2012年3月号
SOLE

新幹線「初代のぞみ」の技術革新高速化の実現と保全・保守の発展

SOLE 日本支部フォーラムの報告 The International Society of Logistics MARCH 2012  70  一月のフォーラムでは、「新幹線の 高速化と『初代のぞみ』開発及び新 幹線の保全・保守の概要」について 講演を行った。
新幹線は「初代のぞ み」(一九九二年)の開発と実用化によ り、時速三〇〇?の高速化を達成し 新たな技術革新の時代に入った。
社 会インフラとしての交通機関及び鉄道 会社の事業としては、?安全性、? 信頼性、?利便性、?快適性、?経 済性等が求められている。
これらの ニーズに応えた新幹線の高速化の状 況、のぞみ開発の経緯や技術、その 保全・保守の概要について述べる。
(木島T&Bコンサルティングオフィ ス 木島研二代表) 新幹線の高速化とのぞみ開発 時速二〇〇?から三〇〇?へ  鉄道を高速で走らせたいと言う構 想は古くからあり、一九四〇年には 標準軌一四三五ミリで東京─大阪四 時間半(時速二〇〇?)と言う「弾 丸列車構想」があった。
 その後、五九年に鉄道総合研究所 (当時)に研究用の「新幹線一号試験 台車」が完成し、東海道新幹線の開 発がスタートした。
この時は信頼性や 安全性の点から未経験の新技術は使 わず、時速二〇〇?を目指す方針だ った。
六二年には神奈川県の鴨宮モ デル線区にて試験電車で二年間走行 試験が行われ、六四年に東海道新幹 線が開業。
そして八六年、運行時速 は二二〇?に向上し東京─大阪二時 間五二分の運転が開始された。
 表1に新幹線の営業速度、試験最 高速度の変遷をまとめた。
開業当時 は時速二〇〇?、のぞみ開発当時 は時速三〇〇?が限界と言われたが、 現在はさらに高速化が可能となって いる。
ただし国内では騒音や安全上、 JR東日本の新型車両の三二〇?が 営業最高速度と考えられている。
 国内の鉄道に関する社会的なニーズ や技術開発状況を見ると、八〇年代 半ばから省エネのニーズが高まり、加 えて九〇年代には高速化のニーズが拡 大した。
 技術面では八〇年代半ばに地下鉄 で直流車両(直流電化区間に対応した 車両)のインバータ制御システムの開 発と実用化が進められ、それが他の鉄 道にも普及し鉄道の省エネと保守の改 善が進んだ。
この直流車両のインバー タ制御技術をベースに、交流車両(交 流電化区間に対応した車両)のインバ ータ駆動・回生技術が開発され、今 日の高速新幹線の技術基盤が確立さ れた。
 高速新幹線の先頭車両のデザイン は、?三〇〇系(初代のぞみ)で高 新幹線「初代のぞみ」の技術革新 高速化の実現と保全・保守の発展 表1 新幹線の営業速度と試験最高度速度の変遷 新幹線種別 営業最高速度 試験最高速度(年) 備考 東海道0系 210→220km/h 286km/h(1972) 東海道300 系のぞみ 270km/h 326km/h(1991) 開発目標320km/h 山陽500 系のぞみ 300km/h 350km/h(1992) JR 東 試験電車 営業なし 425km/h(1993) 6 両編成 JR 東海試験電車 営業なし 443km/h(1996) JR 東FASTEC360 320km/h 360km/h 設計上405km/h ドイツICE 280km/h 407km/h(1988) フランスTGV 300─320km/h 575km/h(2007) トランスラピッド(上海) 430km/h 設計上505km/h 磁気吸引式浮上鉄道 リニア新幹線 500km/h目標 実験線581km/h 磁気反発式浮上鉄道 新幹線の先頭車両のデザイン 300 系新幹線 高速化のために流線型を採用 500 系新幹線 非常に長い流線型が特徴 700 系新幹線 振動と騒音、トンネルの衝撃を緩和する 「エアロストリーム型」 71  MARCH 2012 量化は最重要課題となっていた。
