2010年4月号
特集
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第1部 速報!トラック実勢運賃
ようやく運送業も採算重視に
このたび本誌は支払いトラック運賃の実態調査を
行った。
今年二月に国内約二〇〇〇の荷主/物流企 業にアンケート用紙を送付し、一八四社の有効回答を 得た。
本誌が同調査を実施するのは二〇〇八年二月 に続いて二度目となる。
(詳細は本誌一六頁「調査の 方法」参照) その結果、路線便(特別積合せ自動車貨物運送=特 積み)の実勢運賃はリーマンショック後の物量急減に もかかわらず、それほど下げてはいないことが明らか になった。
具体的には半数近くが運賃テーブルとして 旧運輸省の「昭和六〇年公示タリフ」を使用してお り、前回とほとんど変わらなかった。
また貸切運賃も全体としては横ばいだった。
東京〜 大阪間の一〇トン車の片道貸切運賃が約八万円、四 トン車の時間制貸切運賃が一日当たり二万七〇〇〇 円強という水準だ。
ただし、地域別に見ると名古屋 地区では下落が顕著だった。
本誌と共同で同調査の分析に当たった物流コンサ ルティングのロジスティクス・サポート&パートナーズ (LOGI─SP)の黒澤明社長は、今回の結果を次 のように総括する。
「最近の現場では、『車が減ってきた。
減車・廃業 が目立つ』といった声がよく聞かれる。
しかし、今 回の調査結果には、それを裏付けるほどの運賃の高 騰は見られなかった。
その一方で、景気後退による 運賃下落も起きていない。
上向き要素と下向き要素 が拮抗して、結果的に横ばいに収まっているというこ とではないか。
それでも〇八年の燃料急騰時に起き た運賃値上げ交渉は、そこそこ成功したのだなとい う感想を持った。
我々の周囲でも、サーチャージ制を 導入するケースこそ稀だったが、燃料費を始めとする コストアップを理由として、運賃の値上げを認める荷 主が製造業を中心に多かった」 サーチャージ騒動直後の〇八年九月にはリーマン ショックに見舞われたが、運賃水準自体は下げ止まっ ている。
これは運送会社側に仕事を選別する傾向が 強まっていることが一つの理由だろう。
不採算荷主 に対しては取引の打ち切りも辞さないという、従来は 見られなかった強い態度で交渉に臨む運送会社が増え ている。
それだけ相場は底堅くなっている。
荷主としてもリーマンショック後は物量自体が減っ ているため値下げ交渉のネタがない。
合理的な理由も なく協力会社に値下げを強要すれば、「下請法」に訴 えられる恐れもある。
中小の荷主はともかく、コンプ ライアンスを軽視できない大手企業や上場している荷 主にとっては下請法が一定の制約として機能している と評価できそうだ。
以下、サービス商品別にトラック運賃相場の動きを 解説していこう。
サービス商品のバリエーションや運 賃制度の基礎知識について知りたい方は、一七頁に 掲載した囲み記事「トラック運賃の仕組み」を参照し て欲しい。
特別積合(路線便)運賃 ──使用タリフが二極化 前回調査の〇八年の実勢運賃相場を一〇〇とする と、今回は九九・四三でほぼ横ばいという結果になっ た。
ただし、運賃交渉で使用しているタリフは「昭 和六〇年タリフ」と「平成十一年タリフ」に二極化す る傾向が見られる。
今回の調査では前回と比較して 「平成二年タリフ」「平成六年タリフ」の割合が減って 「平成十一年タリフ」が増えている(図1)。
速報!トラック実勢運賃 リーマンショックの前後でトラック運送の実勢運賃はど う動いたのか。
貸切運賃や路線便の足元の相場は、具体的 にいくらなのか。
匿名を条件に国内184 社が教えてくれた 取引データを元にして、運賃交渉の目安となる現在の基準 を導き出した。
併せて過去4 半世紀にわたる実勢運賃の推 移も整理した。
APRIL 2010 12 特 集 トラック運賃 2010 これについてLOGI─SPの黒澤社長は「『昭和 六〇年タリフ』を中心とする?安い荷主?はあまり変 化がないのに対し、『平成二年タリフ』や『平成六年 タリフ』を使ってきた比較的理解のある荷主が〇八年 の燃料費の高騰時に『平成十一年タリフ』に移行し たということだろう」と分析する。
業種別に運賃を見ていくと『昭和五五年タリフ』や 『昭和五七年タリフ』の安い運賃は、製造業にはほと んど見られず、非製造業とりわけ卸売業の下請け配 送が占めている。
卸売業の低運賃は路線便だけに限 らない。
そのため市場では「卸は値段しか見ていな い。
できれば付き合いたくない」というトラック運送 会社が少なくない。
時間制貸切運賃 ──一五トン車だけ値上がり傾向 二トン車は横ばい。
四トン車、一〇トン車は若干の 値下がり。
一五トン車だけは上昇する傾向にある(図 2)。
四トン、一〇トンの値下がりは景気低迷の影響 をそのまま反映したものといえそうだ。
一方で一五 トン車の相場だけが上がっているのは、車両およびド ライバーの供給が限られているのに対し、ニーズが拡 大していることの表れだと考えられる。
時間制貸切運賃は主に、エリア内の店舗に商品を納 品もしくは集荷して回るルート配送の運賃に用いられ る。
その車両には従来は二トン車や四トン車が利用さ れていた。
しかし近年は、大規模ショッピングモール やロードサイドの大型店が増え、物量がまとまること から、大型車が使えるようになっている。
また同じ大型車でも一〇トン車は市場に出回って いる台数も多いが、一五トン車はまだタマ数が少ない。
その需給バランスから一〇トン車と一五トン車の相場 13 APRIL 2010 図1 現在採用している特積み運賃タリフの水準──H13年/H20年/H22年調査の比較 H22年 時間制貸切運賃 普通車 業種別 カサイ経営資料より本誌が作成 H13年調査H20年調査H22年調査 2t車 4t車 10t車 15t車 8 8 8 8 80 100 100 100 日当運賃 稼働日数 月当運賃 日当運賃 稼働日数 月当運賃 日当運賃 稼働日数 月当運賃 日当運賃 稼働日数 月当運賃 24,400 22,455 22,649 22,634 22,640 20.0 24.1 23.7 23.4 23.5 488,000 534,485 529,122 557,114 544,346 29,425 27,124 27,395 27,252 27,305 21.3 24.2 23.8 23.9 23.9 665,000 620,985 627,506 660,742 647,923 39,950 35,664 36,807 39,432 38,257 22.4 22.6 22.6 24.5 23.7 964,543 801,237 845,204 951,157 900,143 49,111 55,200 