2011年10月号
SOLE
SOLE
非定常プロジェクトのWBS─課題設定とWBS展開─
SOLE 日本支部フォーラムの報告
The International Society of Logistics
OCTOBER 2011 74
前回、経営機能展開とW B S
(Work Breakdown Structure)法に
ついて述べたのに続き、今回は課題
設定を中心に、非定常型プロジェク
トのWBSを改めて考えてみたい。
今の日本が置かれた状況は、関東 大震災後の低迷期や第二次世界大戦 終結後の混乱期を彷彿とさせる。
家 も生活も仕事も、何もかもなくなっ た。
東日本大震災後の政府、行政の もたもたぶりは目に余る。
課題の設 定、迅速な計画、機動的かつ実のあ るプロジェクト編成が今ほど望まれる 時代はない。
(日本能率協会コンサルティング 中 森清美) 1.たった一つの部品の重要性 東日本大震災では、部品や素材の 供給が止まり、産業全体に深刻な影 響を及ぼした。
サプライチェーン・マ ネジメントと言いながら、結果的には サプライチェーンのマネジメントがま ったくといっていいほどできていない ことが判明した。
原発の安全神話と 同様に掛け声だけだったのである。
被災地に向けた救援物資の供給で も、ペットボトルのキャップがないた めにボトル入りミネラルウォーターを 生産できないというアクシデントが起 きた。
配送面ではトラック協会の協 力は得られたが、肝心の軽油がない という事態が起きた。
このような場 合でも、あらかじめ部品構成表がで きていて、指先唱呼のごとく、「あれ はよし、これもよし」と一つひとつ チェックする気持ちが必要である。
部 品一つがなくなってもシステムは動か なくなってしまう。
東京電力の原発の神を鎮めるための 補修作業でも、部品の取り付けミス や、初歩的なミスが起きている。
ま さに何をすべきかのマニュアルもなけ れば、やるべき作業の一覧も展開さ れておらず、素人を使って修復作業 を進めていたのである。
WBSは、基本的には業務の展開 であるが、このようなス トラクチャー表示は、部 品の展開、コストの内訳、 品質性能の展開、故障 モードの展開、リスクの 列挙などにも応用される。
これらの構成表の利点は、 その構成が一目瞭然とわ かり、きわめて便利であ ること、また抜け落ちが 発見しやすくなることで ある。
2.課題の抽出と設定 重ねていうが、W B Sは基本的には作業の展 開であり、何をすべきか の作業の一覧である。
こ の作業の展開をするには、 まず何を課題にし、その課題解決の ために、どんな作業をするのかが明 らかでなければならない。
したがっ てまず課題の展開が必要である。
はじめに「課題とは何か」につい て考えてみよう。
課題とは、単なる 問題ではない。
困っていることでも ない。
「やるべき仕事」のことである と考えた方がよい。
課題の作成には、 二つ見方がある。
一つはトラブルの問 題である。
もう一つは、あるべき姿 を求めるための課題である。
復元的 問題と革新的問題である。
直してほ しいことと根本問題の解決である。
今回の震災の例でいえば、被害者 の救済や復旧は、主にトラブルの解消 であるが、復興作業にはトラブル解 消のみでなく、二度とこのようなこ とが起こらないようにすることや更 なる発展を目した振興策を盛り込む ことが必要である。
例えば人口の減 少が起きているのにどう対処するの か、土壌汚染問題をどう解決するの か、などである。
土地をひっくり返 す以外の方策も考え、投資効率を考 えるべきである。
非定常プロジェクトのWBS ─課題設定とWBS展開─ 受注のあり方 指示の明確化 未決事項の早期決定 各課への作業指示は的確か スケジュール管理の徹底 準備は早めに スムーズな校正を クロスオーバーな編集作業を 写真・印刷製本までトンボは関わる 写真の寸出しは尺ほど大事 新機種の導入 材料を使い易く整理する 作業スペースの新規導入 スキャナーの新規導入 補助設備の導入 クセを見抜いた機種設定 早い立ち上がりで 助け合い 楽をしよう 体力をつけよう 図1 受注から製品までのフローチャート (受注) (入稿) (作業指示)(資材手配) (版下) (刷版) (製品) 顧客 営業 管理 企画・組番・デザイン 写真・製版 印刷 製本 顧客 (校正) (色校正) 75 OCTOBER 2011 理学的には絶対起きないことも、管 理上の問題やマネジメント上の問題で 起こり、安全を脅かすのである。