 一方、技術的には将来の山岳地帯 の下り勾配でのブレーキという課題が あった。
いずれにしても、従来の発 電ブレーキ方式では、高速化した場 合に外形、重量や省エネの点で実現が 難しかった。
 この相反する高速化と軽量化の問 題を解決したのが、交流車両のイン バータ制御システムと軽量アルミ車体 である。
 東海道のカーブと駅間をどのような 加減速で走行すればよいか、走行シ ミュレーションを繰り返し決定された。
騒音規制をクリアするためにはどの 程度車両を軽量化すればよいか、実 車での走行試験で調査、検討された。
その結果、インバータ駆動・回生シ ステムとアルミ車体の技術開発と実用 化が進められ、三〇〇系で交流車両 のインバータ制御方式が確立された。
 その後の五〇〇系で時速三〇〇? 運転が実現し、さらに七〇〇系へと 進化した。
この七〇〇系は台湾新幹 線のベースにもなっている。
 初代のぞみの製品化のための基本 技術は、?時速三〇〇?走行の駆動 と回生ブレーキシステム制御、?高 耐圧・大電流を制御するパワー半導 体と応用技術、?車両に搭載できる 外形・重量の主変換装置(コンバータ /インバータ)、である。
交流インバータ駆動・回生ブレーキ方 式の採用と新型アルミ車体により、従 来の直流モータ駆動・発電ブレーキ方 式の車両と比較して、表3のような 軽量化を達成している。
 消費電力についても、〇系の二二 〇?走行と三〇〇系以降の車両の二 七〇?走行の条件で比較すると表4 のように低減され、高効率化や省エ ネ化が進んでいる。
技術革新で騒音・振動問題を解決  東海道新幹線は輸送力の限界、航 空機との競合の問題を抱えており、初 代のぞみ開発の背景には高速化によ る輸送力の増強、航空機からの顧客 の奪還が重要な課題となっていたこと がある。
開発計画を進めるに当たっ ては、こうした事情と運行管理、技 術的に可能な速度レベル等から、最 大速度二七〇?、東京─大阪間二時 間半(大阪で九時の会議に間に合う) という基本目標が決定された。
 その実現に最大の制約となったのは 沿線の騒音・振動問題である。
新幹 線の法規では、騒音レベルの基準値 が線路より一〇m離れた住宅地で七 〇ホン以下、商業・工業地で七五ホ ン以下と定められている。
また、東 海道では路盤が強くなく、曲率半径 の小さいカーブ(最小二五〇〇m)が ある。
ここを高速で走るためにも軽 速化のための流線型、?五〇〇系で 更なる流線型と小断面化、?七〇〇 系で振動と騒音、トンネル衝撃音を 緩和したエアロストリーム型、?N七 〇〇系でさらに高速化と快適性を改 善したエアロダブルウィング型、と進 化している。
 新幹線を時速三〇〇?で走行させ るには、強固な路盤の土木構造物や 安定した給電システム、安全運行管 理システム等はもちろん、走行抵抗の 少ない軽量車体と小型軽量なハイパ ワーシステムが必須となる。
 基本機能としては、三〇〇?まで の効率の良い加速性能と高速からの安 定したブレーキが重要である。
そのた めに、初代のぞみでは交流車両で初 のインバータ制御システムという開業 以来の技術革新が必要となり、これ がその後の高速鉄道の基本的なシステ ムとなった。
これらの高速新幹線の 進化の状況を示すと表2のようにな る。
 中でもN七〇〇系は車体傾斜装置 を装備し、車両速度、 位置、MAP情報か ら、通過曲線に合わ せて車体を一両ずつ最 大一度傾斜させるこ とが出来るため、乗客 の乗り心地を損ねるこ となくカーブを時速二 七〇?で通過出来る。
これによって東京─大 阪間の運行時間が五 分短縮され、品川駅 からの増発が可能とな り、省エネ効果も高ま っている。
