2013年1月号
特集
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TPS NTTロジスコ ──物流センターのクレームを解消
31 JANUARY 2013
NTTグループで3PLを手掛けるNTTロジス
コは、全国一六の物流センターで「TPS(トヨ
タ生産方式)」による物流品質の改善活動を進めて
いる。
従来の「2S」徹底に加えて取り組みを強 化している。
二〇一一年一〇月、愛知県小牧市の「小牧セン タ」で活動をスタートした。
同センターは中京地区 における主力拠点の一つで延べ床面積は約二万平 方メートル。
一一年二月に開設し、同十一月から オオサキメディカルとスズランのガーゼ、脱脂綿と いった衛生用品などを取り扱っている。
まず庫内の作業実績をチェックして、工程ごとに 一つの作業に掛かる標準時間(原単位)を割り出 した。
その日の物量と標準時間から、当日必要な 人員数を算出、作業スケジュールを組み立てる。
さらに現場のエリアごとに設置したホワイトボー ドに、その日の処理量とスケジュールを書き出す。
作業の進捗を「見える化」し、対応が速やかにで きるようにした。
棚に保管している 商品の仕切り板には、 通常品は黄色、頻繁 に出荷される品は赤 色、重量品は黄と黒 の警告色の三パター ンに分けてカラーテープを貼っている。
赤色の品は ロケーションを固定する、警告色の品は最下段から 動かさない、といったルールを一目見て理解できる よう配慮し、通常と異なる場所に品物を置くこと による余分な作業の発生を抑えている。
センター内には「訓練道場」を設けている。
庫 内の棚を再現した施設でパート作業員らに実際の作 業をさせて、ピッキングなどで間違えやすいポイン トを体感してもらう。
地道な努力の結果、商品誤 配送など庫内作業に起因するミスで毎月二桁寄せ られていたクレームをほぼ解消できた。
センターの収支も改善された。
開設からずっと 赤字が続いていたが、無駄の解消や生産性向上に よって数カ月後に単月ベースで黒字化。
中川雅行 社長が説く理念「品質が上がればコストは下がる」 を実現した。
小牧センタのTPS成功がゴーサインとなり、一 二年度は活動の対象を全拠点に拡大。
今後開設す る物流センターは原則として、当初からTPS実 施を想定し、動線などを考慮して設計する方針だ。
TPSの推進部隊として、業務部のLE(ロジ スティクス・エンジニアリング)部門に専任チーム 「品質・2S改善担当」を置き、七名のスタッフが 全国の物流センターを定期的に訪問。
センター側の 担当者と緊密に改善策を打ち合わせている。
小林兼司LE部門長は「昔は例えばクレームの 原因が検品ミスと分かった場合、検品を強化しま す、で終わっていた。
TPS導入後は、なぜ検品 がミスしたかというところから真因を徹底的に突 き止めていくようになった」と、品質改善への意 識が大きく変化したことを強調する。
小牧センタでは、庫内作業のパート作業員から作 業で改善すべき点を募り、一定数以上の提案があ った場合は時給面で待遇をアップするなど、インセ ンティブを与えた。
同センタを統括する東海支店の 牧道徳支店長は「リーダーを支えるサブリーダーの 育成にもさらに力を入れたい」と意欲を示す。
NTTロジスコは中期経営ビジョンで、物流セン ターの「ショールーム化」の方針を打ち出し、企業 見学を積極的に受け付けている。
清潔で高品質な 現場を体感してもらい、契約獲得につなげようと の狙いだ。
TPSによる物流品質アップは、ショ ールーム化の有力なアピールポイントとなっている。
ビジョンでは連結売上高を一〇〇〇億円に引き 上げる数値目標を掲げており、小林部門長は「T PSなどの活動が達成を後押しする大きな材料だ」 と自信を見せる。
ほかにも、顧客を対象とした満 足度調査を定期的に実施するなど、品質レベルの向 上に日々余念がない。
(藤原秀行) ──物流センターのクレームを解消 NTTロジスコTPS 小林兼司LE部門長 小牧センタ内に設けている「訓 練道場」。
