2010年4月号
ケース

メディセオ 商物分離

APRIL 2010  40 商物分離 メディセオ 各商圏の中心に新型物流センターを設置 域内6000件の顧客に1日4回定時配送  住宅メーカーの積水ハウスは業界で初めて、新築 施工現場で発生する廃棄物のゼロエミッションを達 成した。
現場で分別を行い、集荷拠点を経由して 自社のリサイクル施設に回収する仕組みを作ること で、廃棄物の発生量を大幅に削減した。
さらに部 材の設計段階から発生抑制を図るため、回収時に ICタグで廃棄物情報を収集するシステムの構築を めざしている。
一一六億円投じた物流拠点が稼働  日本最大の卸であるメディパルホールディ ングス傘下の医薬品卸事業会社メディセオが、 業界の常識を覆す試みを進めている。
病院な どへの納品を営業部門が?商物一体?で手掛 けてきた従来の体制を見直し、物流部門が納 品業務を肩代わりしはじめた。
 そのためにメディセオは、全国の各商圏の 中心に「ALC(エリア・ロジスティクス・ センター)」と呼ぶ新しい都市型の物流センタ ーを建設していく。
これによって、郊外型広 域センターを中心としてきた従来の物流ネッ トワークを刷新する。
 昨年九月には横浜市戸塚区に延べ床面積が 二万平方メートルを超える「神奈川ALC」 を稼働させた。
約二万一〇〇〇品目の商品を フルラインで在庫し、神奈川県内の約六〇〇 〇件の得意先(病院、調剤薬局、ドラッグス トアなど)に供給している。
 この施設はJR戸塚駅から歩いて五分とい う、およそ大型の物流拠点らしからぬ立地に 建っている。
ここでメディセオは約五六億円 を投じて一万七二九〇平方メートルの土地を 購入した。
土地・建物と自動化機器などを含 めた投資総額は一一六億円に上る。
 一連のALC構想を牽引しているメディセ オの山岸十郎副社長は、「あの辺りの土地を 徹底的に探したのだが、あれほどの密集地 でまとまった広さの物件となると滅多に出て こない。
今回はたまたま縁があった」という。
それだけALCの建設では、立地が重要な要 素となっている。
 医薬品の供給に許されるリードタイムは極 端に短く、予定外の手術などによる緊急の要 請も少なくない。
求められているのは典型的 な多頻度小口の物流だ。
そうしたニーズと物 流コストのバランスをとるため、メディセオを はじめとする大手医薬品卸はこれまで、郊外 にフルラインの製品を在庫する大型物流セン ターを構えてきた。
代わりに都市部では、支 店や営業所などに一定の商品在庫を置いて顧 客のニーズに対応している。
 物流センターからは方面別、あるいはMS (マーケティング・スペシャリスト)と呼ばれ る営業担当者別に荷揃えしただけの状態で出 荷する。
それを得意先別に仕分けて届けるの は営業部門の役割だ。
前線の営業拠点を倉庫 としても使い、MSが物流業務を商物一体で 担う体制である。
 これに対してALC構想では、顧客別の細 かい仕分け作業を物流部門が一手に引き受け 全国の各商圏中心に新しいコンセプトに基づく 物流センターを設置して、医薬品流通の商物分離を 進めようとしている。
昨年9月には116億円を投じ た「神奈川ALC」が稼働した。
域内の直接配送エ リアでは1日4回、約2時間おきに顧客に定時納品す る。
ミス率は100万分の1以下が目標だ。
メディセオで事業改革推進室 長とシステム本部長を兼務す る山岸十郎副社長 41  APRIL 2010 る。
たとえば神奈川ALCでは、神奈川県 下の六〇〇〇件の得意先に届ける商品のピー ス・ピッキングをすべて物流センターで済ま せる。
さらに施設から車で四〇分以内に位置 する得意先には、MSではなくセンターに所 属する配送ドライバーが商品を届ける。
ここ では完全な商物分離が成立している。
 これによって営業担当者は物流業務から解 放され、MSとしての本来の業務に専念でき るようになる。
医療機関や調剤薬局のバック ヤードの在庫管理を肩代わりしていくといっ た、医薬品卸の将来の事業モデルもすでに見 据えている。
高機能の物流拠点をベースに顧 客や仕入れ先との役割分担を再構築し、最適 なサプライチェーンを形づくっていくことがA LC構想の最終的な目標なのだ。
 その試金石ともいえる物流拠点が神奈川A LCだった。