 初代のぞみ開発に おける最大の技術課題 は低騒音・振動のた めの車両と走行システ ムの軽量化であったが、 表2 高速新幹線の技術進化 車両及び開発技術の特徴 東海道300 系 631t/12000kW 山陽 500 系 688t/18240kW 東海道700 系 620t/13200kW 東海道N700 系 628t/17080kW 最初の交流車両インバータシステム・回生ブレーキ、高耐圧・大 電流のパワー半導体の開発と応用 時速270km 300系のぞみをパワーアップし、流線型かつ小型断面車体で時速 300km 走行を実現 トンネル衝撃音を緩和した新先頭形状、新型パワー半導体による システムの小型・軽量化で省エネ、低騒音 さらなる省エネ、低騒音、乗り心地を向上させ、加速性能アップ、カー ブでの車体傾斜装置、新ATC搭載等 編成重量/編成出力 表3 車両の軽量化 種別(モータ出力) 編成重量 車両1両 台車1台 モータ重量 腰掛1人分 100系(230kW) 満車925t 10.3t 9.8t 825kg 28kg 300系(300kW) 満車711t 6.5t 7.0t 396kg 12kg 表4 消費電力の低減 220km走行 基準100% 84% 73% 68% 270km走行 ― 91% 66% 51% 走行速度換算 0系 300系 700系 N700系 MARCH 2012  72  交流誘導モータの制御、回生ブ レーキ制御、システムの制御・保護、 回路方式と電気部品の開発と検証を 行った。
⑶軽量化、構造と製造技術  大型アルミ製缶筐体、低ノイズ配 線技術、実装・冷却技術等を開発し、 品質・コスト・納期を満足する生産、 試験体制を確立した。
 主変換装置では性能、軽量化と信 頼性、コストパフォーマンスが厳しく 要求されたが、これらは設計上トレ ードオフである。
製品としてそのバラ ンスや実現、製造プロセスの確立に多 くの労苦が費やされた。
 装置としての開発と検証を十分に 行ったとしても、最終的に実路線で の現車走行試験で確認する必要があ る。
初代のぞみではプロトタイプの一 六両編成が試作され、毎晩大阪─東 京を往復する実車走行試験を約一〇 カ月行い、総計約二七万?の走行試 験を行って品質や信頼性を検証する とともに、不具合点はすべて開発や 設計にフィードバックして量産の作り こみを行った。
新幹線のガラパゴス化  昨今、環境問題やエネルギー問題 から鉄道輸送が見直され、世界各国 観点から、ソフトウエアと電気回路、 機械部品を組み合せて異常時の保護 や検知、安全な停止のシステムが構 築され、装置完成後には総合試験や 電車走行を模擬できるシミュレータで 最終確認が行われている。
 この主変換装置を実現した主な技 術開発として、以下の三つの分野が 挙げられる。
⑴パワー半導体と応用技術  当時、世界最大容量の耐圧四・五 kV 、制御電流三〇〇〇AのGTO (ゲートターンオフサイリスタ)を開発 し、併せて制御、保護、冷却、実装 等の応用技術を確立した。
 高速鉄道のモータ制御のキーデバイ スであるパワー半導体は、三〇〇系 と五〇〇系にはサイリスタ系のGTO、 七〇〇系以降はトランジスタ系のI GBT(絶縁ゲートバイポーラトラン ジスタ)が開発され、使用されてい る。
パワー半導体の性能向上により、 制御機能、効率が向上し、装置の小 型・軽量化も進み、新幹線の省エネ や快適性改善に貢献している。
将来 的に、非シリコン系のSiC(炭化ケ イ素)デバイスが使われれば飛躍的な 性能向上、小型・軽量化が実現する と期待されている。
⑵システム・制御、電気回路 ータ部で直流から交流に変換し主変圧 器を介して架線に回生する。
 この主変換装置は容量三〇〇〇 kW 、 外形三二五〇(長さ)×二四〇〇 (幅)×六五〇?(高さ)、重量二七 五〇?であり、二台の装置で八台の 交流モータを駆動して走行とブレーキ を制御する。