51,648 45,837 47,830 21.6 20.6 21.2 24.5 23.4 1,105,420 1,141,600 1,120,495 1,093,042 1,103,669 車種稼働 時間 稼働 距離契約形態素材型産業加工型 製造業製造業計非製造業全業種平均50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 S60 S63 H6 H10 H13 H16 H20 H22 図2 車種別8時間制運賃の推移 (円) 2トン車 15トン車 4トン車 10トン車 50 40 30 20 10 0 上限 基準 下限 昭和 55 年 昭和 57 年 昭和 60 年 平成2年 平成6年 平成 11 年 昭和 55 年 昭和 57 年 昭和 60 年 平成2年 平成6年 平成 11 年 昭和 55 年 昭和 57 年 昭和 60 年 平成2年 平成6年 平成 11 年 50 40 30 20 10 0 (%) (%) (%) 上限 基準 下限 50 40 30 20 10 0 上限 基準 下限 の動きに違いが出てきているものと考えられる。
前回 調査まで一〇トン車と一五トン車では、積載量ほど実 勢運賃に違いがなかった。
それが適正化されてきた という見方もできる。
また、素材型製造業、加工型製造業、非製造業に 荷主の業種を分けて、それぞれの相場水準を比較する と、前回は加工型製造業の運賃水準が最も高く、次 に素材型製造業、流通業を中心とする非製造業が最 も安いという傾向があった。
今回は素材型製造業が 上昇し、加工型製造業が下落したことで両者の相場 に逆転が見られる。
不況の影響を大きく受けた加工型 製造業の一部の荷主が、協力運送会社の切り替えな どの思い切ったコスト削減策に出た可能性がある。
距離制貸切 ──長距離・片荷輸送は割高に 二トン車が値下がりしている。
また車両の大きさを 問わず近距離輸送は値下がり、長距離は横ばい、も しくは若干値上がりする傾向にある。
片荷輸送と往 復運賃の比率は一・六倍〜一・八倍。
荷主が帰り荷 を提供できる場合には、一割から二割、運賃を抑え られることになる。
一連の傾向はトラック運送会社に採算重視が浸透し てきた結果だと推測される。
長距離輸送の採算の悪 化はかねてから指摘されていたが、長距離は一〇ト ンや一五トンの大型車がメーンで近距離に比べれば単 価は高いため、これまでは目先の売り上げ確保に走る 運送会社が跡を絶たなかった。
その結果、帰り荷に窮し、空荷で走るよりはマシと、 東京〜大阪間で四万円を切るような極端な安値で輸送 を請け負うケースが頻発し、運賃相場の値下がりに歯 止めの利かない状況が長く続いていた。
主に帰り荷の APRIL 2010 14 20km 50 100 150 200 300 400 500 東京→大阪 〃←〃 東京・大阪往復 東京→名古屋 〃←〃 東京・名古屋往復 20km 50 100 150 200 300 400 500 東京→大阪 〃←〃 東京・大阪往復 東京→名古屋 〃←〃 東京・名古屋往復 S60 S63 H6 H10 H13 H16 H20 H22 8,787 10,157 11,468 10,214 9,419 10,509 11,532 10,350 12,134 13,412 15,162 14,442 13,577 14,315 14,950 14,023 17,758 19,158 21,948 21,009 19,768 20,207 20,517 19,699 21,254 23,400 26,663 25,794 24,451 24,304 24,029 23,220 24,893 27,110 31,837 30,549 28,554 28,882 27,745 26,998 31,385 34,767 41,742 38,257 36,474 35,734 34,278 33,458 36,974 41,125 52,432 46,992 45,067 42,853 41,134 40,702 43,641 48,220 59,584 54,528 52,682 49,587 48,053 49,075 40,700 55,904 65,380 54,539 55,353 47,866 47,402 52,112 33,932 51,560 64,156 54,367 52,875 45,513 51,308 52,232 93,060 93,458 109,064 93,118 96,480 82,701 85,131 89,652 41,056 51,729 45,680 42,986 40,706 38,120 40,419 38,239 45,842 43,357 40,758 39,756 40,460 40,494 69,220 91,300 69,471 66,910 72,008 68,577 65,497 10,547 11,786 13,640 13,206 11,851 12,381 14,715 13,811 14,633 16,013 18,110 17,873 16,932 16,886 18,183 17,898 21,665 22,666 25,831 24,609 24,194 23,688 24,127 24,126 25,936 26,706 31,084 29,849 28,853 27,993 28,456 28,349 30,381 31,085 36,688 35,539 33,302 33,358 32,067 33,175 38,409 39,223 46,531 43,700 40,968 40,319 40,289 40,781 45,972 47,082 56,639 52,541 49,990 48,599 47,926 48,145 54,761 55,247 64,314 61,594 58,859 55,894 55,828 57,204 55,840 60,678 65,839 67,348 61,443 61,901 60,312 58,918 56,104 60,673 65,414 66,873 60,223 61,832 63,081 60,172 105,064 114,140 117,599 113,585 115,955 110,642 110,875 105,246 39,570 45,566 51,649 50,992 50,293 49,910 45,954 45,955 43,770 45,413 49,764 49,582 48,969 49,335 48,728 46,275 75,495 83,293 94,750 80,128 80,202 89,790 81,415 77,899 車種 2t車 4t車 距離帯 車種別距離制貸切運賃の推移 (円) 特 集 トラック運賃 2010 確保に利用されている求車求貨システムの普及も、そ うした傾向に拍車をかけた。
