{literal} {/literal}

2010年7月号
特集

第2部 物流生産性調査 2010 マテハン編

バーコード 「GTIN1 4(ITF1 4)」が世界標準に ■■■ 調査結果  全業態のトップ二〇%をみると、六四・六%が 何らかのかたちでバーコードを庫内作業に利用して いる。
バーコードを一切利用していない拠点は六・ 五%に留まっている。
一方、下位八〇%の現場で は、バーコードを利用している割合が四九・六% まで下がり、利用していない現場の割合が二三・ 四%まで上がる。
■■■ 解説  日本の物流現場で広く普及しているバーコードの 種類には、商品単品に付けるJANコードと、段 ボール箱など集合包装用の外箱に印字するITF コードの二つがある。
ピース単位のピッキングや検 品にはJANコード、ケース単位にはITFコード が利用されている。
ITFコードはJANコードの 先頭に入数などを示すインジケーターがヒト桁加わ ったものでJANコードと同じスキャナーで読み取 ることができる。
 JANコードやITFコードは日本国内では既 に標準規格として広く普及しているが、別にヨー ロッパではEANコード、北米ではUPCコードが それぞれ普及している。
世界一〇〇カ国以上が加 盟する流通標準化推進組織「GS1(旧国際EA N協会)」では、これらの標準コードを包括するか たちで、「GTIN」と呼ぶ国際標準規格を二〇〇 五年一月に定めている。
 日本でも〇七年三月からGTINの本格的な導 入が始まっている。
これに伴い食品、菓子、日用 雑貨品等で使われてきた一六桁のITFコードは JULY 2010  16 物流生産性調査 2010 マテハン編  マテハン機器は果たしてどれだけ生産性に貢献する のか。
生産性の高い上位20%の現場と、下位80%の 現場では利用している設備にどのような違いがあるのか。
国内294拠点の実績データを分析した。
本誌前号で特 集した「物流生産性調査2010」のマテハン編。
(本誌編集部) 第 2部 ソースマーキング(全業態) 導入率 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 29.0 6.5 32.3 32.3 27.2 7.8 4.7 10.9 21.7 27.9 27.5 10.0 3.8 6.3 23.8 28.8 (%) TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 外 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 ソースマーキング(業態別)導入率 TOP 20 TOP 20 外 製造業流通業物流業 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 全体 平均 その他(保管棚にロケー ションコードを貼付して活 用している、を含む) コード類がなく、活用もし ていない 独自のバーコードはあるが、 庫内作業には活用してい ない 業界標準の商品コードは あるが、庫内作業には活 用していない 独自のバーコードを庫内作 業に活用している 業界標準の商品コードを 庫内作業に活用している 90.0 10.0 20.9 18.6 4.7 4.7 30.2 20.9 16.9 15.1 3.8 3.8 41.5 18.9 50.0 10.0 40.0 35.7 4.8 2.4 7.1 9.5 40.5 38.4 3.8 3.8 5.8 7.7 40.4 36.4 9.1 9.1 45.5 25.0 11.4 2.3 13.6 25.0 22.7 27.3 10.9 1.8 10.9 21.8 27.3 (%)  今年2月から3月上旬にかけ、本誌読者および 関係者を対象に物流センターの運営実態に関する 「物流生産性調査2010」と題したアンケート調査 を実施した。
国内193社・294拠点の有効回答 を得た。
各拠点の庫内作業員が1人1時間当たり に処理した注文行数(注文伝票の行数)を作業 生産性と位置付け結果を分析した。
生産性の高かっ た上位20 %の現場をベストプラクティスとして、 下位80 %や全体平均と比較した。
調査の方法 特集 標準から外れることになった。
ITFコードの国 際標準は一四桁だが従来は、国内用に一六桁も認 められていた。
