2010年7月号
グローバルSCM
グローバルSCM
第2回 SCMの歴史が教えてくれるもの
71 JULY 2010
アビームコンサルティングは今年二月、「日
本型SCMの将来」と題した調査報告書を
発表した。
食品・日用雑貨品などのCPG (Consumer Packaged Goods)メーカーを 対象としたSCMの実態調査に基づく分析レ ポートだ。
同調査の結果、日本のCPGメー カーは、その在庫レベルから大きく三つのグ ループに分類できることが明らかになった。
日本のCPGメーカーの在庫日数 在庫日数に影響のある要素は何か。
それを 探るのが、今回の調査(注1)の目的である。
その手段として、中堅以上の食品・日用雑貨 品(CPG)メーカーに対し、SCM部門で 管理している製商品在庫日数とそれに関連す るであろう組織、プロセス等についてのイン タビューを行った。
調査の結果、大変興味深い結果が出た。
C PGメーカーのうち食品メーカーの製商品在 庫日数は、一五日以下(グループ1)、二〇 〜二六日未満(グループ2)、三〇日以上(グ ループ3)の三つのグループに大きくかつ明 確に分かれた。
今回の調査対象となった食品メーカーの取 り扱い商品は、一般加工食品、飲料、スナッ ク菓子であり、日配品は除外している。
また 食品は菌検査のために製造後一定期間は出荷 できないため、その分、在庫を多く持たざる を得ない。
それにもかかわらず日本の食品 メーカーの在庫は、欧米の大手メーカーと比 較して低く抑えられている。
一方、日雑メーカーの在庫日数はメーカー 間の差がほとんどなく、いずれも三〇〜四〇 日となっている。
この値は欧米CPGメー カーとも同水準と考えられる(図1)。
欧米の大手CPGメーカーでは、加工食品 と日雑品の在庫日数がほぼ同じレベルであ り、飲料やスナック菓子の在庫はそれよりも 少ない(前号図1参照)。
それに対し、日本 では加工食品、 飲料、スナック 菓子の在庫日 数に顕著な違 いが見られず、 全般的に在庫 が少ない。
日本ではな ぜ、食品と日雑 で在庫日数がこ のように大きく 異なるのであろ うか。
また食品 ではなぜ、取り 扱い商品による 在庫日数に違い が見られないの であろうか。
取 り扱い商品の違い以外の何が在庫量を決める 要素となっているのであろうか。
第回 アビームコンサルティング 経営戦略研究センター 次世代を拓く 日本型SCM が 梶田ひかる SCMの歴史が 教えてくれるもの 2 図1 日本のCPG メーカーにおける製商品在庫日数分布 35 30 25 20 15 10 5 食品メーカー グループ3 食品メーカー グループ2 食品メーカー グループ1 日用雑貨 メーカー 製商品在庫日数 梶田ひかる(かじた・ひかる) 1981年、南カリフォルニア大学OR理学修士 取得。
同年、日本アイ・ビー・エム入社。
91 年、日通総合研究所入社。
2001年、デロイト トーマツコンサルティング入社(現アビームコ ンサルティング)。
現在に至る。
電気通信大 学大学院情報システム学科学術博士。
中央職 業能率開発協会「ロジスティクス管理2級・3 級」のテキスト共同監修のほかSCM関連の著 書多数。
アビームコンサルティングHP http:// jp.abeam.com JULY 2010 72 食品と日雑のビジネス環境の違い インタビューの結果わかったことは、日本 における食品メーカーと日雑メーカーの在庫 量の違いを大きく決定付けているのは、ビジ ネス環境であるということであった。
特に消 費者行動と量販店から要請される販売制約 が、食品メーカーの在庫政策に大きな影響を 与えている(表1)。
日本の消費者の鮮度志向は、食品メーカー を在庫削減に注力させる大きな要因となって いる。
日本人は異なる日付の商品が並んでい たら、たとえ双方とも賞味期限内であって も、新しい日付の商品を購入する人が大半で ある。
このことは一九九二年に国民生活セン ターが行なった調査でも証明されている。
そのような消費者行動に対応するため、小 売店によっては、以前に入荷した商品よりも 古い日付での納品を受け付けない(日付逆転 禁止)、製造日から賞味期限までの期間の二 分の一または三分の一以内のものしか納品を 受け付けない(1/2ルール、1/3ルール) という取引条件を設定している。
メーカーは先に新しい日付の商品を納品し てしまうと、それより古い日付の商品を納品 できなくなる。
通常よりも値段を下げて特売 にするか、あるいは廃棄に回すかしか手がな くなってしまう。
それを防ぐためには、先入れ先出しを徹底 するとともに、デポ在庫を極力減らし、デポ 間での日付のバラツキを抑えることが有効と なる。
在庫が少ないほど、日付のコントロー ルがしやすくなるからである。
