2013年7月号
SOLE
SOLE
部品供給のグローバル化・現地化の考察
SOLE 日本支部の報告
JULY 2013 80
SOLE日本支部では、「グローバ
ルサプライチェーン(GSC)再構築
実践ガイド」の作成を目的とした専門
研究会を組織して、分科会活動を展
開している。
その成果の一端として 今回は部品供給ネットワークにおける グローバル化の影響についての考察を 紹介する。
(SOLE日本支部 曽我部旭弘) GSC再構築実践ガイドとは 企業はビジネスモデルや技術の革新 を通じて、社会や人の生活に変化を もたらす商品やサービスを日々生み出 している。
また企業は目には見えない 「信用」を生み出す場でもある。
そし て企業は事業経営を通じて常に市場 と対話し、競い合いながら成長して いくことを目指す。
通常、企業は複数の事業から成り 立っている。
一つ一つの事業は最終 使用者(ユーザー)に向けて、自己 (自社)およびサプライヤーや納品先 組み立てメーカーなどの協力者(パー トナー)が連携・ネットワーク化され たサプライチェーンを形成している。
そしてサプライチェーンとは需要創 出と供給実現を含むバリューチェーン であり、衣・食・住・エネルギーな どさまざまな産業・業界で、それぞ れ特色のあるビジネスモデルが開発さ れ実践されている。
現在の事業・ビジネスモデルをさら に有効で効率的な事業システムとして (改良)改善・改革していくには、製 品やサービスなどプロダクトの有効性 とプロセス(ネットワーク構造化され た工程)の効率性の両面からその事 業価値向上の実現可能性を評価する 必要がある。
その手引きとするために、SOL E日本支部ではGSC研究会を組織 して「グローバルサプライチェーン(G SC)再構築実践ガイド」の作成に 取り組んでいる。
同ガイドは、「( ? ) 事業企 画」、「(?)(?)実施運用フェーズ」、 「(?)現場改善」の三部構成となっ ている。
このうち(?)事業企画フ ェーズは以下の手順で展開される。
?.1「自社分析」 部品供給のグローバル化・現地化の考察 図1 機械金属技術連携マップ 素材成型工程 除去加工 機械加工 熱処理 丸加工、穴空け 平面加工、歯車加工 特殊加工 ※施盤(タテ・ヨコ) ※フライス ※歯車 ※マシニング ※プレス など 表面加工部品取扱業者 出荷 出荷先は ●国内外 ●完成品メーカー ●部品専業メーカー 金型、治具、工具については 加工・製造としてとらえた 本資料は、一橋大学関満隆教授の 資料をアレンジして作成した 製品化 ※研磨 ※メッキ ※アルマイト ※メタリコン など ※組立 ※塗装 ※検査 射出成形 など 焼入れ、焼戻し ※漫炭焼入れ ※高周波焼入れ 治具製造 工具製造 望性加工 成型 材 成型 品 製作 部品 購入 部品 熱間成型 冷間成型 ※鋳造 ※プレス ※絞り ※粉末合金 熔解成型工程 鋳造成型 ※鋳造 ※ダイカスト 除去・加工工程仕上工程組立工程 鉄鋼 メーカー商社 原料 鉄 非鉄 メーカー 材料 商社 再生 材料商 商社非鉄 溶融合加工 切断・折曲げ 溶接・圧縮など ※製缶 ※板金 ※溶接 ※小組立 システム化研究所(1994) 金型製造 部品・金型 81 JULY 2013 自社経営実態を知り、継続的な成 長のために事業再編成計画を立案す る。
?.2「事業企画」 企画対象事業ごとにビジネスモデ ル(事業計画)を策定する。
?.3「事業設計」 事業ビジネスモデルの詳細な仕様・ 要件を整え、実現に至るステップを決 定する。
?.4「事業業務プロセスの作成」 事業設計で求められる業務プロセス 要件を実現するため、業務体系を作 り込む。
?.5「事業ネットワーク工程の作 成」 事業設計で設定されたネットワーク 工程を、現行で活用できる拠点ネッ トワークも含めて利活用し、全体の工 程を設計する。