しかし現状の相場では片荷輸送で走らせても採算 がとれないのは明らかで、また景気低迷の影響もあっ て消費地から地方に戻る帰り荷が見つかりにくくなっ ていることから、帰り荷のメドが立たない片荷輸送に 対しては始めから相応の運賃を求めるケースが増えて いる。
物流企業を中心にIT/マテハン関連企業など約二 六〇社で構成するSCM共同ネット研究会の滝沢保 男代表は「帰り荷の安い運賃が相場の基準になってし まった。
しかも物量の減少で大手や物流子会社は傭 車を切って自社車両に切り替えている。
今や中小は大 半が赤字だ。
市場の末端の運賃は既に限界を超えて下 がっていると考えたほうがいい」という。
地域別相場 ──名古屋プレミアムは消失 九九年まで旧運輸省が数年置きに公示していた基 準運賃表(タリフ)では、地域別の運賃相場は東京 が一番高く、次に大阪、三番目が名古屋という順番 になっている。
しかし、実勢運賃は実際の需給を反 映して大阪と名古屋が逆転するかたちになっていた。
とりわけ自動車の輸出が好調だった〇八年までは名古 屋の運賃は東京をも上回っていた。
しかし今回の調査では、名古屋プレミアムが消失し ている。
やはり?トヨタショック?の影響が大きいよ うだ。
車種や距離帯にもよるものの、全般的に東京 よりも安い。
一方で長らく運賃の低迷が続いていた大 阪が今回は若干持ち直している。
極端に下がり過ぎ た反動で正常化してきたと言えるだろう。
その結果、 東京・大阪・名古屋の三大都市間の運賃相場に大き 15 APRIL 2010 20km 50 100 150 200 300 400 500 東京→大阪 〃←〃 東京・大阪往復 東京→名古屋 〃←〃 東京・名古屋往復 20km 50 100 150 200 300 400 500 東京→大阪 〃←〃 東京・大阪往復 東京→名古屋 〃←〃 東京・名古屋往復 S60 S63 H6 H10 H13 H16 H20 H22 17,706 16,434 19,389 19,389 17,797 17,629 21,332 19,457 23,857 22,673 26,209 26,866 24,084 23,685 26,325 25,107 34,073 32,758 37,705 36,993 33,832 32,830 33,958 33,721 39,921 39,676 45,796 43,525 39,800 38,652 40,075 39,925 46,920 46,604 53,571 51,690 46,469 46,326 45,508 46,005 59,130 58,384 67,204 63,121 58,243 56,867 56,220 57,311 71,551 70,235 80,864 74,712 69,859 66,690 67,160 68,791 83,931 85,808 94,061 88,111 81,138 77,345 79,171 79,549 81,412 86,462 89,772 84,754 81,924 77,665 80,376 79,117 81,008 87,389 93,508 86,465 82,382 75,133 79,535 78,982 157,987 159,694 159,569 148,533 159,323 139,925 143,254 140,678 63,302 61,791 70,713 68,136 65,847 63,123 63,401 63,182 67,102 67,618 70,963 67,716 64,053 60,886 63,108 63,127 118,075 118,573 126,982 107,455 105,716 114,253 113,999 108,992 17,793 19,651 22,974 20,552 25,675 27,567 28,782 27,290 36,663 38,422 38,379 37,608 44,408 45,681 45,001 45,129 52,400 56,482 52,663 53,222 64,255 66,792 64,679 65,015 76,816 78,373 76,710 77,402 88,966 89,796 88,589 89,894 96,005 88,140 83,591 89,028 90,650 86,615 88,270 92,678 175,400 162,507 156,273 159,047 79,210 72,986 68,918 71,968 74,200 73,271 71,178 74,082 128,920 134,944 128,358 123,100 車種 10t車 15t車 距離帯 (円) な違いが見られなくなってきている。
以上の状況から、今春の運賃交渉は横ばいで落ち 着きそうだ。
物量の低迷が続き、荷主と運送会社の 双方に交渉の材料がない。
軽油引取税の暫定税率の 引き下げや高速道路料金の無料化など民主党が掲げ た公約が実施に移されれば、交渉の余地が生まれた可 能性もあったが、現状ではいずれの政策も実質見送 りとなっている。
当面は運賃交渉による経費削減よ りも、運送条件の改善や輸送ネットワークの見直しな どの長期的な施策を優先すべきだろう。
APRIL 2010 16 民主党は昨年の総選挙のマニフェストで「ガソリン 税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の 暫定税率を廃止し、二・五兆円の減税を実施する」 としていたが、その後、大幅な修正を行っている。
政府が昨年十二月に閣議決定した二〇一〇年度税 制改正大綱で、暫定税率は廃止するが、新たな租税 特別措置によって当分の間、自動車重量税を除き現 行の税率水準を維持するとされた。
新たな租税特別措置とは以下の通りだ。
ガソリン 税と軽油引取税については、価格の高騰が続いた場 合、暫定税率部分の課税を停止する。
具体的にはレ ギュラーガソリンの価格が三カ月間、一リットル当た り一六〇円を上回って推移した場合に課税を停止す る。
また停止後に、三カ月間にわたって一三〇円を 下回れば課税を再開する。
軽油はガソリンの税率に 連動して同様の措置を実施する。
一方、民主党が同じマニフェストに掲げた高速道 路料金の無料化も暗礁に乗り上げている。
国土交通 省が二月に発表した一〇年度の高速道路無料化の社 会実験区間は、当初の想定よりも大幅に縮小された。