 一六両編成当たり一〇両を電動車 とし、電動車にはモータ四台と主変 換装置を一台搭載している。
主変圧 装置一台、主変換装置二台とモータ 八台、つまり車両三両分を一ユニッ トとし、編成五ユニットのうち一ユニ ットをカットしても通常の運転を継続 できる冗長性を持っている。
 主変換装置では安全性、信頼性の  この新たな技術の実用化のためには、 品質、コスト、量産性を確立し、社 会インフラとしての信頼性や耐久性を 確立、検証する必要があった。
この ため、社内に図1のようなプロジェク ト体制を作り、社内外の関連部門と 開発、検証、製品化を進めた(図2)。
 主変換装置は、主変圧器で降圧し た電流をコンバータ部で交流→直流 変換して安定な直流電源を作り、イ ンバータ部で直流から交流に変換し、 電圧と周波数を制御して交流モータを 駆動する。
 ブレーキ時は逆の動作になるが、交 流モータが発電機となって走行エネル ギーを電気エネルギーに変換し、イン バータ部で交流を直流に変換。
コンバ 図1 初代のぞみ開発のプロジェクト体制(ネットワーク) 営業→顧客 顧客対応・技術開発・モノづくり 研究所 PJリーダ(設計) システム・回路設計 構造設計・製造技術 共同開発・評価 事業部外 提案・折衝 垂直的連携 支援・管理 協力・納入 社内事業部 設計 製造 生産管理 試験・検証 水平的連携 社外企業 材料メーカ 部品メーカ モジュール メーカ 半導体部門 開発仕様・活用 図2 主変換装置開発・製品化のプロセス 基本システム開発シミュレーション部分試作と検証 回路・ システム開発 変換装置開発 ・評価 プロト変換装置 設計・評価 量産変換装置 設計・製造・試験 長期耐久試験 評価・改良 パワー半導体開発 評価・応用技術 改良変換装置 73  MARCH 2012 向上による遅延回復等が可能になり、 中でも(安全のためにCPU等システ ムが二重化されている)N七〇〇系 ではこのシステムを活用してカーブで の車体傾斜システムを実現している。
 新幹線は地震対策でも優れている。
初期から地震検知と列車停止のシス テムを設けており、この技術は国内の 地震検知にも活用されている。
九九 年にチーチー地震が発生した台湾では そうした地震対策が評価され、車両 システムの受注に繋がったという経緯 もある。
 従来の早期地震検知・警報システ ムは三秒で動作し、東海道では「ユレ ダス」、東北新幹線では「海岸検知シ ステム」として構築されていた。
これ は主として海溝型の地震を想定してい たが、その後の阪神淡路大震災や新 潟中越地震を反映して直下型対策が 施され、東海道では「テラス」、東北 新幹線では「コンパクトユレダス」が 開発され、検知後一秒で警報を出し て送電中止、非常ブレーキをかけて 停止させるシステムに改善された。
ま た非常ブレーキといっても、急停止に よる衝撃を緩和し安全に停止するため、 四?走行させる仕組みになっている。
 さらに列車の脱線防止として、? 脱線防止ガード、?逸脱防止ストッ パー、?土木構造物の耐震強化、と いったハード面の対策も施されている。
〇m/s以上での運転見合わせの検 知、?架線故障時、変電所の遮断器 動作で上下四〇?電源カット、?ト ンネル内で五〇〇mおきに消火器設 置、?五〇〇mおきに緊急電話設置、 ?立ち入り防護柵、?防護壁が破ら れると検知して停止信号発信、等の 設備が備えられている。
 新幹線のブレーキの仕組みを見ると、 基本は空気式の基礎ブレーキと電気ブ レーキの組み合わせであり、三〇〇系 以降は電気ブレーキとして回生ブレー キ方式で架線に電力を戻している。
一 〜三?の区間を電気的に区切って閉 塞区間を設け、軌道回路を設置して 列車の位置を検知するとともに、複 数の電車が進入しないように運行制 御を行っている。
