2013年4月号
特集
特集
それでも運賃は上がらない 解説 トラック運送マーケットの失敗
APRIL 2013 14
特集
特積運賃が大きく上昇
特別積合せ運送(特積)の運賃が上昇している。
昨年に入って佐川急便は、不採算運賃の解消に本 腰を入れると同時に、通常の宅配便サイズ(荷物 の三辺の合計が一六〇?・重量が三〇?)を超え る大型貨物の取り扱いをSGムービング(旧・佐 川引越センター)に移行するよう促している。
その影響で、大型貨物を中心に西濃運輸や福山 通運に荷物が流れている。
しかし既に両社のキャ パも限界に近付いているもようで、新規の見積も りには強気の運賃が提示されるようになっている。
それに連動して、中ロットのB to B貨物を混載す る路線便の運賃も値上がり傾向にある。
アマゾンジャパンを筆頭にネット通販のB to C 貨物が急増したことを受け、これまで宅配大手は 思い切った割引運賃でその取り込みを図ってきた。
しかし、ヤマト運輸と並ぶ“二強”の佐川急便が 収益重視に転換。
それに続いて他の特積も採算割 れ運賃の修復に動き始めた。
荷主企業は個建て運 賃の負担増を避けられなくなっている。
ただし、各地の地場運送会社が実運送を担う チャーター便や業者間取引の運賃は今のところ値 上がりする気配がない。
「荷物は増えているので、 需給はタイトになってきた。
ところがそれが運賃 に反映されていない」と、求貨求車システム「W ebKIT」を運営する日本貨物運送協同組合 連合会の助川利信常務理事はいう。
軽油価格は昨年秋と比べて約一割値上がりして いる。
全日本トラック協会の資料によると、今年 二月第四週の軽油のローリー価格は全国平均で一 一〇・一一円。
昨年秋は約一〇〇円だった。
世界 トラック運送マーケットの失敗 ドライバー不足が深刻さを増し、燃料費も急騰。
輸 送コストが大幅にアップするとともに、景気回復で荷 動きも上向いてきた。
ところがトラック運賃に上昇の 気配はない。
運送市場の供給過剰が解消されるまで には時間が掛かる。
それまでコストが価格に反映され ない。
現場の疲弊が進む。
(本誌編集部) 15 APRIL 2013 的な原油高騰が始まる前の二〇〇〇年代前半と比 べると約七割もの値上がりだ。
軽油代をはじめとする「燃料油脂費」はトラッ ク運送業の総収入の一六・二%、運送費の一八・ 七%を占めている(全ト協「経営分析報告書平成」 平成二二年度版」)。
一方で運送業全体の営業利 益率は〇七年度以降、マイナスで推移している。
軽油の高騰はまさしく死活問題だ。
それでも今春の運賃交渉で、新たに燃料サーチ ャージ制度の導入や値上げを認めるという話は聞 こえてこない。
現状の運賃では仕事を続けられな いと、バンザイする運送会社も出始めている。
そ れでも、他を当たれば同じ条件で仕事を請けてく れる運送会社はまだ見付かる。
運送業の九九・九%は資本金三億円以下もしく は従業員三〇〇人以下の中小企業だ。
いまだに原 価計算を「全く実施していない」もしくは「あま り実施していない」会社が全体の約三割を占めて いる。
車両台数一〇台以下の零細では、さらにそ の比率は上がる。
(全ト協「トラック輸送の実態 に関する調査」平成二三年九月)車両が空いてい れば採算割れの自覚なく安過ぎる運賃を呑んでし まう。
当然ながら経営は傾く。
事業者数は〇八年度を ピークに減少に転じた。
それでも供給過剰を払拭 するにはほど遠い。
東京都トラック協会の井出廣 久常務理事は「東京に関して言えば、運送事業者 が五〇〇〇社もあり供給過剰が続いている。
すぐ に物流の担い手がいなくなるという事態にはなら ない」という。
一九九〇年の規制緩和以降、トラック運送業は 新規参入が急増し事業者数は四万社から六万社以 我々日貨協連の運営するインターネット求貨求車 システム「WebKIT」のマッチング情報を見る 限り、運送市場の需給は確実にタイトになっている。