無料化のための予算が概算要求段階の六〇〇〇億円 から一〇〇〇億円に削減されたためだ。
三大都市圏など大都市圏内や大都市・県庁所在 地を結ぶ路線など交通量の多い路線は対象から外さ れた。
無料化しても渋滞の起きにくい路線・区間だ けが選ばれた。
この一部無料化は六月にも実施される予定だが、 政府はこれに合わせて無料化される区間以外につい て、料金の上限制を実施する検討に入っている。
現 行の割引制度を見直し、走行距離に関係なく料金の 上限を設定する。
上限は乗用車二〇〇〇円、トラック五〇〇〇円と する報道もあったが、具体的な新料金制度は三月一 五日時点では明らかにされていない。
ただし前原誠 司国交相は三月五日の会見で、現行の割引制度に比 べて値上げになるとの見通しを示している。
仮に現行の割引制度が廃止され、トラックの上 限料金が五〇〇〇円になるとトラック運送では大幅 なコストアップになる可能性がある。
現行制度では、 トラック事業者はETC搭載車を対象とした深夜時 間帯五割引などと大口多頻度割引を併用している。
このため、日本貨物運送協同組合連合会(日貨協 連)によると、一車一利用当たりの利用料金は五〇 〇〇円未満が八割以上を占めるという。
トリガー条項発動時・解除時のガソリン小売価格のイメージ 3カ月 3カ月 要件該当 発動 25 円 25 円 解除 要件該当 発動しない場合の ガソリン小売価格 160 円/ℓ 発動要件 130 円/ℓ 解除要件 発動(解除)手順?要件該当を確認 ?主務大臣による告示 ?告示の翌月に発動(若しくは解除) 発動後の ガソリン小売価格 今年二月に約二〇〇〇社にアンケート用紙 を送付し、一八四の有効回答を得た。
設問項 目は本誌が二〇〇八年に実施した前回の調査 (〇八年四月号に特集記事として掲載)と同様 に、物流コンサルティング会社のカサイ経営が 昭和六〇年から平成一六年まで、ほぼ三年ご とに計六回にわたって行った「トラック実勢運 賃調査」を踏襲した。
運賃推移を示す図表の過去のデータは前回 調査の平成二〇年分を除き、カサイ経営の調 査結果に基づいている。
ただし本誌調査の回 答者は主に本誌読者であり、その顔触れはカ サイ経営時代の調査とはかなり異なっている。
また平成二〇年分の元データに改めて異常 値が確認されたことから、平成二〇年分の実 勢運賃を再計算した。
そのため平成二〇年分 の数値は〇八年四月号に掲載した数値と若干 ながら異なっているものがある。
民主党マニフェストの影響は? 調査の方法 17 APRIL 2010 特 集 トラック運賃 2010 一九九〇年の「物流二法(貨物自動車運送事業法 と貨物運送取扱事業法)」の施行によって、日本のト ラック運賃は認可制から事前届出制に移行した。
実勢 運賃が市況によって左右されている市場の実態を行政 が追認した格好だった。
ただし、この規制緩和後も運 輸省は九九年まで届出運賃の基準として、運輸支局 ごとに「通達」という位置付けで地域別のタリフを公 示していた。
二〇〇三年四月、物流二法が再び改正され、運賃 制度は事前届出制から事後届出制に変わった。
運賃 の変更後三〇日以内に新運賃を届け出ればよいとす る制度で、事実上、運賃の完全自由化だった。
これ に合わせて各地の運輸局によるタリフの公示も廃止さ れた。
しかし、市場では今日に至るまでタリフが運賃 テーブルの叩き台として利用されている。
公示タリフは物価や人件費の値上がりを反映して、 数年に一度のペースで更新が行われている。
具体的に は、昭和五五年、昭和五七年、昭和六〇年、平成二 年、平成六年、平成十一年に新たなタリフが設定され て、毎回五%程度の値上げが実施されている。
それ ぞれのタリフは、その公示時期をとって「昭和○年タ リフ」「平成○年タリフ」と業界では呼ばれている。
また公示タリフは基準運賃を境にして上下一〇% (平成十一年タリフだけは上下二〇%)の幅を持って いる。
この幅は、運送会社が国土交通省に運賃表を 届け出る際に、原価計算書の貼付を省略できる運賃水 準の範囲を示したものだが、実際の運賃交渉でも「昭 和○年タリフの上限」、「平成○年タリフの下限」とい うように、運賃水準を示す基準として用いられている。
平成十一年タリフに基づいて現行の運賃体系を整 理すると、トラッ ク運送のサービス 商品は大きく、荷 主が車両を専用で 使用する「貸し切 り(引越、特殊輸 送を含む)」と、荷 物単位で輸送を委 託する「積み合わ せ(特別積み合わ せ便、宅配便を含 む)」の二つに分類 される。
それぞれ についてタリフが 設定されている。
貸し切りの運賃 には「距離制」と 「時間制」の二つの運賃体系がある。
距離制は「使用 する車両」×「輸送距離(キロ程)」で運賃を計算す る。
ベースとなる運賃とは別に、壊れやすい荷物や 貴重品、危険品などの特殊な荷物、休日や深夜・早 朝などの輸送には割増運賃が付加される。
その一方、 一回の運送距離が運送距離二〇〇キロメートル以上で 三ヵ月以上の長期契約は一五%以内、往復貨物は二 〇%以内の割引運賃が設定されている。
時間制運賃は、ルート配送や納品先で製品の据え付 け作業が発生するケースなど、輸送距離と業務負荷が 必ずしも比例しない場合によく適用される。
運賃は 「使用する車両」×「使用時間」で計算する。
「使用 時間」は、「八時間制(三トン車までは走行八〇キロ メートル、三トン車超は一〇〇キロメートルを想定)」 と「四時間制想定(三トン車までは走行四〇キロメー トル、三トン車超は五〇キロメートルを想定)」の二つ が基準になっており、それを超過する場合には割増運 賃が加算される。
積み合わせ運賃は、「荷物の重量・容積」×「輸送 距離(キロ程)」で個建て運賃を計算する。
運送会社 の営業所から集荷先・配達先までの距離が一五キロメ ートルを超える場合には、基準運賃とは別に集荷・配 達料が加算される。
逆に荷主が運送会社の営業所に 荷物を持ち込む場合には減額がある。
割増運賃としては、貸し切りと同様の品目割増に 加え、再配達料、移送料(積み降ろしのための荷物 の移動)、連絡運輸中継料(複数の運送会社が中継し て荷物を運ぶ場合の手数料)などの設定がある。
ちな みに平成十一年タリフの中継料は、中継一回につき五 〇キログラムまでが「五八〇円以上、六四〇円以下」、 以上五〇キログラムを超すごとに「一三〇円〜一四〇 円」と設定されている。
※この囲み記事は本誌〇八年四月号に掲載した(ト ラック運賃の基礎知識)を再編集したものです。
160 150 140 130 120 110 100 90 80 昭和55年昭和57年昭和60年平成2年平成6年平成11年(年度) 上限 基準運賃 下限 図1 国土交通省(旧・運輸省)公示タリフの運賃水準 (昭和55年認可基準運賃を100とする) 図2 公示タリフの体系 重量・容積×距離 車両×時間 個建て時間制 積み合わせ 貸し切り トラック運賃 車両×距離 距離制 解 説 トラック運賃の仕組み
