2012年6月号
ARC
ARC
回復に向かう輸送管理システム市場
本コーナーでは米国の大手調査会社、
ARCアドバイザリーグループの市場報
告書について紹介している。
今回は輸送 管理システムとSCMソリューションに ついてのレポートを取り上げる。
回復に向かう輸送管理システム市場 年率九%以上で拡大する SCMソリューション市場 ARCアドバイザリーグループの最新の調 査によれば、他の多くのエンタープライズソ フトウエアと同様、TMS( Transportation Management System :輸送管理システム) 市場は世界的な不況の影響を受けたあと、力 強く回復してきた。
TMSは、企業が荷物を 出荷場所から目的地まで確実に、かつ安く効 率的に運ぶのに役立つシステムである。
ARCでは基本的なソリューションタイプに より、TMS市場を計画・実行系と車両管理 系の二つのセグメントに分類している。
計画・ 実行は運送業者が担う輸送を、車両管理は自 社保有車両が行う輸送のためのTMSである。
「一つの大きなトレンドは、車両管理系に くらべ計画・実行系が引きつづき高い伸び を示していることである。
計画・実行系は 昨年、対前年比で二桁成長した」──AR Cの『輸送管理システムの世界市場動向調 査( Transportation Management Systems Worldwide Outlook: Market Analysis and Forecast through 2016)』の著者でサプライ チェーン・マネジメント担当役員のステゥーブ・ バンカーはそう語る。
欧州景気減速でも成長を予測 不況が終わり、北米における売上は大きく 回復した。
それまで抑えられていた需要がま だ残っているため来年は特に堅調に伸び、そ のあと従来の成長率に徐々に落ち着いていく とARCでは見ている。
一方、欧州の売り上げはまだ戻ってきてい ない。
欧州の景気はふたたび悪化すると考え られており、今後二年間は売上が減少すると 思われる。
しかし、もっとも大きなTMS市 場は北米であり、なおかつ繰り延べされてき た需要がまだ残っていること。
そして他の地域、 特に南米での伸びが大きいことなどから、欧 州での苦戦があったとしても、全体としては TMS市場は成長を続けるものとARCは予 測している。
ARCの調査によれば、SCMソリューシ ョンの世界市場は今後五年間、年平均成長率 九%以上で伸びると予測される。
世界的不況 が一服したあとITへの資本支出が劇的に回 復し、SCMソリューション市場も同様に元に 戻ってきている。
潤沢な資本支出と市場への 信頼感が出てきたことにより、それまで抑え られていた需要が触発され、それがSCMソ リューションの好調な売上げにつながっている。
A R Cの『S C M 世界市場動向調査 JUNE 2012 76 (年) ©2012 ARC Advisory Group TMS の世界市場 2011 2012 2013 2014 2015 2016 ( Supply Chain Management Worldwide Outlook)』の著者でエンタープライズソフト ウエア・アナリストのクリント・ライザーは次 のように語っている「中国、インド、ブラジ ルといった国々でグローバル・サプライチェー ンと生産活動が発展してきていることで、S CMの売上は今後さらに伸びることが期待さ れる。
SCMの普及率がまだまだ低いうえに 経済成長率が高く、ITへの投資額も増えつ づけているこうした新興諸国では、SCMの 売上が大きく伸びるであろう」 需要主導型の普及促進 IT技術の発展により、需要管理と需要 主導型生産・在庫管理の改善が可能となっ た。
生産主導型から需要主導型への移行に伴 い、より頻繁な切り替えと生産サイクルの短 期化が必要とされる。
生産管理・在庫管理ソ リューションがもたらす機敏さがなければこ の移行は成功しない。
企業が製品在庫を需要 に見合うよう維持することに引きつづき注力 しているため、需要管理アプリケーションの販 売は依然堅調である。
これらのアプリケーショ ンを使用すると、数多い在庫場所における多 様な製品の需要を正確に予測できるようになり、 在庫の陳腐化と保有コストを最小限に抑えつ つ、需要に見合った在庫水準を保つことがで きる。
S&OPソリューションが好調 企業は個々のプロセスを統合して経営全体 をより包括的に把握するする努力を続けてい る。
各工場の壁を越えたサプライチェーン全 体の見取り図を獲得するため、企業はER P、SCM、生産管理システムなどを導入し ている。
統合ビジネスプランニングの改善に 向けたハイレベルなマーケットトレンドの一例 が、S&OP( sales & operation planning) である。
S&OPは、統合ビジネスプランニ ングの広範囲にわたる変数間のトレードオフ をシナリオ解析する機能を持つ。
このプロセ スを持つソリューションは今後も好調な販売 が続くであろう。
S&OPによってプランニ ングの範囲が拡大すると、プランニング・プ ロセスが企業の経営層が関与するレベルにま で拡がることになる。