空き車両を求める荷物情報が二〇一一年、一二年、 一三年と増え続ける一方で、空き車両の登録は低 い水準で推移している(左図)。
売り手市場になっ ていると言っていい。
ただし、成約運賃は上昇していない。
燃料費を はじめコストが上がっていることを考慮すれば、せ いぜい横ばいだ。
?真水?の上昇はまだ見られない。
運賃が上がらない代わりに、運送会社は荷物を選 ぶようになっている。
WebKITに 登録された荷物情 報の中でも、運賃 が良い、効率が良 い、ある程度の台 数や連続性がある など、いわゆる条 件の良い仕事はす ぐに決まってしまう。
朝に登録された情報が午前 八時にはなくなってしまうような、奪い合いの状 況になる。
しかし、中には誰もやりたがらない仕 事もある。
特に長距離が敬遠されている。
リーマンショック 以降、自社車両を遠くに出さない傾向が強まって いる。
燃料費がかさむうえ、ドライバーの確保や労 務管理が難しいからだ。
自社拠点の周辺で割安に 給油して、その日に帰って来られる仕事でないと 受けたくないと考える運送会社が増えている。
車種別に見ると今は平ボディ車の需給が逼迫して いる。
陸運局の車両登録台数を見ると、平ボディ は箱・ウイング車の半分程度の台数しかない。
と ころが、WebKITの登録情報には、平ボディ と箱・ウイングに同じぐらいの求車件数が寄せられ ている。
それだけ平ボディの需要は強い。
運賃水準もウイング車が登場した頃には二五%程 度の差があったが、現在はほとんどなくなっている。
安い車両で稼げるのだから、運送会社にとって旨 味が大きい。
そうした情報をどんどん経営に役立 てて欲しいと会員に訴えている。
(談) 「運送会社が荷物を選ぶようになってきた」 日本貨物運送協同組合連合会 助川利信 常務理事 80,000 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 WebKIT の掲載情報件数の推移 (件) 2011 年 荷物件数 2012 年 荷物件数 2011 年 車両件数 2013 年 車両件数 2013 年 荷物件数 2012 年 車両件数 APRIL 2013 16 上に増加した。
その間、貨物輸送量は増えていな い。
価格競争は激化し、実勢運賃は規制緩和以降、 約三割下がった。
値下がり分はドライバーの給与 を引き下げることで吸収してきた。
その結果、ドライバーがいなくなった。
国土交 通省によると国内の営業用トラックドライバーは 〇六年度の九二万人がピークで、〇九年度は七六 万人まで減っている。
営業用トラックの登録車両 台数も〇八年度の一四二万台をピークに減少に転 じているが、一三年度時点でまだ一三六万台ある。
大量のトラックがドライバー不足のため休車状態 で放置されている。
ドライバーがいない 首都圏でドライバー派遣事業と3PLを展開す るウィンコーポレーションは現在約二〇〇人のドラ イバーを雇用している。
保有車両は約二二〇台で、 八割が軽自動車、二割が二トン車と四トン車だ。
今期の売り上げは約二三億円で来期は三〇億円を 突破する見込みだという。
実運送に精通していることが強みになっている。
ドライバーの業務内容は、荷物の種類や走る距離 によって異なってくる。
宅配便の配達と長距離ド ライバーでは、求められる人材がま全く違う。
案 件ごとにニーズを把握し、適切な人材を確保・供 給することで業績を着実に伸ばしてきた。
しかし、同社の中村真一郎社長は「ドライバー 派遣や傭車対応など顧客からの引き合いは一貫し て堅調だが、この二〜三年は仕事を断らざるを得 ないケースが増えている。
運賃が安過ぎる。
特に 下請け運送会社からの提示料金が急落している。