商品のリニューアルや新商品の投入頻度の 高さもまた、在庫を抱えることによるリスク を高めている。
新商品の改廃頻度が特に激し いのは清涼飲料、スナック菓子、即席麺であ る。
俗に?千三つ?と言われるように、毎年 数百もの新商品が発売されるが、定番化する のはそのうち数個、残りは発売終了となって しまう。
終売後に棚に残った商品は、棚替え に伴なって返品される。
それらは日付の問題 があり、たとえ賞味期限内であっても再販は 難しい。
日雑品の場合、商品改廃に伴うリスクはそ こまで高くない。
もともと日雑品は食品に比 べて新商品の投入頻度が低い。
商品のマイ ナーチェンジの場合も、JANコードを変更 せずに在庫がなくなったところから順に切り 替えるため、在庫廃棄のリスクはほとんどな い。
この在庫リスクの違いは生産方式にも大き く影響している。
食品では在庫が余れば廃棄 することになるので、工場でも生産ロットを 小さくするように腐心している。
一生産ロッ トが賞味期限の三分の一を越えたものを廃番 候補としている企業や、やむを得ぬ欠品は起 こりうると割り切っている企業もある。
もともと食品は味覚に好みがあるので他の 商品に代替されにくい。
そのため営業政策面 においても食品メーカーは、売れ筋のAラン ク品では極力特売を避け、BCランク品を特 売の対象にすることで在庫回転率を上げよう とする傾向にある。
一方の日雑品は、メーカーやブランドより 表1 加工食品と日用雑貨業界の違い 加工食品日用雑貨 新商品の 投入頻度 商品切替 特売の 状況 販売制約 新商品投入頻度は全般的に高く、清涼飲料、菓子・ 即席麺は特に高い 一斉に切替となって、旧商品が返品となり戻ってくる ことが多い。
戻ってきたものの大半は日付の関係で 廃棄せざるを得ない 特売はBCランク品が中心となり、対象商品・量と も限定されている(清涼飲料を除く) 賞味期限がある 菌検査のため、製造後数日は出荷できない 小売店では日付逆転禁止、1/2または1/3ルール を設定しているため、賞味期限内であっても出荷不 可となる場合がある 新商品投入頻度はあまり高くない マイナー変更時はJAN コードを変更せず、在庫が なくなったところから順次切り替える 特売はAランク品が中心となり、販売量が著しく多い そのため各社とも、特売時の欠品を防ぐことを重視 している 生産ロット 大ロットで生産すると、賞味期限に関する制約によ る廃棄リスクが高まる そのため、販売量に対応した量となるように調整して いる 大ロット生産により製造原価を低減できる 大ロット生産でも廃棄リスクが高まることは少ない 販売期間に特に目立った制約はない 73 JULY 2010 も価格が重視される。
他の商品に代替されや すいので欠品は許されない。
特売もAランク 品が中心で、特売時には販売量が著しく増え る。
それに備えるために在庫を多めに持って も廃棄リスクは小さい。
むしろ大ロットで生 産した方が製造原価を低減できる。
もちろんキャッシュフローの観点では、在 庫は少ないほうがいい。
だが生産ロットを大 きくすることによる原価低減や欠品による販 売機会損失の抑制を、在庫の陳腐化リスクと 天秤にかければ、日雑品では前者の勝つこと が多い。
それに対して食品は、日本市場における消 費者の鮮度志向に起因する様々な要因により 在庫を持つことによるリスクが高い。
そのこ とが日本の食品メーカーを、日雑メーカー、 さらには欧米の大手食品メーカーと比べて少 ない在庫でオペレーションするように仕向け ているのである。
食品メーカーに見る在庫削減の歴史 食品メーカーは、企業内における需給連携 の取り組みに早くから着手してきた業界であ る。
一九六〇年に米ハインツ社の副社長R・ E・ジョーンズは、多品種化が進展する中で 適正在庫を維持するためには、生産計画まで 管理範囲に含めるべきだとマーケティング協 会に報告している。
このことからもわかるよ うに、米国では六〇年代の初頭には既に加工 食品の多品種化が始まっており、需給管理の 重要性が認識されていたのである。
日本においても、食品メーカーは在庫削減 を牽引してきた業種である。
そして現在の食 品メーカーの在庫日数は、先述のように大き く三つのグループに分かれている。
各グルー プ間には五日程度の在庫日数の隔たりが見ら れる。
このグループ化には、以下に解説する ように各社の在庫削減着手時期の違いが深く 影響していると考えられる(図2)。
一九九〇年代─在庫削減への着手 日本の食品メーカーにおいて在庫削減の本 格的な取り組みが始まったのは、バブル崩壊 前後である。
それ以前は、在庫は流動資産で あり、販売状況の如何に関わらず常に価値を 持ち続けるものという認識が浸透していた。
しかし八〇年代後半に急増した販売アイテム 数、また消費者の購入行動の変化と、その後 の急激な景気の落ち込みに直面し、在庫が不 良資産化する可能性を指摘されはじめたこと から、在庫削減への関心が急速に高まった。