しかもそれを管理・監督する原子 力安全委員会が、原子力行政を推進 する立場の原子力委員会の下にあり、 機能していなかった。
今回も組織的 には同様になっている。
たとえば、非 常電源装置が地下に造られていたこ とについて、アメリカの原子力専門 家は明らかに設計ミスだと言っている。
それを東電も経産省も安全委員会も みな、等閑視していた。
日本の官僚 機構は何ら改善されていなかったので ある。
「問題」の解明・解決には、作業 上の問題や技術上の問題のみならず、 管理上や仕組み上の問題、経営上の 問題にわけて議論し、原因を究明す べきなのである。
その方法の一つと して、仕事の行われていく手順や工 程にしたがって、どうすればよいか を検討する方法がある。
図1にその 例を示す。
3.仕事の分解がWBS 課題が明確になれば、次にその課 題を解決するための手順(Step)、作 業(Work)を展開する。
課題─手順 ─作業に分解していくのである。
W BSは作業が明確になるまで分解す るのが原則である。
タスクの分解のレ 後藤新平のような革新的リーダーの出 現が望まれる。
「問題」についての別の側面を述べ る。
問題には、当面の問題と長期的 問題や将来の問題とがある。
今回の 震災では、救命、避難、被害者救済、 復旧作業は当面の急ぐべき課題であ ると位置付けられ、とにかく「速効」 の「作業」が重視される。
これに対して、復興問題は大局 的判断が必要とされ、計画が重要に なる。
一個人の問題としてではなく、 市町村や将来の街づくりをどうする か。
原発の問題で言えば、当面は原 子炉の鎮静化が必要であるが、長期 的には土地汚染の問題、核廃棄物の 最終処分問題を一体どうするのかと いうことを解決しなければならない。
児童の安全のためには校庭の土を五 センチ削り取ればいいとは言うが、削 った土は最後はどうなるのか。
企業や行政機関などの問題点は根 が深い。
個々の問題、すなわち作業 的な問題のみならず、制度上の問題 や管理者・責任者のマネジメント上 の問題を明らかにする必要がある。
一九九九年に発生した茨城県・東 海村の原子炉災害の場合をみてみる。
原子力の専門家は臨界事故は絶対に 起きないと言っていた。
それが起き てしまった。
人為的ミスの問題を甘く 見ていた。
別の言い方をすれば、物 阪神・淡路大震災では、復旧・復 興は成せたが、振興という意味では不 十分であった。
特に神戸港の地盤沈 下の例が挙げられる。
そのようなこと にならないよう、今回の震災はあえ てチャンスと捉え、革新的な取り組み を行う必要がある。
家屋の崩壊、土 地の沈下・汚染による使用困難。
こ の際、知恵を発揮して思い切った革新 的な対策を採り、世界のモデル都市と なるべく、産業の改革と町づくりを 行ってほしい。
関東大震災のときの Phase 使命・目的・目標期間STEP TASK 明細手段体制・機関 2 救済支援被害者を救済する ※避難所にいる人 (2500カ所) ※自宅 ※その他 1日〜数カ月1 2 3 4 5 6 7 体制作り 救済計画 情報収集 誰が どこに 何を支援 (孤立者探し) 救援物資手配 救援者手配 救援物資配送 現地配布 補給・現品管理 上記サイクルを回す 現地情報把握 緊急予算づくり 発信 ニーズ把握 電気・ガス・電話 交通状況把握 伝達 集計・マップ 生活必需品 必要数集計 どんな人 人数 派遣依頼 道路確保 トラック 荷造り 配送 小口運搬 開梱包 配布 漏れ確認 水・食料 連絡用具 医療用具 寝具・衣類 光熱品 トイレ・ゴミ ルート確認 運転手 地図 燃油 海上輸送 空輸 陸送 手渡し 二次被害の防止 図2 フェーズ別WBS 作成事例 OCTOBER 2011 76 みる。
