2010年12月号
ケース
ケース
ミサワホーム 物流子会社
DECEMBER 2010 46
住宅産業は物流産業
住宅メーカー大手のミサワホームは今年六
月、一〇〇%出資の物流子会社「CSロジス
ティクス」を設立した。
新会社の社長を兼務 するミサワホームの道官陽一郎生産・建設本 部副本部長執行役員は「現状の外販は五%程 度。
これを二年後には二〇%以上、三年後に は五〇%ぐらいにしていきたい」と強気の目 標を掲げている。
物流子会社を設立する以前からミサワは他 社の物流業務を事実上受託してきた。
同社が 資材メーカーから仕入れる物品はすべて、ミ サワの「資材物流部」の物流グループが仕立 てたトラックで集荷している。
資材の取引条件は工場入れ値段、すなわち 物流費込みの価格だが、実際に運ぶのはミサ ワであるため、仕入れ先からは製品価格の一 定比率を物流費として収受している。
これを 物流部門に蓄えて、自らの物流を高度化する ための原資としてきた。
つまり以前から物流部門は、独立した事業 体のような立場にあった。
それを法人格とし ても独立させた。
約八〇人いた資材物流部の うち物流グループに所属していた約二〇人を、 ほぼそのままCSロジに出向させた。
CSロジは初年度の二〇一一年三月期に稼 働一〇カ月間で六三億円の売り上げを見込む。
このうち二割は、ミサワとは資本関係のない 資材メーカーが荷主だ。
一般的な定義では外 販に当たるが、ミサワの調達物流のためCS ロジは外販にはカウントしていない。
この独特なサプライチェーンの構築に長らく 携わってきた道官氏は、「もともと住宅産業 は物流産業そのもの。
世界中から集めてきた 建築資材をピンポイントで一カ所に集めて施 工している。
二〇年も前からわれわれが自ら 調達物流を手掛けてきた理由の一つは、いぶ し銀のような技術をもった地方の資材メーカ ーの製品を使いたかったからだ。
彼らは物流 の手段をもっていなかった」とミサワの物流 の基本的な考え方を説明する。
しかし近年、国内の住宅着工件数は減る一 方だ。
ミサワが扱う物件もピーク時に比べる と半減している。
自分たちの仕事だけでコス ト効率を高めていくのはもはや現実的ではな い。
それよりも外販に打って出ることで物量 を増やし、自身の物流効率を高めていく道を ミサワは選択した。
昨年一〇月に社内プロジェクトを組んだこ とが、CSロジを設立する第一歩になった。
道官氏をプロジェクトリーダーとする三人が徹 今年6月、物流子会社を新設した。
長尺モノをは じめ荷姿のバラツキの大きい建築資材用に開発した 独自の輸送システムを一般荷主向けに販売する。
調 達から資源回収にまで至るサプライチェーン全域の効 率化を視野に、3年後に外販比率50 %という野心的 な目標を掲げている。
物流子会社 ミサワホーム 独自の「モジュール・パレット」を武器に 子会社設立3年で外販比率50%を目指す CSロジスティクスの社長 を兼務するミサワホームの 道官陽一郎執行役員 47 DECEMBER 2010 底的に市場を調査し、その三カ月後に物流子 会社の新設について竹中宣雄社長にプレゼン を実施。
正式なゴーサインを得た。
パレット単位で輸送費を変動費化 CSロジが営業活動を展開していくうえで 最大の武器は、ミサワの調達物流を高度化す るために独自開発した「モジュール・パレッ ト」を使った仕組みだ。
パレットと呼んでは いるが、フォークリフトで自由に重ねられる 鉄製の移動棚と言ったほうがイメージしやす いかもしれない。
ウィングタイプの一〇トン車の 荷台を八〇分割した容積を基本サ イズ(=一ブロック)とし、形状 によって一ブロック〜六ブロック の容量を持つ九種類のパレットを 開発した。
柱タイプとカゴタイプ があり、同じタイプであれば積み 上げることが可能だ。
