2023年3月号
特集
特集
アパレル 海外で店別梱包まで済ませ国内業務を削減
低積載率・多段階重複倉庫業務
アパレル業界では、企業ごとに物流手段を選択することが通例となっていることから、三つの大きな課題が発生している。
まず川上の海外輸送業務では、低い積載率のままコンテナ輸送するため1品当たりのコスト負担が大きい。
次に国内物流業務では、開梱・検品・仕分け・積み込みといった倉庫作業が、港湾倉庫、アパレル倉庫、専用物流倉庫または共同配送業者の物流拠点、小売倉庫と多段階にわたって重複して行われ、作業負荷を増やしている。
そして川下の国内配送業務では、アパレル直営店、百貨店やショッピングセンター、さらには宅配まで個別に配送が行われているため、多数の車両が必要となる上に積載率が低い。
このような事態を改善するため、日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)を研究責任者として、JAFIC会員企業2社、DXコンサルティングを手がけるRidgelinez、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが参画する「アパレルデータ基盤ユニット」は、打開策となるビジネスモデルの試作と実証実験に取り組んだ。
企業ごとに物流手段を選択することが通例となっているのは、物流工程を競争領域と位置付けてきたからだ。
これを協調領域に再定義することが、改善の出発点となる。
そこで、海外(主に海外)から複数のアパレル企業で共同輸入・共同配送を行うビジネスモデルを目標に掲げた。
特に、川上となる海外物流拠点で店舗別の仕分け・検品・梱包まで済ませることで、日本国内の倉庫における多段階の重複業務を削減し、店舗直送物流を増やすことに主眼を置いている(図表1)。
アパレル情報共有システムを開発 このビジネスモデルを実現するには、複数のアパレル企業や物流事業者間で必要な物流情報が共有されることと、物流情報を共有するためのシステムが必要となる。
そこで、物流・商流データ基盤の要素基礎技術を利用し、業界プラットフォームとしてアパレル情報共有システムFALCO(Fashion Apparel Logistics Collaborative Operation Support System)を開発した。
FALCOの保有している機能は、次の三つ。
①情報共有・意思決定支援 ②物流ステータス管理 ③規模別・取扱量別料金体系提示 ①は、納入予定や店別配分指示に関するデータを共有することで、共同輸送やコンテナ共用の実施可否判断を支援したり、複数アパレルの配送先やスケジュール関連情報を組み合わせることで国内最適地輸送実施可否の判断を支援したりする機能。
②は、物流の委託先に対する情報の共有範囲などを設定したり、各種物流業務の進捗を表示したり、付与された権限に基づき対象取引や物流ステータスを参照したりする機能。
③は、取扱データ量に対応した月額固定料金を表示する機能。
中小企業を含めて幅広い企業が利用できる簡素かつ安価な料金体系を目指している。
このFALCOを使って2022年9月〜23年1月にかけて、ビジネスモデルの実証実験を行った。
実験内容は、中国で生産されたJAFIC会員企業2社(A社とB社)の商品を、上海北隣の港湾都市・太倉にある会員企業Aの海外物流倉庫に集約し、千葉県習志野市にある会員企業Aの保税倉庫を経て、2社それぞれの店舗へ配送するというもの。
まず関係者間で商品データ登録、発注〜生産、検品・梱包、貿易、国内物流と、各物流プロセス時点での物流データ連携を実施した上で、発注計画・店別配分指示・店別配分結果に問題はなかったか、そしてコンテナ積載率と重複業務削減による工数の減少にどの程度の効果があったかを検証した。
発注計画・店別配分指示・店別配分結果の3項目に関しては、業務やデータのやり取りが問題なく行われたか、エビデンスも添えて検証した。
例えば発注計画の業務であれば、太倉の倉庫への商品納入予定が把握できたか、物流の計画やリソース確保に必要な情報が入手できたか、ETD(出発予定時刻)に合わせたスケジュールで商品の搬入を受け入れられたか、などが検証項目に挙げられている。
発注計画のデータに関しては、会員企業Aが業務実施に必要なデータを必要なタイミングで入手できたか、といった具合だ。
それらのエビデンスとしては、実際の搬入日、受入商品の計画と実数、会員企業AとBへの送付日時(FALCOに登録されたものを検索・ダウンロードして確認する)などを用いた。
コンテナ積載率と重複業務削減による工数の減少に関しては、研究開発ユニットでは積載率を60%から80%に高め、作業工数を15%削減できると見込んでいる。
1月末の実証実験終了後は、課題を整理・解決した上で、4月からの社会実装を目指す。
JAFICがFALCOの運営を行う事業主体となり、物流企業がFALCOからユーザーであるアパレル企業のデータ共有を受け、必要な物流業務を行う。
アパレル企業と物流企業それぞれが支払うFALCOの利用料が、JAFICの収益となる(図表2)。