今年二月に国内約二〇〇〇の荷主/物流企 業にアンケート用紙を送付し、一八四社の有効回答を 得た。
本誌が同調査を実施するのは二〇〇八年二月 に続いて二度目となる。
(詳細は本誌一六頁「調査の 方法」参照) その結果、路線便(特別積合せ自動車貨物運送=特 積み)の実勢運賃はリーマンショック後の物量急減に もかかわらず、それほど下げてはいないことが明らか になった。
具体的には半数近くが運賃テーブルとして 旧運輸省の「昭和六〇年公示タリフ」を使用してお り、前回とほとんど変わらなかった。
また貸切運賃も全体としては横ばいだった。
東京〜 大阪間の一〇トン車の片道貸切運賃が約八万円、四 トン車の時間制貸切運賃が一日当たり二万七〇〇〇 円強という水準だ。
ただし、地域別に見ると名古屋 地区では下落が顕著だった。
本誌と共同で同調査の分析に当たった物流コンサ ルティングのロジスティクス・サポート&パートナーズ (LOGI─SP)の黒澤明社長は、今回の結果を次 のように総括する。
「最近の現場では、『車が減ってきた。
減車・廃業 が目立つ』といった声がよく聞かれる。
しかし、今 回の調査結果には、それを裏付けるほどの運賃の高 騰は見られなかった。
その一方で、景気後退による 運賃下落も起きていない。
上向き要素と下向き要素 が拮抗して、結果的に横ばいに収まっているというこ とではないか。
それでも〇八年の燃料急騰時に起き た運賃値上げ交渉は、そこそこ成功したのだなとい う感想を持った。
我々の周囲でも、サーチャージ制を 導入するケースこそ稀だったが、燃料費を始めとする コストアップを理由として、運賃の値上げを認める荷 主が製造業を中心に多かった」 サーチャージ騒動直後の〇八年九月にはリーマン ショックに見舞われたが、運賃水準自体は下げ止まっ ている。
これは運送会社側に仕事を選別する傾向が 強まっていることが一つの理由だろう。
不採算荷主 に対しては取引の打ち切りも辞さないという、従来は 見られなかった強い態度で交渉に臨む運送会社が増え ている。
それだけ相場は底堅くなっている。
荷主としてもリーマンショック後は物量自体が減っ ているため値下げ交渉のネタがない。
合理的な理由も なく協力会社に値下げを強要すれば、「下請法」に訴 えられる恐れもある。
中小の荷主はともかく、コンプ ライアンスを軽視できない大手企業や上場している荷 主にとっては下請法が一定の制約として機能している と評価できそうだ。
以下、サービス商品別にトラック運賃相場の動きを 解説していこう。
サービス商品のバリエーションや運 賃制度の基礎知識について知りたい方は、一七頁に 掲載した囲み記事「トラック運賃の仕組み」を参照し て欲しい。
特別積合(路線便)運賃 ──使用タリフが二極化 前回調査の〇八年の実勢運賃相場を一〇〇とする と、今回は九九・四三でほぼ横ばいという結果になっ た。
ただし、運賃交渉で使用しているタリフは「昭 和六〇年タリフ」と「平成十一年タリフ」に二極化す る傾向が見られる。
今回の調査では前回と比較して 「平成二年タリフ」「平成六年タリフ」の割合が減って 「平成十一年タリフ」が増えている(図1)。
速報!トラック実勢運賃 リーマンショックの前後でトラック運送の実勢運賃はど う動いたのか。
貸切運賃や路線便の足元の相場は、具体的 にいくらなのか。
匿名を条件に国内184 社が教えてくれた 取引データを元にして、運賃交渉の目安となる現在の基準 を導き出した。
併せて過去4 半世紀にわたる実勢運賃の推 移も整理した。
APRIL 2010 12 特 集 トラック運賃 2010 これについてLOGI─SPの黒澤社長は「『昭和 六〇年タリフ』を中心とする?安い荷主?はあまり変 化がないのに対し、『平成二年タリフ』や『平成六年 タリフ』を使ってきた比較的理解のある荷主が〇八年 の燃料費の高騰時に『平成十一年タリフ』に移行し たということだろう」と分析する。
業種別に運賃を見ていくと『昭和五五年タリフ』や 『昭和五七年タリフ』の安い運賃は、製造業にはほと んど見られず、非製造業とりわけ卸売業の下請け配 送が占めている。
卸売業の低運賃は路線便だけに限 らない。
そのため市場では「卸は値段しか見ていな い。
できれば付き合いたくない」というトラック運送 会社が少なくない。
時間制貸切運賃 ──一五トン車だけ値上がり傾向 二トン車は横ばい。
四トン車、一〇トン車は若干の 値下がり。
一五トン車だけは上昇する傾向にある(図 2)。
四トン、一〇トンの値下がりは景気低迷の影響 をそのまま反映したものといえそうだ。
一方で一五 トン車の相場だけが上がっているのは、車両およびド ライバーの供給が限られているのに対し、ニーズが拡 大していることの表れだと考えられる。
時間制貸切運賃は主に、エリア内の店舗に商品を納 品もしくは集荷して回るルート配送の運賃に用いられ る。
その車両には従来は二トン車や四トン車が利用さ れていた。
しかし近年は、大規模ショッピングモール やロードサイドの大型店が増え、物量がまとまること から、大型車が使えるようになっている。
また同じ大型車でも一〇トン車は市場に出回って いる台数も多いが、一五トン車はまだタマ数が少ない。
その需給バランスから一〇トン車と一五トン車の相場 13 APRIL 2010 図1 現在採用している特積み運賃タリフの水準──H13年/H20年/H22年調査の比較 H22年 時間制貸切運賃 普通車 業種別 カサイ経営資料より本誌が作成 H13年調査H20年調査H22年調査 2t車 4t車 10t車 15t車 8 8 8 8 80 100 100 100 日当運賃 稼働日数 月当運賃 日当運賃 稼働日数 月当運賃 日当運賃 稼働日数 月当運賃 日当運賃 稼働日数 月当運賃 24,400 22,455 22,649 22,634 22,640 20.0 24.1 23.7 23.4 23.5 488,000 534,485 529,122 557,114 544,346 29,425 27,124 27,395 27,252 27,305 21.3 24.2 23.8 23.9 23.9 665,000 620,985 627,506 660,742 647,923 39,950 35,664 36,807 39,432 38,257 22.4 22.6 22.6 24.5 23.7 964,543 801,237 845,204 951,157 900,143 49,111 55,200 51,648 45,837 47,830 21.6 20.6 21.2 24.5 23.4 1,105,420 1,141,600 