ALC構想によって高機能・高 品質のサービスを低コストで顧客に提供でき るようになることを、この施設によって社内 外に証明する必要があった。
ミス率一〇〇万分の一以下めざす  神奈川ALCからの直接配送便は一日に四 回出発する(目安の出発時間は一便が午前七 時半・二便一〇時半・三便十三時半・四便 一五時半)。
施設内のコールセンターで受注し てから、二万品目ある在庫から商品をピッキ ングし、配送車両が出発するまでに要する作 業時間を最大九〇分に設定。
通常は六〇〜七 五分でこなしている。
そして直配エリアにつ いては出発から四〇分以内に届ける。
 これだけ短い納品リードタイムで、しかも 一日四回まで利用可能な定時納品サービスを 実現しながら、顧客の注文に対する引当率は 九八・八%まで高まっている。
残り一・二% は、別途、取り寄せるしかない特殊な商品が 中心だ。
すべての商品を在庫すればコスト効 率が大幅に悪化してしまうことから、在庫品 目数を約二万に設定している。
 センターでの作業精度は九九・九九九%を 超えている。
つまりミスは一〇万件に一回未 満しか発生しない。
メディセオとしては、こ れをさらに百万分の一以下に抑制することを 目標としている。
そうなれば一カ月に一度し かミスは起きない。
膨大なアイテム数と年間 最大一八〇〇億円という取扱高を考えれば、 驚異的な精度といえる。
 セキュリティ対策も万全だ。
災害に備えて、 建物の免震や、停電時の自家発電設備などの ハードを装備した。
緊急配送用の専用バイク も一五台常備してある。
運用面にも気を配っ ている。
センターの通常の稼働時間は早朝か ら二二時半頃までだが、それ以外の時間にも 担当者を待機させて二四時間対応できる体制 を敷いている。
 このように高品質のサービスを実現しなが ら、ローコスト化のための工夫も随所に凝ら した。
自動化機器の使い方をはじめとする物 流ノウハウについては後述するが、まず特筆 すべきは、現場スタッフの労務管理に対するALC構想 1 日4 回直送 広域センター配送方式を地域密着型の直接配送にシフト メーカー 広域物流センター 医療機関など (得意先別の仕分け) 支店・営業所 (積み替えのみ) 支店など 特徴 ●郊外に立地  (土地代が安い) ●広域をカバー  (リードタイムが長い) ●総量仕分け  配送コース、MS  単位のピッキング ( ( メーカー ALC 医療機関など 特徴 ●商圏の中心地に立地 (土地代が高い) ●輸送リードタイム約40 分の得意先に直接配送 (それ以外は支店経由) ●得意先別の仕分け (ピッキング作業を完了) ※卸の物流センターの役割を大きく改めようとしている 従 来 所在地:横浜市戸塚区吉田町180-9 建物:5階建て延べ床面積20,599m2、総投資額116億円 (おおよその内訳は土地56億、建物39億、設備15億ほか) 取扱品目:約20,000 パレット自動倉庫:1,512パレット ケース自動倉庫:33,101ケース ピッキングカート各種:計149台 ケース積み付けシステム(ADELS):7 出荷ストレージ装置(SAHS):56基×各3段 配送車両:計190台(3t冷蔵車15台・ワンボックス50台・ 軽ワンボックス110台・緊急配送用バイク15台) バス通りに面したメディセオ「神奈川ALC」の外観 APRIL 2010  42 考え方だろう。
 神奈川ALCの庫内作業には八時間換算 で約二二〇人が働いている。
登録人数にする と三〇〇人以上いるが、原則として、すべて の作業者を直接雇用している。
二〇〇台近く ある車両を使った配送業務を担っているドラ イバーもパート社員だ。
自らのリスクで人材 を確保し、レイバー・スケジューリングの仕 組みなどによって生産性を高めていくことが、 ALCの基本戦略となっている。
 庫内作業のやり方は同じメディパルHDグ ループ傘下の大手日用雑貨品卸、パルタッ クの物流ノウハウをベースに構築されている。
折りコン(折りたたみ式コンテナ)を方面別 のカゴ車に積み分ける手法やピッキングカート については、パルタックで開発した機器を微 調整して流用した。
 ただし六〇〇〇件もの得意先に一日四回、 しかも低コストで配送するという難題をクリ アするためには、まったく新しい工夫も求め られた。
