2010年8月号
特別レポート
特別レポート
イー・ロジットクラブ通信 《最終回》NKトランス 沼津物流センター出荷検品なしでミス率一〇万分の六
AUGUST 2010 38
イー・ロジットクラブ通信
カタログと照合して入荷検品
N Kトランスはニチレイロジグループが
二〇〇六年六月に設立した食品物流の3P
Lだ。
同社の沼津物流センターでは、ユーコ ープ事業連合に加盟するコープしずおかの計 十二カ所のデポに冷凍冷蔵食品を供給してい る。
在庫を保管しない通過型拠点(トランスフ ァーセンター= TC)で、一般的なチェーン ストアのセンターとは違って、生協の会員が 個人ないしは共同購入でオーダーした商品を 袋詰めする「セット作業」を行っている。
冷蔵食品は午前六:〇〇〜一一:〇〇 に入荷した商品を、その日の一三:〇〇〜 一八:三〇にセットして当日出荷する。
冷 凍商品は翌日出荷で、一三:〇〇〜一六: 〇〇に入荷した商品を、翌日の八:〇〇〜 一三:〇〇の間にセットする。
取り扱いアイテム数は冷凍商品が二八〇、 冷蔵商品が二三〇。
一日あたりの平均の出荷 量は、冷凍商品が一〇万三二五〇点(注文 数二万三五〇二)。
冷蔵食品が九万三一三五 点(同二万一八八六)となっている。
同センターの入荷・検収作業の手順は以下 の通り。
?チラシと照合し品質チェック 入荷された現品の品名と規格が合っている か、「お買物めも」と名付けられた生協のカ タログやチラシと照合する。
その際、各アイ テムから二ピースを抜き取り、量目(重さ) を検査する。
定貫商品の場合、量目が規定 よりもマイナスであれば返品・交換となる。
量目の規格が「約」の商品は、プラスマイナ ス五%を許容範囲としている。
?数量確認 発注数量どおりに商品が納品されているか どうかチェックする。
「お買物めも」の商品 内容が変わる企画週の初日は一ケース、一コ ンテナの入り数のほか、端数も正確にカウン トする。
入り数不足が発見された場合、「お 買物めも」の企画終了まで全量検品を行う。
?賞味期限・製造年月日管理 出荷元からロット・賞味期限データが提供 されている場合は、そのデータをもとに、入 荷時に何月何日を賞味期限とする商品が何ケ ース・何パックあるかトレース検品する。
納 品日が基準日を過ぎている商品は受け入れを 拒否する。
?事故対応例 牛乳パックの破れによる漏れを発見したケ ースでは、その日に出荷した全商品二〇〇〇 パックすべてを回収し、差し替えたこともあ るという。
ピッキングには、「ピック・ディレクター・ システム」と呼ぶデジタル・ピッキング・シ ステム(DPS)を使っている。
棚に装備さ れたDPSの表示器に従って指定数量を取り 出し、追跡ランプが指示するコンベヤライン 上のケースに投入する。
棚入れを二重にチェック 集品後の検品は行わない。
検品に代わる仕 組みとして、ピッキング作業の終了後に、一 日の出荷処理分の総量と入荷分が合致して いるかどうかをチェックするだけだ。
万が一、 生協の個人宅配・共同購入向けに冷凍・冷蔵食品の詰め合わせ作 業を行っている。
日付管理、温度管理を徹底しながらも、検品方法 の工夫によって効率の良い運営体制を敷いている。
ケースごとの出荷 検品をせずに、ミス率一〇万分の六という高い精度を実現している。
NKトランス 沼津物流センター 出荷検品なしでミス率一〇万分の六 《最終回》 39 AUGUST 2010 入荷分との間に差異があった場合には、オー ダー内容からミスの箇所を推測する。
同センターに入荷される商品は全て会員か らのオーダーと紐付いている。
厳密には、不 良品発生時の対策として各アイテムごとにオ ーダー数プラス一個を入荷しているため、こ のような検品方法を採用している。
同センターでは「お買物めも」の更新に応 じて、ほぼ毎週のように補充棚のロケーショ ンが変更される。
正確な棚入れが、ミスを防 止するうえで重要なポイントになる。
通常のセンターでは、棚入れ業務は補充担 当者が全責任を負う。
ピッキング担当者は 棚入れが正しいことを前提にしてDPSの指 示に従って作業するだけだ。
ところが沼津物 流センターでは補充担当者とは別に、ピッキ ング担当者にも棚入れにミスがないかどうか を確認させている。
ピッキング時に棚と商品 が一致しているかどうかを必ずチェックして、 その結果をリストに記入させている。
棚入れミスを補充担当者、ピッキング担当 者双方の責任範囲と位置付け、二重のチェッ ク体制を敷くことで、出荷ミスを未然に防止 し、一〇万分の六レベルの出荷精度を確保し ている。