同じ時期に輸送も大きな問題を抱えてい た。
バブル時代に物流の仕事は?キツイ、汚い、 危険?の?3K職種?として倦厭され、ドラ イバー不足が深刻化した。
ドライバーの賃金 は上昇し、それに伴い運賃も上昇した。
一部 には運送会社による集荷拒否まで発生した。
そのような状況はバブル崩壊後も、すぐに は解消されなかった。
荷主であるメーカーは、 否応なく物流の効率化と在庫削減の双方に取 り組まなければならない状況に立たされた。
在庫削減の手段として、すぐに効果が上が り、手っ取り早いのは販売アイテム数の削減 である。
在庫削減に未着手の企業では、品目 別売上高の下位五%で総アイテム数の半分程 度を占めていることがザラにある。
それを販売中止にすれば二割程度は在庫を 減らせる。
しかも、売り上げにはほとんど影 響しないことが多くの事例で実証されている。
アイテム数を絞ることで売るべき商品が明確 になり営業活動を集中できるからである。
仕組みとして在庫を削減する場合にも、ま 図2 食品メーカーにおける在庫日数と在庫削減着手時期 35 30 25 20 15 10 5 食品メーカー グループ3 製商品在庫日数 食品メーカー グループ2 食品メーカー グループ1 SCPを導入したが、 BPR に失敗 在庫削減に未着手 2005 年頃にSCPを 導入してBPRに成功 2000 年頃にSCPを 導入、既存プロセス をベースとしたプロセ ス変革に成功 1990 年代に在庫削 減を軌道に乗せるこ とに成功 日本型SCMが次世代を拓く JULY 2010 74 ずは営業部門にメスを入れる必要がある。
販 売計画の目標値は、営業活動の意欲向上を狙 おうと、高めに設定されることが多い。
また営業部門には、欠品による顧客満足度 低下や販売機会損失を避けたいという意識が 強い。
実際、九〇年代初頭の頃はメーカーの 各営業所にはそれぞれデポが設けられてい て、各営業所では手元にデポ在庫を多く抱え 込もうとする傾向にあった。
だが、在庫を多めに持てば、保管コストの 上昇ばかりでなく、キャッシュフローの悪 化、過剰品処分のための値引きロスが発生す る。
最終的に廃棄となればその処理コストに 加え、廃棄損も発生する。
そこで早期に着手されたのが、営業と物流 の分離である。
営業の思惑による在庫確保を 排除し、デポ在庫量を出荷実績に合わせて適 正化した。
その結果、今度は生産の都合で作り溜めさ れ、工場倉庫に保管されている在庫量が明確 になった。
そこで次に着手されたのが、それ まで月次で運用していた生産計画サイクルの 短期化である。
しかし、生産計画の短期化は、生産部門に おける計画立案、作業要員手配、段取り替え などの手間を増やすことになる。
結果として 製造原価の上昇につながる恐れがある。
その ため取り組みの初期段階においては往々にし て生産部門から大きな抵抗を受ける。
このように在庫問題は社内の複数部門にま たがっていて、改革を実行に移すのは容易で はない。
そのためか、これらをやり遂げて在 庫削減を軌道に乗せた企業はいずれも運賃負 担力の少ない商品を取り扱い、物流コスト削 減の必要性が高い企業であった。
そして今回の調査で製商品在庫が一五日以 下という「グループ1」に分類された企業は、 この時代に在庫削減の先行事例として、各業 界の研究会やメディアで採り上げられていた ところばかりである。
在庫削減はいったん取り組みが動き出せ ば、在庫が削減されていくのに伴い、次に解 決すべき課題が自ずから見えてくる。
「グルー プ1」の企業群はそれらを着実に進めていっ た。
だが、他の多くの企業は、先進企業の成 功事例によって何をすべきか明らかになって いながらも、取り組みを軌道に乗せるには至 らなかった。
部門間の壁は厚く、それを乗り 越えることができなかったのである。
二〇〇〇年代初頭─第一次SCMブーム 九〇年代にSCMの重要性が注目される ようになり、さらに欧米市場で成功した 需給計画システム「SCP(Supply Chain Planning)」のパッケージベンダーが日本に 進出してきたことで、二〇〇〇年代に入ると 日本のCPGメーカーの間でSCPへの関心 が高まった。
当時目立ったのは、工場単独で導入した ケースである。
SCPは本来、工場内で完結 するものではなく、需要計画と生産計画、供 給計画の連携を目指すものである。
だがこの 時には、SCPパッケージに組み込まれてい る需要予測システムによって予測の精度が上 がり、在庫が削減できるという思い込みが蔓 延した。
九〇年代の成功事例が示すように、在庫を 削減するには計画サイクルを短期化する必要 がある。
そして計画サイクルを短期化すれば、 高度なロジックを用いなくても在庫は削減で きる。