この?.5「事業ネットワーク工程 の作成」において、工程をアウトソー シングする場合のアライアンス作りは、 特に重要な事項となる。
部品供給の グローバル化・現地化が大きく進んで いるためである。
我が国の部品製造事業者は大半が 中堅中小企業である。
我が国の工業 化と発展は、そうした中小企業が供 給する部品の上に成り立ったものと 言える。
しかし、バブル崩壊以降二 〇年以上続くデフレ経済とグローバル 化・現地化の進展によって、部品メ ーカーは今日、大きな事業変革を迫 られている。
金属機械製品を例に取ってみよう。
図1の「機械金属技術連携マップ」は 金属機械製品の製造プロセスとサプ ライチェーンのネットワークを示して いる。
この図に示されている鉄鋼材の調達 から鍛造・鋳造、加工・熱処理・仕 上げ等の各工程は、完成品メーカー や部品メーカーの求めに応じて、多く の中小事業者が単品部品やサブ組立 品(中間製品)を分担する技術(技 能)連携によって運営されている。
我が国では各地域にそうした技術 (技能)連携が根付き成熟化している。
そのため我が国の国内においては、部 品供給ネットワークの運用の簡素化と 業務プロセスの高度化が進み、一次 請け(ティア1)に管理業務が集約さ れていった。
グローバル化も当初は日系完成品 メーカーの要請に応じて、日本から 部品や製品を現地に送り込むという かたちが主流であった。
しかし、海 外の現地メーカーが大量の最終製品 を自ら組み立てるようになって、部 品調達の現地化が必要になってきた。
すなわち、サプライチェーンを支える 日本の中堅中小企業が海外各地に拠道 具( 治 具 ・ 工 具 ) 制作提供者 図2 顧客と自社の企業間業務連携 事業計画 詳細設計 調達 製造調達 生産計画 発注 生産計画 生産調達段階 生産調達段階 製造運用 運用・支援・廃棄段階 PDM ミニPDM 会計入力 会計財務 生産技術 D/B 実績 D/B 製品統合 データベース 輸配送配置 廃棄 受注/販売 需要計画 設備開発準備 試作仕様確認生産立上げ生産基準 企画開発段階 製品企画 顧客(完成品メーカー) 発注 自己(小集団・中小企業) 受注 生産準備 加工協力者 購買品提供者 詳細設計・試作仕様 引き合い企画見積り 事業計画 企画準備段階 輸配送 材料提供者 基本設計開発 点進出し、それぞれ現地で技術(技 能)の連携を取る必要が出てきたの である。
これまで通り国内事業の高度化を 進めながら、同時に海外における現 地化も可能とするには、ビジネスモデ ルの転換が不可欠である。
パートナー 企業間の業務プロセスを磨き直し、現 地化しても運用可能な業務プロセス体 系を整備するのである(八一ページ図 2 顧客と自社の企業間業務連携参 照)。
国際工程管理時代への対応 長期にわたる景気の低迷によって我 が国の製造・物流現場は疲弊し、多 くの中小企業が慢性的な赤字に苦し んでいる。
ビジネスモデルを転換し、 新たな業務プロセスの構築に当たって まず検討しなければならないのは、そ の方法で事業が存続できるのか、端 的に言えば、売り上げから販売一般 管理費を差し引いて得られる営業利 益で借入金元金・利息が払えている のかを見極めることである。
有効なプロダクトを効率的なプロセ スによって生み出しているか。
営業・ 販売・調達・物流の各業務の一貫性、 とりわけパートナー企業との連携が適 切であるのかを見直すことから事業 改善・改革に当たらなければならな い。