ニーズに応えたいという気持ちはあるが、受けれ Q1 ドライバーの数は足りていますか? Q2 ドライバー不足の最大の理由は? Q4 ドライバーの集まらなくなっている 主な理由は? Q5 ドライバー不足への対策は?(複数選択) Q3 ドライバーが辞めてしまう最大の理由は? 不足している 44.5% やや不足している 31.8% 適正 22.7% 余っている 0.9% 40 35 30 25 20 15 10 5 0 30 25 20 15 10 5 0 (%) (%) (%) (%) 仕事が 増えている 新規採用が 難しい ドライバーが 辞めてしまう 傭車の確保 が難しい 特にない 特にない 給料 労働環境 労働時間 将来性 人事評価 やりがい 35.5 31.8 38.2 25.5 24.5 20.9 13.6 12.7 10.0 6.4 20.0 29.1 23.6 14.5 0.9 25.5 25.5 20.9 11.8 7.3 5.5 3.6 31.8 14.5 6.4 11.8 35 30 25 20 15 10 5 0 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 賃金 3Kのイメージ 中型免許 制度の弊害 他業種に流出 女性・シルバー層 活用不足 募集広告の強化 給与水準の 見直し 労働時間の短縮 女性やシルバー層 の活用 評価制度の 見直し 福利厚生の整備 休日の増加 特にしていない 口コミの活用 緊急調査! ドライバー不足の実態 調査の方法 ドライバー不足の実態や女 性・シルバー層の採用状況な どを探るため、今年2月26日 〜3月7日にかけて、求貨求 車事業などを手掛けるトラボ ックスの協力を得て、同社の 会員となっている運送業者 約5600社を対象にインターネ ットによるアンケート調査を 実施した。
全国の110社から 有効回答が集まった。
結果 の詳細は36〜41頁に掲載し ている。
17 APRIL 2013 特集 食品卸大手の日本アクセスは三月十三日、同 社の輸配送を担う八〇社の協力物流会社で結成 する「アクセスロジスティクス会」の第二回年次 総会を都内ホテルで開催した。
中井忍取締役常 務執行役員ロジスティクス管掌兼ロジスティクス 本部長は「質の高い輸送力を確保し続けること が当社のロジスティクス事業の最重要課題の一つ。
今回の会合などを通して協力物流会社との連携 を図り、アクセスの物流ネットワークをより強固 にしていく」と強調する。
日本アクセスは二〇一一年三月に同じ伊藤忠 商事グループの物流企業ファミリーコーポレーシ ョンを合併して以来、ロジスティクス事業に対す るスタンスを一変させている。
それまで卸機能の 附帯サービスと位置付けていた物流を、収益の 柱に育てる方針を固めた。
現在のロジスティクス 事業の売上高は約一三〇〇億円。
既に食品物流 大手のニチレイロジやキユーソー流通システムに 並ぶ規模だが、今後数年で売上高二〇〇〇億円、 利益一〇〇億円まで拡大する計画を立てている。
成否を握る最大の鍵は、実運送を委託する物 流会社の確保だ。
日本アクセスは現在、一日約 六〇〇〇台のトラックを走らせている。
扱う物量 は年々増加しているため、今後はさらなる輸送 力の増強が必須となる。
常に必要な車両を確保 できなければ、同社のロジスティクス事業の成長 計画はたちまち頓挫する。
ただし、トラックとドライバーの頭数だけを揃 えれば良いわけではない。
アクセスの強みは、質 の高い低温物流ネットワークにある。
当然、運送 を担う物流会社にも一定以上のサービスレベルが 求められる。
ドライバー不足などに悩む現在の運 送市場で、サービスレベルと輸送力を同時に追求 することは容易ではない。
「アクセスロジスティ クス会」を発足・運営させたのは、優良な物流 企業を囲い込んでおきたいという思いの表れで もある。