 ATC(自動列車制御装置)も導 入されており、運転士は車内信号機 の表示速度より遅い速度で運転すれ ばよく、これを超えると自動的に作 動して減速する。
従来のATCは段 階的にブレーキをかけていたが、最近 ではデジタル制御方式の新ATCに より、前方を走る電車の位置等を地 上から送ることでブレーキパターンを 車上で決定し、目標とする速度まで 滑らかにブレーキ操作が出来るように なっている。
 これによって、乗り心地の改善(ブ レーキ回数減少)、発着時の加減速 新幹線の安全と保全の概要 新幹線の優位性  新幹線が欧州の高速鉄道と比較し て評価されているのは、?安全輸送 (旅客人身事故ゼロ)、?安定輸送 (平均遅れ〇・一─〇・五分/列車)、 ?乗り心地(評価指数あり)、?大量 輸送、?高収益性、の点にあるとさ れている。
 安全性のポイントとしては、?脱 線、車両破損、?車両あるいは構造 物への衝突、?線路中の保守作業員 の接触、?旅客の転落事故、?感電、 ?火災、が挙げられている。
信頼性 としては、?故障率、?冗長性設計、 ?故障範囲の限定、?信頼性向上活 動、が重要である。
 国際的には、鉄道を対象としてシ ステム全体の安全性・信頼性を評価 するRAMS規格の「IEC622 78」が二〇〇二年に制定されてお り、信頼性(R:reliability)、アベ イラビリティ(A:availability)、保 守性(M:maintainability)、安全性 (S:safety)、についての記述と論証 の手法が述べられている。
今後は日 本でもこのような規格や設計対応が 必要になると考えられる。
 新幹線の沿線には、安全を保持す るための見張り役として、?風速三 で高速鉄道の建設計画が増え、国際 的な受注競争も激化している。
 高速鉄道の普及している欧州では、 騒音規制、地震対策、山岳地の走行 等の制約が少ないため、日本とは異な る思想、システムの高速鉄道が開発、 実用化されている。
高速化では日本 よりも進展しているが、高密度運転、 大量輸送、正確な運行管理、車両の 加減速性能という点では日本の方が 優れている。
 そうした日本のシステムは、台湾 新幹線への車両システムの輸出が実 現するなど技術的評価が高い一方で、 過剰品質によって「ガラパゴス化」し ており、コスト競争力に劣るという 懸念も指摘されている。
海外からの 受注のためには、?プロジェクト統括 専門人材、?現地仕様対応、?高速 鉄道の規格への対応、?価格競争力、 ?官民一体セールス、等の重要性も 挙げられている。
 なお、中国では高速鉄道網の整備 と建設が急ピッチで進められているが、 その基本技術は日本や欧州からの技 術移転である。
その後の衝突事故や 建設体制の不祥事等で営業速度の向 上や建設、輸出活動が停滞している。
その要因として、技術移転の過程に おいて設計、製造、運行管理のノウ ハウ蓄積や検証が不十分であると言う 指摘もある。
MARCH 2012  74  新幹線と狭軌の直通運転を目指し、 一九九七年に開発が始まった。
⑶ハイブリッド鉄道(鉄道総合技術研  究所、JR東日本)  架線/リチウムイオンバッテリー・ システムで開発され、二〇〇八年に 北海道で走行試験が実施された。
⑷デュアル・モード・ビークル  (JR北海道)  道路と線路を双方向に走行可能な 車両。
二〇〇七年に試験営業走行さ れた。
R東日本で七両編成を一本ずつ保有 している。
 この試験車も現在は速度二七〇? に高速化しており、一〇日毎に測定 を行っている。
これらの測定データ は情報管理システムに送られ、乗り心 地の向上、安定した集電、信号トラ ブルの未然防止等を目的とした保線 作業に活用される。