具体的には、案件の受付から見 JULY 2013 82 図3 部品工程設計からオペレーションまで 製品・工程設計 Assy 工法生産性検討事業再編成と業務再構築 (生産能力を整える) 生産設備能力 依託先の活用 (人材・組織を整える) 部品工法生産性検討(A) 部品使用(QCD)を具体的な作り方に 部品工法生産性(A)確認 試作・不具合対策 (作り方を整える) 01〜07 量産工程設計 02.(LNC、LNC2) 03.(HMC) 03.(GSF) 工法生産性検討B 確認、品質保証項目一覧表、部品図面 部品工程加工図、測定検査要領、治具工具図面、作業標準表 多工程加工整流化、多工程セル化 工程No. 01 02 03 04 05 06 07 鍛造 自社歯車試験 三次元測定 など 依託先 (パートナー) LNC1 HMC GS LNC2 熱処理 浸炭 仕上 TN 検査 ××:鍛工 ××:熱処理 02.工程加工手順条件を改善する (常に工程加工条件を更新する) 切削加工条件 工程加工のNC 化・セル化 段取り替え時間短縮・多能工化 ex.LNC・ロボット・LNC2 02.加工条件を整える ●加工図・プログラム・治具・工具 加工手順、測定検査条件の確認 ●加工品の確認 ●加工スケジューリング 02.工程加工する ●プログラム・ツーリング(工具) 治具の確認 ●加工品の取付 ●加工運転、測定記録 ●工具摩耗・取替 ─QCD 設計と実現─ 83 JULY 2013 わせて情報を再編集して提示するよ うにしたい。
ここでのポイントは、言 い訳のできない目標設定と利にかな った条件設定である。
そして標準化・最適化によって業 務のムダ、ロスを追放する。
すなわ ち「やめる化」する。
現行業務で不 (非)稼働時間に相当する作業を撲滅 するとともに、スタッフ活動の業務の 洗い直しによって時間の余裕を生み出 すことができる。
一方、「変える化」とは、見える化 とやめる化で得た結果を「後戻りしな い仕組み」として組織に定着させる ことである。
改善の継続を人中心の 事業活動として埋め込んでいく。
そ のように、まずは日本で現場活動の ひな形を作ることがグローバル対応の 準備となる。
準備・原単位計画・操作オペレーシ ョン・工程品質測定・検査など、部 品工程製造にかかわる制作図書類を 素早く正確に展開できるようにする (図3 部品工程設計からオペレーシ ョンまで参照)。
見える、やめる、変える さらに、受注案件の納期・スケジ ュール管理の仕組みを整備する。
作 業日報を通して部品工程ごとの実加 工時間や付帯作業時間と非稼働時間 を把握し、原単位計画との差異が少 なくなるように現場改善を繰り返す。
「見える」、「やめる」、「変える」が、 そのキーワードになる。
事業ごとに、 その事業に関わる全ての業務を徹底し て「見える化」する。
さらに、それ を必要とする人たちの能力レベルに合 積・試作・受注確定・手配・調達・ 製造・出荷・請求回収へと至る、注 文をお金に替える実務の流れを作り直 していく。
その時に我々日本人らしいものづく りの体制・技術・技能やノウハウな ど、人に帰属しがちな知見や経験を 顕在化し、標準・一般化することで、 誰もが活用できる業務・技術レベル にすることが大切である。
いわゆる 「デジタル職人」を育成するのである。
そのためにナレッジマネジメントの要 素をシステムに織り込んでいく必要が ある。
部品供給の場合であれば、部品ご と、工程ごとに業務フォーマットと手 順を定義した「制作図書」を作り込ん でいく。
工法生産性検討から工程ご との加工図・要件定義・治具・工具 ※ S O L E(The International Society of Logistics:国際ロジスティクス学会)は一 九六〇年代に設立されたロジスティクス団体。
米国に本部を置き、会員は五一カ国・三〇 〇〇〜三五〇〇人に及ぶ。
日本支部では毎 月「フォーラム」を開催し、講演、研究発 表、現場見学などを通じてロジスティクス・ マネジメントに関する活発な意見交換、議 論を行っている。
次回フォーラムのお知らせ 次回フォーラムは2013年7月10 日(水)、東京・霞ヶ関の商工会館 6Fで開催する。
「電力自由化と保全 革新」などの研究発表が予定されて いる。
このフォーラムは年間計画に基 づいて運営しているが、単月のみの参 加も可能。