1,120,495 1,093,042 1,103,669 車種稼働 時間 稼働 距離契約形態素材型産業加工型 製造業製造業計非製造業全業種平均50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 S60 S63 H6 H10 H13 H16 H20 H22 図2 車種別8時間制運賃の推移 (円) 2トン車 15トン車 4トン車 10トン車 50 40 30 20 10 0 上限 基準 下限 昭和 55 年 昭和 57 年 昭和 60 年 平成2年 平成6年 平成 11 年 昭和 55 年 昭和 57 年 昭和 60 年 平成2年 平成6年 平成 11 年 昭和 55 年 昭和 57 年 昭和 60 年 平成2年 平成6年 平成 11 年 50 40 30 20 10 0 (%) (%) (%) 上限 基準 下限 50 40 30 20 10 0 上限 基準 下限 の動きに違いが出てきているものと考えられる。
前回 調査まで一〇トン車と一五トン車では、積載量ほど実 勢運賃に違いがなかった。
それが適正化されてきた という見方もできる。
また、素材型製造業、加工型製造業、非製造業に 荷主の業種を分けて、それぞれの相場水準を比較する と、前回は加工型製造業の運賃水準が最も高く、次 に素材型製造業、流通業を中心とする非製造業が最 も安いという傾向があった。
今回は素材型製造業が 上昇し、加工型製造業が下落したことで両者の相場 に逆転が見られる。
不況の影響を大きく受けた加工型 製造業の一部の荷主が、協力運送会社の切り替えな どの思い切ったコスト削減策に出た可能性がある。
距離制貸切 ──長距離・片荷輸送は割高に 二トン車が値下がりしている。
また車両の大きさを 問わず近距離輸送は値下がり、長距離は横ばい、も しくは若干値上がりする傾向にある。
片荷輸送と往 復運賃の比率は一・六倍〜一・八倍。
荷主が帰り荷 を提供できる場合には、一割から二割、運賃を抑え られることになる。
一連の傾向はトラック運送会社に採算重視が浸透し てきた結果だと推測される。
長距離輸送の採算の悪 化はかねてから指摘されていたが、長距離は一〇ト ンや一五トンの大型車がメーンで近距離に比べれば単 価は高いため、これまでは目先の売り上げ確保に走る 運送会社が跡を絶たなかった。
その結果、帰り荷に窮し、空荷で走るよりはマシと、 東京〜大阪間で四万円を切るような極端な安値で輸送 を請け負うケースが頻発し、運賃相場の値下がりに歯 止めの利かない状況が長く続いていた。
主に帰り荷の APRIL 2010 14 20km 50 100 150 200 300 400 500 東京→大阪 〃←〃 東京・大阪往復 東京→名古屋 〃←〃 東京・名古屋往復 20km 50 100 150 200 300 400 500 東京→大阪 〃←〃 東京・大阪往復 東京→名古屋 〃←〃 東京・名古屋往復 S60 S63 H6 H10 H13 H16 H20 H22 8,787 10,157 11,468 10,214 9,419 10,509 11,532 10,350 12,134 13,412 15,162 14,442 13,577 14,315 14,950 14,023 17,758 19,158 21,948 21,009 19,768 20,207 20,517 19,699 21,254 23,400 26,663 25,794 24,451 24,304 24,029 23,220 24,893 27,110 31,837 30,549 28,554 28,882 27,745 26,998 31,385 34,767 41,742 38,257 36,474 35,734 34,278 33,458 36,974 41,125 52,432 46,992 45,067 42,853 41,134 40,702 43,641 48,220 59,584 54,528 52,682 49,587 48,053 49,075 40,700 55,904 65,380 54,539 55,353 47,866 47,402 52,112 33,932 51,560 64,156 54,367 52,875 45,513 51,308 52,232 93,060 93,458 109,064 93,118 96,480 82,701 85,131 89,652 41,056 51,729 45,680 42,986 40,706 38,120 40,419 38,239 45,842 43,357 40,758 39,756 40,460 40,494 69,220 91,300 69,471 66,910 72,008 68,577 65,497 10,547 11,786 13,640 13,206 11,851 12,381 14,715 13,811 14,633 16,013 18,110 17,873 16,932 16,886 18,183 17,898 21,665 22,666 25,831 24,609 24,194 23,688 24,127 24,126 25,936 26,706 31,084 29,849 28,853 27,993 28,456 28,349 30,381 31,085 36,688 35,539 33,302 33,358 32,067 33,175 38,409 39,223 46,531 43,700 40,968 40,319 40,289 40,781 45,972 47,082 56,639 52,541 49,990 48,599 47,926 48,145 54,761 55,247 64,314 61,594 58,859 55,894 55,828 57,204 55,840 60,678 65,839 67,348 61,443 61,901 60,312 58,918 56,104 60,673 65,414 66,873 60,223 61,832 63,081 60,172 105,064 114,140 117,599 113,585 115,955 110,642 110,875 105,246 39,570 45,566 51,649 50,992 50,293 49,910 45,954 45,955 43,770 45,413 49,764 49,582 48,969 49,335 48,728 46,275 75,495 83,293 94,750 80,128 80,202 89,790 81,415 77,899 車種 2t車 4t車 距離帯 車種別距離制貸切運賃の推移 (円) 特 集 トラック運賃 2010 確保に利用されている求車求貨システムの普及も、そ うした傾向に拍車をかけた。