ところが、多くの企業が、極端な言い方を すれば、計画サイクルは月次のまま、需要予 測ロジックを高度化することだけで、在庫削 減を狙ったのである。
当然のことながら、期 待したような効果は生まれず、成功した企業 はごく一部にとどまった。
二〇〇五年頃─第二次SCMブーム 第一次SCMブームの最中、二〇〇一年に JAS法が改訂され、すべての食品に賞味期 限の提示が義務化された。
これに伴い食品 メーカーは、小売業の要求する「日付逆転禁 止」、「1/2ルール」、「1/3ルール」への 対応が急務となり、またそれに伴う廃棄リス ク増加への対応を迫られることとなった。
そして〇五年頃になると、景気回復ととも に、それまでは積極的な情報システム投資を 控えていた企業もSCMへの取り組みに本腰 を入れ始めた。
この頃になると、成功事例の 75 JULY 2010 日本型SCMが次世代を拓く だが、九〇年代に入って量販店やコンビニ 等の組織小売業の販売シェアが拡大していく のに伴い、ほとんどのメーカーが販売計画の 精度向上による在庫最適化の取り組みをやめ てしまった。
販売計画ではなく、出荷実績を ベースにした需要計画立案に切り替えた。
営 業から入手して需要計画に用いるのは一部大 手小売りの特売情報のみとしたのである。
もちろん販売計画は売上高を予測するため には重要である。
しかし、売上高は必ずしも アイテム別の出荷量とは連動しない。
そして 売上高の計画精度を高めることに比べて、ア イテム別出荷量の計画精度を向上させること 圧倒的に難しい。
とりわけ日本においては、商慣行上、納品 するまでの物流費が納入者負担となっていて 多頻度小口注文が容認されていること、また 返品が容認されていることなどから、小売り の販売計画の精度が低く、メーカーがアイテ ム別の販売計画精度を高めることを一層難し くしている。
このような市場環境に対応して、日本の食 品メーカーは販売計画と需要計画を切り離し た。
そして、そのことが少ない在庫でのオペ レーションを可能としたのである。
(注1)中堅以上の日本CPGメーカー一八社の需給管理 部門実務担当者に、アビームコンサルティングが事前に 質問項目を送付し、その内容についてインタビューを行っ た。
調査は二〇〇九年八月から十二月にかけて実施した。
が一カ月以上ある「グループ3」に属するの は、これらに当てはまらない企業となる。
今回調査対象となった食品メーカーで「グ ループ3」に分類されたのは、第一次SCM ブーム時にSCP導入を試みたが十分な効果 が得られなかった企業一社のみだった。
しか し上場食品メーカーの財務諸表を見れば、い まだ多くの企業、あるいは企業内の事業セグ メントが、製商品在庫を一カ月分以上抱えて いると思われる。
このように、食品メーカーの在庫日数の分 布は、在庫削減が軌道に乗った時期とリンク している。
この結果は、在庫削減に近道はな いことを示している。
ドライバーとしてのI Tツール導入は軌道に乗せるために有力では あるが、同時にビジネスプロセスのたゆまぬ 変革なしには、在庫削減は実現しない。
販売計画と切り離した日本の需要計画 こうして日本における食品メーカーの在庫 削減の歴史を振り返ると、日本型SCMの特 徴とすべき要素の一つが浮かびあがる。
それ は、日本では販売計画と需要計画をほぼ切り 離しているという点である。
日本でもバブル崩壊の直前、八〇年代後半 には、販売計画の精度を向上させようという 動きはあった。
営業がアイテム単位のきめ細 かな販売計画を立案してその通りに売る。
そ れができるのなら、販売計画どおりに作れば 過剰在庫は発生しないことになる。
分析から、SCP成功の鍵として、以下が言 われるようになった。
●SCM組織の確立と権限の集中化 ●生産計画の週次化 ●特売情報の把握と報告の徹底 ●業務の標準化 つまり、ビジネスプロセスの変革なしには SCPの成功はないということが周知された のである。
またそれにより、SCPを「早期 にSCM体制を構築するためのツール」と位 置付けて導入したケースが多かったのも第二 次SCMブームの特徴である。
第一次SCMブーム時にSCPを導入した 企業は主に既存のビジネスプロセスを活かす 方向でSCPの機能を部分的に活用したのに 対し、第二次SCMブーム時に導入した企業 は主にパッケージに合わせてビジネスプロセ スを変えた点に大きな違いがある。
SCPパッケージの導入となると、それな りの投資が必要になる。
そのため第二次SC Mブーム時にSCPパッケージ導入に取り組 んだ企業の顔触れは、第一次SCMブーム時 とは異なっている。
在庫日数が二〇〜二五日という「グループ 2」に属する企業の多くは、この第二次SC Mブーム時に成功裡にSCPを導入できた企 業である。