77 JUNE 2012 (年) ©2012 ARC Advisory Group SCM の世界市場 2011 2012 2013 2014 2015 2016
今回は輸送 管理システムとSCMソリューションに ついてのレポートを取り上げる。
回復に向かう輸送管理システム市場 年率九%以上で拡大する SCMソリューション市場 ARCアドバイザリーグループの最新の調 査によれば、他の多くのエンタープライズソ フトウエアと同様、TMS( Transportation Management System :輸送管理システム) 市場は世界的な不況の影響を受けたあと、力 強く回復してきた。
TMSは、企業が荷物を 出荷場所から目的地まで確実に、かつ安く効 率的に運ぶのに役立つシステムである。
ARCでは基本的なソリューションタイプに より、TMS市場を計画・実行系と車両管理 系の二つのセグメントに分類している。
計画・ 実行は運送業者が担う輸送を、車両管理は自 社保有車両が行う輸送のためのTMSである。
「一つの大きなトレンドは、車両管理系に くらべ計画・実行系が引きつづき高い伸び を示していることである。
計画・実行系は 昨年、対前年比で二桁成長した」──AR Cの『輸送管理システムの世界市場動向調 査( Transportation Management Systems Worldwide Outlook: Market Analysis and Forecast through 2016)』の著者でサプライ チェーン・マネジメント担当役員のステゥーブ・ バンカーはそう語る。
欧州景気減速でも成長を予測 不況が終わり、北米における売上は大きく 回復した。
それまで抑えられていた需要がま だ残っているため来年は特に堅調に伸び、そ のあと従来の成長率に徐々に落ち着いていく とARCでは見ている。
一方、欧州の売り上げはまだ戻ってきてい ない。
欧州の景気はふたたび悪化すると考え られており、今後二年間は売上が減少すると 思われる。
しかし、もっとも大きなTMS市 場は北米であり、なおかつ繰り延べされてき た需要がまだ残っていること。
そして他の地域、 特に南米での伸びが大きいことなどから、欧 州での苦戦があったとしても、全体としては TMS市場は成長を続けるものとARCは予 測している。
ARCの調査によれば、SCMソリューシ ョンの世界市場は今後五年間、年平均成長率 九%以上で伸びると予測される。
世界的不況 が一服したあとITへの資本支出が劇的に回 復し、SCMソリューション市場も同様に元に 戻ってきている。
潤沢な資本支出と市場への 信頼感が出てきたことにより、それまで抑え られていた需要が触発され、それがSCMソ リューションの好調な売上げにつながっている。
A R Cの『S C M 世界市場動向調査 JUNE 2012 76 (年) ©2012 ARC Advisory Group TMS の世界市場 2011 2012 2013 2014 2015 2016 ( Supply Chain Management Worldwide Outlook)』の著者でエンタープライズソフト ウエア・アナリストのクリント・ライザーは次 のように語っている「中国、インド、ブラジ ルといった国々でグローバル・サプライチェー ンと生産活動が発展してきていることで、S CMの売上は今後さらに伸びることが期待さ れる。
SCMの普及率がまだまだ低いうえに 経済成長率が高く、ITへの投資額も増えつ づけているこうした新興諸国では、SCMの 売上が大きく伸びるであろう」 需要主導型の普及促進 IT技術の発展により、需要管理と需要 主導型生産・在庫管理の改善が可能となっ た。
生産主導型から需要主導型への移行に伴 い、より頻繁な切り替えと生産サイクルの短 期化が必要とされる。
生産管理・在庫管理ソ リューションがもたらす機敏さがなければこ の移行は成功しない。
企業が製品在庫を需要 に見合うよう維持することに引きつづき注力 しているため、需要管理アプリケーションの販 売は依然堅調である。
これらのアプリケーショ ンを使用すると、数多い在庫場所における多 様な製品の需要を正確に予測できるようになり、 在庫の陳腐化と保有コストを最小限に抑えつ つ、需要に見合った在庫水準を保つことがで きる。
S&OPソリューションが好調 企業は個々のプロセスを統合して経営全体 をより包括的に把握するする努力を続けてい る。
各工場の壁を越えたサプライチェーン全 体の見取り図を獲得するため、企業はER P、SCM、生産管理システムなどを導入し ている。
統合ビジネスプランニングの改善に 向けたハイレベルなマーケットトレンドの一例 が、S&OP( sales & operation planning) である。
S&OPは、統合ビジネスプランニ ングの広範囲にわたる変数間のトレードオフ をシナリオ解析する機能を持つ。
このプロセ スを持つソリューションは今後も好調な販売 が続くであろう。
S&OPによってプランニ ングの範囲が拡大すると、プランニング・プ ロセスが企業の経営層が関与するレベルにま で拡がることになる。
77 JUNE 2012 (年) ©2012 ARC Advisory Group SCM の世界市場 2011 2012 2013 2014 2015 2016