具体的には、施設内のピースピッキ ング・エリアへの商品の補充と、出荷業務に ついては、神奈川ALCのために新たな仕組 みを考案する必要があった。
構想のカギとなるマテハン設備  なかでも苦労したのが出荷時の仕分け作業 だ。
日雑品を中心に扱っているパルタックの 物流拠点であれば、届け先は小売事業者のセ ンターが中心になる。
このためカゴ車やカー 金属探知機でセキュリティを強化 配送ドライバーが端末でチェック 保管と補充に使うケース自動倉庫 独自の出荷ストレージ「SAHS」 独自の商品補充システム「ARS」 混載品ロケーションの仕分け作業レイバースケジューリング担当者 ピースピッキング処理は3階で 折りコン6つを処理できるカート 出荷する折りコンの搬送ライン前 新たな事業コンセプトの基盤となる神奈川ALC 5F 4F 3F 1F 2F 43  APRIL 2010 き商品の一覧や、作業の進捗状況、さらには 当該商品が庫内でピッキング中とかコンベヤ 搬送中といった情報をリアルタイムで表示す る。
これらのデータは配送担当者の作業支援 や、施設内の「デリバリー室」での管理業務 に使われる一方、後には履歴記録としてトレ ーサビリティにも寄与することになる。
 一連の庫内管理や需要予測のための情報シ ステムも、やはりパルタックで開発したものを 修正して使っている。
医薬品は日雑品のよう に特売で販売量がぶれることがないため、比 較的、需要予測がしやすい。
在庫量を抑制し ながら注文引当率を高めるためには、情報シ ステムの有効活用が不可欠だった。
 全体の作業工程は、人が商品に手で触れる 機会をなるべく減らそうという考え方に基づ いて設計されている。
単に自動化を進めると いう意味ではない。
例えばピッキング作業を 終えた折りコンはすぐに封印し、それ以降は 最小限の人員しか触らずに顧客に届ける。
こ の「ノータッチシステム」と呼ぶ考え方によっ て、物流上のミスを防ぎながら、工数の削減 による効率化を図っている。
 また、同社の商品には、人口透析に使う輸 液のように一箱で二〇キログラムになる重量 物も含まれている。
これを人手で何度も動か すことはメディセオと顧客の双方にとって好 ましい話ではない。
 そこでALCでは、九箱を一台のカートラ ックに満載し、それを一つの発注単位として 病院に納品するという活動を、営業部門と 協力しながら展開している。
これなら顧客も、 上に積まれた箱から順番に使うことで労力を 軽減できる。
このように得意先の業務にまで 踏み込んだ物流の効率化を今後も進めていこ うとしている。
 今年三月には二番目のALCとして、総額 八九億円を投じた「南大阪ALC」を大阪府 八尾市に竣工した。
神奈川ALCとほぼ同等 の規模と機能を持ち、大阪府の南部と奈良県、 和歌山県をカバーする。
在庫量の大幅な変動 が予想される四月の薬価改定の時期を避けて、 六月から本稼働させる。
 メディセオがALC構想に基づいて全国の 物流ネットワークを置き換えていくためには、 同様の機能を持った物流センターが全国に二 〇カ所ほど必要になる見込みだ。
そのための インフラ整備は一〇年前後を要する一大事業 になる。
物流を軸に事業活動全体を改革  このALC構想はそもそも、〇五年に医薬 品卸のメディセオホールディングス(HD)と 日雑卸のパルタックが合併してメディセオ・ パルタックHDが誕生したことに端を発してい る。
パルタックの持つ日雑品の物流ノウハウ を医薬品卸のメディセオに応用して、OTC (大衆薬)の流通効率化を進めることが、経 営統合の主目的の一つだった。
 当時から医薬品業界では「二〇一〇年問 トラックに商品を積み、そのままトラックに 積み込めばいい。
 一方、ALCからの配送は、その多くをワ ンボックス車か軽自動車で行う。
商品を配送 車両に積み込む作業は配送ドライバーの手作 業で、しかも一度に複数の行き先の商品を扱 う。
そうしたことを前提に作業システムを構 築する必要があった。
 そこで「SAHS」(サース)と呼ぶ独自の 自動出荷ストレージを開発した。
限られたス ペースで効率よく出荷業務をこなせる、AL C構想の肝ともいうべきマテハンである。
 「SAHS」による処理は次のようになっ ている。