課題の位置付けから、方策展開、 更に業務分解までの手順を図3に示 す。
1.Phase別に、課題を明確にする 2.当面の問題処理と大局的な革新 課題を明確にする 3.課題解決の手順を明らかにする 4.手順ごとにやるべきTaskを明ら かにし、Action Planをつくる。
5.思いきった改革の発想と当事者 とのコンセンサス作りが重要であ る。
見できるようにすることが必要であ る。
今回の震災では、この全体の俯瞰 が十分にできていないがために対応 がもたもたしていたし、後追い作業 がしばしば発生したのである。
また 細かい作業レベルまでの分解では、現 場からの意見も吸い上げる必要があ る。
このWBSができていれば、各 省庁間の調整や市町村と県、国との 調整にも役に立つ。
WBSができれば、次にスケジュ ール化、予算編成、機関間の業務分 担、作業指示などが可能になってく る。
WBS作成のルールは次の通り。
?WBSは、作業が明確になるまで 分割する ?タスク(分割された最後の作業)の スケジュールやネットワーク(アク ションプラン)を組めることが望ま しい ?時間の経過(プロジェクトの進行) に従って、WBSの深さも広さも 拡大していく ?タスクの分割の数は、必ずしも限定 しない。
いくつに分割しても良い ?日常繰り返す作業は、過度に細分 化しない 4.まとめ 以上、述べてきたことをまとめて e. 主体となる機関や組織部門 f. その他、顧客や目的機能別など 通常は、それぞれの領域別に課題 を列挙する。
課題を出すに当たって は、専門家の意見を聞く、顧客のニ ーズを調べる、などを行う。
課題は、 組織体制づくり、技術的問題点、制 度上の制約の問題、人の問題などに 抽出する。
課題が明確に展開できて くれば、次にその課題を解決するた めの方法、方策を挙げる。
これには 専門家や経験者の意見や当事者から のアイデアを求める。
図2は東日本大震災を例にして、 WBS展開を試みたものである。
こ の表では、まだ作業レベルまで展開 していない。
おそらくあと二〜三段 階まで深く展 開すべきである が、理解して いただくため にこのレベルの ものをあえて提 示した。
作業 者や担当者に は作業レベル まで、計画管 理する人にと っては全体を 俯瞰し、何が 足りないかを発 ベルに限界はない。
必要なレベルまで 展開する。
東日本大震災を例に、以下簡単 にWBS展開法について述べる。
ま ず、プロジェクト全体を大きな局面 (Phase) として区分し、Phase 1 :救命救助、Phase 2:被災者救援、 Phase 3:被災地復旧、Phase 4‥‥、 などにわける。
これは、なすべき仕 事の使命、目的、参画メンバー、期 間が異なるからである。
次に、Phase ごとに、仕事を分割する。
そのわけ 方には以下のような視点がある。
a. 仕事の流れ b. 製品またはシステムの構成要素 c. 対象地域や対象産業領域 d. 作業の種類や専門技術 次回フォーラムのお知らせ 次回フォーラムは10月3日(月)、「SOLE 日本支部2011年総会」を予定している。
「事業・仕事を磨く『ロジスティクスという 方法』〜国際工程管理を目指す『ワークシス テム工学』」をテーマに意見交換を行い、今 後の活動計画を策定する。
このフォーラムは 年間計画に基づいて運用しているが、単月 のみの参加も可能。
1回の参加費は6,000 円。
ご希望の方は事務局(s-sogabe@mbb. nifty.ne.jp)までお問い合わせ下さい。
※ S O L E(The International Society of Logistics:国際ロジスティクス学会)は一九六 〇年代に設立されたロジスティクス団体。
米国 に本部を置き、会員は五一カ国・三〇〇〇〜 三五〇〇人に及ぶ。
日本支部では毎月「フォー ラム」を開催し、講演、研究発表、現場見学 などを通じてロジスティクス・マネジメントに 関する活発な意見交換、議論を行っている。