他に第一次SCMブーム時にSC Pを導入して在庫削減に成功した例外的な企 業もこのグループに含まれる。
これに対して、食品メーカーで製商品在庫
食品・日用雑貨品などのCPG (Consumer Packaged Goods)メーカーを 対象としたSCMの実態調査に基づく分析レ ポートだ。
同調査の結果、日本のCPGメー カーは、その在庫レベルから大きく三つのグ ループに分類できることが明らかになった。
日本のCPGメーカーの在庫日数 在庫日数に影響のある要素は何か。
それを 探るのが、今回の調査(注1)の目的である。
その手段として、中堅以上の食品・日用雑貨 品(CPG)メーカーに対し、SCM部門で 管理している製商品在庫日数とそれに関連す るであろう組織、プロセス等についてのイン タビューを行った。
調査の結果、大変興味深い結果が出た。
C PGメーカーのうち食品メーカーの製商品在 庫日数は、一五日以下(グループ1)、二〇 〜二六日未満(グループ2)、三〇日以上(グ ループ3)の三つのグループに大きくかつ明 確に分かれた。
今回の調査対象となった食品メーカーの取 り扱い商品は、一般加工食品、飲料、スナッ ク菓子であり、日配品は除外している。
また 食品は菌検査のために製造後一定期間は出荷 できないため、その分、在庫を多く持たざる を得ない。
それにもかかわらず日本の食品 メーカーの在庫は、欧米の大手メーカーと比 較して低く抑えられている。
一方、日雑メーカーの在庫日数はメーカー 間の差がほとんどなく、いずれも三〇〜四〇 日となっている。
この値は欧米CPGメー カーとも同水準と考えられる(図1)。
欧米の大手CPGメーカーでは、加工食品 と日雑品の在庫日数がほぼ同じレベルであ り、飲料やスナック菓子の在庫はそれよりも 少ない(前号図1参照)。
それに対し、日本 では加工食品、 飲料、スナック 菓子の在庫日 数に顕著な違 いが見られず、 全般的に在庫 が少ない。
日本ではな ぜ、食品と日雑 で在庫日数がこ のように大きく 異なるのであろ うか。
また食品 ではなぜ、取り 扱い商品による 在庫日数に違い が見られないの であろうか。
取 り扱い商品の違い以外の何が在庫量を決める 要素となっているのであろうか。
第回 アビームコンサルティング 経営戦略研究センター 次世代を拓く 日本型SCM が 梶田ひかる SCMの歴史が 教えてくれるもの 2 図1 日本のCPG メーカーにおける製商品在庫日数分布 35 30 25 20 15 10 5 食品メーカー グループ3 食品メーカー グループ2 食品メーカー グループ1 日用雑貨 メーカー 製商品在庫日数 梶田ひかる(かじた・ひかる) 1981年、南カリフォルニア大学OR理学修士 取得。
同年、日本アイ・ビー・エム入社。
91 年、日通総合研究所入社。
2001年、デロイト トーマツコンサルティング入社(現アビームコ ンサルティング)。
現在に至る。
電気通信大 学大学院情報システム学科学術博士。
中央職 業能率開発協会「ロジスティクス管理2級・3 級」のテキスト共同監修のほかSCM関連の著 書多数。
アビームコンサルティングHP http:// jp.abeam.com JULY 2010 72 食品と日雑のビジネス環境の違い インタビューの結果わかったことは、日本 における食品メーカーと日雑メーカーの在庫 量の違いを大きく決定付けているのは、ビジ ネス環境であるということであった。
特に消 費者行動と量販店から要請される販売制約 が、食品メーカーの在庫政策に大きな影響を 与えている(表1)。
日本の消費者の鮮度志向は、食品メーカー を在庫削減に注力させる大きな要因となって いる。
日本人は異なる日付の商品が並んでい たら、たとえ双方とも賞味期限内であって も、新しい日付の商品を購入する人が大半で ある。
このことは一九九二年に国民生活セン ターが行なった調査でも証明されている。
そのような消費者行動に対応するため、小 売店によっては、以前に入荷した商品よりも 古い日付での納品を受け付けない(日付逆転 禁止)、製造日から賞味期限までの期間の二 分の一または三分の一以内のものしか納品を 受け付けない(1/2ルール、1/3ルール) という取引条件を設定している。
メーカーは先に新しい日付の商品を納品し てしまうと、それより古い日付の商品を納品 できなくなる。
通常よりも値段を下げて特売 にするか、あるいは廃棄に回すかしか手がな くなってしまう。
それを防ぐためには、先入れ先出しを徹底 するとともに、デポ在庫を極力減らし、デポ 間での日付のバラツキを抑えることが有効と なる。
在庫が少ないほど、日付のコントロー ルがしやすくなるからである。
商品のリニューアルや新商品の投入頻度の 高さもまた、在庫を抱えることによるリスク を高めている。
新商品の改廃頻度が特に激し いのは清涼飲料、スナック菓子、即席麺であ る。