中井常務は「物流業界の雇用事情や経営環境 が厳しいのは理解している。
当社は荷主の立場 からできるだけのことをする。
もちろん互いに コストダウンは必要だが、無闇な ?運賃叩き?な どは決してしない。
互いにウィンウィンになるよ うな関係を築く」と語る。
ば赤字になってしまう」という。
ドライバーの確保自体、困難になっている。
採 用力を武器とする同社はこれまで一人五万円程度 の募集コストでドライバーを確保できていた。
そ れが現在は一〇万〜一五万円、場合によっては二 〇万円以上掛かることもあるという。
その結果、 ドライバーの派遣先は適正料金を出せる荷主や元 請け物流会社に限定されるようになってきた。
本誌はこのたび求貨求車システムを運営するト ラボックスの協力を得て、全国の運送会社にドラ イバー不足の実態に関する緊急アンケート調査を 行った(右頁囲み参照)。
その結果、現在ドライバー数が「不足している」、 「やや不足している」という回答が合わせて七六・ 三%にも上った。
ドライバーが集まらなくなって いる理由としては、「賃金」が最も多く、「3Kの イメージ」、「中型免許制度の弊害」、「他業種に流 出」がそれに続いた。
トラック運送業が直面する人件費や燃料の高騰 は、宅配便や路線便などの特積運賃には転嫁され るようになってきた。
しかし、トラック市場にお ける特積の分担率は宅配便を含めても二%に満た ない。
輸送サービスの中核を成すチャーター便の 運賃は、既に限界を超えて実勢価格が低下してい るにもかかわらず、据え置かれたままコストアッ プの直撃を受けている。
市場からの自由退出が進み、供給過剰が解消さ れるまでには、まだ相当な時間を要する。
その間、 ドライバーの労働環境は改善されず、現場は疲弊 していく。
サービス品質は低下し、安定供給が脅 かされる。
物流の最大の使命を果たせなくなる恐 れがある。
協力物流会社と連携強化──日本アクセス 会の冒頭では日本アクセスの田中社長が登壇。
同社内で物流のプレゼンスが高まっている
昨年に入って佐川急便は、不採算運賃の解消に本 腰を入れると同時に、通常の宅配便サイズ(荷物 の三辺の合計が一六〇?・重量が三〇?)を超え る大型貨物の取り扱いをSGムービング(旧・佐 川引越センター)に移行するよう促している。
その影響で、大型貨物を中心に西濃運輸や福山 通運に荷物が流れている。
しかし既に両社のキャ パも限界に近付いているもようで、新規の見積も りには強気の運賃が提示されるようになっている。
それに連動して、中ロットのB to B貨物を混載す る路線便の運賃も値上がり傾向にある。
アマゾンジャパンを筆頭にネット通販のB to C 貨物が急増したことを受け、これまで宅配大手は 思い切った割引運賃でその取り込みを図ってきた。
しかし、ヤマト運輸と並ぶ“二強”の佐川急便が 収益重視に転換。
それに続いて他の特積も採算割 れ運賃の修復に動き始めた。
荷主企業は個建て運 賃の負担増を避けられなくなっている。
ただし、各地の地場運送会社が実運送を担う チャーター便や業者間取引の運賃は今のところ値 上がりする気配がない。
「荷物は増えているので、 需給はタイトになってきた。
ところがそれが運賃 に反映されていない」と、求貨求車システム「W ebKIT」を運営する日本貨物運送協同組合 連合会の助川利信常務理事はいう。
軽油価格は昨年秋と比べて約一割値上がりして いる。
全日本トラック協会の資料によると、今年 二月第四週の軽油のローリー価格は全国平均で一 一〇・一一円。
昨年秋は約一〇〇円だった。
世界 トラック運送マーケットの失敗 ドライバー不足が深刻さを増し、燃料費も急騰。
輸 送コストが大幅にアップするとともに、景気回復で荷 動きも上向いてきた。
ところがトラック運賃に上昇の 気配はない。
運送市場の供給過剰が解消されるまで には時間が掛かる。