同センターの出荷件数は、生協の会員数の 増加を反映して増大する一方だ。
しかもユー コープでは現在、いっそうの受注拡大を目指 して、冷凍品の品揃えを現在の二八〇アイテ ムから四〇〇アイテムに増やすことを検討し ているという。
こうしたマーケティング戦略 に対応していくために、同センターには設備 の拡充に加え、従来以上のスピード向上と作 業の効率化が期待されている。
物流コンサルティ ングと通販物流のイ ー・ロジットが主催 する研究会「イー・ ロジットクラブ」では、 先進物流センターの 見学会を定期的に行っている。
本コーナーでは その成果を紹介している。
イー・ロジットクラブは、イー・ロジットの 角井亮一代表(写真)が主宰する物流研究会 で、物流人材の育成や人脈づくりに磨きをか けたい企業七五社が参加し、研修会やセミナー、 現場見学会、ニュースレターの発行、会員同 士の情報交換会など活発な活動を行っている。
入会金は五万二五〇〇円、月会費は 五二五〇円で、会員企業に対しては角井代表 を始めとしたイー・ロジットのコンサルタント による無料相談会や同社の主催する研修講座の 割引制度などの特典も設けられている。
同クラブへの入会を検討する企業を対象とし た無料説明会も東京と大阪で随時開催している。
同説明会の参加者には角井代表の?最新セミナ ーテキスト(定価三〇〇〇円)と?最新セミナ ー講演CD(定価一万円)がプレゼントされる。
イー・ロジットクラブ活動報告 ■無料説明会の日程(東京と大阪で同時開催) 八月二六日(木)一六:〇〇〜 九月九日(木)一六:〇〇〜 (上記日程以外の個別説明にも随時対応) ■問い合わせ先電話番号 東京:〇三─五八二五─一七二〇 担当/清水 大阪:〇六─四三〇八─八九七七 担当/宮野 ■URL: http://www.e-logit.com/seminar/ elogitclub.php 「入荷検収室」の中にいる担当者が、 事前に送られたロット・賞味期限デー タをもとに入荷チェックを行う。
親箱に貼られる出荷ラベル。
この ラベルをもとにオーダー情報、共 同購入か個人購入かを識別する。
納品用の発泡スチロール製のケー ス。
白の「親箱」に対し、ピン クの「子箱」で個人オーダー別 に集品する。
出荷ラベルからの情報により、D PS で指定数の商品を、親箱、子 箱を区別しながらピッキングする。
同社の沼津物流センターでは、ユーコ ープ事業連合に加盟するコープしずおかの計 十二カ所のデポに冷凍冷蔵食品を供給してい る。
在庫を保管しない通過型拠点(トランスフ ァーセンター= TC)で、一般的なチェーン ストアのセンターとは違って、生協の会員が 個人ないしは共同購入でオーダーした商品を 袋詰めする「セット作業」を行っている。
冷蔵食品は午前六:〇〇〜一一:〇〇 に入荷した商品を、その日の一三:〇〇〜 一八:三〇にセットして当日出荷する。
冷 凍商品は翌日出荷で、一三:〇〇〜一六: 〇〇に入荷した商品を、翌日の八:〇〇〜 一三:〇〇の間にセットする。
取り扱いアイテム数は冷凍商品が二八〇、 冷蔵商品が二三〇。
一日あたりの平均の出荷 量は、冷凍商品が一〇万三二五〇点(注文 数二万三五〇二)。
冷蔵食品が九万三一三五 点(同二万一八八六)となっている。
同センターの入荷・検収作業の手順は以下 の通り。
?チラシと照合し品質チェック 入荷された現品の品名と規格が合っている か、「お買物めも」と名付けられた生協のカ タログやチラシと照合する。
その際、各アイ テムから二ピースを抜き取り、量目(重さ) を検査する。
定貫商品の場合、量目が規定 よりもマイナスであれば返品・交換となる。
量目の規格が「約」の商品は、プラスマイナ ス五%を許容範囲としている。
?数量確認 発注数量どおりに商品が納品されているか どうかチェックする。
「お買物めも」の商品 内容が変わる企画週の初日は一ケース、一コ ンテナの入り数のほか、端数も正確にカウン トする。
入り数不足が発見された場合、「お 買物めも」の企画終了まで全量検品を行う。
?賞味期限・製造年月日管理 出荷元からロット・賞味期限データが提供 されている場合は、そのデータをもとに、入 荷時に何月何日を賞味期限とする商品が何ケ ース・何パックあるかトレース検品する。
納 品日が基準日を過ぎている商品は受け入れを 拒否する。
?事故対応例 牛乳パックの破れによる漏れを発見したケ ースでは、その日に出荷した全商品二〇〇〇 パックすべてを回収し、差し替えたこともあ るという。