俗に?千三つ?と言われるように、毎年 数百もの新商品が発売されるが、定番化する のはそのうち数個、残りは発売終了となって しまう。
終売後に棚に残った商品は、棚替え に伴なって返品される。
それらは日付の問題 があり、たとえ賞味期限内であっても再販は 難しい。
日雑品の場合、商品改廃に伴うリスクはそ こまで高くない。
もともと日雑品は食品に比 べて新商品の投入頻度が低い。
商品のマイ ナーチェンジの場合も、JANコードを変更 せずに在庫がなくなったところから順に切り 替えるため、在庫廃棄のリスクはほとんどな い。
この在庫リスクの違いは生産方式にも大き く影響している。
食品では在庫が余れば廃棄 することになるので、工場でも生産ロットを 小さくするように腐心している。
一生産ロッ トが賞味期限の三分の一を越えたものを廃番 候補としている企業や、やむを得ぬ欠品は起 こりうると割り切っている企業もある。
もともと食品は味覚に好みがあるので他の 商品に代替されにくい。
そのため営業政策面 においても食品メーカーは、売れ筋のAラン ク品では極力特売を避け、BCランク品を特 売の対象にすることで在庫回転率を上げよう とする傾向にある。
一方の日雑品は、メーカーやブランドより 表1 加工食品と日用雑貨業界の違い 加工食品日用雑貨 新商品の 投入頻度 商品切替 特売の 状況 販売制約 新商品投入頻度は全般的に高く、清涼飲料、菓子・ 即席麺は特に高い 一斉に切替となって、旧商品が返品となり戻ってくる ことが多い。
戻ってきたものの大半は日付の関係で 廃棄せざるを得ない 特売はBCランク品が中心となり、対象商品・量と も限定されている(清涼飲料を除く) 賞味期限がある 菌検査のため、製造後数日は出荷できない 小売店では日付逆転禁止、1/2または1/3ルール を設定しているため、賞味期限内であっても出荷不 可となる場合がある 新商品投入頻度はあまり高くない マイナー変更時はJAN コードを変更せず、在庫が なくなったところから順次切り替える 特売はAランク品が中心となり、販売量が著しく多い そのため各社とも、特売時の欠品を防ぐことを重視 している 生産ロット 大ロットで生産すると、賞味期限に関する制約によ る廃棄リスクが高まる そのため、販売量に対応した量となるように調整して いる 大ロット生産により製造原価を低減できる 大ロット生産でも廃棄リスクが高まることは少ない 販売期間に特に目立った制約はない 73 JULY 2010 も価格が重視される。
他の商品に代替されや すいので欠品は許されない。
特売もAランク 品が中心で、特売時には販売量が著しく増え る。
それに備えるために在庫を多めに持って も廃棄リスクは小さい。
むしろ大ロットで生 産した方が製造原価を低減できる。
もちろんキャッシュフローの観点では、在 庫は少ないほうがいい。
だが生産ロットを大 きくすることによる原価低減や欠品による販 売機会損失の抑制を、在庫の陳腐化リスクと 天秤にかければ、日雑品では前者の勝つこと が多い。
それに対して食品は、日本市場における消 費者の鮮度志向に起因する様々な要因により 在庫を持つことによるリスクが高い。
そのこ とが日本の食品メーカーを、日雑メーカー、 さらには欧米の大手食品メーカーと比べて少 ない在庫でオペレーションするように仕向け ているのである。
食品メーカーに見る在庫削減の歴史 食品メーカーは、企業内における需給連携 の取り組みに早くから着手してきた業界であ る。
一九六〇年に米ハインツ社の副社長R・ E・ジョーンズは、多品種化が進展する中で 適正在庫を維持するためには、生産計画まで 管理範囲に含めるべきだとマーケティング協 会に報告している。
このことからもわかるよ うに、米国では六〇年代の初頭には既に加工 食品の多品種化が始まっており、需給管理の 重要性が認識されていたのである。
日本においても、食品メーカーは在庫削減 を牽引してきた業種である。
そして現在の食 品メーカーの在庫日数は、先述のように大き く三つのグループに分かれている。
各グルー プ間には五日程度の在庫日数の隔たりが見ら れる。
このグループ化には、以下に解説する ように各社の在庫削減着手時期の違いが深く 影響していると考えられる(図2)。
一九九〇年代─在庫削減への着手 日本の食品メーカーにおいて在庫削減の本 格的な取り組みが始まったのは、バブル崩壊 前後である。
それ以前は、在庫は流動資産で あり、販売状況の如何に関わらず常に価値を 持ち続けるものという認識が浸透していた。
しかし八〇年代後半に急増した販売アイテム 数、また消費者の購入行動の変化と、その後 の急激な景気の落ち込みに直面し、在庫が不 良資産化する可能性を指摘されはじめたこと から、在庫削減への関心が急速に高まった。
同じ時期に輸送も大きな問題を抱えてい た。
