2011年1月号
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高速RORO船の上海スーパーエクスプレス日中間の一貫輸送を拡大し?脱・博多〜上海?

41  JANUARY 2011  博多〜上海間で高速RORO船を 週二便運航する上海スーパーエクス プレス(SSE)は、日中間の一貫 輸送サービスを拡充している。
「港か ら港止まりの船会社というイメージを 払拭したい。
そのために、普通の船 会社とは違う取り組みを進めている」 と語るのは寺内昌弘社長。
港から内 陸部へのサービス範囲を広げ、利便 性をアピールしていく考えだ。
 SSEの高速RORO船は博多〜 上海を二八時間で結ぶ。
コンテナ船 と違ってシャーシに載せられた貨物を 自走させる荷役方式をとるため、さ まざまな荷姿の貨物を輸送でき、荷 役のスピードも速い。
また、博多と 上海の両港でバースの優先使用権を 得ており、定時性が高いという。
 この高速RORO船と日本国内の トラック、鉄道などを組み合わせれ ば、日中間を航空輸送と遜色ないリ ードタイムで輸送できる。
例えば東 京〜上海間はコンテナ船ではトータ ルで一週間程度掛かるのに対し、S SEでは三〜四日という(図)。
し かもコストは航空輸送の半額以下と いうのが特徴となっている。
 中でも現在、SSEが力を入れて いるのが日本国内で鉄道輸送を利用 する「シー&レール」輸送。
同社の 顧客は首都圏と関西が中心だが、国 内で利用されている輸送モードは主 にトラック輸送だ。
トラックよりも安 定性が高くCO2排出量も削減できる シー&レールの使い勝手を高めるた め、この一年、ボトルネックの解消 に取り組んできた。
 まず、二〇〇九年十一月に空コン テナデポを東京、横浜、名古屋、大 阪に新設し、輸出用コンテナの供給 を開始した。
それ以前は空コンテナの 供給は博多港のみで行っており、首 都圏などの荷主は貨物をいったん同 港まで運んでバンニング(コンテナ詰 め)しなければ ならなかったが、 出荷元でのバン ニングが可能に なった。
 次に一貫輸 送体制の確立だ。
そのために二〇 一〇年三月、第 二種貨物利用運 送事業(鉄道、内 航海運)の許可 を取得した。
対 象の貨物駅は札 幌、仙台、東京、 大阪、福岡など の七駅。
続いて 同年九月、JR 貨物の東京貨物 ターミナルに内 陸CY(コンテ ナヤード: 本船 に積み降ろすコ ンテナ貨物の保管・受け渡しをする 保税地域)を開設した。
 これらによって自社スルーB/L (通し船荷証券:複合一貫輸送です べての運送区間を単一責任でカバー する船荷証券)を発行し、自ら博多 〜東京間で国際輸送用のISOコン テナを鉄道を利用して輸送する体制 を整えた。
今後は国内のCYを増設 し、首都圏以外の利便性を高める考 えだ。
 一方、中国側でも内陸への輸送サ ービスを拡充している。
日本からの 輸出貨物を上海港から内陸部にトラ ックで保税転送する「直通点サービ ス」の仕向け地を増やした。
これま で蘇州、杭州、無錫など江蘇省、浙 江省の主要都市に向けて行っていた が、一〇年九月に安徽省・合肥を追 加した。
 合肥向けは江蘇省、浙江省の他都 市と同様、最短で上海入港の翌日に 輸送するため、東京からのリードタ イムは五日程度となる。
 寺内社長は「博多〜上海のローカ ルサービスだけではなく、全中国、全 日本を見据えて利便性を高めたい」 と語る。
スピードと定時性、コストの メリットを生かし、一貫輸送の利用 拡大を目指す。
      (梶原) 高速RORO船の上海スーパーエクスプレス 日中間の一貫輸送を拡大し?脱・博多〜上海? 高速RORO 船と国内鉄道輸送を組み合わせた「シー&レール」輸送の 輸入スケジュール(一例) 輸入:上海→東京 火曜日 水曜日 木曜日 未明:上海出港午前:博多入港 福岡出発 東京到着 15 時頃貨物搬出 金曜日 土曜日 日曜日 月曜日 未明:上海出港午前:博多入港 福岡出発 東京到着8 時半頃貨物搬出 輸出:東京→上海 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 17 時:貨物搬入締切 東京出発 福岡到着午前:博多出港午後:上海入港 金曜日 土曜日 日曜日 月曜日 14 時:貨物搬入締切 東京出発 福岡到着 夕方:博多出港 早朝:上海入港

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