建築資材 は長尺モノをはじめ荷姿が特殊で 運びにくいものが多い。
モジュー ル・パレットを使うことで段積み を可能にし、トラックへの積載効 率を高めた。
このモジュール・パレットを効 率的に利用するために「a-net」と 名付けた運行管理システムをウェ ブ上で運用している。
まず資材メ ーカーが、出荷する製品の情報を 「a-net」に入力する。
この内容に 応じてミサワが空パレットを資材 メーカーに送り込み、後日、そこ に積まれた資材をパレットごと引 き取る。
複数種のパレットをいか に効率良く車両に積み合わせるか も「a-net」で計算している。
資材メーカーが入力してきた情報に基づい て、どのタイプのパレットをいくつ使うかが決 まる。
そこから必要な運行車両の台数を算出 し、CSロジが手配する。
車両のうち一定部 多回納品便 資材調達から廃棄物回収までサプライチェーン全域で活動 仕入先 中継基地 工 場 プラットホーム 施工現場 混載多回便 混載多回便 混載多回便 仕入先手配便 仕入先手配便 仕入先手配便 中継基地 調 達 物 流 納 品 物 流 調達物流仕入れ先から資材部品を引 き取り、工場・基地に納品 中継基地 (集荷・中継・納品機能含む) 8拠点 主な納品先 21拠点 主な集荷先 170拠点 資材メーカー間での相互輸送 50拠点 運行トラック台数 (10t車両) 約200台/日 全国配送平均L/T 1.1日 納品物流パネル及び部材を工場・基地 から出荷して施工現場に納品 出荷元 (工場・基地・プラットホーム) 25拠点 0・1次部材(構造体パネル) 必要台数 7〜9台/棟 2・3回次(部材)必要台数 2〜4台/棟 首都圏プラットホーム 利用納品棟数 35棟/月 運行トラック台数(4t車両) 約450台/日 納品輸送L/T 1日 回収物流現場廃棄物を資源 循環センターへ回収 資源循環センター 1拠点 回収DP拠点 8拠点 関東圏の納品棟数 300棟/月 回収車両台数 約40台/日 DP回収運行トラック (10t車両) 約10台/日 回収輸送L/T 1日 動脈物流 中継基地・DP 静脈物流 再資源化業者 廃棄物回収・副産物納品 施工現場 住宅構造材・資材部品 独自のモジュール・パレットは外販の有力な武器 未使用時は重ねて保管 段積みのため脚底部を工夫 全9種類のパレットを活用 10トン車の荷台を80分割 *収集運搬兼用*収集運搬兼用 *収集運搬兼用 ■ M031(1ブロック) ■ M121(4ブロック) ■ M0907(2ブロック) ■ M091(3ブロック) ■ M061(2ブロック) ■ M062(4ブロック) ■ M151(5ブロック) ■ M092(6ブロック) ■ M032(2ブロック) ※詳しくはwww.cs-logi.co.jp参照 DECEMBER 2010 48 分は常傭トラックによる定期便で運行し、そ の他については輸送業者との契約を変動費化 している。
現場で実務を担っている協力物流会社は、 パレットをフォークで動かすだけで原則とし て製品には触れない。
このため製品の破損率 は四万件に一件程度。
こうしたやり方が、低 コストで事故の少ない物流として住宅業界で 評価されてきた。
モジュール・パレットはすべてミサワが作 り、管理している。
過去には自ら作りたがる 資材メーカーや協力物流事業者もいた。
だが パレットの規格が崩れ、メンテナンスが行き届 かなくなることで物流品質が低下するのを危 惧して許可してこなかった。
今後も原則とし て、売上規模の伸びに応じてミサワグループ でパレットを増やしていく方針だ。
規格化が進んでいる標準タイプのパレット の場合、自社の資産であるパレットの流出 や紛失が問題になる。
だがミサワのモジュー ル・パレットにその心配はない。