一回の参加費は6000円。
お問い合わせは事務局(s-sogabe@ mbb.nifty.ne.jp)まで。
その成果の一端として 今回は部品供給ネットワークにおける グローバル化の影響についての考察を 紹介する。
(SOLE日本支部 曽我部旭弘) GSC再構築実践ガイドとは 企業はビジネスモデルや技術の革新 を通じて、社会や人の生活に変化を もたらす商品やサービスを日々生み出 している。
また企業は目には見えない 「信用」を生み出す場でもある。
そし て企業は事業経営を通じて常に市場 と対話し、競い合いながら成長して いくことを目指す。
通常、企業は複数の事業から成り 立っている。
一つ一つの事業は最終 使用者(ユーザー)に向けて、自己 (自社)およびサプライヤーや納品先 組み立てメーカーなどの協力者(パー トナー)が連携・ネットワーク化され たサプライチェーンを形成している。
そしてサプライチェーンとは需要創 出と供給実現を含むバリューチェーン であり、衣・食・住・エネルギーな どさまざまな産業・業界で、それぞ れ特色のあるビジネスモデルが開発さ れ実践されている。
現在の事業・ビジネスモデルをさら に有効で効率的な事業システムとして (改良)改善・改革していくには、製 品やサービスなどプロダクトの有効性 とプロセス(ネットワーク構造化され た工程)の効率性の両面からその事 業価値向上の実現可能性を評価する 必要がある。
その手引きとするために、SOL E日本支部ではGSC研究会を組織 して「グローバルサプライチェーン(G SC)再構築実践ガイド」の作成に 取り組んでいる。
同ガイドは、「( ? ) 事業企 画」、「(?)(?)実施運用フェーズ」、 「(?)現場改善」の三部構成となっ ている。
このうち(?)事業企画フ ェーズは以下の手順で展開される。
?.1「自社分析」 部品供給のグローバル化・現地化の考察 図1 機械金属技術連携マップ 素材成型工程 除去加工 機械加工 熱処理 丸加工、穴空け 平面加工、歯車加工 特殊加工 ※施盤(タテ・ヨコ) ※フライス ※歯車 ※マシニング ※プレス など 表面加工部品取扱業者 出荷 出荷先は ●国内外 ●完成品メーカー ●部品専業メーカー 金型、治具、工具については 加工・製造としてとらえた 本資料は、一橋大学関満隆教授の 資料をアレンジして作成した 製品化 ※研磨 ※メッキ ※アルマイト ※メタリコン など ※組立 ※塗装 ※検査 射出成形 など 焼入れ、焼戻し ※漫炭焼入れ ※高周波焼入れ 治具製造 工具製造 望性加工 成型 材 成型 品 製作 部品 購入 部品 熱間成型 冷間成型 ※鋳造 ※プレス ※絞り ※粉末合金 熔解成型工程 鋳造成型 ※鋳造 ※ダイカスト 除去・加工工程仕上工程組立工程 鉄鋼 メーカー商社 原料 鉄 非鉄 メーカー 材料 商社 再生 材料商 商社非鉄 溶融合加工 切断・折曲げ 溶接・圧縮など ※製缶 ※板金 ※溶接 ※小組立 システム化研究所(1994) 金型製造 部品・金型 81 JULY 2013 自社経営実態を知り、継続的な成 長のために事業再編成計画を立案す る。
?.2「事業企画」 企画対象事業ごとにビジネスモデ ル(事業計画)を策定する。
?.3「事業設計」 事業ビジネスモデルの詳細な仕様・ 要件を整え、実現に至るステップを決 定する。
?.4「事業業務プロセスの作成」 事業設計で求められる業務プロセス 要件を実現するため、業務体系を作 り込む。
?.5「事業ネットワーク工程の作 成」 事業設計で設定されたネットワーク 工程を、現行で活用できる拠点ネッ トワークも含めて利活用し、全体の工 程を設計する。
この?.5「事業ネットワーク工程 の作成」において、工程をアウトソー シングする場合のアライアンス作りは、 特に重要な事項となる。
部品供給の グローバル化・現地化が大きく進んで いるためである。