それまでコストが価格に反映され ない。
現場の疲弊が進む。
(本誌編集部) 15 APRIL 2013 的な原油高騰が始まる前の二〇〇〇年代前半と比 べると約七割もの値上がりだ。
軽油代をはじめとする「燃料油脂費」はトラッ ク運送業の総収入の一六・二%、運送費の一八・ 七%を占めている(全ト協「経営分析報告書平成」 平成二二年度版」)。
一方で運送業全体の営業利 益率は〇七年度以降、マイナスで推移している。
軽油の高騰はまさしく死活問題だ。
それでも今春の運賃交渉で、新たに燃料サーチ ャージ制度の導入や値上げを認めるという話は聞 こえてこない。
現状の運賃では仕事を続けられな いと、バンザイする運送会社も出始めている。
そ れでも、他を当たれば同じ条件で仕事を請けてく れる運送会社はまだ見付かる。
運送業の九九・九%は資本金三億円以下もしく は従業員三〇〇人以下の中小企業だ。
いまだに原 価計算を「全く実施していない」もしくは「あま り実施していない」会社が全体の約三割を占めて いる。
車両台数一〇台以下の零細では、さらにそ の比率は上がる。
(全ト協「トラック輸送の実態 に関する調査」平成二三年九月)車両が空いてい れば採算割れの自覚なく安過ぎる運賃を呑んでし まう。
当然ながら経営は傾く。
事業者数は〇八年度を ピークに減少に転じた。
それでも供給過剰を払拭 するにはほど遠い。
東京都トラック協会の井出廣 久常務理事は「東京に関して言えば、運送事業者 が五〇〇〇社もあり供給過剰が続いている。
すぐ に物流の担い手がいなくなるという事態にはなら ない」という。
一九九〇年の規制緩和以降、トラック運送業は 新規参入が急増し事業者数は四万社から六万社以 我々日貨協連の運営するインターネット求貨求車 システム「WebKIT」のマッチング情報を見る 限り、運送市場の需給は確実にタイトになっている。
空き車両を求める荷物情報が二〇一一年、一二年、 一三年と増え続ける一方で、空き車両の登録は低 い水準で推移している(左図)。
売り手市場になっ ていると言っていい。
ただし、成約運賃は上昇していない。
燃料費を はじめコストが上がっていることを考慮すれば、せ いぜい横ばいだ。
?真水?の上昇はまだ見られない。
運賃が上がらない代わりに、運送会社は荷物を選 ぶようになっている。
WebKITに 登録された荷物情 報の中でも、運賃 が良い、効率が良 い、ある程度の台 数や連続性がある など、いわゆる条 件の良い仕事はす ぐに決まってしまう。
朝に登録された情報が午前 八時にはなくなってしまうような、奪い合いの状 況になる。
しかし、中には誰もやりたがらない仕 事もある。
特に長距離が敬遠されている。
リーマンショック 以降、自社車両を遠くに出さない傾向が強まって いる。
燃料費がかさむうえ、ドライバーの確保や労 務管理が難しいからだ。
自社拠点の周辺で割安に 給油して、その日に帰って来られる仕事でないと 受けたくないと考える運送会社が増えている。
車種別に見ると今は平ボディ車の需給が逼迫して いる。
陸運局の車両登録台数を見ると、平ボディ は箱・ウイング車の半分程度の台数しかない。
と ころが、WebKITの登録情報には、平ボディ と箱・ウイングに同じぐらいの求車件数が寄せられ ている。
それだけ平ボディの需要は強い。
運賃水準もウイング車が登場した頃には二五%程 度の差があったが、現在はほとんどなくなっている。
安い車両で稼げるのだから、運送会社にとって旨 味が大きい。
そうした情報をどんどん経営に役立 てて欲しいと会員に訴えている。
