2010年4月号
NEWS

欧米編

APRIL 2010  56 2010年2月発表分 豪トール 米独立系フォワーダーを買収 ■同社プレスリリース 2・2  豪州の大手物流企業トール・ホール ディングスは、米国の独立系フォワー ダー、サミット・ロジスティクス・イ ンターナショナルを買収する。
買収金 額は約八〇〇〇万豪ドル(六五億五 〇〇〇万円)となる。
 サミットはニュージャージー州に本 社を置き、直近の売上高は三億豪ド ル。
アジア〜米州間のロジスティクス 業務を得意とし、中国〜北米間の海上 フォワーディングでは上位五社に入っ ている。
またサプライチェーン・マネ ジメント業務は同社の売上高の三〇% を占めている。
DHLサプライチェーン 英国で二件の契約獲得 ■同社プレスリリース 2・8など  ドイツポストDHL傘下のDHL サプライチェーンは、英国で二社から 物流業務を受託した。
同国の事務用 品卸のスピーサーズ社、大手製油会社 のペトロプラスとそれぞれ五年間の契 約を結んだ。
 スピーサーズ社からは英国内の輸 送ネットワークの管理業務を請け負 い、五年間で三八〇〇万ポンド(五 二億六〇〇万円)の売り上げを見込 んでいる。
スピーサーズが英国内の 六カ所に持つ物流センターからエンド ユーザーに届けるまでのSCM業務 を手掛けるほか、専用車両九八台を 管理。
車両の燃料消費量の分析やド ライバーへの独自のトレーニングなど により、ネットワークの燃費効率向 上を図る。
さらに情報システムを導 入し、ネットワーク全体から無駄を 排除するという。
 ペトロプラスとの契約では、サプラ イチェーン業務を効率化しながら環境 負荷の低減を図る。
五年間の売り上 げ見込みは三〇〇〇万ポンド。
発注 管理や顧客管理に加えて、温度管理 されたビチューメン(アスファルトを 含む炭化水素化合物の総称)の採石 場や工場への輸送を管理する。
TNT オランダの電子商取引会社を買収 ■同社プレスリリース 2・8  TNTは、電子商取引業務の強 化を図り、オランダのトップパック (TopPak)社を買収した。
トップパッ クは中小のインターネット小売業者を 顧客とし、受注処理や在庫管理、出 荷処理などを専門に行っている。
直 近の売上高は約一〇〇〇万ユーロ(十 二億三〇〇〇万円)、年間の取扱貨物 量は六〇〇万個前後という。
トップパ ックの一〇〇人強の従業員は継続雇 用する。
買収金額は非公開。
 TNTは昨年末に発表した五カ年 計画で、自社のネットワークの効率化 を図りながら顧客満足度を高めるこ とを今後の経営の柱の一つとしてお り、今回の買収もその一環。
主力と する国際宅配部門で同業他社との差 別化を図りたい考えだ。
UPS パイロット三〇〇人をレイオフ ■同社プレスリリース 2・8  UPSは、同社のパイロット二八〇 〇人のうち三〇〇人をレイオフする計 画を発表した。
まず五月に一七〇人 を対象として実施する予定。
ただし 実施まではパイロットが所属する労働 組合との話し合いを通じ、レイオフの 回避または対象人員の縮小を模索す るという。
 UPSは昨年来、組合である独立 パイロット協会(IPA)と人件費の 削減策について交渉を重ねてきた。
I PAは同六月、短期または長期休暇 の取得やワークシェアリング、早期退 職などの案を提示。
これに対してU PSは年度内のレイオフはないと回答 してきたが、一〇年度に入って話し 合いが不調に終わったため、レイオフ に踏み切った。
 UPSは一月、二〇〇九年第4四 半期の業績予想を上方修正したにも かかわらず、米国内宅配事業で管理 職を対象とした人員整理を発表して いる。
米国内の景気は上向くとの見 通しを示しながらも、回復のペースが 緩やかなものになるとして、人件費 を含めた経費の削減に取り組んでいく としている。
航空貨物カルテル疑惑 欧州委員会が「異議告知書」送付 ■同委員会プレスリリース 2・ 10 など  欧州委員会は一〇日、燃油サーチャ ージなど航空貨物運賃で価格カルテル を結んだ疑いについて、フォワーダー 数社に「異議告知書( Statement of Objections)」を送付したと発表した。
 欧州委員会は二〇〇七年一〇月、 キューネ+ナーゲル、パナルピナ、D Bシェンカー、EGL(現在のCE VAロジスティクス)、エクスペダイタ ーズ、UTiワールドワイドなどの大 手フォワーダーを対象に調査を開始し た。
異議告知書は欧州委員会の独占 禁止規則違反調査における手続の一 つ。
違反の疑いに対する欧州委員会 の見解を書面で通知し、受け取った 企業はそれに対して期限までに反論 することができる。
これを受けて欧 州委員会は、異議告知書で取り上げ た行為が独占禁止規則に違反するか 否かを判断する。