JAFICは物流・商流データ基盤に対し、要素基礎技術利用料を支払う。
まず川上の海外輸送業務では、低い積載率のままコンテナ輸送するため1品当たりのコスト負担が大きい。
次に国内物流業務では、開梱・検品・仕分け・積み込みといった倉庫作業が、港湾倉庫、アパレル倉庫、専用物流倉庫または共同配送業者の物流拠点、小売倉庫と多段階にわたって重複して行われ、作業負荷を増やしている。
そして川下の国内配送業務では、アパレル直営店、百貨店やショッピングセンター、さらには宅配まで個別に配送が行われているため、多数の車両が必要となる上に積載率が低い。
このような事態を改善するため、日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)を研究責任者として、JAFIC会員企業2社、DXコンサルティングを手がけるRidgelinez、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが参画する「アパレルデータ基盤ユニット」は、打開策となるビジネスモデルの試作と実証実験に取り組んだ。
企業ごとに物流手段を選択することが通例となっているのは、物流工程を競争領域と位置付けてきたからだ。
これを協調領域に再定義することが、改善の出発点となる。
そこで、海外(主に海外)から複数のアパレル企業で共同輸入・共同配送を行うビジネスモデルを目標に掲げた。
特に、川上となる海外物流拠点で店舗別の仕分け・検品・梱包まで済ませることで、日本国内の倉庫における多段階の重複業務を削減し、店舗直送物流を増やすことに主眼を置いている(図表1)。
アパレル情報共有システムを開発 このビジネスモデルを実現するには、複数のアパレル企業や物流事業者間で必要な物流情報が共有されることと、物流情報を共有するためのシステムが必要となる。
そこで、物流・商流データ基盤の要素基礎技術を利用し、業界プラットフォームとしてアパレル情報共有システムFALCO(Fashion Apparel Logistics Collaborative Operation Support System)を開発した。
FALCOの保有している機能は、次の三つ。
①情報共有・意思決定支援 ②物流ステータス管理 ③規模別・取扱量別料金体系提示 ①は、納入予定や店別配分指示に関するデータを共有することで、共同輸送やコンテナ共用の実施可否判断を支援したり、複数アパレルの配送先やスケジュール関連情報を組み合わせることで国内最適地輸送実施可否の判断を支援したりする機能。
②は、物流の委託先に対する情報の共有範囲などを設定したり、各種物流業務の進捗を表示したり、付与された権限に基づき対象取引や物流ステータスを参照したりする機能。
③は、取扱データ量に対応した月額固定料金を表示する機能。
中小企業を含めて幅広い企業が利用できる簡素かつ安価な料金体系を目指している。
このFALCOを使って2022年9月〜23年1月にかけて、ビジネスモデルの実証実験を行った。
実験内容は、中国で生産されたJAFIC会員企業2社(A社とB社)の商品を、上海北隣の港湾都市・太倉にある会員企業Aの海外物流倉庫に集約し、千葉県習志野市にある会員企業Aの保税倉庫を経て、2社それぞれの店舗へ配送するというもの。
まず関係者間で商品データ登録、発注〜生産、検品・梱包、貿易、国内物流と、各物流プロセス時点での物流データ連携を実施した上で、発注計画・店別配分指示・店別配分結果に問題はなかったか、そしてコンテナ積載率と重複業務削減による工数の減少にどの程度の効果があったかを検証した。
発注計画・店別配分指示・店別配分結果の3項目に関しては、業務やデータのやり取りが問題なく行われたか、エビデンスも添えて検証した。
例えば発注計画の業務であれば、太倉の倉庫への商品納入予定が把握できたか、物流の計画やリソース確保に必要な情報が入手できたか、ETD(出発予定時刻)に合わせたスケジュールで商品の搬入を受け入れられたか、などが検証項目に挙げられている。
発注計画のデータに関しては、会員企業Aが業務実施に必要なデータを必要なタイミングで入手できたか、といった具合だ。
それらのエビデンスとしては、実際の搬入日、受入商品の計画と実数、会員企業AとBへの送付日時(FALCOに登録されたものを検索・ダウンロードして確認する)などを用いた。
コンテナ積載率と重複業務削減による工数の減少に関しては、研究開発ユニットでは積載率を60%から80%に高め、作業工数を15%削減できると見込んでいる。
1月末の実証実験終了後は、課題を整理・解決した上で、4月からの社会実装を目指す。
JAFICがFALCOの運営を行う事業主体となり、物流企業がFALCOからユーザーであるアパレル企業のデータ共有を受け、必要な物流業務を行う。
アパレル企業と物流企業それぞれが支払うFALCOの利用料が、JAFICの収益となる(図表2)。
JAFICは物流・商流データ基盤に対し、要素基礎技術利用料を支払う。