それを二〇一〇年三月までに切り 替える取り決めとなっている。
 JANやITFなどの一次元コードには収まら ない大量のデータを印字する必要がある場合には、 二次元バーコードが用いられることもある。
水平に も垂直にも情報を表示することができるため、一 次元コードに比べて小さなスペースで多くの情報を 表示できる。
 日本のアパレル業界では「QRコード」と呼ばれ る二次元バーコードが利用されている。
EDI取 引の通信環境が整っていない中小のアパレル会社向 けに開発されたもので、商品情報のみならず取引 情報までラベルに印字することができる。
「SCM (Shipping Carton Marking)ラベル」と呼ばれる。
しかし、近年は安価なパソコンとインターネットが 普及したことで、その利用価値は薄れている。
RFID 利用価値は活用シナリオ次第 ■■■ 調査結果  今回の調査対象となった全国二九四の物流セン ターのうちICタグを導入しているのは七拠点に 過ぎなかった。
そのためICタグの導入と生産性 の相関を分析するには至らなかった。
■■■ 解説  RFID(Radio Frequency Identification:無 線ICタグ)とは、微小な無線ICチップを埋め 込んだタグとそのリーダー/ライターのこと。
バー コードと違って光線ではなく電波で情報を読み書 きするため、リーダーをタグに接触させる必要がな い。
開梱せずに箱の中のタグを読み取ったり、複 数のタグを同時に読み取ることができるとされる。
タグによってはデータの書き換えも可能で、大量の データを記録できる。
 ICタグの物流管理への応用は、米マサチューセ ッツ工科大学が一九九九年に「オートIDセンタ ー」を立ち上げ、バーコードに代わる次世代物流 システムとしてICタグの標準化に取り組んだとこ ろから本格化した。
二〇〇〇年代の初頭から中頃 にかけて、ICタグへの期待はバブルと呼べるほど の盛り上がりを見せていた。
 バーコードがICタグに置き換えられれば完全な リアルタイムの物流管理システムが可能になり、産 業の効率化が飛躍的に進む。
その経済波及効果は 堅く見積もっても一〇年に一七兆円に上るとする 予測レポートを、日本の総務省は〇四年三月に発 表している。
経済産業省もまた、将来有望な新技 術としてICタグの普及を後押しし、その実証実 験に巨額の補助金を投じてきた。
 しかし、今のところ期待は大きく裏切られてい る。
ICタグの関連商品やソリューションの国内市 場規模は現在も年間数百億円レベルにとどまって いる。
実証実験も技術的な課題が明らかになるば かりで、具体的な成果は上がっていない。
過度な 期待は失望に変わり、ブームは去った。
 それでも物流現場における実用化は、その後も 少しずつ進んでいる。
それも従来はバーコードに比 べて表面の汚れや破損に強いというICタグの耐久 性に着目し、リユース用の物流容器に装着するとい った地味な使い方が中心だった。
それが最近では、 ICタグを新しいビジネスモデルを実現するツール として利用する動きへと徐々に移行してきている。
17  JULY 2010 ICタグ(RFID)の形状 米シンボル社製のインレット 矢印の先の点が「ICチップ」で、 周りの銀色の部分は金属製の 「アンテナ」。
ICチップにアンテ ナを付けた部品をシール状に 加工したものを「インレット」と呼 ぶ。
さらにインレットを紙や樹脂 でコーティングしたものが「タ グ」。
ICチップ 日立製作所「響タグ」のインレット 【JAN コード】 商品単品に印字されている。
物流 現場でもピース注文の処理に使う (提供:フルノシステムズ) 流通システム開発セ ンター資料より 流通システム開発センター資料より 【ITF コード】 集合梱包用。
段ボールにも印字しやすいように配慮されている 物流現場で使われている主なバーコード 【QR コード】 一次元コードよりも大量 のデータを記録できる JULY 2010  18 なり、コストもスクラッチと変わらないことが珍し くなかった。
しかし最近は日本でもカスタマイズせ ずに、パッケージをそのまま利用するクライアント が増えてきいる。
 NECの丸山力流通ソリューション事業部マネ ージャーは「ノンカスタマイズで導入する顧客は、 やはりコストをかけたくないということが動機にな っている。