我が国の部品製造事業者は大半が 中堅中小企業である。
我が国の工業 化と発展は、そうした中小企業が供 給する部品の上に成り立ったものと 言える。
しかし、バブル崩壊以降二 〇年以上続くデフレ経済とグローバル 化・現地化の進展によって、部品メ ーカーは今日、大きな事業変革を迫 られている。
金属機械製品を例に取ってみよう。
図1の「機械金属技術連携マップ」は 金属機械製品の製造プロセスとサプ ライチェーンのネットワークを示して いる。
この図に示されている鉄鋼材の調達 から鍛造・鋳造、加工・熱処理・仕 上げ等の各工程は、完成品メーカー や部品メーカーの求めに応じて、多く の中小事業者が単品部品やサブ組立 品(中間製品)を分担する技術(技 能)連携によって運営されている。
我が国では各地域にそうした技術 (技能)連携が根付き成熟化している。
そのため我が国の国内においては、部 品供給ネットワークの運用の簡素化と 業務プロセスの高度化が進み、一次 請け(ティア1)に管理業務が集約さ れていった。
グローバル化も当初は日系完成品 メーカーの要請に応じて、日本から 部品や製品を現地に送り込むという かたちが主流であった。
しかし、海 外の現地メーカーが大量の最終製品 を自ら組み立てるようになって、部 品調達の現地化が必要になってきた。
すなわち、サプライチェーンを支える 日本の中堅中小企業が海外各地に拠道 具( 治 具 ・ 工 具 ) 制作提供者 図2 顧客と自社の企業間業務連携 事業計画 詳細設計 調達 製造調達 生産計画 発注 生産計画 生産調達段階 生産調達段階 製造運用 運用・支援・廃棄段階 PDM ミニPDM 会計入力 会計財務 生産技術 D/B 実績 D/B 製品統合 データベース 輸配送配置 廃棄 受注/販売 需要計画 設備開発準備 試作仕様確認生産立上げ生産基準 企画開発段階 製品企画 顧客(完成品メーカー) 発注 自己(小集団・中小企業) 受注 生産準備 加工協力者 購買品提供者 詳細設計・試作仕様 引き合い企画見積り 事業計画 企画準備段階 輸配送 材料提供者 基本設計開発 点進出し、それぞれ現地で技術(技 能)の連携を取る必要が出てきたの である。
これまで通り国内事業の高度化を 進めながら、同時に海外における現 地化も可能とするには、ビジネスモデ ルの転換が不可欠である。
パートナー 企業間の業務プロセスを磨き直し、現 地化しても運用可能な業務プロセス体 系を整備するのである(八一ページ図 2 顧客と自社の企業間業務連携参 照)。
国際工程管理時代への対応 長期にわたる景気の低迷によって我 が国の製造・物流現場は疲弊し、多 くの中小企業が慢性的な赤字に苦し んでいる。
ビジネスモデルを転換し、 新たな業務プロセスの構築に当たって まず検討しなければならないのは、そ の方法で事業が存続できるのか、端 的に言えば、売り上げから販売一般 管理費を差し引いて得られる営業利 益で借入金元金・利息が払えている のかを見極めることである。
有効なプロダクトを効率的なプロセ スによって生み出しているか。
営業・ 販売・調達・物流の各業務の一貫性、 とりわけパートナー企業との連携が適 切であるのかを見直すことから事業 改善・改革に当たらなければならな い。
具体的には、案件の受付から見 JULY 2013 82 図3 部品工程設計からオペレーションまで 製品・工程設計 Assy 工法生産性検討事業再編成と業務再構築 (生産能力を整える) 生産設備能力 依託先の活用 (人材・組織を整える) 部品工法生産性検討(A) 部品使用(QCD)を具体的な作り方に 部品工法生産性(A)確認 試作・不具合対策 (作り方を整える) 01〜07 量産工程設計 02.(LNC、LNC2) 03.(HMC) 03.