まず神奈川ALCの三階でピース・ ピッキングを終えた折りコンをコンベヤで一階 に搬送する。
折りコンは一階の半分弱のスペ ースを使ってコの字型に配置された合計五六 本の「SAHS」に送られる。
 出荷ラインそれぞれに垂直搬送機がついて おり、上中下三段に設置された一〇メートル 程度の出荷ストレージラインにコンテナを振り 分ける。
各ストレージラインには複数の顧客 向けのコンテナが溜まっていく。
これを配送 ドライバーが目視と、無線ハンディ端末のス キャニングによってチェックしながら配送車両 に積み込んでいく。
万一、誤った積み込みな どがあれば即座に警告が出される。
 ストレージラインの横には作業の進捗状況 を示すモニターが設置されている。
画面には、 配送ドライバーがこれから車両に積み込むべ 題」が指摘されていた。
業界の稼ぎ頭だった 大型新薬の特許が二〇一〇年前後に相次いで 切れる。
これが単価の安いジェネリック医薬 品に代替されると、医薬品メーカーは収益を 圧迫される。
中間流通に対するコスト削減圧 力が高まるのは必至だ。
 一方で流通の川下に位置する医療機関の経 営も近年は厳しさを増している。
医薬品卸は、 川上と川下から挟撃される格好になる。
こう した事業環境に対する危機感が、医薬品卸業 界の再編を猛烈な勢いで押し進めた。
 メディセオとパルタックの業種をまたいだ統 合もその一つだった。
同社は売上高二兆円規 模の国内初のメガ卸となり、これを機に、メ ーカーの業種に準じて品揃えをする「業種卸」 から、利用者の業態に応じて機能を提供する 「業態卸」への転換をめざした。
 この歴史的な経営統合によって、それまで パルタックで物流の責任者を務めていた山岸 氏は、事業持株会社であるメディセオ・パル タックHDの役員として医薬品事業の物流に も関与することになった。
 ただし、このとき山岸氏は、「物流だけをや ってもうまくいかない。
経営戦略にのっとっ た物流が必要であり、それにのっとった営業 戦略やマネジメント戦略を明確にしなければ ならない」と考えていた。
顧客との関係にま で踏み込んで事業全体を見直さなければ、効 率的な物流は実現できないというわけだ。
 そこで医薬品事業そのものを改革していく 改革が動き出した。
とは言え、取り組みを牽 引する立場のBICのメンバーにとっても初 めてづくしのことばかり。
想定通りに物流現 場を動かすことができるのか、不安を抱えな がらの出発だった。
 まずBICとしては、営業拠点で処理して いた顧客別の仕分け業務を、物流部門がきち んと肩代わりできることを実地で証明する必 要があった。
そこで〇七年六月に東京都内で 「平和島FLC(フロント・ロジスティクス・ センター)」という実験的な施設を稼働させた。
ここで顧客別の仕分け作業などを手掛けるこ とで、商物分離が実際に可能であることを証 明するための施設だった。
幸い平和島FLC は所定の目的を達成し、ALC構想は実現に 一歩近づくことができた。
ために「事業改革・IT戦略委員会」(略称B IC:Business Innovation Committee)と いうプロジェクトチームを発足させた。
BI Cの初代委員長には持株会社トップの熊倉貞 武社長が就き、山岸氏は副委員長として活動 の指揮をとることになった。
 まずは顧客へのヒアリングや市場調査など を重ねて、新たな事業戦略を策定した。
そし てBICを五つのユニット(経営・管理・営 業・物流・システム)に分け、それぞれの領 域で事業改革を進めた。
BICそのものは専 任メンバーが一〇人にも満たない事務局的な 組織だったが、それぞれのユニットの活動に 社内の関係部門を巻き込んでいった。
 卸の生命線である物流戦略の抜本的な見直 しを伴うだけに、社内で難色を示す声が上が ったのも無理からぬことだった。
侃々諤々の 議論の結果、東西二カ所のメガ物流センター を中核としてきた既存の物流ネットワークの 見直しを決めた。
 ALC構想に基づく新たな物流インフラ の整備は、既存の物流ネットワークの管理と は切り離した。
社内のロジスティクス部門は、 あくまでも既存の物流の維持・管理に徹する。
その一方でBICは、営業部門と連携をとり ながら、物流だけでなく新たな事業モデルの 可能性を模索するという役割分担だ。