現場としては最初は嫌々でも実際に使 ってみると結局ノンカスタマイズで良かったという 話も出てくる。
そこで最近は我々も、まずは導入 してみましょうと提案するようにしている。
稼働 後三カ月から半年ほど掛けて、改善要望をまとめ ましょうと。
それから改善すれば、トータルコスト はぐっと安くなる」と説明する。
 もちろん全ての企業にパッケージが使えるわけで はない。
パッケージにはその業界のベストプラクテ ィスとされるオペレーションが反映されているが、 それが製品化される時点では元になったベストプラ クティスはさらに進化している。
そのためWMS で差別化しようとする場合や、他社にはない特殊 なオペレーションを実施している場合には現在もス クラッチを選ぶことになる。
 また最近では初期費用数十万円、月額数万円程 度でWMSを現場に導入できるサービスも登場し、 中小企業を中心に普及しつつある。
コンピュータ ーを販売するのではなく、その機能をインターネッ ト経由で提供し、利用に応じて課金する。
「クラウ ド・コンピューティング」と呼ばれる。
 クラウド・サービスの一つとして、パッケージソ フトの機能を提供するのが「SaaS(Software as a Service)」だ。
各拠点のパソコンにソフトを インストールする必要はなく、ウェブブラウザなど を扱っているだけなら、WMSがなくてもパソコ ンとプリンター程度で処理できる」  そうしたケースでも当然、本社もしくは荷主は 在庫管理システムを持っている。
ただし、そこで 管理されているのは金額としての棚卸資産であっ て、モノとしての在庫がどこにいくつあるのかと いう情報は管理されていない。
それを管理するの がWMSの役割だ。
 「簡単に言ってしまえば、棚レベルのモノの管理 をするのがWMSだ。
九〇年代までは、それを各 現場が手作りに近い小さなソフトで処理していた が、センターの規模が大きくなり、大量のアイテム を扱うようになって、また管理も複雑化したこと で大がかりなシステムが必要になってきた。
そして 二〇〇〇年前後に外資系のパッケージベンダーが日 本に進出したことでWMSという言葉が定着する ようになった」と高橋コンサルタントは説明する。
 基幹システムの受発注情報を、WMSが庫内作 業の情報に変換し、マテハン機器の制御システムや 作業員に作業指示を出す。
そして現場作業の結果 をまたWMSが在庫情報として基幹システムに送 る。
当初はそのシステムを各社が現場のオペレーシ ョンに合わせて独自に開発していたが、この一〇 年でパッケージの普及が広がってきた。
 パッケージは独自開発(スクラッチ)と比較し て、導入期間が短く、コストも抑えられるという メリットがある。
その一方、オペレーションのやり 方をパッケージに合わせて変更しなければならない という制約もある。
そのため日本では現場の抵抗 が大きく、欧米に比べて普及が遅れていた。
 パッケージを採用した場合でも、大幅なカスタマ イズを行うことが多く、結果的に開発期間が長く WMS レディメードと独自開発の勝敗は? ■■■ 調査結果  生産性上位二〇%の現場のWMS導入率は五 八・一%。
それに対し下位八〇%の現場は四九・ 六%だった。
パッケージと自社開発の比較では、パ ッケージを利用している現場のほうが生産性が高い という傾向が見られた。
■■■ 解説  WMS(Warehouse Management System)と 呼ばれる倉庫管理システムの登場は、そう昔のこ とではない。
今回の調査でも、まだ約半数のセン ターがWMSを導入していない。
この結果につい て、日本IBMの高橋総一郎グローバル・ビジネ ス・サービス事業部コンサルティング・サービスシ ニア・マネージング・コンサルタントは次のような 感想を述べる。
 「そんなものではないか。
受注伝票から起こした 納品伝票の紙を手にして、倉庫から商品を探し出 し、梱包して出荷するという作業スタイルはいま だに健在だ。
数百から千程度の限られたアイテム WMS 導入率 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 41.9 6.5 25.8 25.8 50.4 1.6 34.9 13.2 48.8 2.5 33.1 15.6 (%) TOP20 TOP20 外全体平均 パッケージを導入 両方とも導入 自社開発を導入 未導入 特集 19  JULY 2010 バンド環境も十分に整っていなかった。
