2023年3月号
特集

Automagi スマホで荷物の三辺や荷姿などを自動判別

95%超の精度で三辺サイズを計測  共同配送を行う際には配送計画の最適化や配送料の決定などに加えて、荷物のサイズや荷物識別番号、上積みの可否などといった荷物情報の取得が必要となる。
この各種荷物情報の取得をドライバーなどの人手に頼っていることが、物流業界で発生している長時間労働や長時間拘束の一因ともなっている。
 Automagiが研究責任者の「スマート物流を支援するスマホAIアプリケーション基盤技術」ユニットでは市販のスマートフォンを用いて荷物の三辺サイズなどを計測できるアプリケーションを開発した。
荷物をスマホで写すことで、箱型の定形荷物と非定形荷物の三辺サイズ計測や荷姿の識別、荷物に貼付された注意ラベルの種別を判別する。
スマホに組み込まれている2種類の技術を用いて開発することで、市販されているiPhoneやAndroid全般で利用できることを目指した。
 定形荷物の三辺サイズ計測は複数の手法を確立している。
一つは人が箱型の定形荷物を計測する際に、計測点として最も自然に選ぶ頂点がどれかを割り出して定形荷姿の各辺の長さを計測する方式となる。
18万枚の教師データを使用した深層学習と、実際の定形ダンボールを用いた測定を繰り返したことで96%の精度で計測できる。
もう一つの定形荷物の三辺サイズ計測はスマホに搭載されたセンサーを活用して行う。
センサーが取得した情報から計測対象物を特定して、三辺長を計算する。
こちらを実装したスマホでの測定は計測精度97・7%となっている。
非定形荷物の三辺サイズ計測は荷物の色や影といった影響を抑えて荷姿を抽出するAIの作成や色の影響を小さくするフィルタの追加などを行うことで、計測精度90%以上を実現している。
 荷姿の自動判別は対象物を直方体ダンボール、折りたたみコンテナ、直方体以外のダンボール、緩衝材梱包、ボトル、長尺物、セメント袋、タイヤ、缶、紙袋の10カテゴリに分類し、どれに当てはまるかを判別する仕組みとなる。
荷物を積載する際に上積みが可能かどうかの判別などに使用できる。
開発したシステムによる荷姿判別ではカテゴリ別の分類精度が91%。
荷姿分類のカテゴリはカスタマイズが可能なので、扱う荷物によってある程度変えることもできる。
 上積み可否ラベルの読み取りシステムは対象物に記載された「われもの注意」「天地無用」「水ぬれ防止」「取扱注意」「火気厳禁」「上積禁止」の6種類のケアマークを図形認識し、96%の精度で読み取ることができる。
一つの荷物に複数の取扱注意マークが貼付されている場合があるため、図形マークを一つの物体として見立てて認識する深層学習モデルを用いて開発した。
 三辺計測、荷姿判別、上積み可否ラベル読み取りのうち、物流事業者からニーズが特に高いスマホ搭載センサーを用いた定形荷物の三辺自動計測アプリケーションを21年9月から商用リリースしている。
社会実装のビジネスモデルは大企業BtoB向けとなるWMS利用モデルとBtoC・CtoC事業者向けのSDK提供モデルの2種類で主に展開している。
WMS利用モデルは物流事業者が計測したサイズ情報を自社のWMSに同期可能なオプションを提供している。

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