現状の使い 方ではミサワと資材メーカーの間を行き来す にCSロジを設立する前までの利用企業数は 約一三〇社。
ほぼミサワの調達先だけだった のが、外販を本格化したことで増えた。
物量 がまとまらない遠隔地向けの輸送におけるニ ーズがとくに目立つという。
今年一〇月にミサワの株式の二九・三五% (議決権ベース)を持つ大株主となったトヨタ ホームとの協業も加速している。
今のところ 両社は、営業の最前線では住宅メーカーとし て競合し切磋琢磨しながら、購買や物流など バックヤードでは可能なかぎり相乗りしてい くという方針をとっている。
CSロジにとってはトヨタホーム向けに資 るだけの閉ざされた利用環境にあるため流失 の機会が少ない。
しかも鉄製で重いことから 紛失の悩みはほとんどない。
この仕組みをミサワの調達先以外にも開放 した。
「CSロジは車の中をパレット単位に分 けて営業する。
従来はトラック一台を固定費 で抱えていた荷主の物流を、パレット単位の 契約に置きかえる。
これが荷主のコストを変 動費化することにつながる」と道官氏。
モジュール・パレットを使った輸送システ ムは、ミサワの調達先にすでに浸透している。
資材メーカーにとっては、ミサワ向けにしか 使えない点にこの仕組みの限界があった。
こ れがCSロジの稼働で変わった。
ミサワの物 流グループのマネージャーを兼務しながら、C Sロジの営業開発部長を務めている野村幸史 取締役は次のようにアピールする。
「ミサワとの取引を通じて、CSロジはほ ぼすべての主要資材メーカーのところに製品 を引き取りにいっている。
だからミサワ以外 の住宅メーカーに営業にいくと凄く話が早い。
すぐに『その取引先はうちも一緒だ。
じゃあ 見積もりを出してみて』となる。
資材メーカ ーにとっても、ミサワ以外の販売先に運ぶ製 品の手配が『a-net』に入力するだけで済ませ られるメリットは大きい」 他産業にもサービスを拡大 モジュール・パレットを利用する資材メー カーは現在、約一六〇社を数える。
今年六月 ミサワホーム生産・建設本部 資材物流部の野村幸史 物流担当マネージャー 「見える化」は基本中の基本 仕分けにもパレットを活用 介護用品の輸配送にも威力 出庫を待つ一邸分の資材 「関東物流センター」の構内 49 DECEMBER 2010 材サプライヤーから運ぶ業務が、同社の区分 でいう?外販?を拡大する要因の一つになる。
当面は、ミサワとすでに取引のある資材メー カーを対象に、トヨタホームをはじめとする 住宅メーカー向けの輸送業務を受託すること で事業を拡大していく方針だ。
もっともミサワと同様の季節波動を持つ住 宅資材メーカーの仕事ばかりでは、ミサワ本 体の物流の繁閑差を埋め、親会社の物流を効 率化していくことはできない。
ここをどうや って埋めていくかがCSロジにとっての課題 になる。
そこで自動車産業など他産業の荷主 を回るなかで、意外なところで手応えを得る こともできた。
介護用品の運搬がその一つだ。
家庭で使 う車椅子などは、家の廊下の幅に合わせてサ イズが設定されている。
これが建材を運ぶた めに設計したパレットと非常に親和性が高か った。
近年の介護ビジネスの急拡大で、車椅 子などの需要は急速に膨らんでいる。
しかし、 その形状から低コストで迅速に輸送すること ができず、各地で余計な在庫を抱える状況に 陥っている。
これをCSロジの物流網に載せ れば簡単に運ぶことが可能だ。
探していけば、モジュール・パレットに適 した荷物は他にもたくさんあるとみている。
パレットのレンタル業者からは、「ぜひモジュ ール・パレットをうちでリースしたい」とい った相談も寄せられているという。
(フリージャーナリスト・岡山宏之) 昨年六月、ミサワは「関東物流センター」(千 葉県野田市)の敷地内に、廃棄物の中間処理施 設「関東資源循環センター」を稼働させた。