図3 課題の位置付けとその展開 課題解決プロジェクト Level ー3 目標 課題探索型 使命分解 Level ー2 目標限定型 Level ー1 手段限定型 方策 A 方策 C 方策 D 代案 a 代案 b 代案 d システム分解 方策 B 業務分解 代案 c 機能 ? 機能 ? 機能 ? 機能 ? 機能 ? 評価 評価 評価
今の日本が置かれた状況は、関東 大震災後の低迷期や第二次世界大戦 終結後の混乱期を彷彿とさせる。
家 も生活も仕事も、何もかもなくなっ た。
東日本大震災後の政府、行政の もたもたぶりは目に余る。
課題の設 定、迅速な計画、機動的かつ実のあ るプロジェクト編成が今ほど望まれる 時代はない。
(日本能率協会コンサルティング 中 森清美) 1.たった一つの部品の重要性 東日本大震災では、部品や素材の 供給が止まり、産業全体に深刻な影 響を及ぼした。
サプライチェーン・マ ネジメントと言いながら、結果的には サプライチェーンのマネジメントがま ったくといっていいほどできていない ことが判明した。
原発の安全神話と 同様に掛け声だけだったのである。
被災地に向けた救援物資の供給で も、ペットボトルのキャップがないた めにボトル入りミネラルウォーターを 生産できないというアクシデントが起 きた。
配送面ではトラック協会の協 力は得られたが、肝心の軽油がない という事態が起きた。
このような場 合でも、あらかじめ部品構成表がで きていて、指先唱呼のごとく、「あれ はよし、これもよし」と一つひとつ チェックする気持ちが必要である。
部 品一つがなくなってもシステムは動か なくなってしまう。
東京電力の原発の神を鎮めるための 補修作業でも、部品の取り付けミス や、初歩的なミスが起きている。
ま さに何をすべきかのマニュアルもなけ れば、やるべき作業の一覧も展開さ れておらず、素人を使って修復作業 を進めていたのである。
WBSは、基本的には業務の展開 であるが、このようなス トラクチャー表示は、部 品の展開、コストの内訳、 品質性能の展開、故障 モードの展開、リスクの 列挙などにも応用される。
これらの構成表の利点は、 その構成が一目瞭然とわ かり、きわめて便利であ ること、また抜け落ちが 発見しやすくなることで ある。
2.課題の抽出と設定 重ねていうが、W B Sは基本的には作業の展 開であり、何をすべきか の作業の一覧である。
こ の作業の展開をするには、 まず何を課題にし、その課題解決の ために、どんな作業をするのかが明 らかでなければならない。
したがっ てまず課題の展開が必要である。
はじめに「課題とは何か」につい て考えてみよう。
課題とは、単なる 問題ではない。
困っていることでも ない。
「やるべき仕事」のことである と考えた方がよい。
課題の作成には、 二つ見方がある。
一つはトラブルの問 題である。
もう一つは、あるべき姿 を求めるための課題である。
復元的 問題と革新的問題である。
直してほ しいことと根本問題の解決である。
今回の震災の例でいえば、被害者 の救済や復旧は、主にトラブルの解消 であるが、復興作業にはトラブル解 消のみでなく、二度とこのようなこ とが起こらないようにすることや更 なる発展を目した振興策を盛り込む ことが必要である。
例えば人口の減 少が起きているのにどう対処するの か、土壌汚染問題をどう解決するの か、などである。
土地をひっくり返 す以外の方策も考え、投資効率を考 えるべきである。
非定常プロジェクトのWBS ─課題設定とWBS展開─ 受注のあり方 指示の明確化 未決事項の早期決定 各課への作業指示は的確か スケジュール管理の徹底 準備は早めに スムーズな校正を クロスオーバーな編集作業を 写真・印刷製本までトンボは関わる 写真の寸出しは尺ほど大事 新機種の導入 材料を使い易く整理する 作業スペースの新規導入 スキャナーの新規導入 補助設備の導入 クセを見抜いた機種設定 早い立ち上がりで 助け合い 楽をしよう 体力をつけよう 図1 受注から製品までのフローチャート (受注) (入稿) (作業指示)(資材手配) (版下) (刷版) (製品) 顧客 営業 管理 企画・組番・デザイン 写真・製版 印刷 製本 顧客 (校正) (色校正) 75 OCTOBER 2011 理学的には絶対起きないことも、管 理上の問題やマネジメント上の問題で 起こり、安全を脅かすのである。