57  APRIL 2010 1ドル= 90円、1ユーロ= 123円、1ポンド= 137円、1豪ドル= 82円で換算  一〇日、パナルピナ、キューネ+ナ ーゲル、デンマークのDSV(カルテ ル行為を行ったとされたのは同社が 〇八年に買収したABXロジスティク ス)、エクスペダイターズが異議告知 書を受け取ったと発表。
パナルピナは 米司法省やスイスの競争委員会など からも調査を受けているとし、「現時 点では予測不可能だが、当社にペナ ルティが課せられる可能性もある」と している。
一方、ドイツポストDHL は、欧州委員会の調査に協力するの と引き換えに訴追を免れたとする声明 を出した。
CEVAロジスティクス マツダの補修部品配送を受注 ■同社プレスリリース 2・ 11  オランダに本社を置く3PL企業の CEVAは、イタリアでマツダの補修 部品のSCM業務を請け負う。
契約 期間は三年間。
 マツダのオーストリアの倉庫からイ タリア北部のボローニャ近郊にあるC EVAの物流センターまで補修部品を デイリーで輸送。
CEVAの物流セン ターで仕分け後、イタリア国内のディ ーラーや修理工場一四〇カ所に配送 する。
センターでは一日当たり平均十 二万個の部品を仕分けする。
 契約に当たってはCEVAが受注 の翌日午前中に配送可能な点が評価 されたという。
またウェブ上で貨物追 跡情報も提供し、マツダはリアルタイ ムで貨物の動静を把握できる。
ライダーがアジア発北米向け強化 フォワーダーと合弁会社設立 ■同社プレスリリース 2・11  米ライダー・システムは、アジアを 地盤とするフォワーダー、カーゴ・サ ービシーズ・ファー・イーストと合弁 会社を設立する。
北米の小売業者を ターゲットとして中国・アジア発北米 向けの貨物の取り込みを図る。
 新会社は主にアジアでのベンダー管 理や発注管理、アジア域内輸送、米 国への輸出混載などを行い、ライダー のサプライチェーン・ソリューション ズのアジア部門として機能する。
ライ ダーが〇八年に買収した香港とカナダ に拠点を持つフォワーダー、CRSA ロジスティクスの業務を補完するとい う役割も担うという。
仏ノルベール・デントレサングル 英国で返品物流業務を受託 ■同社プレスリリース 2・ 15  フランスの大手3PL企業である ノルベール・デントレサングルは、デン マークの小売大手、ダンスク・スーパ ーマーケッド(Dansk Supermarked) 傘下のネトー(Netto)から英国での リバース・ロジスティクス業務を受注 した。
 ネトーは現在、欧州に約一〇〇〇 店舗を構え、そのうち一九四店舗が 英国内にある。
ノルベール・デントレ サングルは、バーミンガムに置く複数 荷主用のセンターを利用し食品以外の 商品の返品業務を請け負う。
返品さ れた商品は一カ所に集約して独自のシ ステムにより仕分けし、それぞれに適 切な処理を行う。
YRCワールドワイド 債務の株式化成功し破綻回避へ ■トランスポート・インテリジェンス 2・ 19 など  米国のLTL( Less Than Truck load:日本の特別積み合わせ貨物輸 送に相当)輸送の最大手であるYR Cワールドワイドが、倒産を回避する 公算が高くなってきた。
二月上旬に 発表した二〇〇九年決算は大幅な最 終損失に落ち込んだが、大規模な債 務の株式化に成功した。
 同社の〇九年決算は、売上高が前年 比四〇・九%減の五二億八三〇〇万 ドル(四七五四億七〇〇〇万円)、最 終損益が八億九九〇〇万ドル(前年 は十一億四七〇〇万ドルの損失)と なった。
業績の低迷を受け、昨年十 二月から債務の株式化に着手。
会社 への再投資を可能にすることで生き 残りを図った。
 一八日、債権者から七〇〇〇万 ドルの還付転換優先株( convertible preference shares)を発行する承認 を取り付けた。
これによって総額四 億七〇〇〇万ドルの債務の九四%を 株式化した。
また株式連結(reverse stock-split)も実施し、過剰になって いた株式を処理した。
 こうした施策が成功した背景には、 米国内の銀行や投資家が企業の倒産 による融資の焦げ付きに神経を尖らせ ているという事情がある。
キューネ+ナーゲル 東欧で富士フイルムの業務受注 ■同社プレスリリース 2・ 25  スイスの大手フォワーダーであるキ ューネ+ナーゲルは、ポーランドで富 士フイルムからSCM業務を受託し た。
ポーランドとチェコ、スロバキア の物流センターに分散していた富士フ イルムの在庫を、ポーランド南部ホー ジェフに置くキューネ+ナーゲルのセ ンターに集約して管理する。
 センターの延べ床面積は一万平方メ ートル。
入荷から構内作業、出荷業 務のほか、通関業務やラベル貼付、鉄 板のカットなどの流通加工も行う。
特 に重点を置くのは高価格商品や危険 物の取り扱いで、冷蔵設備を備えた 三〇〇平方メートルの区画を富士フイ ルム専用に設ける。

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