2012年9月号
特集

Q1. 最近のコンペの傾向を教えて下さい/Q2. 3PL事業の展望と課題について

SEPTEMBER 2012  32 ■三菱化学物流 (コンペの開催数は)一般的には 増加していると思うが、当社の主要荷主業界で は一時期に比べて限定されている。
正式なコンペ 以外にも、取引先やその他関係先を通しての(部 分的な)「物流受託見積書」の提出を求められる ことはよくある。
■伊藤忠ロジスティクス 医薬品物流分野では近 年、コンペの頻度は増加傾向にある。
また、コスト、 品質に対するニーズは高いが、最近ではBCP(事 業継続計画)に対応している事や、海外展開等 を要求する荷主が増加している。
■丸全昭和運輸 (荷主のコンペ開催頻度は主に) 国内荷主=三年毎、海外荷主=一年毎だが、徐々 に契約が長くなってきている。
大きな問題がない 場合、既存業者との交渉による合理化、改善実 施の傾向が見うけられる。
海外から国内、国内か ら海外への一貫物流に対するニーズが増加してい る。
倉庫、物流センターの条件として、耐震構 造から免震構造へとの流れが見られる。
■丸協運輸 (荷主企業は)コストだけではなく、 会社としての信用度を含む品質を重視してきてい る。
下請け業者に丸投げしていないかどうか、ア セット率を気にしている。
事業者見直しによるコ ンペが増えてきている。
■匿名(中堅3PL) (コンペ案件は)一〜四年 の契約期間が多い。
3PL事業は特化型の業界 であり、規模に関わらず各社の強みを発揮できる 余地がある事に変わりはないが、顧客のコスト意 識が高まっている事は間違いない。
■匿名(物流子会社) 震災以降、物流センターが 地域社会のインフラの要であると再認識され、老 朽化への対応やセンター立地の見直しなど、物流 再編機運が高まっている。
一二年四月の高速ツ アーバス事故の重大さに鑑み、安全面における法 令遵守並びに事故防止に向けた積極的な姿勢が 求められている。
■匿名(倉庫業) 物流サービス以外の業務委託範 囲が広がっている。
コールセンター、Webサイ ト構築・運営、販売管理、精密機器の試験・検 査業務等、可能な限り外部委託をしたいという傾 向が強まっている。
■匿名(物流子会社) RFI、RFPを提示し、 一次選考、二次選考と多段階できっちり選考を 行う荷主企業が増えてきた。
コンペに参加する手 間も増大してきており、戦略的にお断りさせてい ただくこともある。
■日本アクセス 顧客のニーズは温度帯別単体セン ターから複数温度を取り扱う複合型センター化が 進んでおり、且つ、コストの内製化を実施すべく、 PC機能も取り込んだセンター構想を思考される 小売業が増えている傾向にある。
センター規模も 延床面積五〇〇〇坪を超える大型案件が大多数 を占めている。
■商船三井ロジスティクス 一度はセットアップが 完了している荷主企業のSCM物流も最近の超 円高、欧州通貨危機等による東南アジア、南ア ジアでの生産、販売の増大に合わせた調達物流、 販売物流の見直しが進んでおり、同地域での3P Lの構築が求められている。
■匿名(港湾運送) 長期化傾向の円独歩高を受 けて荷主企業の海外シフトが顕著となり、海外拠 点の引き合いがトリガーとなった複数国間を対象 とした輸送事業者の見直し作業が実施されるとい う事例が増えてきている。
今後、日本を中心とし て国際物流を提供している事業者には厳しい時代 が訪れるのではないか。
■匿名(港湾運送) 包括的ではなく、一部分だけ (決まったアイテムだけ)をコンペする3PLが あった。
コンサル経由の3PLが増えた。
■匿名(商社系) 通販型の顧客を中心として(コ ンペ開催の)頻度は比較的増加傾向。
競争環境 は引き続き厳しい。
■匿名(物流子会社) 外資系荷主の増加で提案 書やプレゼンも英語で要求される傾向にある。
Q1. 最近のコンペの傾向を教えて下さい  国内の主要3PL企業六七社に対して 二〇一二年七月下旬に本誌編集部からア ンケート用紙を配布、五二社から有効回 答を得た。
 「二〇一二年度3PL事業売上高ラン キング」(一九頁)に掲載した各社の売上 高は基本的に各社の自己申告に基づいて いる。
各社の3PL事業の定義や3PL 事業売上高の算出方法は「国内有力3P L企業プロファイル」(三五頁〜六〇頁) の各社の欄に掲載している。
 同売上高ランキングには、有効回答の 得られなかった企業でも事業規模が大き く3PL事業売上高を公表している企業 は掲載している。
また3PL事業売上高 を公表していない企業で、本誌がヒアリ ングと各種調査から推定および説明を加 えたものも一部含まれている。
その場合 には売上高に「本誌推定」と明記した。
 「国内有力3PL企業プロファイル」に 掲載した内容は、本誌推定による売上高 を除き、各社の自己申告に基づく。
 各社の社名と並べて白抜きで表示した 「3PL事業売上高」は、千万単位を四 捨五入したもの。
詳細な数値は各社の「3 PL事業売上高の推移」を参照。
連結売 上高も同様に、千万単位を四捨五入して いる。
調査の方法 特 集 33  SEPTEMBER 2012 ■匿名(物流子会社) 食品物流のノウハウを活か すためにターゲットを選定し、営業しているが、 競争環境は非常に厳しい。
荷主企業はすでに海 外展開を進めているところが多いが、われわれは 国内に力点を置いているため、海外展開できる人 材が社内にいないのが実情。
