2011年6月号
ARC
ARC
不況から立ち直る輸送管理システム(TMS)市場
JUNE 2011 74
不況から立ち直る
輸送管理システム(TMS)市場
T M S( Transportation Management
Systems =輸送管理システム)市場はグローバ
ル不況から立ち直った。
二〇一〇年、市場はイ ンフレ率を大きく上回る成長を示したのである。
この成長の勢いは二〇一五年まで続くものと予 測される。
「この市場の成長を牽引しているのは、依然 としてネットワークを活用するマルチテナント・ ソリューションである」 ARCの『輸送管理システムの世界市場動向 調査( Transportation Management Systems Worldwide Outlook : Market Analysis and Forecast through 2015)』の主著者である、サ プライチェーン管理担当役員のスティーブ・バ ンカーはそう語る。
TMS市場の鍵となるのは 計画立案と実行 ARCではTMS市場を三つのアプリケーシ ョン分野に分けている。
その一つ“計画立案と 実行”ソリューションは、自分たちの荷物を運 送会社を利用して運ぶ荷主が使うエンドツーエ ンドの輸送システムである。
“フリート管理”は、 効率的かつ効果的に運用する必要がある輸送車 両を持つ荷主や運送会社向けのエンドツーエン ド・ソリューションである。
また、エンドツー エンドの輸送プロセスの一部分だけをカバーす るさまざまなシステムは、“ポイント・ソリュー ション”と総称される。
このうちTMSと言えば多くの人は計画立案 と実行システムを思い浮かべる。
実際この分野 こそ市場規模が一番大きく、なおかつもっとも 成長率が高いのである。
ネットワークの活用 輸送とは本質的に複数のパートナーとの協 働作業である。
ネットワーク型ソリューション、 とりわけマルチテナントアーキテクチャをベース とするSaaS型ソリューションには以下の特 徴がある。
?パートナーとの高品質な電子通信 EDIに伴うデータクレンジングは面倒な作 業であるため、荷主の多くはアウトソーシング したいと考えている。
本コーナーでは米国の大手調査会社、ARCアドバイ ザリーグループの市場報告書について紹介している。
今回は輸送管理システム(TMS)市場についての レポートを取り上げる。
(年) ©2011 ARC Advisory Group TMS(輸送管理システム)の世界市場 2010 2011 2012 2013 2014 2015 75 JUNE 2011 ?代替パートナーへの迅速な切り替え あるルートでいつも利用しているサプライヤ ーが必ずしも適切に業務を遂行するとは限らな いし、あるいは難しい注文を受け付けてくれな いこともあるだろう。
荷主はそのルートで新た な運送会社をすぐに見つける必要に迫られるこ とがある。
ネットワーク型のソリューションに おいては、それがはるかに容易になる。
?調達業務の効率化 運送会社が入札の最適化エンジンにデータ入 力をする際には、別の荷主の入札時にも打ち込 む重複データが多い。
ネットワーク型では共通 するデータを何度も入力する手間を省くことが できる。
?料金確認と支払プロセスの改善 入札が成立したあと、第三者的なネットワー クでは契約データを客観的に検証することがで きる。
したがって料金確認と支払のプロセスで の間違いが発生しにくくなる。
?ネットワークからのデータを活用したベンチ マーキングデータ 多くのサプライヤーは、あるルートにおける キャパシティがどうなっているかについてレポ ートすることに同意をしている。
サプライヤー によってはルート毎の平均コストを公開するこ とを検討している。
同一条件下での比較ではな いので、ルート毎の平均コストはベンチマーク とはなり得ないと主張するサプライヤーもいる。
データの出所を秘密にすることを条件とした顧 客データの使用契約にサインする機会が、TM Sサプライヤーには今後ますます増えていくだ ろう。
マルチテナント・ソリューションが、ファイア ーウォールに守られた従来型のものと同等の豊 富な機能を提供できるかについては、いろいろ 否定的な意見がある。
ネットワーク型TMSの サプライヤーの多くは、自分たちのソリューシ ョンがファイアーウォールに守られた計画立案・ 実行ソリューションほどには機能が充実してい ないことを公式に、あるいは非公式に認めている。
しかしながら大手サプライヤーの二社は、自 分たちのネットワーク型ソリューションは従来型 とくらべ遜色ない機能を備えていると主張して いる。
両社ともアークテクチャがそれを可能に していると言う。
一方、大手の一部は、シング ルテナント・アーキテクチャをベースとした多機 能のソリューションを提供している。
オラクル などの大手サプライヤーは、実行系については ネットワークソリューション・プロバイダーを利 用して運用するために彼らと提携をしているが、 計画立案系はファイアーウォールに守られたま まである。
