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71 NOVEMBER 2010
楽天は一〇月五日、仮想商店街「楽
天市場」に出店する複数店舗の商品を
一括配送する新サービス「楽天
24
（ト
ゥエンティーフォー）」を開始したと発
表した。
出店店舗の受注、決済、物流
業務を代行する。
利用者は楽天市場内
に新設された専用サイトを通じて複数
の店舗の商品をまとめて購入し、一度
に受け取ることができる。
楽天市場では通常、店舗と利用者は
直接取引を行い、各店舗は基本的に受
注から発送までの業務を自社で行って
いる。
このため、送料の設定やリード
タイムなどが店舗によって異なる上、利
用者は複数の店舗で商品を購入した場
合、何度も荷物を受け取らなければな
らない。
楽天は新サービスにより、利
用者の手間を解消する。
商品は専用物流センターに集約して
保管し、受注
に応じて同梱、
発送。
これに
よってコスト
を抑える計画
で、送料を全
国一律二四〇
円、税込み三九
〇〇円以上の
購入について
は無料とした。
楽天の武田
弊誌の長期連載「物流コンサル道
場」に登場する?体力弟子?のモデル
と目されている湯浅コンサルティング
の柴田稔子氏が九月に初の単著「ムダ
をなくして利益を生み出す在庫管理」
（かんき書房）を発刊した。
儲かる会社は在庫管理がうまい。
在
庫管理を行うことで、会社の経営が改
善される。
そう筆者は指摘する。
その
理由はなぜか。
そもそも在庫とは何な
のか。
まずは在庫の本質を理解すると
ころから本著はスタートする。
次に在庫を「金額」ではなく「量」
でとらえること、その量を「日数」に
換算して管理することの意味を説く。
アイテム別の在庫日数を把握すること
によって、在庫管理が経営改善の道筋
を開いていく構造を噛み砕いて解説し
ている。
具体的に在庫をどうコントロールす
るかという点では、従来の四つの発
注方式（定期・定量、不定期・定量、
和徳ＣＯＯ（最高執行責任者）は「顧
客は送料によっては実際の店舗に買い
に行った方が安いと考える。
差別化を
するためには、送料は実店舗での買い
物にかかる時間の価値を下回る必要が
ある。
こうしたことも考慮して金額を
設定した」と説明する。
配送リードタイムも通常より短い。
専
用サイトで購入した商品はすべて楽天
市場で提供している翌日配送サービス
「あす楽」の対象だ。
午前中の受注につ
いては本州と四国向けは翌日、それ以
外の地域には翌々日に配送する。
日時
指定も可能。
センターは現在、関東の一カ所のみ
だが、今後は翌日配送地域を拡大する
方針で、西日本地域での拠点新設を含
めて物流網の整備を検討する。
関東の
センターの庫内業務は佐川グローバルロ
ジスティクス、配送はヤマト運輸に委託
したが、翌日配送を全国展開する過程
で両社に加えて他の物流業者も利用す
る可能性があるという。
専用サイトの参加店舗数は十二店舗
でスタートした。
取扱商品は当面、生活
雑貨や家庭用品などの日用品が中心だ
が、今後、参加店舗を増やして書籍や
健康用品なども追加する予定。
三木谷
浩史社長は「楽天の中核サービスとし
て楽天
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を育てていきたい」と抱負を
述べた。
（梶原）
不定期・不定量、定期・不定量）を
それぞれ解説したうえで、目指すべき
は「適時・適量発注方式」であると
して、その手法を紹介している。
倉庫の運用法と管理組織のあり方
についても一章を割いている。
庫内は
「見えない場所」を作らないことを第
一歩として、「理に適った管理」が重
要であり、それはどのような管理であ
るのかを述べている。
またムダな在庫の発生する原因は物
流部門ではなく、仕入れ部門や営業部
門にある。
そういった在庫に影響を与
えている人たちの?心理?を在庫の適
正化に導くための仕組み作りのヒント
を盛り込んでいる。
本書の終盤は具体的な改善アプロー
チの解説に割かれている。
筆者は改善
プロセスとして「適正在庫に近付くた
めの三つのステップ」を推奨する。
第
一ステップは在庫の仕分け。
第二ステ
ップは制約条件の排除。
そして第三ス
テップはロジスティクスの導入だ。
さ
らには消費者の視点に立ってサプライ
チェーン全体の構造を改めて検討して
みる必要性を指摘している。
全編を通じて平易な文章で、物流と
は縁の薄い人にも分かりやすいように
配慮されている。
企業の物流担当者
のみならず、仕入れ担当者や営業担当
者にも読ませたい一冊だ。
（大矢）
楽天が複数店舗の商品を一括配送サービス
専用センターで集約保管し同梱で発送
「ムダをなくして利益を生み出す在庫管理」
湯浅コンサルティングの?体力弟子?が上梓
会見する三木谷社長（写真左）と武田COO
柴田稔子著『ムダをなくして
利益を生み出す在庫管理』（か
んき出版）定価1600円+税
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