 今後の高速鉄道の保守改善の方向 性として、保守作業の機械化、保守 作業の軽減、非破壊検査技術の活用、 IT活用(モニタリング、伝送)、ロ ボット化、自動保守車両、メンテナ ンスフリー技術・信頼性設計、自動 試験機等が検討され、開発・実用化 も進んでいる。
次世代鉄道システムの開発  以上のように高速化、省エネ、乗 り心地改善等、進化を続けてきた新 幹線だが、様々な社会ニーズに対応す べく、国内では以下のような次世代 の交通機関の開発が進んでいる。
⑴超電導磁気浮上式鉄道(JR東海)  二〇二七年名古屋、二〇四五年大 阪開業を目指して具体的な建設計画 がスタートした。
⑵フリーゲージトレイン:  軌道可変電車(技術研究組合) ス・アルミ車体、等が挙げられる。
 新幹線の高速化のためには、安全 性と乗り心地の確保、騒音・振動の 低減等のため、路盤・道床の保守・ 整備が重要となる。
軌道の整備と維 持のため、東海道新幹線では路盤に 砕石や砂利を敷き、枕木でレール支 持するという従来型のバラスト方式 であったが、保守作業が大変なので、 コンクリートの路盤上にコンクリート 製の板を設置し、その上にレールを敷 くスラブ軌道へと変更された。
 保守作業は従来の人手中心から、 バラスト軌道の保守車両、レール探 傷車、レール削正車等が導入され、 路盤整備も機械化されている。
 さらに線路のゆがみや架線状態、 信号電流の状況等を検測しながら走 行して軌道・電気設備・信号設備を 検査する新幹線電気総合試験車が導 入され、JR東海、JR西日本、J メンテナンスフリー化を推進  新幹線では法令で表5のような点 検サイクルと点検内容が定められてい る。
この検査周期では安全性や耐久 性にまだ余裕があるので、〇一年に 一度検査周期が延期されたが、再度 の見直しの検討もされている。
 一方、技術革新や電子化、保守要 員の確保、保守コストの削減等の背 景から、初代のぞみで実用化された インバータ制御システムはメンテナン スフリー化に大いに貢献している。
 その基本は部品数の低減、磨耗・ 摺動部分の削減、無接点化(電子化) であるが、?シングルアーム式パン タグラフ、?インバータ制御・回生 ブレーキ、?交流誘導電動機の採用、 ?ボルスタレス式台車、?ステンレ 次回フォーラムのお知らせ  次回フォーラムは3月12日(月)、海 上自衛隊術科学校の川上智氏による講 演「グローバル・ロジスティクスの先鋒〜 海外派遣の経験的観点より〜」を予定し ている。
このフォーラムは年間計画に基 づいて運用しているが、単月のみの参加 も可能。
一回の参加費は6,000円。
ご 希望の方は事務局( s-sogabe@mbb. nifty.ne.jp)までお問い合わせ下さい。
※ S O L E(The International Society of Logistics:ロジスティクス学会)は一九六 〇年代に設立されたロジスティクス団体。
米 国に本部を置き、会員は五一カ国・三〇〇 〇〜三五〇〇人に及ぶ。
日本支部では毎月 「フォーラム」を開催し、講演、研究発表、 現場見学などを通じてロジスティクス・マネ ジメントに関する活発な意見交換、議論を 行っている。
表5 新幹線の点検サイクルと実施内容 交番検査 台車検査 全般検査 18カ月または45─60万km走行以内に台 車や電動機を取り外し細部まで検査を行う 48時間以内に部品の目視検査等、 ATC動作試験 30日または3万km走行以内に機能の確認 試験等 36カ月または90─120万km走行以内に 殆どの機器を外して行う 60日または4万km走行以内にATC車上子 各部の状態と特性を検査 仕業検査 ATC 特性検査 愛称:ドクター・イエロー(JR東海) 10日ごとに走行し、軌道・電気設備・信号 設備を点検する

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