グローバル展開に向 け、人を含めた環境整備・ノウハウの習得が急 務の課題だ。
■丸協運輸 海外事業部(国際物流課)を中心と し、グローバル化対応はほぼ出来ている。
今後は、 海外と国内配送までのシームレスな物流『グロー カルロジスティクス』を拡大する。
■伊藤忠ロジスティクス 海外市場ではM&Aも含 め、3PL事業を展開していく。
国内では顧客 との全面的なタイアップでシナジー効果を生み出 す。
グローバル人材の育成や、さらなる選択と集 中が必要だ。
■商船三井ロジスティクス 国内よりも海外での展 開がますます促進される。
当社は以前よりプロダ クトアウトではなく、マーケットインでの3PL 展開が基本で、ライトアセット型の展開をしてい るため、各地でのベストパートナー選択や海外事 業をマネジメントできる人材の育成が課題だ。
■匿名(物流子会社) 顧客が本業特化でコアビジ ネスにリソースを集中投下する結果、物流業務 の外部委託が増え、今後も3PL事業の拡大は 見込める。
■近鉄エクスプレス 提案内容ならびに品質をより 一層高度化するため、ターゲットとする取扱商品 を絞り、特定品目に特に強いサービス展開を行う。
■匿名(物流子会社) 顧客企業をめぐる経済環境 が厳しくなり市場が縮小する状況下においては、 3PLを活用して財務基盤の改善を図ろうとす る動きは今後も続くだろうと見ている。
しかし、 ただコストを考慮して運用していればいいとする 流れは一過性で、今後は中長期的な視点に立って、 ロジスティクス・マネジメントへ貢献できる3P Lが求められるようになるだろう。
■匿名(大手3PL) グローバルネットワークの 強化、特に中国・東南アジア拠点倉庫の整備、 インドなど新拠点での取り組み、ミャンマーなど への進出検討、そのための人材育成が課題だ。
■日本アクセス ?既存センターの機能アップと ローコスト化、?BCP対応を前提とした再構築、 ?単体センターから複合型センター化による物流 効率改善、などの理由により、市場ニーズは拡 大傾向が続くと思われる。
一方、燃料費高騰、 サービス高度化により運営コストも上昇し、さら にはコスト競争も今後ますます激化する。
投資効 率を上げられるかがポイントだ。
顧客の課題解決 型人材の育成と大型設備投資に対応できる企業 が優位に立つと考える。
■匿名(総合物流) 現在においても「勝ち組」と「負 け組」の2極化にシフトしており、力のない3P L事業者は淘汰・吸収されていく傾向が強まる と予測する。
■日立物流 3PL事業は弊社のコア事業であり、 国内・海外問わず、今後も積極的に事業展開を 進める。
■匿名(港湾運送) 物流企業にとって、3PLは 決してWIN─WINの関係にはなり得ないモデ ルだと感じる。
荷主も自社のモノの動きが見えな くなってきているのではないか。
今後、物流企業 主導の3PLは萎んでいくと思う。
■プラスロジスティクス 通販ニーズの高まりから、 今後も需要は高いと考えており、引き続き、事 業戦略の一つの重要な柱として注力していきたい。
■匿名(物流子会社) 当社流の3PLは「お客 様のSCMを構成する調達・製造・保管・出荷 の各工程を一つでも多くお任せいただくことで、 SCM全体の同期化を図り、ムダな在庫削減や 情報の迅速化、リードタイム短縮を実現する」 こと。
余剰在庫や転送ロスを削減し、在庫を抱 えるお客様の経営に効く物流(ROAの改善) を実現することである。
それらに寄与していると 自負はしているものの、現実的には、荷主の物 流固定費部分をアウトソースされているに過ぎな い業務も少なくない。
■丸全昭和運輸 今後、M&Aによる3PL事業 拡大が増加する傾向。
■匿名(港湾運送) これまではコスト削減を掲げ た荷主企業の主導で進められてきた印象がある が、今後は生き残りを賭けた物流企業主導型の 3PLが増えてくるのではないか。
■第一貨物 今後在庫を持たないクロスドック式の 輸配送が増えることが予想され、その為のシステ ム、体制づくりが重要。
自社オンリーからM& A戦略を用いた装備力拡大による営業展開も必要。
■名糖運輸 当社インフラと協力会社を含むネット ワーク活用を盛り込んだ物流提案をしなければ受 託は難しい。
その為、汎用性のある連携システム 開発が必要課題。
■匿名(物流子会社) 日雇い派遣が原則禁止され る改正労働者派遣法への対応、BCPの策定と 災害発生時の事業者間連携、環境負荷の低減に 向けた取り組みが課題。
■富士フイルムロジスティックス 積極的な事業拡 大はせず、既存荷主の業容拡大に伴う業務量増 加への対応を中心とする。
■ダイワコーポレーション 受ける物流ではなく、 「売れる物流」の構築が当社の活路である。
■匿名(倉庫業) 実物流を担ってもらえる良質な パートナー選定、3PL品質の客観的な評価を 荷主と共有できる手法の確立、3PLのセール ス力強化が課題だ。
■セイノーホールディングス 企業のロジスティク ス戦略からSCM全体、グリーンロジスティク スまでを包含した物流の提案を行っており、特 にアセットを持つ強みを生かしたトータル物流の 提案活動を展開している。
3PLの人材育成が 急務だ。
Q2. 3PL事業の展望と課題について

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