しかし近年 ではそうした課題もかなり解消されてきた。
 SaaSの最大のメリットは立ち上げまでのスピ ードが圧倒的に速いこと。
デメリットとしてはネッ トワーク環境の影響を受けやすく、スクラッチやパ ッケージに比べれば使い勝手では劣ることが挙げら れる。
利用料金はユーザー数や従量に応じて課金さ れるため、多くの拠点を展開する大企業にはかえ って割高になる場合もある。
 そこでデータセンター一カ所にサーバーを集約し て集中管理し、各拠点がそれを利用する「社内S aaS」も登場している。
最近、富士通グループ は全国約五〇カ所以上に物流拠点を展開する某大 手企業をクライアントとする案件で、社内SaaS を構築し、社内ネットワークを通じて全拠点が同じ WMSを利用するかたちに改めた。
立ち上げに要 した期間は一カ月あまり。
これによって各拠点の サーバーが不要になったため、WMS運用コストは 約四分の一に激減したという。
 スクラッチかパッケージか、あるいはSaaSを 選ぶにしても、WMS導入の成否は事前の要件定 義にかかっているとベンダーは皆、口を揃える。
そ のセンターで取り扱う物量、在庫量、波動をどう 設定するか。
アローアンスをどれだけとるか。
将来 の環境変化をどう織り込むか。
経験知と想像力を フルに働かせて判断する必要がある。
 「担当者が判断に迷って時間ばかりが経過する。
後から責任を問われることを恐れて、同じ議論を 繰り返しているうちにタイムリミットが迫ってくる。
最も失敗するパターンがそれ。
責任者が腹を決め ることこそプロジェクトを成功させる最大の秘訣」 とFAEの北村本部長代理は指摘している。
を通じて利用できる。
「メジャーになるかは別とし て、今後、WMSの利用形態の一つとして広がる ことは間違いない」と富士通アドバンストエンジニ アリング(FAE)の北村和也物流ビジネス本部本 部長代理は予測する。
 SaaSと同様のコンセプトで二〇〇〇年頃には 「ASP(Application Service Provider)」と呼ば れるサービスが登場し話題を呼んだが結局普及はし なかった。
基本的にSaaSとASPに違いはな い。
ただし当初のASPは、他のアプリケーション との連携が難しく、機能も硬直的だった。
ブロード WMS(パッケージ) 導入現場/未導入現場の生産性(平均) 1 人1 時間当たり処理行数 40 35 30 25 20 15 10 5 0 (行) 製造業流通業物流業全業態 31.6 20.7 36.7 22.5 21.5 23.8 27.6 31.4 19.7 21.8 17.0 19.3 導入未導入平均 WMS(自社開発) 導入現場/未導入現場の生産性(平均) 1 人1 時間当たり処理行数 35 30 25 20 15 10 5 0 (行) 製造業流通業物流業全業態 34.2 20.1 22.5 22.7 24.7 23.8 12.5 20.3 22.7 21.8 24.6 19.3 導入未導入平均 出庫注文状況確認 WMSでは、出庫注文状況画面で出庫作業の進捗状況をリアルタイムで確認できる (図はパッケージ画面の一例) 《出庫状況》 未処理 27% ピッキング済 30% 出荷済 43% 出庫注文状況画面 :注文処理状況? 出庫注文状況画面 :ピック処理状況 ※日本IBM資料より作成 出庫注文状況画面 :注文処理状況? 出庫注文状況画面 :パラメータ選択 「スキャン検品が不要であればDPSが圧倒的に有 利。
しかしDPSの場合はハンディやカートと違っ て無線LANによるEDIができないというデメ リットがある。
スーパーマーケットやGMSなどの チェーンストアは、出荷精度を求める上、箱明細や SCMラベルとの連動が必要になるためカートとハ ンディが主流になっている」と飴谷部長。
 つまりDPSはピッキングカートやハンディ端末 等に比べて生産性は上がるが、精度は落ちる。
そ のため後工程でハンディによる検品ラインを設ける ことも多い。
一方、カートやハンディは精度が高 く、一般に一人一時間当たり六〇行とされている マニュアルピッキングに比べれば処理速度は上がる けれども、DPSよりは遅い。