これ によって、調達物流のための中継基地、建設現場 への納品基地、そして資源循環センターの三つを 一カ所に併設し、調達から回収までを効率的に扱 える物流インフラが完成した。
調達のためのトラックの帰り便を静脈物流に活 用している。
資材メーカーからミサワの工場への 輸送を終えた車両が、一都七県に八カ所設置され た「資源デポ」に立ち寄る。
建設現場からここに 集約しておいた廃棄物を、モジュール・パレット で積み合わせて回収する。
建設現場には事前に、段ボールや木くずなど 一〇種類の廃棄物ごとに入れる回収袋を送り届け ておく。
この袋には顧客情報や内容物を示す二次 元コード(QRコード)が付与されており、どこ の現場で、どのような廃棄物が発生したのかを細 かく管理できるように工夫が施されている。
「資源循環センター」に集められた廃棄物は、 ここでさらに四〇種類に分別する。
施設内の通路 に沿って段ボール、廃プラスチック、木くず、金 属くずなどの処理エリアが並んでおり、それぞれ に情報端末と重量計が配備されている。
各エリア で回収袋のQRコードをスキャンし、内容物の確 認と分別、計量作業を進めていく。
分別ミスなどが見つかった場合は、システムに 登録されて後ほど現場にフィードバックされること になる。
こうして邸別に発生する廃棄物のデータ を詳細に集めることで、より廃棄物の少ない設計 などにつなげていく。
資源循環センターでの処理工程の設計や運営、 作業者の教育などは、すべてミサワの工場出身者 が手掛けている。
トヨタ流の?かんばん方式?な どを駆使したセンター独自の作業フローは、現場 を視察したトヨタホームの首脳からも高く評価さ れているのだという。
パレットごと牽引車で運搬 中央通路に沿って順に分別 廃棄物もパレットで段積み 素材の圧縮や減容まで処理 素材別の分別と計量を徹底 「分別訓練道場」で作業指導 物流拠点に併設された「関東資源循環センター」 廃棄物の処理施設を物流拠点に併設
新会社の社長を兼務 するミサワホームの道官陽一郎生産・建設本 部副本部長執行役員は「現状の外販は五%程 度。
これを二年後には二〇%以上、三年後に は五〇%ぐらいにしていきたい」と強気の目 標を掲げている。
物流子会社を設立する以前からミサワは他 社の物流業務を事実上受託してきた。
同社が 資材メーカーから仕入れる物品はすべて、ミ サワの「資材物流部」の物流グループが仕立 てたトラックで集荷している。
資材の取引条件は工場入れ値段、すなわち 物流費込みの価格だが、実際に運ぶのはミサ ワであるため、仕入れ先からは製品価格の一 定比率を物流費として収受している。
これを 物流部門に蓄えて、自らの物流を高度化する ための原資としてきた。
つまり以前から物流部門は、独立した事業 体のような立場にあった。
それを法人格とし ても独立させた。
約八〇人いた資材物流部の うち物流グループに所属していた約二〇人を、 ほぼそのままCSロジに出向させた。
CSロジは初年度の二〇一一年三月期に稼 働一〇カ月間で六三億円の売り上げを見込む。
このうち二割は、ミサワとは資本関係のない 資材メーカーが荷主だ。
一般的な定義では外 販に当たるが、ミサワの調達物流のためCS ロジは外販にはカウントしていない。
この独特なサプライチェーンの構築に長らく 携わってきた道官氏は、「もともと住宅産業 は物流産業そのもの。
世界中から集めてきた 建築資材をピンポイントで一カ所に集めて施 工している。
二〇年も前からわれわれが自ら 調達物流を手掛けてきた理由の一つは、いぶ し銀のような技術をもった地方の資材メーカ ーの製品を使いたかったからだ。
彼らは物流 の手段をもっていなかった」とミサワの物流 の基本的な考え方を説明する。