ピッキングには、「ピック・ディレクター・ システム」と呼ぶデジタル・ピッキング・シ ステム(DPS)を使っている。
棚に装備さ れたDPSの表示器に従って指定数量を取り 出し、追跡ランプが指示するコンベヤライン 上のケースに投入する。
棚入れを二重にチェック 集品後の検品は行わない。
検品に代わる仕 組みとして、ピッキング作業の終了後に、一 日の出荷処理分の総量と入荷分が合致して いるかどうかをチェックするだけだ。
万が一、 生協の個人宅配・共同購入向けに冷凍・冷蔵食品の詰め合わせ作 業を行っている。
日付管理、温度管理を徹底しながらも、検品方法 の工夫によって効率の良い運営体制を敷いている。
ケースごとの出荷 検品をせずに、ミス率一〇万分の六という高い精度を実現している。
NKトランス 沼津物流センター 出荷検品なしでミス率一〇万分の六 《最終回》 39 AUGUST 2010 入荷分との間に差異があった場合には、オー ダー内容からミスの箇所を推測する。
同センターに入荷される商品は全て会員か らのオーダーと紐付いている。
厳密には、不 良品発生時の対策として各アイテムごとにオ ーダー数プラス一個を入荷しているため、こ のような検品方法を採用している。
同センターでは「お買物めも」の更新に応 じて、ほぼ毎週のように補充棚のロケーショ ンが変更される。
正確な棚入れが、ミスを防 止するうえで重要なポイントになる。
通常のセンターでは、棚入れ業務は補充担 当者が全責任を負う。
ピッキング担当者は 棚入れが正しいことを前提にしてDPSの指 示に従って作業するだけだ。
ところが沼津物 流センターでは補充担当者とは別に、ピッキ ング担当者にも棚入れにミスがないかどうか を確認させている。
ピッキング時に棚と商品 が一致しているかどうかを必ずチェックして、 その結果をリストに記入させている。
棚入れミスを補充担当者、ピッキング担当 者双方の責任範囲と位置付け、二重のチェッ ク体制を敷くことで、出荷ミスを未然に防止 し、一〇万分の六レベルの出荷精度を確保し ている。
同センターの出荷件数は、生協の会員数の 増加を反映して増大する一方だ。
しかもユー コープでは現在、いっそうの受注拡大を目指 して、冷凍品の品揃えを現在の二八〇アイテ ムから四〇〇アイテムに増やすことを検討し ているという。
こうしたマーケティング戦略 に対応していくために、同センターには設備 の拡充に加え、従来以上のスピード向上と作 業の効率化が期待されている。
物流コンサルティ ングと通販物流のイ ー・ロジットが主催 する研究会「イー・ ロジットクラブ」では、 先進物流センターの 見学会を定期的に行っている。
本コーナーでは その成果を紹介している。
イー・ロジットクラブは、イー・ロジットの 角井亮一代表(写真)が主宰する物流研究会 で、物流人材の育成や人脈づくりに磨きをか けたい企業七五社が参加し、研修会やセミナー、 現場見学会、ニュースレターの発行、会員同 士の情報交換会など活発な活動を行っている。
入会金は五万二五〇〇円、月会費は 五二五〇円で、会員企業に対しては角井代表 を始めとしたイー・ロジットのコンサルタント による無料相談会や同社の主催する研修講座の 割引制度などの特典も設けられている。
同クラブへの入会を検討する企業を対象とし た無料説明会も東京と大阪で随時開催している。
同説明会の参加者には角井代表の?最新セミナ ーテキスト(定価三〇〇〇円)と?最新セミナ ー講演CD(定価一万円)がプレゼントされる。
イー・ロジットクラブ活動報告 ■無料説明会の日程(東京と大阪で同時開催) 八月二六日(木)一六:〇〇〜 九月九日(木)一六:〇〇〜 (上記日程以外の個別説明にも随時対応) ■問い合わせ先電話番号 東京:〇三─五八二五─一七二〇 担当/清水 大阪:〇六─四三〇八─八九七七 担当/宮野 ■URL: http://www.e-logit.com/seminar/ elogitclub.php 「入荷検収室」の中にいる担当者が、 事前に送られたロット・賞味期限デー タをもとに入荷チェックを行う。
親箱に貼られる出荷ラベル。
この ラベルをもとにオーダー情報、共 同購入か個人購入かを識別する。
納品用の発泡スチロール製のケー ス。
白の「親箱」に対し、ピン クの「子箱」で個人オーダー別 に集品する。
出荷ラベルからの情報により、D PS で指定数の商品を、親箱、子 箱を区別しながらピッキングする。
