2010年8月号
ARC

不況の直撃を受けた倉庫管理システム

AUGUST 2010  88 不況の直撃を受けた倉庫管理システム  倉庫管理システム(WMS= warehouse management system)の第一の使命は、ス ペース・労働力・設備・作業・マテリアルフ ローなど倉庫に関わるリソース一切を管理す ることにある。
ARCではWMSを、無線・ 音声認識・RFIDやリアルタイム・ロケー ションシステムを利用したリアルタイムソリュ ーションとしてとらえている。
 われわれが不況の兆しを最初に感じたの は、二〇〇七年であった。
WMS市場の規模 は、二〇〇八年に対前年比でわずかに減少し た。
ただしシステムの導入には数カ月かかる ので、多くのベンダーの二〇〇八年の売上は、 バックログプロジェクトによって辛うじて確保 された面がある。
二〇〇九年、そのバックロ グが消え失せ、WMS市場はグローバル不況 の直撃を受けた。
 「市場は過去五年間の成長分をそっくり 失った。
二〇〇五年のWMS市場規模は二 〇〇九年より大きかった」ARCのサプラ イチェーン管理担当取締役で、「倉庫管理 システムの世界市場動向調査( Warehouse Management Systems Worldwide Outlook Study)」の著者であるスティーブ・バンカー はそう語る。
 WMS市場の惨めな結果にも関わらず、市 場ではほとんど集約化が進まなかった。
市場 を下支えしたのはシステムの保守収入であっ た。
ソフトウエア企業にとって最大のコスト は人件費である。
ベンダーは保守収入、ダウ ンサイジング、賃金削減の合わせ技で命脈を 保った。
 全体的に低調な市場の中でも、成長してい る分野を発見できることはよくある。
WMS 市場においてそれはSaaS( Software as a Service)のマルチテナントでホスト型ソリ ューションである。
このニッチな分野はもと が小さいとはいえ、二桁の成長を続けている。
 グローバル不況が終焉してきていることは 良いニュースである。
しかしながら不確実性 はまだ残っている。
不況の二番底がやってく るのではないか? 成長は不況前の水準まで 戻るのだろうか? それともここしばらくは 不況前の水準まで回復することはないのだろ うか? 落ち込んだ需要が急に盛り上がるこ とはあるのか? われわれはマクロ経済やこ の市場特有の要素を分析した。
過去の平均値 に比べて率は低いが、ARCではこの市場は 成長をするだろうと予測している。
 本コーナーでは米国の大手調査会社、ARCアドバイザリーグループの市場報告書に ついて紹介している。
今回は倉庫管理システム市場についてのレポートを取り上げる。
2009 2010 2011 2012 2013 2014 WMS 市場の成長予測(2009=100) (年) ©2010 ARC Advisory Group 100

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