しかもそれを管理・監督する原子 力安全委員会が、原子力行政を推進 する立場の原子力委員会の下にあり、 機能していなかった。
今回も組織的 には同様になっている。
たとえば、非 常電源装置が地下に造られていたこ とについて、アメリカの原子力専門 家は明らかに設計ミスだと言っている。
それを東電も経産省も安全委員会も みな、等閑視していた。
日本の官僚 機構は何ら改善されていなかったので ある。
「問題」の解明・解決には、作業 上の問題や技術上の問題のみならず、 管理上や仕組み上の問題、経営上の 問題にわけて議論し、原因を究明す べきなのである。
その方法の一つと して、仕事の行われていく手順や工 程にしたがって、どうすればよいか を検討する方法がある。
図1にその 例を示す。
3.仕事の分解がWBS 課題が明確になれば、次にその課 題を解決するための手順(Step)、作 業(Work)を展開する。
課題─手順 ─作業に分解していくのである。
W BSは作業が明確になるまで分解す るのが原則である。
タスクの分解のレ 後藤新平のような革新的リーダーの出 現が望まれる。
「問題」についての別の側面を述べ る。
問題には、当面の問題と長期的 問題や将来の問題とがある。
今回の 震災では、救命、避難、被害者救済、 復旧作業は当面の急ぐべき課題であ ると位置付けられ、とにかく「速効」 の「作業」が重視される。
これに対して、復興問題は大局 的判断が必要とされ、計画が重要に なる。
一個人の問題としてではなく、 市町村や将来の街づくりをどうする か。
原発の問題で言えば、当面は原 子炉の鎮静化が必要であるが、長期 的には土地汚染の問題、核廃棄物の 最終処分問題を一体どうするのかと いうことを解決しなければならない。
児童の安全のためには校庭の土を五 センチ削り取ればいいとは言うが、削 った土は最後はどうなるのか。
企業や行政機関などの問題点は根 が深い。
個々の問題、すなわち作業 的な問題のみならず、制度上の問題 や管理者・責任者のマネジメント上 の問題を明らかにする必要がある。
一九九九年に発生した茨城県・東 海村の原子炉災害の場合をみてみる。
原子力の専門家は臨界事故は絶対に 起きないと言っていた。
それが起き てしまった。
人為的ミスの問題を甘く 見ていた。
別の言い方をすれば、物 阪神・淡路大震災では、復旧・復 興は成せたが、振興という意味では不 十分であった。
特に神戸港の地盤沈 下の例が挙げられる。
そのようなこと にならないよう、今回の震災はあえ てチャンスと捉え、革新的な取り組み を行う必要がある。
家屋の崩壊、土 地の沈下・汚染による使用困難。
こ の際、知恵を発揮して思い切った革新 的な対策を採り、世界のモデル都市と なるべく、産業の改革と町づくりを 行ってほしい。
関東大震災のときの Phase 使命・目的・目標期間STEP TASK 明細手段体制・機関 2 救済支援被害者を救済する ※避難所にいる人 (2500カ所) ※自宅 ※その他 1日〜数カ月1 2 3 4 5 6 7 体制作り 救済計画 情報収集 誰が どこに 何を支援 (孤立者探し) 救援物資手配 救援者手配 救援物資配送 現地配布 補給・現品管理 上記サイクルを回す 現地情報把握 緊急予算づくり 発信 ニーズ把握 電気・ガス・電話 交通状況把握 伝達 集計・マップ 生活必需品 必要数集計 どんな人 人数 派遣依頼 道路確保 トラック 荷造り 配送 小口運搬 開梱包 配布 漏れ確認 水・食料 連絡用具 医療用具 寝具・衣類 光熱品 トイレ・ゴミ ルート確認 運転手 地図 燃油 海上輸送 空輸 陸送 手渡し 二次被害の防止 図2 フェーズ別WBS 作成事例 OCTOBER 2011 76 みる。
課題の位置付けから、方策展開、 更に業務分解までの手順を図3に示 す。
1.Phase別に、課題を明確にする 2.当面の問題処理と大局的な革新 課題を明確にする 3.課題解決の手順を明らかにする 4.手順ごとにやるべきTaskを明ら かにし、Action Planをつくる。