 こうして、新タイプの都市型センターを主 要な商圏に配置し、これをベースに医薬品事 業のサプライチェーンを作りかえていくという APRIL 2010  44 ピース・ピッキン グの商品棚はフ リーロケーション。
可動式のシンプル な仕切り板を使っ てスペース効率を 高めている 1箱で20kgの輸液 を9箱を1セットと してカートラックに 満載。
このまま客先 に納品する。
カート ラックは伸縮式 多くの細かい工夫を施している 45  APRIL 2010  人命にかかわり、商品単価も格段に高い医 薬品でノー検品を実現するのは簡単ではない かもしれない。
だが医療機関は恒常的な人手 不足に悩まされている。
メディセオに任せた ほうが正確で低コストになるという認識を浸 透させられれば、夢物語ではなくなる。
 山岸副社長としては、まずは得意先に提供 するサービスレベルの向上を図り、次の段階 で調達物流にメスを入れていく方針だ。
現存 する東西のメガ物流センターをNLC(ナシ ョナル・ロジスティクス・センター)として転 用し、ここでメーカーが出荷する製品を大量 に荷受けすることを模索している。
 このNLCで、メーカーが最適生産ロット で生産した商品を工場直送で受け入れて保管 する。
これを効率よくALCに供給できる仕 組みが動き出せば、メーカーの工場から医療 機関に至る医薬品のトータル・サプライチェ ーンの効率化が視野に入ってくる。
これはメ ディセオが強みとする物流オペレーションの正 確性とスピードがカギとなる取り組みだけに、 競合他社が簡単には追随できない差別化戦略 にもなりうる。
 ALC構想は、医薬品の中間流通を根底か ら変える可能性を秘めている。
山岸副社長は 「日本の流通関係者はこれまでずっとアメリカ から学んできた。
しかし、この取り組みが上 手くいけば、アメリカから視察に来てほしい と言えるぐらいのものができる」と期待して いる。
  (フリージャーナリスト・岡山宏之) 持株会社だったメディセオ・パルタックHD は、純粋持株会社のメディパルHDへと移行 している。
このときグループ内の複数の医薬 品事業会社が大同団結して、現メディセオが 誕生した。
事業持株会社の中にあったBIC は解消され、メディセオの社内で「事業改革 推進室」として再出発することになった。
 ALC構想は、策定した時点では持株会社 が先導していたが、今では事業会社が自ら取 り組んで戦略を遂行している。
神奈川ALC の成功で、新タイプの物流センターが備える べき主要な機能は定まった。
微調整や現場改 善はまだ必要だが、これからは仕組みの開発 ではなく、ALCを各地に横展開していくこ とが経営上の課題になる。
 しかし神奈川と南大阪につづく設置計画は、 今のところ未定となっている。
必要な条件を 満たす土地を見つけるのが難しいうえ、一カ 所を稼働させるだけで一年半余りを要し、担 当できる人材も限られているという事情があ る。
現状では年間三、四カ所を新設するのが 精一杯だという。
大きな課題だ。
 さらに今後は、ALCの機能を駆使して、 顧客との関係を改めていくことも必要になって いく。
日雑品の取引でパルタックは、高い物 流精度に対する顧客の信頼を得ることで、納 品時の入荷検品の廃止によるローコスト化を 進めてきた。
医薬品においても同様のノー検 品を実現できれば、サプライチェーン全体の 効率化が進む。
 〇八年になると山岸氏はBICの委員長に 昇任し、ほどなく副社長として全社に目配り する立場になった。
BICの新たな副委員長 には、医薬品の営業を統括する渡辺秀一専務 (現メディセオ社長)が就き、いよいよALC 構想が全社に浸透しはじめた。
 そして昨年に神奈川ALCが稼働したこと によって、新たな物流戦略が具体的な事業に 落とし込まれた。
高レベルのオペレーションを 実際に手掛けられるメドが立ったことで、新 戦略は盤石の経営方針となっていった。
生産と需要を効率的に結ぶ中間流通  神奈川ALCの稼働とほぼ同時期に、事業 ウイング車に対応した入庫作業 シールハードを施した綺麗な床 特殊な用途に使うピックカート 新規入庫の商品の自動計測機

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