またDPSがアイ テム数に応じた棚を固定的に設ける必要があるの に対し、カートやハンディは物量の波動や商品の入 れ替えに柔軟に対応できるため、物流会社の汎用 センターなどにも導入しやすい。
 ハンディやカートに使用されている端末は定価ベ ースで二〇万円〜三〇万円。
台数がまとまると、 これが一〇万円台に落ちてくる。
物流現場向けの ハンディ端末に強いフルノシステムズの鈴木智之技 術本部販売促進室室長代理は「端末の性能自体に は今ではそれほど大きな違いはない。
しかし、実 際の運用では端末を制御するミドルウェアがモノを いう。
たかが端末でもバーコード化してデータベー スを作り、無線LANのアクセスポイントを設置し てとなれば、投資額も相当な規模になる。
ハード の単価だけでなくトータルシステムとして投資を考 える必要がある」という。
 流通センターの建設を数多く手がけている流通マ ーケティング研究所の臼井秀彰代表は、ピッキング DPS/ピッキングカート/ハンディ端末 バラ注文の多い現場には必須 ■■■ 調査結果 ──DPS・ピッキングカート  DPS(デジタル・ピッキング・システム)、ピ ッキングカートとも、生産性上位二〇%の現場で、 導入率が明らかに高くなっている。
──ハンディ端末  ハンディ端末の導入と生産性との関連は見られな かった。
この結果を見る限りハンディ端末はあくま で精度向上のツールと考えたほうが良さそうだ。
■■■ 解説  DPSは商品や部品が保管されている棚にデジ タル表示機を設置して、取り出す数量などを示す バラピッキングの作業支援システムだ。
その運用方 法としては棚の前にコンベヤを設置して、固定で作 業員を配置し流れてきたコンベヤに商品を投入する 方法と、表示器のみで作業員が指定された棚に移 動してピッキングする方法の二通りがある。
 その違いについてトーヨーカネツソリューション ズの飴谷智彰営業部第三営業部長は「コンベヤ連 動式と表示器のみを比べると、ピッキングのスピー ドはコンベヤの方が速い。
生産性に最も影響するの は歩行。
次に商品を探すこと。
コンベヤがあれば 歩行がない」と説明する。
ただし、コンベヤ連動 型はコンベヤ設備に加え、それをデジタル表示器と 連携させる制御システムが必要になるため当然なが ら導入コストは高くなる。
 一方、ピッキングカートは台車に情報端末を搭載 したもの。
作業者は端末の指示に従ってピッキン グを行う。
ハンディも同様だ。
DPSとの比較は JULY 2010  20 ピッキングカート(全業種)導入率 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 83.9 16.1 95.3 4.7 93.1 6.9 未導入 導入 (%) TOP20 TOP20 外全体平均 DPS(全業態)導入率 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) 67.7 32.3 91.5 8.5 86.9 13.1 未導入 導入 TOP20 TOP20 外全体平均 重量検品機能付きのピッキングカー トも登場している(提供:ダイフク) 特集 システムを始めとするマテハンの選び方について次 のように指摘する。
「卸のセンターであれば基本的 に、フォークリフトにパレットにラック、そしてハ ンディ端末さえあれば最低限の仕事はできる。
し かし、それでは必要なサービスレベルをクリアでき ない、あるいは建物に制約があって人手では対応 できない場合にマテハンの導入を検討する。
その場 合には、まずサービスレベルを明確にした上で、次 にオーダーの内容を分析する。
とりわけピッキング システムの選択ではオーダーの分析が重要になる」  DPSが特に効果を発揮するのは、出荷頻度の 高い荷物のピッキングだ。
DPSはランプの点灯な どで指示が出てピッキングをするが、そのヒット率 が一定以上あれば、ピッカーも効率的に動くこと ができ、生産性は大きく向上する。
しかし、ヒッ ト率が低い荷物に適用してしまうと、ピッカーが遊 んでしまい、また移動の距離も長くなるため生産 性は逆に落ちてしまう。
 出荷頻度の低い荷物のピッキングには、DPS よりもピッキングカートの方が向いている。
ヒット 率の低い荷物をまとめてピッキングできるからだ。