バブル時代に物流の仕事は?キツイ、汚い、 危険?の?3K職種?として倦厭され、ドラ イバー不足が深刻化した。
ドライバーの賃金 は上昇し、それに伴い運賃も上昇した。
一部 には運送会社による集荷拒否まで発生した。
そのような状況はバブル崩壊後も、すぐに は解消されなかった。
荷主であるメーカーは、 否応なく物流の効率化と在庫削減の双方に取 り組まなければならない状況に立たされた。
在庫削減の手段として、すぐに効果が上が り、手っ取り早いのは販売アイテム数の削減 である。
在庫削減に未着手の企業では、品目 別売上高の下位五%で総アイテム数の半分程 度を占めていることがザラにある。
それを販売中止にすれば二割程度は在庫を 減らせる。
しかも、売り上げにはほとんど影 響しないことが多くの事例で実証されている。
アイテム数を絞ることで売るべき商品が明確 になり営業活動を集中できるからである。
仕組みとして在庫を削減する場合にも、ま 図2 食品メーカーにおける在庫日数と在庫削減着手時期 35 30 25 20 15 10 5 食品メーカー グループ3 製商品在庫日数 食品メーカー グループ2 食品メーカー グループ1 SCPを導入したが、 BPR に失敗 在庫削減に未着手 2005 年頃にSCPを 導入してBPRに成功 2000 年頃にSCPを 導入、既存プロセス をベースとしたプロセ ス変革に成功 1990 年代に在庫削 減を軌道に乗せるこ とに成功 日本型SCMが次世代を拓く JULY 2010 74 ずは営業部門にメスを入れる必要がある。
販 売計画の目標値は、営業活動の意欲向上を狙 おうと、高めに設定されることが多い。
また営業部門には、欠品による顧客満足度 低下や販売機会損失を避けたいという意識が 強い。
実際、九〇年代初頭の頃はメーカーの 各営業所にはそれぞれデポが設けられてい て、各営業所では手元にデポ在庫を多く抱え 込もうとする傾向にあった。
だが、在庫を多めに持てば、保管コストの 上昇ばかりでなく、キャッシュフローの悪 化、過剰品処分のための値引きロスが発生す る。
最終的に廃棄となればその処理コストに 加え、廃棄損も発生する。
そこで早期に着手されたのが、営業と物流 の分離である。
営業の思惑による在庫確保を 排除し、デポ在庫量を出荷実績に合わせて適 正化した。
その結果、今度は生産の都合で作り溜めさ れ、工場倉庫に保管されている在庫量が明確 になった。
そこで次に着手されたのが、それ まで月次で運用していた生産計画サイクルの 短期化である。
しかし、生産計画の短期化は、生産部門に おける計画立案、作業要員手配、段取り替え などの手間を増やすことになる。
結果として 製造原価の上昇につながる恐れがある。
その ため取り組みの初期段階においては往々にし て生産部門から大きな抵抗を受ける。
このように在庫問題は社内の複数部門にま たがっていて、改革を実行に移すのは容易で はない。
そのためか、これらをやり遂げて在 庫削減を軌道に乗せた企業はいずれも運賃負 担力の少ない商品を取り扱い、物流コスト削 減の必要性が高い企業であった。
そして今回の調査で製商品在庫が一五日以 下という「グループ1」に分類された企業は、 この時代に在庫削減の先行事例として、各業 界の研究会やメディアで採り上げられていた ところばかりである。
在庫削減はいったん取り組みが動き出せ ば、在庫が削減されていくのに伴い、次に解 決すべき課題が自ずから見えてくる。
「グルー プ1」の企業群はそれらを着実に進めていっ た。
だが、他の多くの企業は、先進企業の成 功事例によって何をすべきか明らかになって いながらも、取り組みを軌道に乗せるには至 らなかった。
部門間の壁は厚く、それを乗り 越えることができなかったのである。
二〇〇〇年代初頭─第一次SCMブーム 九〇年代にSCMの重要性が注目される ようになり、さらに欧米市場で成功した 需給計画システム「SCP(Supply Chain Planning)」のパッケージベンダーが日本に 進出してきたことで、二〇〇〇年代に入ると 日本のCPGメーカーの間でSCPへの関心 が高まった。
当時目立ったのは、工場単独で導入した ケースである。
SCPは本来、工場内で完結 するものではなく、需要計画と生産計画、供 給計画の連携を目指すものである。
だがこの 時には、SCPパッケージに組み込まれてい る需要予測システムによって予測の精度が上 がり、在庫が削減できるという思い込みが蔓 延した。
九〇年代の成功事例が示すように、在庫を 削減するには計画サイクルを短期化する必要 がある。
そして計画サイクルを短期化すれば、 高度なロジックを用いなくても在庫は削減で きる。
ところが、多くの企業が、極端な言い方を すれば、計画サイクルは月次のまま、需要予 測ロジックを高度化することだけで、在庫削 減を狙ったのである。