しかし近年、国内の住宅着工件数は減る一 方だ。
ミサワが扱う物件もピーク時に比べる と半減している。
自分たちの仕事だけでコス ト効率を高めていくのはもはや現実的ではな い。
それよりも外販に打って出ることで物量 を増やし、自身の物流効率を高めていく道を ミサワは選択した。
昨年一〇月に社内プロジェクトを組んだこ とが、CSロジを設立する第一歩になった。
道官氏をプロジェクトリーダーとする三人が徹 今年6月、物流子会社を新設した。
長尺モノをは じめ荷姿のバラツキの大きい建築資材用に開発した 独自の輸送システムを一般荷主向けに販売する。
調 達から資源回収にまで至るサプライチェーン全域の効 率化を視野に、3年後に外販比率50 %という野心的 な目標を掲げている。
物流子会社 ミサワホーム 独自の「モジュール・パレット」を武器に 子会社設立3年で外販比率50%を目指す CSロジスティクスの社長 を兼務するミサワホームの 道官陽一郎執行役員 47 DECEMBER 2010 底的に市場を調査し、その三カ月後に物流子 会社の新設について竹中宣雄社長にプレゼン を実施。
正式なゴーサインを得た。
パレット単位で輸送費を変動費化 CSロジが営業活動を展開していくうえで 最大の武器は、ミサワの調達物流を高度化す るために独自開発した「モジュール・パレッ ト」を使った仕組みだ。
パレットと呼んでは いるが、フォークリフトで自由に重ねられる 鉄製の移動棚と言ったほうがイメージしやす いかもしれない。
ウィングタイプの一〇トン車の 荷台を八〇分割した容積を基本サ イズ(=一ブロック)とし、形状 によって一ブロック〜六ブロック の容量を持つ九種類のパレットを 開発した。
柱タイプとカゴタイプ があり、同じタイプであれば積み 上げることが可能だ。
建築資材 は長尺モノをはじめ荷姿が特殊で 運びにくいものが多い。
モジュー ル・パレットを使うことで段積み を可能にし、トラックへの積載効 率を高めた。
このモジュール・パレットを効 率的に利用するために「a-net」と 名付けた運行管理システムをウェ ブ上で運用している。
まず資材メ ーカーが、出荷する製品の情報を 「a-net」に入力する。
この内容に 応じてミサワが空パレットを資材 メーカーに送り込み、後日、そこ に積まれた資材をパレットごと引 き取る。
複数種のパレットをいか に効率良く車両に積み合わせるか も「a-net」で計算している。
資材メーカーが入力してきた情報に基づい て、どのタイプのパレットをいくつ使うかが決 まる。
そこから必要な運行車両の台数を算出 し、CSロジが手配する。
車両のうち一定部 多回納品便 資材調達から廃棄物回収までサプライチェーン全域で活動 仕入先 中継基地 工 場 プラットホーム 施工現場 混載多回便 混載多回便 混載多回便 仕入先手配便 仕入先手配便 仕入先手配便 中継基地 調 達 物 流 納 品 物 流 調達物流仕入れ先から資材部品を引 き取り、工場・基地に納品 中継基地 (集荷・中継・納品機能含む) 8拠点 主な納品先 21拠点 主な集荷先 170拠点 資材メーカー間での相互輸送 50拠点 運行トラック台数 (10t車両) 約200台/日 全国配送平均L/T 1.1日 納品物流パネル及び部材を工場・基地 から出荷して施工現場に納品 出荷元 (工場・基地・プラットホーム) 25拠点 0・1次部材(構造体パネル) 必要台数 7〜9台/棟 2・3回次(部材)必要台数 2〜4台/棟 首都圏プラットホーム 利用納品棟数 35棟/月 運行トラック台数(4t車両) 約450台/日 納品輸送L/T 1日 回収物流現場廃棄物を資源 循環センターへ回収 資源循環センター 1拠点 回収DP拠点 8拠点 関東圏の納品棟数 300棟/月 回収車両台数 約40台/日 DP回収運行トラック (10t車両) 約10台/日 回収輸送L/T 1日 動脈物流 中継基地・DP 静脈物流 再資源化業者 廃棄物回収・副産物納品 施工現場 住宅構造材・資材部品 独自のモジュール・パレットは外販の有力な武器 未使用時は重ねて保管 段積みのため脚底部を工夫 全9種類のパレットを活用 10トン車の荷台を80分割 *収集運搬兼用*収集運搬兼用 *収集運搬兼用 ■ M031(1ブロック) ■ M121(4ブロック) ■ M0907(2ブロック) ■ M091(3ブロック) ■ M061(2ブロック) ■ M062(4ブロック) ■ M151(5ブロック) ■ M092(6ブロック) ■ M032(2ブロック) ※詳しくはwww.cs-logi.co.jp参照 DECEMBER 2010 48 分は常傭トラックによる定期便で運行し、そ の他については輸送業者との契約を変動費化 している。
現場で実務を担っている協力物流会社は、 パレットをフォークで動かすだけで原則とし て製品には触れない。
このため製品の破損率 は四万件に一件程度。
こうしたやり方が、低 コストで事故の少ない物流として住宅業界で 評価されてきた。
モジュール・パレットはすべてミサワが作 り、管理している。
過去には自ら作りたがる 資材メーカーや協力物流事業者もいた。
だが パレットの規格が崩れ、メンテナンスが行き届 かなくなることで物流品質が低下するのを危 惧して許可してこなかった。
今後も原則とし て、売上規模の伸びに応じてミサワグループ でパレットを増やしていく方針だ。
規格化が進んでいる標準タイプのパレット の場合、自社の資産であるパレットの流出 や紛失が問題になる。
だがミサワのモジュー ル・パレットにその心配はない。
現状の使い 方ではミサワと資材メーカーの間を行き来す にCSロジを設立する前までの利用企業数は 約一三〇社。
ほぼミサワの調達先だけだった のが、外販を本格化したことで増えた。
物量 がまとまらない遠隔地向けの輸送におけるニ ーズがとくに目立つという。
今年一〇月にミサワの株式の二九・三五% (議決権ベース)を持つ大株主となったトヨタ ホームとの協業も加速している。
今のところ 両社は、営業の最前線では住宅メーカーとし て競合し切磋琢磨しながら、購買や物流など バックヤードでは可能なかぎり相乗りしてい くという方針をとっている。
CSロジにとってはトヨタホーム向けに資 るだけの閉ざされた利用環境にあるため流失 の機会が少ない。
しかも鉄製で重いことから 紛失の悩みはほとんどない。
この仕組みをミサワの調達先以外にも開放 した。
「CSロジは車の中をパレット単位に分 けて営業する。
従来はトラック一台を固定費 で抱えていた荷主の物流を、パレット単位の 契約に置きかえる。
これが荷主のコストを変 動費化することにつながる」と道官氏。
モジュール・パレットを使った輸送システ ムは、ミサワの調達先にすでに浸透している。
資材メーカーにとっては、ミサワ向けにしか 使えない点にこの仕組みの限界があった。
こ れがCSロジの稼働で変わった。
ミサワの物 流グループのマネージャーを兼務しながら、C Sロジの営業開発部長を務めている野村幸史 取締役は次のようにアピールする。
「ミサワとの取引を通じて、CSロジはほ ぼすべての主要資材メーカーのところに製品 を引き取りにいっている。
だからミサワ以外 の住宅メーカーに営業にいくと凄く話が早い。
すぐに『その取引先はうちも一緒だ。
じゃあ 見積もりを出してみて』となる。
資材メーカ ーにとっても、ミサワ以外の販売先に運ぶ製 品の手配が『a-net』に入力するだけで済ませ られるメリットは大きい」 他産業にもサービスを拡大 モジュール・パレットを利用する資材メー カーは現在、約一六〇社を数える。
