、国内外の複数拠点・企 業間での情報収集・閲覧ができるの も大きな特徴の一つ。
製造業であれ ば、工場に納入された部品の入荷・ 検収情報を組み立てメーカーと部品メ ーカー間で共有し、生産調整に活用 可能。
多言語対応、利用者別のアク セス権限設定機能も備えている。
料金体系は使った分だけ月々の利用 料を支払う従量課金制。
初期投資が 少額で済みみ、要件さえ合えばすぐ にでも導入できることもASPの利 点だ。
同様のシステムを自前で構築し ようとすれば、億単位の投資と時間 がかかる。
また拠点や取引先の増加 にも容易に対応できる。
一方、ASPの課題としては、カ スタマイズの限界、トランザクション 集中時のパフォーマンス低下、セキュ リティに対するリスク等が挙げられて いる。
そのため、物流領域での利用 には不向きとする見方もある。
しかしUNITRAの本質は個体 単位で物流上のイベント情報を収集 することにある。
あとは顧客に応じ てデータの加工方法を変更するだけ で、データを時系列でみればトレーサ ビリティ、数量でみれば在庫管理に なる。
トランザクションの容量やセキ ュリティについても、金融系のシステ ム運用で実績のある日本ユニシスが開 発・管理・運営・保守を行っている ため、十分に信頼性が確保されてい るという。
御手洗室長はUNITRAについ て、「サービスのコンセプトは『絶対 個体管理』、『ネットワーク型情報共 有』、『情物一致』。
サプライチェーン 全体で個体の物流情報を可視化して 一元管理・分析し、改善を進めてい くための基盤として整えた。
利用者 が広がればUNITRAの価値はも っと出てくるはずだ」として、期待 をかけている。
(梶原) 三井物産がASP型物流情報管理サービス 個品のステータス情報まで社内外で共有可能 三井物産物流本部物流機能推 進部LIT室の御手洗正夫室長