しかし現状の相場では片荷輸送で走らせても採算 がとれないのは明らかで、また景気低迷の影響もあっ て消費地から地方に戻る帰り荷が見つかりにくくなっ ていることから、帰り荷のメドが立たない片荷輸送に 対しては始めから相応の運賃を求めるケースが増えて いる。
物流企業を中心にIT/マテハン関連企業など約二 六〇社で構成するSCM共同ネット研究会の滝沢保 男代表は「帰り荷の安い運賃が相場の基準になってし まった。
しかも物量の減少で大手や物流子会社は傭 車を切って自社車両に切り替えている。
今や中小は大 半が赤字だ。
市場の末端の運賃は既に限界を超えて下 がっていると考えたほうがいい」という。
地域別相場 ──名古屋プレミアムは消失 九九年まで旧運輸省が数年置きに公示していた基 準運賃表(タリフ)では、地域別の運賃相場は東京 が一番高く、次に大阪、三番目が名古屋という順番 になっている。
しかし、実勢運賃は実際の需給を反 映して大阪と名古屋が逆転するかたちになっていた。
とりわけ自動車の輸出が好調だった〇八年までは名古 屋の運賃は東京をも上回っていた。
しかし今回の調査では、名古屋プレミアムが消失し ている。
やはり?トヨタショック?の影響が大きいよ うだ。
車種や距離帯にもよるものの、全般的に東京 よりも安い。
一方で長らく運賃の低迷が続いていた大 阪が今回は若干持ち直している。
極端に下がり過ぎ た反動で正常化してきたと言えるだろう。
その結果、 東京・大阪・名古屋の三大都市間の運賃相場に大き 15 APRIL 2010 20km 50 100 150 200 300 400 500 東京→大阪 〃←〃 東京・大阪往復 東京→名古屋 〃←〃 東京・名古屋往復 20km 50 100 150 200 300 400 500 東京→大阪 〃←〃 東京・大阪往復 東京→名古屋 〃←〃 東京・名古屋往復 S60 S63 H6 H10 H13 H16 H20 H22 17,706 16,434 19,389 19,389 17,797 17,629 21,332 19,457 23,857 22,673 26,209 26,866 24,084 23,685 26,325 25,107 34,073 32,758 37,705 36,993 33,832 32,830 33,958 33,721 39,921 39,676 45,796 43,525 39,800 38,652 40,075 39,925 46,920 46,604 53,571 51,690 46,469 46,326 45,508 46,005 59,130 58,384 67,204 63,121 58,243 56,867 56,220 57,311 71,551 70,235 80,864 74,712 69,859 66,690 67,160 68,791 83,931 85,808 94,061 88,111 81,138 77,345 79,171 79,549 81,412 86,462 89,772 84,754 81,924 77,665 80,376 79,117 81,008 87,389 93,508 86,465 82,382 75,133 79,535 78,982 157,987 159,694 159,569 148,533 159,323 139,925 143,254 140,678 63,302 61,791 70,713 68,136 65,847 63,123 63,401 63,182 67,102 67,618 70,963 67,716 64,053 60,886 63,108 63,127 118,075 118,573 126,982 107,455 105,716 114,253 113,999 108,992 17,793 19,651 22,974 20,552 25,675 27,567 28,782 27,290 36,663 38,422 38,379 37,608 44,408 45,681 45,001 45,129 52,400 56,482 52,663 53,222 64,255 66,792 64,679 65,015 76,816 78,373 76,710 77,402 88,966 89,796 88,589 89,894 96,005 88,140 83,591 89,028 90,650 86,615 88,270 92,678 175,400 162,507 156,273 159,047 79,210 72,986 68,918 71,968 74,200 73,271 71,178 74,082 128,920 134,944 128,358 123,100 車種 10t車 15t車 距離帯 (円) な違いが見られなくなってきている。
以上の状況から、今春の運賃交渉は横ばいで落ち 着きそうだ。
物量の低迷が続き、荷主と運送会社の 双方に交渉の材料がない。
軽油引取税の暫定税率の 引き下げや高速道路料金の無料化など民主党が掲げ た公約が実施に移されれば、交渉の余地が生まれた可 能性もあったが、現状ではいずれの政策も実質見送 りとなっている。
当面は運賃交渉による経費削減よ りも、運送条件の改善や輸送ネットワークの見直しな どの長期的な施策を優先すべきだろう。
APRIL 2010 16 民主党は昨年の総選挙のマニフェストで「ガソリン 税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の 暫定税率を廃止し、二・五兆円の減税を実施する」 としていたが、その後、大幅な修正を行っている。
政府が昨年十二月に閣議決定した二〇一〇年度税 制改正大綱で、暫定税率は廃止するが、新たな租税 特別措置によって当分の間、自動車重量税を除き現 行の税率水準を維持するとされた。
新たな租税特別措置とは以下の通りだ。
ガソリン 税と軽油引取税については、価格の高騰が続いた場 合、暫定税率部分の課税を停止する。
具体的にはレ ギュラーガソリンの価格が三カ月間、一リットル当た り一六〇円を上回って推移した場合に課税を停止す る。
また停止後に、三カ月間にわたって一三〇円を 下回れば課税を再開する。
軽油はガソリンの税率に 連動して同様の措置を実施する。
一方、民主党が同じマニフェストに掲げた高速道 路料金の無料化も暗礁に乗り上げている。
国土交通 省が二月に発表した一〇年度の高速道路無料化の社 会実験区間は、当初の想定よりも大幅に縮小された。
無料化のための予算が概算要求段階の六〇〇〇億円 から一〇〇〇億円に削減されたためだ。
三大都市圏など大都市圏内や大都市・県庁所在 地を結ぶ路線など交通量の多い路線は対象から外さ れた。