倉庫内の棚の様子を再 現し、商品破損の事例を学んだ り、保管方法の不具合を発見し たりする研修を実施している。
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従来の「2S」徹底に加えて取り組みを強 化している。
二〇一一年一〇月、愛知県小牧市の「小牧セン タ」で活動をスタートした。
同センターは中京地区 における主力拠点の一つで延べ床面積は約二万平 方メートル。
一一年二月に開設し、同十一月から オオサキメディカルとスズランのガーゼ、脱脂綿と いった衛生用品などを取り扱っている。
まず庫内の作業実績をチェックして、工程ごとに 一つの作業に掛かる標準時間(原単位)を割り出 した。
その日の物量と標準時間から、当日必要な 人員数を算出、作業スケジュールを組み立てる。
さらに現場のエリアごとに設置したホワイトボー ドに、その日の処理量とスケジュールを書き出す。
作業の進捗を「見える化」し、対応が速やかにで きるようにした。
棚に保管している 商品の仕切り板には、 通常品は黄色、頻繁 に出荷される品は赤 色、重量品は黄と黒 の警告色の三パター ンに分けてカラーテープを貼っている。
赤色の品は ロケーションを固定する、警告色の品は最下段から 動かさない、といったルールを一目見て理解できる よう配慮し、通常と異なる場所に品物を置くこと による余分な作業の発生を抑えている。
センター内には「訓練道場」を設けている。
庫 内の棚を再現した施設でパート作業員らに実際の作 業をさせて、ピッキングなどで間違えやすいポイン トを体感してもらう。
地道な努力の結果、商品誤 配送など庫内作業に起因するミスで毎月二桁寄せ られていたクレームをほぼ解消できた。
センターの収支も改善された。
開設からずっと 赤字が続いていたが、無駄の解消や生産性向上に よって数カ月後に単月ベースで黒字化。
中川雅行 社長が説く理念「品質が上がればコストは下がる」 を実現した。
小牧センタのTPS成功がゴーサインとなり、一 二年度は活動の対象を全拠点に拡大。
今後開設す る物流センターは原則として、当初からTPS実 施を想定し、動線などを考慮して設計する方針だ。
TPSの推進部隊として、業務部のLE(ロジ スティクス・エンジニアリング)部門に専任チーム 「品質・2S改善担当」を置き、七名のスタッフが 全国の物流センターを定期的に訪問。
センター側の 担当者と緊密に改善策を打ち合わせている。
小林兼司LE部門長は「昔は例えばクレームの 原因が検品ミスと分かった場合、検品を強化しま す、で終わっていた。
TPS導入後は、なぜ検品 がミスしたかというところから真因を徹底的に突 き止めていくようになった」と、品質改善への意 識が大きく変化したことを強調する。
小牧センタでは、庫内作業のパート作業員から作 業で改善すべき点を募り、一定数以上の提案があ った場合は時給面で待遇をアップするなど、インセ ンティブを与えた。
同センタを統括する東海支店の 牧道徳支店長は「リーダーを支えるサブリーダーの 育成にもさらに力を入れたい」と意欲を示す。
NTTロジスコは中期経営ビジョンで、物流セン ターの「ショールーム化」の方針を打ち出し、企業 見学を積極的に受け付けている。
清潔で高品質な 現場を体感してもらい、契約獲得につなげようと の狙いだ。
TPSによる物流品質アップは、ショ ールーム化の有力なアピールポイントとなっている。
ビジョンでは連結売上高を一〇〇〇億円に引き 上げる数値目標を掲げており、小林部門長は「T PSなどの活動が達成を後押しする大きな材料だ」 と自信を見せる。
ほかにも、顧客を対象とした満 足度調査を定期的に実施するなど、品質レベルの向 上に日々余念がない。
(藤原秀行) ──物流センターのクレームを解消 NTTロジスコTPS 小林兼司LE部門長 小牧センタ内に設けている「訓 練道場」。
倉庫内の棚の様子を再 現し、商品破損の事例を学んだ り、保管方法の不具合を発見し たりする研修を実施している。
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