(GSF) 工法生産性検討B 確認、品質保証項目一覧表、部品図面 部品工程加工図、測定検査要領、治具工具図面、作業標準表 多工程加工整流化、多工程セル化 工程No. 01 02 03 04 05 06 07 鍛造 自社歯車試験 三次元測定 など 依託先 (パートナー) LNC1 HMC GS LNC2 熱処理 浸炭 仕上 TN 検査 ××:鍛工 ××:熱処理 02.工程加工手順条件を改善する (常に工程加工条件を更新する) 切削加工条件 工程加工のNC 化・セル化 段取り替え時間短縮・多能工化 ex.LNC・ロボット・LNC2 02.加工条件を整える ●加工図・プログラム・治具・工具 加工手順、測定検査条件の確認 ●加工品の確認 ●加工スケジューリング 02.工程加工する ●プログラム・ツーリング(工具) 治具の確認 ●加工品の取付 ●加工運転、測定記録 ●工具摩耗・取替 ─QCD 設計と実現─ 83 JULY 2013 わせて情報を再編集して提示するよ うにしたい。
ここでのポイントは、言 い訳のできない目標設定と利にかな った条件設定である。
そして標準化・最適化によって業 務のムダ、ロスを追放する。
すなわ ち「やめる化」する。
現行業務で不 (非)稼働時間に相当する作業を撲滅 するとともに、スタッフ活動の業務の 洗い直しによって時間の余裕を生み出 すことができる。
一方、「変える化」とは、見える化 とやめる化で得た結果を「後戻りしな い仕組み」として組織に定着させる ことである。
改善の継続を人中心の 事業活動として埋め込んでいく。
そ のように、まずは日本で現場活動の ひな形を作ることがグローバル対応の 準備となる。
準備・原単位計画・操作オペレーシ ョン・工程品質測定・検査など、部 品工程製造にかかわる制作図書類を 素早く正確に展開できるようにする (図3 部品工程設計からオペレーシ ョンまで参照)。
見える、やめる、変える さらに、受注案件の納期・スケジ ュール管理の仕組みを整備する。
作 業日報を通して部品工程ごとの実加 工時間や付帯作業時間と非稼働時間 を把握し、原単位計画との差異が少 なくなるように現場改善を繰り返す。
「見える」、「やめる」、「変える」が、 そのキーワードになる。
事業ごとに、 その事業に関わる全ての業務を徹底し て「見える化」する。
さらに、それ を必要とする人たちの能力レベルに合 積・試作・受注確定・手配・調達・ 製造・出荷・請求回収へと至る、注 文をお金に替える実務の流れを作り直 していく。
その時に我々日本人らしいものづく りの体制・技術・技能やノウハウな ど、人に帰属しがちな知見や経験を 顕在化し、標準・一般化することで、 誰もが活用できる業務・技術レベル にすることが大切である。
いわゆる 「デジタル職人」を育成するのである。
そのためにナレッジマネジメントの要 素をシステムに織り込んでいく必要が ある。
部品供給の場合であれば、部品ご と、工程ごとに業務フォーマットと手 順を定義した「制作図書」を作り込ん でいく。
工法生産性検討から工程ご との加工図・要件定義・治具・工具 ※ S O L E(The International Society of Logistics:国際ロジスティクス学会)は一 九六〇年代に設立されたロジスティクス団体。
米国に本部を置き、会員は五一カ国・三〇 〇〇〜三五〇〇人に及ぶ。
日本支部では毎 月「フォーラム」を開催し、講演、研究発 表、現場見学などを通じてロジスティクス・ マネジメントに関する活発な意見交換、議 論を行っている。
次回フォーラムのお知らせ 次回フォーラムは2013年7月10 日(水)、東京・霞ヶ関の商工会館 6Fで開催する。
「電力自由化と保全 革新」などの研究発表が予定されて いる。
このフォーラムは年間計画に基 づいて運営しているが、単月のみの参 加も可能。
一回の参加費は6000円。
お問い合わせは事務局(s-sogabe@ mbb.nifty.ne.jp)まで。