当然のことながら、期 待したような効果は生まれず、成功した企業 はごく一部にとどまった。
二〇〇五年頃─第二次SCMブーム 第一次SCMブームの最中、二〇〇一年に JAS法が改訂され、すべての食品に賞味期 限の提示が義務化された。
これに伴い食品 メーカーは、小売業の要求する「日付逆転禁 止」、「1/2ルール」、「1/3ルール」への 対応が急務となり、またそれに伴う廃棄リス ク増加への対応を迫られることとなった。
そして〇五年頃になると、景気回復ととも に、それまでは積極的な情報システム投資を 控えていた企業もSCMへの取り組みに本腰 を入れ始めた。
この頃になると、成功事例の 75 JULY 2010 日本型SCMが次世代を拓く だが、九〇年代に入って量販店やコンビニ 等の組織小売業の販売シェアが拡大していく のに伴い、ほとんどのメーカーが販売計画の 精度向上による在庫最適化の取り組みをやめ てしまった。
販売計画ではなく、出荷実績を ベースにした需要計画立案に切り替えた。
営 業から入手して需要計画に用いるのは一部大 手小売りの特売情報のみとしたのである。
もちろん販売計画は売上高を予測するため には重要である。
しかし、売上高は必ずしも アイテム別の出荷量とは連動しない。
そして 売上高の計画精度を高めることに比べて、ア イテム別出荷量の計画精度を向上させること 圧倒的に難しい。
とりわけ日本においては、商慣行上、納品 するまでの物流費が納入者負担となっていて 多頻度小口注文が容認されていること、また 返品が容認されていることなどから、小売り の販売計画の精度が低く、メーカーがアイテ ム別の販売計画精度を高めることを一層難し くしている。
このような市場環境に対応して、日本の食 品メーカーは販売計画と需要計画を切り離し た。
そして、そのことが少ない在庫でのオペ レーションを可能としたのである。
(注1)中堅以上の日本CPGメーカー一八社の需給管理 部門実務担当者に、アビームコンサルティングが事前に 質問項目を送付し、その内容についてインタビューを行っ た。
調査は二〇〇九年八月から十二月にかけて実施した。
が一カ月以上ある「グループ3」に属するの は、これらに当てはまらない企業となる。
今回調査対象となった食品メーカーで「グ ループ3」に分類されたのは、第一次SCM ブーム時にSCP導入を試みたが十分な効果 が得られなかった企業一社のみだった。
しか し上場食品メーカーの財務諸表を見れば、い まだ多くの企業、あるいは企業内の事業セグ メントが、製商品在庫を一カ月分以上抱えて いると思われる。
このように、食品メーカーの在庫日数の分 布は、在庫削減が軌道に乗った時期とリンク している。
この結果は、在庫削減に近道はな いことを示している。
ドライバーとしてのI Tツール導入は軌道に乗せるために有力では あるが、同時にビジネスプロセスのたゆまぬ 変革なしには、在庫削減は実現しない。
販売計画と切り離した日本の需要計画 こうして日本における食品メーカーの在庫 削減の歴史を振り返ると、日本型SCMの特 徴とすべき要素の一つが浮かびあがる。
それ は、日本では販売計画と需要計画をほぼ切り 離しているという点である。
日本でもバブル崩壊の直前、八〇年代後半 には、販売計画の精度を向上させようという 動きはあった。
営業がアイテム単位のきめ細 かな販売計画を立案してその通りに売る。
そ れができるのなら、販売計画どおりに作れば 過剰在庫は発生しないことになる。
分析から、SCP成功の鍵として、以下が言 われるようになった。
●SCM組織の確立と権限の集中化 ●生産計画の週次化 ●特売情報の把握と報告の徹底 ●業務の標準化 つまり、ビジネスプロセスの変革なしには SCPの成功はないということが周知された のである。
またそれにより、SCPを「早期 にSCM体制を構築するためのツール」と位 置付けて導入したケースが多かったのも第二 次SCMブームの特徴である。
第一次SCMブーム時にSCPを導入した 企業は主に既存のビジネスプロセスを活かす 方向でSCPの機能を部分的に活用したのに 対し、第二次SCMブーム時に導入した企業 は主にパッケージに合わせてビジネスプロセ スを変えた点に大きな違いがある。
SCPパッケージの導入となると、それな りの投資が必要になる。
そのため第二次SC Mブーム時にSCPパッケージ導入に取り組 んだ企業の顔触れは、第一次SCMブーム時 とは異なっている。
在庫日数が二〇〜二五日という「グループ 2」に属する企業の多くは、この第二次SC Mブーム時に成功裡にSCPを導入できた企 業である。
他に第一次SCMブーム時にSC Pを導入して在庫削減に成功した例外的な企 業もこのグループに含まれる。
これに対して、食品メーカーで製商品在庫