 大成建設ではセンターの建築事業とは切り離し た純粋なコンサルティングサービスとして、エンジ ニアリング本部にロジスティクスグループを設置し、 マテハン選択の材料を希望するクライアントに提供 している。
ピッキングであればDPS方式、ピッキ ングカート方式、自動ピッキング方式などの比較の ほか、クライアントの同業種における採用例や普及 状況などの情報提供を行う。
 同グループの精園和彦グループリーダーは「とく に見過ごされがちなのがランニングコストだ。
部品 の交換なども含めメンテナンスコストは思った以上 にかかるもの。
またマテハンの制御システムは数年 に一回のペースで更新が必要になるが、数千万必 要になることもある。
マテハンの導入効果を人件 費と比較するのであれば、ライフサイクルコストで 比較しなければ意味がない」と指摘している。
21  JULY 2010 ハンディ端末 導入現場/未導入現場の生産性(平均) 35 30 25 20 15 10 5 0 (行) 製造業流通業物流業全業態 14.4 33.1 25.6 22.5 17.8 23.8 20.2 20.6 24.1 21.8 18.0 19.3 導入未導入平均 ハンディ端末(全業態)導入率 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 41.9 58.1 34.1 65.9 35.6 64.4 未導入 導入 (%) TOP20 TOP20 外全体平均 DPS 導入現場/未導入現場の生産性(平均) 60 50 40 30 20 10 0 (行) 製造業流通業物流業全業態 58.1 16.2 22.5 22.1 24.0 23.8 43.2 43.9 18.5 21.8 15.2 19.3 導入未導入平均 DPSは一定のヒット率が確保できれば有効 (提供:ダイフク) コンベヤ連動式のDPSの方が作業効率は高い (提供:トーヨーカネツソリューションズ) ハンディ端末自体に差 は無くなっている(提 供:フルノシステムズ) 自動倉庫 巨額の費用と柔軟性に難点 ■■■ 調査結果  生産性の高い現場は、そうでない現場に比べて 自動倉庫の導入率が低かった。
そもそも自動倉庫 の主な目的は保管効率の向上と無人化で、生産性 の向上ではない。
大量生産商品の工場隣接型倉庫 などでは威力を発揮する。
自動倉庫を建物の駆体 としても利用することで倉庫の建設コストを抑える こともできる。
しかし処理能力が一定であるため、 瞬発力を求められる流通の川下のセンターには向か ない。
■■■ 解説  パレットやケースを保管する高層ラック、荷物を 出し入れするスタッカークレーン、その制御装置か ら構成される。
実勢価格は規模によっても左右され るが、一パレット当たり八万円〜一〇万円が相場の ようだ。
マテハン機器の中では最も高額な投資を必 要とする。
投資総額が一〇億円を超えるケースも珍 しくないが、限られた敷地に必要な在庫量を保管 しなければならない場合には必要な施設となる。
 ただし、「自動倉庫は満杯にはできない。
一五% 程度の空きがないとスムー ズな荷物の出し入れができ なくなって処理能力が落ち る。
また反対に三〇〜四 〇%も常に空いているよう ではスペースが却ってムダ になってしまう。
荷扱いが 大変な商品の管理や正確な 在庫量を把握したい場合に 自動倉庫は有効な設備だが、大きな投資になるだ けに導入には慎重な検証が必要になる」と、マテハ ン活用に詳しい物流コンサルタントの青木好美オー ル代表は指摘する。
 基本的には保管設備であるため、主にメーカーの 工場倉庫や大量調達した輸入品を備蓄しておく倉 庫などに利用されているが、大手食品卸の菱食で はバラピッキングの棚に商品を自動補充するのに利 用している。
波動が大きい出荷作業には馴染まな くても、補充なら自動化を活かせるという判断だ。
 別のある医療機器メーカーでは、出荷頻度の低い 部品だけを自動倉庫で保管し、必要に応じて自動 ピッキングしている。
出荷頻度の低い部品を、出荷 頻度の高い部品のピッキングエリアから排除するこ とで、トータルな生産性の向上に役立てている。