(談) 「運送会社が荷物を選ぶようになってきた」 日本貨物運送協同組合連合会 助川利信 常務理事 80,000 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 WebKIT の掲載情報件数の推移 (件) 2011 年 荷物件数 2012 年 荷物件数 2011 年 車両件数 2013 年 車両件数 2013 年 荷物件数 2012 年 車両件数 APRIL 2013 16 上に増加した。
その間、貨物輸送量は増えていな い。
価格競争は激化し、実勢運賃は規制緩和以降、 約三割下がった。
値下がり分はドライバーの給与 を引き下げることで吸収してきた。
その結果、ドライバーがいなくなった。
国土交 通省によると国内の営業用トラックドライバーは 〇六年度の九二万人がピークで、〇九年度は七六 万人まで減っている。
営業用トラックの登録車両 台数も〇八年度の一四二万台をピークに減少に転 じているが、一三年度時点でまだ一三六万台ある。
大量のトラックがドライバー不足のため休車状態 で放置されている。
ドライバーがいない 首都圏でドライバー派遣事業と3PLを展開す るウィンコーポレーションは現在約二〇〇人のドラ イバーを雇用している。
保有車両は約二二〇台で、 八割が軽自動車、二割が二トン車と四トン車だ。
今期の売り上げは約二三億円で来期は三〇億円を 突破する見込みだという。
実運送に精通していることが強みになっている。
ドライバーの業務内容は、荷物の種類や走る距離 によって異なってくる。
宅配便の配達と長距離ド ライバーでは、求められる人材がま全く違う。
案 件ごとにニーズを把握し、適切な人材を確保・供 給することで業績を着実に伸ばしてきた。
しかし、同社の中村真一郎社長は「ドライバー 派遣や傭車対応など顧客からの引き合いは一貫し て堅調だが、この二〜三年は仕事を断らざるを得 ないケースが増えている。
運賃が安過ぎる。
特に 下請け運送会社からの提示料金が急落している。
ニーズに応えたいという気持ちはあるが、受けれ Q1 ドライバーの数は足りていますか? Q2 ドライバー不足の最大の理由は? Q4 ドライバーの集まらなくなっている 主な理由は? Q5 ドライバー不足への対策は?(複数選択) Q3 ドライバーが辞めてしまう最大の理由は? 不足している 44.5% やや不足している 31.8% 適正 22.7% 余っている 0.9% 40 35 30 25 20 15 10 5 0 30 25 20 15 10 5 0 (%) (%) (%) (%) 仕事が 増えている 新規採用が 難しい ドライバーが 辞めてしまう 傭車の確保 が難しい 特にない 特にない 給料 労働環境 労働時間 将来性 人事評価 やりがい 35.5 31.8 38.2 25.5 24.5 20.9 13.6 12.7 10.0 6.4 20.0 29.1 23.6 14.5 0.9 25.5 25.5 20.9 11.8 7.3 5.5 3.6 31.8 14.5 6.4 11.8 35 30 25 20 15 10 5 0 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 賃金 3Kのイメージ 中型免許 制度の弊害 他業種に流出 女性・シルバー層 活用不足 募集広告の強化 給与水準の 見直し 労働時間の短縮 女性やシルバー層 の活用 評価制度の 見直し 福利厚生の整備 休日の増加 特にしていない 口コミの活用 緊急調査! ドライバー不足の実態 調査の方法 ドライバー不足の実態や女 性・シルバー層の採用状況な どを探るため、今年2月26日 〜3月7日にかけて、求貨求 車事業などを手掛けるトラボ ックスの協力を得て、同社の 会員となっている運送業者 約5600社を対象にインターネ ットによるアンケート調査を 実施した。
全国の110社から 有効回答が集まった。
結果 の詳細は36〜41頁に掲載し ている。