今年六月 ミサワホーム生産・建設本部 資材物流部の野村幸史 物流担当マネージャー 「見える化」は基本中の基本 仕分けにもパレットを活用 介護用品の輸配送にも威力 出庫を待つ一邸分の資材 「関東物流センター」の構内 49 DECEMBER 2010 材サプライヤーから運ぶ業務が、同社の区分 でいう?外販?を拡大する要因の一つになる。
当面は、ミサワとすでに取引のある資材メー カーを対象に、トヨタホームをはじめとする 住宅メーカー向けの輸送業務を受託すること で事業を拡大していく方針だ。
もっともミサワと同様の季節波動を持つ住 宅資材メーカーの仕事ばかりでは、ミサワ本 体の物流の繁閑差を埋め、親会社の物流を効 率化していくことはできない。
ここをどうや って埋めていくかがCSロジにとっての課題 になる。
そこで自動車産業など他産業の荷主 を回るなかで、意外なところで手応えを得る こともできた。
介護用品の運搬がその一つだ。
家庭で使 う車椅子などは、家の廊下の幅に合わせてサ イズが設定されている。
これが建材を運ぶた めに設計したパレットと非常に親和性が高か った。
近年の介護ビジネスの急拡大で、車椅 子などの需要は急速に膨らんでいる。
しかし、 その形状から低コストで迅速に輸送すること ができず、各地で余計な在庫を抱える状況に 陥っている。
これをCSロジの物流網に載せ れば簡単に運ぶことが可能だ。
探していけば、モジュール・パレットに適 した荷物は他にもたくさんあるとみている。
パレットのレンタル業者からは、「ぜひモジュ ール・パレットをうちでリースしたい」とい った相談も寄せられているという。
(フリージャーナリスト・岡山宏之) 昨年六月、ミサワは「関東物流センター」(千 葉県野田市)の敷地内に、廃棄物の中間処理施 設「関東資源循環センター」を稼働させた。
これ によって、調達物流のための中継基地、建設現場 への納品基地、そして資源循環センターの三つを 一カ所に併設し、調達から回収までを効率的に扱 える物流インフラが完成した。
調達のためのトラックの帰り便を静脈物流に活 用している。
資材メーカーからミサワの工場への 輸送を終えた車両が、一都七県に八カ所設置され た「資源デポ」に立ち寄る。
建設現場からここに 集約しておいた廃棄物を、モジュール・パレット で積み合わせて回収する。
建設現場には事前に、段ボールや木くずなど 一〇種類の廃棄物ごとに入れる回収袋を送り届け ておく。
この袋には顧客情報や内容物を示す二次 元コード(QRコード)が付与されており、どこ の現場で、どのような廃棄物が発生したのかを細 かく管理できるように工夫が施されている。
「資源循環センター」に集められた廃棄物は、 ここでさらに四〇種類に分別する。
施設内の通路 に沿って段ボール、廃プラスチック、木くず、金 属くずなどの処理エリアが並んでおり、それぞれ に情報端末と重量計が配備されている。
各エリア で回収袋のQRコードをスキャンし、内容物の確 認と分別、計量作業を進めていく。
分別ミスなどが見つかった場合は、システムに 登録されて後ほど現場にフィードバックされること になる。
こうして邸別に発生する廃棄物のデータ を詳細に集めることで、より廃棄物の少ない設計 などにつなげていく。
資源循環センターでの処理工程の設計や運営、 作業者の教育などは、すべてミサワの工場出身者 が手掛けている。
トヨタ流の?かんばん方式?な どを駆使したセンター独自の作業フローは、現場 を視察したトヨタホームの首脳からも高く評価さ れているのだという。
パレットごと牽引車で運搬 中央通路に沿って順に分別 廃棄物もパレットで段積み 素材の圧縮や減容まで処理 素材別の分別と計量を徹底 「分別訓練道場」で作業指導 物流拠点に併設された「関東資源循環センター」 廃棄物の処理施設を物流拠点に併設