無料化しても渋滞の起きにくい路線・区間だ けが選ばれた。
この一部無料化は六月にも実施される予定だが、 政府はこれに合わせて無料化される区間以外につい て、料金の上限制を実施する検討に入っている。
現 行の割引制度を見直し、走行距離に関係なく料金の 上限を設定する。
上限は乗用車二〇〇〇円、トラック五〇〇〇円と する報道もあったが、具体的な新料金制度は三月一 五日時点では明らかにされていない。
ただし前原誠 司国交相は三月五日の会見で、現行の割引制度に比 べて値上げになるとの見通しを示している。
仮に現行の割引制度が廃止され、トラックの上 限料金が五〇〇〇円になるとトラック運送では大幅 なコストアップになる可能性がある。
現行制度では、 トラック事業者はETC搭載車を対象とした深夜時 間帯五割引などと大口多頻度割引を併用している。
このため、日本貨物運送協同組合連合会(日貨協 連)によると、一車一利用当たりの利用料金は五〇 〇〇円未満が八割以上を占めるという。
トリガー条項発動時・解除時のガソリン小売価格のイメージ 3カ月 3カ月 要件該当 発動 25 円 25 円 解除 要件該当 発動しない場合の ガソリン小売価格 160 円/ℓ 発動要件 130 円/ℓ 解除要件 発動(解除)手順?要件該当を確認 ?主務大臣による告示 ?告示の翌月に発動(若しくは解除) 発動後の ガソリン小売価格 今年二月に約二〇〇〇社にアンケート用紙 を送付し、一八四の有効回答を得た。
設問項 目は本誌が二〇〇八年に実施した前回の調査 (〇八年四月号に特集記事として掲載)と同様 に、物流コンサルティング会社のカサイ経営が 昭和六〇年から平成一六年まで、ほぼ三年ご とに計六回にわたって行った「トラック実勢運 賃調査」を踏襲した。
運賃推移を示す図表の過去のデータは前回 調査の平成二〇年分を除き、カサイ経営の調 査結果に基づいている。
ただし本誌調査の回 答者は主に本誌読者であり、その顔触れはカ サイ経営時代の調査とはかなり異なっている。
また平成二〇年分の元データに改めて異常 値が確認されたことから、平成二〇年分の実 勢運賃を再計算した。
そのため平成二〇年分 の数値は〇八年四月号に掲載した数値と若干 ながら異なっているものがある。
民主党マニフェストの影響は? 調査の方法 17 APRIL 2010 特 集 トラック運賃 2010 一九九〇年の「物流二法(貨物自動車運送事業法 と貨物運送取扱事業法)」の施行によって、日本のト ラック運賃は認可制から事前届出制に移行した。
実勢 運賃が市況によって左右されている市場の実態を行政 が追認した格好だった。
ただし、この規制緩和後も運 輸省は九九年まで届出運賃の基準として、運輸支局 ごとに「通達」という位置付けで地域別のタリフを公 示していた。
二〇〇三年四月、物流二法が再び改正され、運賃 制度は事前届出制から事後届出制に変わった。
運賃 の変更後三〇日以内に新運賃を届け出ればよいとす る制度で、事実上、運賃の完全自由化だった。
これ に合わせて各地の運輸局によるタリフの公示も廃止さ れた。
しかし、市場では今日に至るまでタリフが運賃 テーブルの叩き台として利用されている。
公示タリフは物価や人件費の値上がりを反映して、 数年に一度のペースで更新が行われている。
具体的に は、昭和五五年、昭和五七年、昭和六〇年、平成二 年、平成六年、平成十一年に新たなタリフが設定され て、毎回五%程度の値上げが実施されている。
それ ぞれのタリフは、その公示時期をとって「昭和○年タ リフ」「平成○年タリフ」と業界では呼ばれている。
また公示タリフは基準運賃を境にして上下一〇% (平成十一年タリフだけは上下二〇%)の幅を持って いる。
この幅は、運送会社が国土交通省に運賃表を 届け出る際に、原価計算書の貼付を省略できる運賃水 準の範囲を示したものだが、実際の運賃交渉でも「昭 和○年タリフの上限」、「平成○年タリフの下限」とい うように、運賃水準を示す基準として用いられている。
平成十一年タリフに基づいて現行の運賃体系を整 理すると、トラッ ク運送のサービス 商品は大きく、荷 主が車両を専用で 使用する「貸し切 り(引越、特殊輸 送を含む)」と、荷 物単位で輸送を委 託する「積み合わ せ(特別積み合わ せ便、宅配便を含 む)」の二つに分類 される。
それぞれ についてタリフが 設定されている。
貸し切りの運賃 には「距離制」と 「時間制」の二つの運賃体系がある。
距離制は「使用 する車両」×「輸送距離(キロ程)」で運賃を計算す る。
ベースとなる運賃とは別に、壊れやすい荷物や 貴重品、危険品などの特殊な荷物、休日や深夜・早 朝などの輸送には割増運賃が付加される。
その一方、 一回の運送距離が運送距離二〇〇キロメートル以上で 三ヵ月以上の長期契約は一五%以内、往復貨物は二 〇%以内の割引運賃が設定されている。
時間制運賃は、ルート配送や納品先で製品の据え付 け作業が発生するケースなど、輸送距離と業務負荷が 必ずしも比例しない場合によく適用される。
運賃は 「使用する車両」×「使用時間」で計算する。
「使用 時間」は、「八時間制(三トン車までは走行八〇キロ メートル、三トン車超は一〇〇キロメートルを想定)」 と「四時間制想定(三トン車までは走行四〇キロメー トル、三トン車超は五〇キロメートルを想定)」の二つ が基準になっており、それを超過する場合には割増運 賃が加算される。
積み合わせ運賃は、「荷物の重量・容積」×「輸送 距離(キロ程)」で個建て運賃を計算する。
運送会社 の営業所から集荷先・配達先までの距離が一五キロメ ートルを超える場合には、基準運賃とは別に集荷・配 達料が加算される。
逆に荷主が運送会社の営業所に 荷物を持ち込む場合には減額がある。
割増運賃としては、貸し切りと同様の品目割増に 加え、再配達料、移送料(積み降ろしのための荷物 の移動)、連絡運輸中継料(複数の運送会社が中継し て荷物を運ぶ場合の手数料)などの設定がある。
ちな みに平成十一年タリフの中継料は、中継一回につき五 〇キログラムまでが「五八〇円以上、六四〇円以下」、 以上五〇キログラムを超すごとに「一三〇円〜一四〇 円」と設定されている。
※この囲み記事は本誌〇八年四月号に掲載した(ト ラック運賃の基礎知識)を再編集したものです。
160 150 140 130 120 110 100 90 80 昭和55年昭和57年昭和60年平成2年平成6年平成11年(年度) 上限 基準運賃 下限 図1 国土交通省(旧・運輸省)公示タリフの運賃水準 (昭和55年認可基準運賃を100とする) 図2 公示タリフの体系 重量・容積×距離 車両×時間 個建て時間制 積み合わせ 貸し切り トラック運賃 車両×距離 距離制 解 説 トラック運賃の仕組み