17 APRIL 2013 特集 食品卸大手の日本アクセスは三月十三日、同 社の輸配送を担う八〇社の協力物流会社で結成 する「アクセスロジスティクス会」の第二回年次 総会を都内ホテルで開催した。
中井忍取締役常 務執行役員ロジスティクス管掌兼ロジスティクス 本部長は「質の高い輸送力を確保し続けること が当社のロジスティクス事業の最重要課題の一つ。
今回の会合などを通して協力物流会社との連携 を図り、アクセスの物流ネットワークをより強固 にしていく」と強調する。
日本アクセスは二〇一一年三月に同じ伊藤忠 商事グループの物流企業ファミリーコーポレーシ ョンを合併して以来、ロジスティクス事業に対す るスタンスを一変させている。
それまで卸機能の 附帯サービスと位置付けていた物流を、収益の 柱に育てる方針を固めた。
現在のロジスティクス 事業の売上高は約一三〇〇億円。
既に食品物流 大手のニチレイロジやキユーソー流通システムに 並ぶ規模だが、今後数年で売上高二〇〇〇億円、 利益一〇〇億円まで拡大する計画を立てている。
成否を握る最大の鍵は、実運送を委託する物 流会社の確保だ。
日本アクセスは現在、一日約 六〇〇〇台のトラックを走らせている。
扱う物量 は年々増加しているため、今後はさらなる輸送 力の増強が必須となる。
常に必要な車両を確保 できなければ、同社のロジスティクス事業の成長 計画はたちまち頓挫する。
ただし、トラックとドライバーの頭数だけを揃 えれば良いわけではない。
アクセスの強みは、質 の高い低温物流ネットワークにある。
当然、運送 を担う物流会社にも一定以上のサービスレベルが 求められる。
ドライバー不足などに悩む現在の運 送市場で、サービスレベルと輸送力を同時に追求 することは容易ではない。
「アクセスロジスティ クス会」を発足・運営させたのは、優良な物流 企業を囲い込んでおきたいという思いの表れで もある。
中井常務は「物流業界の雇用事情や経営環境 が厳しいのは理解している。
当社は荷主の立場 からできるだけのことをする。
もちろん互いに コストダウンは必要だが、無闇な ?運賃叩き?な どは決してしない。
互いにウィンウィンになるよ うな関係を築く」と語る。
ば赤字になってしまう」という。
ドライバーの確保自体、困難になっている。
採 用力を武器とする同社はこれまで一人五万円程度 の募集コストでドライバーを確保できていた。
そ れが現在は一〇万〜一五万円、場合によっては二 〇万円以上掛かることもあるという。
その結果、 ドライバーの派遣先は適正料金を出せる荷主や元 請け物流会社に限定されるようになってきた。
本誌はこのたび求貨求車システムを運営するト ラボックスの協力を得て、全国の運送会社にドラ イバー不足の実態に関する緊急アンケート調査を 行った(右頁囲み参照)。
その結果、現在ドライバー数が「不足している」、 「やや不足している」という回答が合わせて七六・ 三%にも上った。
ドライバーが集まらなくなって いる理由としては、「賃金」が最も多く、「3Kの イメージ」、「中型免許制度の弊害」、「他業種に流 出」がそれに続いた。
トラック運送業が直面する人件費や燃料の高騰 は、宅配便や路線便などの特積運賃には転嫁され るようになってきた。
しかし、トラック市場にお ける特積の分担率は宅配便を含めても二%に満た ない。
輸送サービスの中核を成すチャーター便の 運賃は、既に限界を超えて実勢価格が低下してい るにもかかわらず、据え置かれたままコストアッ プの直撃を受けている。
市場からの自由退出が進み、供給過剰が解消さ れるまでには、まだ相当な時間を要する。
その間、 ドライバーの労働環境は改善されず、現場は疲弊 していく。
サービス品質は低下し、安定供給が脅 かされる。
物流の最大の使命を果たせなくなる恐 れがある。
協力物流会社と連携強化──日本アクセス 会の冒頭では日本アクセスの田中社長が登壇。
同社内で物流のプレゼンスが高まっている