オラクルのネットワークパートナーは E2openである。
二〇一〇年、市場はイ ンフレ率を大きく上回る成長を示したのである。
この成長の勢いは二〇一五年まで続くものと予 測される。
「この市場の成長を牽引しているのは、依然 としてネットワークを活用するマルチテナント・ ソリューションである」 ARCの『輸送管理システムの世界市場動向 調査( Transportation Management Systems Worldwide Outlook : Market Analysis and Forecast through 2015)』の主著者である、サ プライチェーン管理担当役員のスティーブ・バ ンカーはそう語る。
TMS市場の鍵となるのは 計画立案と実行 ARCではTMS市場を三つのアプリケーシ ョン分野に分けている。
その一つ“計画立案と 実行”ソリューションは、自分たちの荷物を運 送会社を利用して運ぶ荷主が使うエンドツーエ ンドの輸送システムである。
“フリート管理”は、 効率的かつ効果的に運用する必要がある輸送車 両を持つ荷主や運送会社向けのエンドツーエン ド・ソリューションである。
また、エンドツー エンドの輸送プロセスの一部分だけをカバーす るさまざまなシステムは、“ポイント・ソリュー ション”と総称される。
このうちTMSと言えば多くの人は計画立案 と実行システムを思い浮かべる。
実際この分野 こそ市場規模が一番大きく、なおかつもっとも 成長率が高いのである。
ネットワークの活用 輸送とは本質的に複数のパートナーとの協 働作業である。
ネットワーク型ソリューション、 とりわけマルチテナントアーキテクチャをベース とするSaaS型ソリューションには以下の特 徴がある。
?パートナーとの高品質な電子通信 EDIに伴うデータクレンジングは面倒な作 業であるため、荷主の多くはアウトソーシング したいと考えている。
本コーナーでは米国の大手調査会社、ARCアドバイ ザリーグループの市場報告書について紹介している。
今回は輸送管理システム(TMS)市場についての レポートを取り上げる。
(年) ©2011 ARC Advisory Group TMS(輸送管理システム)の世界市場 2010 2011 2012 2013 2014 2015 75 JUNE 2011 ?代替パートナーへの迅速な切り替え あるルートでいつも利用しているサプライヤ ーが必ずしも適切に業務を遂行するとは限らな いし、あるいは難しい注文を受け付けてくれな いこともあるだろう。
荷主はそのルートで新た な運送会社をすぐに見つける必要に迫られるこ とがある。
ネットワーク型のソリューションに おいては、それがはるかに容易になる。
?調達業務の効率化 運送会社が入札の最適化エンジンにデータ入 力をする際には、別の荷主の入札時にも打ち込 む重複データが多い。
ネットワーク型では共通 するデータを何度も入力する手間を省くことが できる。
?料金確認と支払プロセスの改善 入札が成立したあと、第三者的なネットワー クでは契約データを客観的に検証することがで きる。
したがって料金確認と支払のプロセスで の間違いが発生しにくくなる。
?ネットワークからのデータを活用したベンチ マーキングデータ 多くのサプライヤーは、あるルートにおける キャパシティがどうなっているかについてレポ ートすることに同意をしている。
サプライヤー によってはルート毎の平均コストを公開するこ とを検討している。
同一条件下での比較ではな いので、ルート毎の平均コストはベンチマーク とはなり得ないと主張するサプライヤーもいる。
データの出所を秘密にすることを条件とした顧 客データの使用契約にサインする機会が、TM Sサプライヤーには今後ますます増えていくだ ろう。
マルチテナント・ソリューションが、ファイア ーウォールに守られた従来型のものと同等の豊 富な機能を提供できるかについては、いろいろ 否定的な意見がある。
ネットワーク型TMSの サプライヤーの多くは、自分たちのソリューシ ョンがファイアーウォールに守られた計画立案・ 実行ソリューションほどには機能が充実してい ないことを公式に、あるいは非公式に認めている。
しかしながら大手サプライヤーの二社は、自 分たちのネットワーク型ソリューションは従来型 とくらべ遜色ない機能を備えていると主張して いる。
両社ともアークテクチャがそれを可能に していると言う。
一方、大手の一部は、シング ルテナント・アーキテクチャをベースとした多機 能のソリューションを提供している。
オラクル などの大手サプライヤーは、実行系については ネットワークソリューション・プロバイダーを利 用して運用するために彼らと提携をしているが、 計画立案系はファイアーウォールに守られたま まである。
オラクルのネットワークパートナーは E2openである。