JULY 2010  22 自動倉庫 導入現場/未導入現場の生産性(平均) 30 25 20 15 10 5 0 (行) 製造業流通業物流業全業態 12.4 26.9 25.3 22.5 23.5 23.8 7.4 21.1 19.3 14.6 23.6 21.8 導入未導入平均 自動倉庫(全業種)導入率 自動倉庫(業種別)導入率 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 90.3 9.7 78.3 21.7 80.6 19.4 TOP20 TOP20 外全体平均 未導入 導入 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 90.0 10.0 65.1 69.8 80.0 85.7 84.6 100.0 84.1 87.3 34.9 30.2 20.0 14.3 15.4 15.9 12.7 TOP 20 TOP 20 外 製造業流通業物流業 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 未導入 導入 (%) 自動倉庫には15%ほどの“空き”も必要 (提供:ダイフク) 特集 23  JULY 2010 仕分け機 流通の川下で効果を発揮 ■■■ 調査結果  製造業と物流業では導入率が極めて低いうえに、 どちらも生産性上位二〇%の現場には一切導入さ れていなかった。
しかし、流通業では導入率が大 きく上がる。
しかも、上位二〇%の現場は下位八 〇%の現場と比べて倍近い導入率になっている。
■■■ 解説  荷物を発送方面別、品種別に仕分ける。
ケース 貨物をコンベヤからスライドシューで出荷間口に弾 くタイプや、様々な形状の荷物をトレイに載せて、 目指す間口に到着したらトレイを傾けて落とすピー スソーターなど、様々なタイプがある。
導入コスト は必要とするモーターの台 数で大枠が決まってくるが、 それぞれのタイプによって 価格帯には大きな違いがあ る。
廉価版のケースソータ ーは一〇〇〇万円以下から ある。
一ピースソーターは、 一時間に六〇〇〇行の仕分 けができて、五〇間口で四 五〇〇万円から六〇〇〇万円程度とされる。
 オールの青木代表は「ソーターをDPSと比較す ると、DPSのほうが導入コストは安いが処理速度 はソーターより落ちる。
DPSは作業員の人件費も 必要になる。
DPSの二・五倍以上の処理能力を 発揮できるケースならソーターが有効」という。
 ただし、ソーターは常に商品が流れていないと、 出荷間口の作業員を手待ちにしてしまう。
そこで ある製薬メーカーでは、自動倉庫をバッファーに利 用してソーターに商品を流す順序やタイミングをコ ントロールしている。
梱包済みのケースを自動倉庫 に格納して、方面別→車両別→配送順に整理して おく。
車両にケースを積み込む翌日の早朝に、配送 の逆順でケースをソーターに流す。
その結果、出荷 間口の手待ちをなくし、ドライバーの配送効率を向 上させた。
 この仕組みを荷主に提案した鹿島建設の福井正 エンジニアリング本部生産・研究施設第3グループ 部長は「センター新設に当たって目標の一つが要員 数の削減だった。
センターを何人で運営するかとい う明確なポリシーを立て、それに沿って機械化の選 択肢を検討し、仕組みを提案した。
結果的に顧客 から非常に高い評価をいただいた」という。
仕分け機 導入現場/未導入現場の生産性(平均) 30 25 20 15 10 5 0 (行) 製造業流通業物流業全業態 8.0 22.8 26.6 22.5 23.1 23.8 6.2 20.9 21.9 21.8 20.119.3 導入未導入平均 高速自動仕分け機も運用の仕組みが 重要(提供:ダイフク) 仕分け機(業態別)導入率 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 製造業流通業物流業 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) 100.0 97.7 98.1 70.0 83.3 80.8 100.0 93.2 94.5 2.3 1.9 30.0 16.7 19.2 6.8 5.5 導入 未導入 仕分け機(全業態)導入率 TOP20 TOP20 外全体平均 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) 9.7 90.3 8.5 91.5 8.8 91.3 導入 未導入

月刊ロジスティクス・ビジネス

購読のお申し込みはこちらから