5.思いきった改革の発想と当事者 とのコンセンサス作りが重要であ る。
見できるようにすることが必要であ る。
今回の震災では、この全体の俯瞰 が十分にできていないがために対応 がもたもたしていたし、後追い作業 がしばしば発生したのである。
また 細かい作業レベルまでの分解では、現 場からの意見も吸い上げる必要があ る。
このWBSができていれば、各 省庁間の調整や市町村と県、国との 調整にも役に立つ。
WBSができれば、次にスケジュ ール化、予算編成、機関間の業務分 担、作業指示などが可能になってく る。
WBS作成のルールは次の通り。
?WBSは、作業が明確になるまで 分割する ?タスク(分割された最後の作業)の スケジュールやネットワーク(アク ションプラン)を組めることが望ま しい ?時間の経過(プロジェクトの進行) に従って、WBSの深さも広さも 拡大していく ?タスクの分割の数は、必ずしも限定 しない。
いくつに分割しても良い ?日常繰り返す作業は、過度に細分 化しない 4.まとめ 以上、述べてきたことをまとめて e. 主体となる機関や組織部門 f. その他、顧客や目的機能別など 通常は、それぞれの領域別に課題 を列挙する。
課題を出すに当たって は、専門家の意見を聞く、顧客のニ ーズを調べる、などを行う。
課題は、 組織体制づくり、技術的問題点、制 度上の制約の問題、人の問題などに 抽出する。
課題が明確に展開できて くれば、次にその課題を解決するた めの方法、方策を挙げる。
これには 専門家や経験者の意見や当事者から のアイデアを求める。
図2は東日本大震災を例にして、 WBS展開を試みたものである。
こ の表では、まだ作業レベルまで展開 していない。
おそらくあと二〜三段 階まで深く展 開すべきである が、理解して いただくため にこのレベルの ものをあえて提 示した。
作業 者や担当者に は作業レベル まで、計画管 理する人にと っては全体を 俯瞰し、何が 足りないかを発 ベルに限界はない。
必要なレベルまで 展開する。
東日本大震災を例に、以下簡単 にWBS展開法について述べる。
ま ず、プロジェクト全体を大きな局面 (Phase) として区分し、Phase 1 :救命救助、Phase 2:被災者救援、 Phase 3:被災地復旧、Phase 4‥‥、 などにわける。
これは、なすべき仕 事の使命、目的、参画メンバー、期 間が異なるからである。
次に、Phase ごとに、仕事を分割する。
そのわけ 方には以下のような視点がある。
a. 仕事の流れ b. 製品またはシステムの構成要素 c. 対象地域や対象産業領域 d. 作業の種類や専門技術 次回フォーラムのお知らせ 次回フォーラムは10月3日(月)、「SOLE 日本支部2011年総会」を予定している。
「事業・仕事を磨く『ロジスティクスという 方法』〜国際工程管理を目指す『ワークシス テム工学』」をテーマに意見交換を行い、今 後の活動計画を策定する。
このフォーラムは 年間計画に基づいて運用しているが、単月 のみの参加も可能。
1回の参加費は6,000 円。
ご希望の方は事務局(s-sogabe@mbb. nifty.ne.jp)までお問い合わせ下さい。
※ S O L E(The International Society of Logistics:国際ロジスティクス学会)は一九六 〇年代に設立されたロジスティクス団体。
米国 に本部を置き、会員は五一カ国・三〇〇〇〜 三五〇〇人に及ぶ。
日本支部では毎月「フォー ラム」を開催し、講演、研究発表、現場見学 などを通じてロジスティクス・マネジメントに 関する活発な意見交換、議論を行っている。
図3 課題の位置付けとその展開 課題解決プロジェクト Level ー3 目標 課題探索型 使命分解 Level ー2 目標限定型 Level ー1 手段限定型 方策 A 方策 C 方策 D 代案 a 代案 b 代案 d システム分解 方策 B 業務分解 代案 c 機能 ? 機能 ? 機能 ? 機能 ? 機能 ? 評価 評価 評価
