2023年3月号
特集

グローリー センター内の車両状態や荷役進捗をデータ化

TOFカメラで荷台の積載を把握  物流センターにおける受付業務や積み降ろし、検品にかかる時間などの積み重ねによって、センターでの待ち時間の拡大や長時間拘束といった問題が発生している。
グローリーを研究責任者とする「画像認識などによるバースにおける車両出入りおよび積み降ろし作業の自動データ収集システムの開発」ユニットでは有効な自動データ収集方法がまだ確立されていないセンター内での車両状態や積み降ろし業務を対象とする自動データ化技術を研究した。
画像認識技術を用いて、センターにおけるトラックの入退場や荷役業務中などの車両状態と、積み降ろし業務に関するデータを自動取得して可視化することで各種ドライバー業務の効率化に役立てる。
 車両状態の自動データ化では2020年3月に1日当たりの配送量がカゴ車2千台(5万2千ケース)規模の物流センターのバースで実車両を用いた実証実験を行った。
車両ナンバーの認識と登録が済んでいる車両の通知をソフトウエアで処理して通知情報を蓄積し、指定した車両のカメラごとの認識結果を自動集計する。
 車両ナンバーの読み取りは時速10キロから20キロで走行したトラック23台中22台で成功した。
トラックの入退場時間や積み降ろし時間の自動取得については、受付帳簿の各種申告時間と比較することで有効性を検証した。
手書き台帳と自動記録の間で若干の時間の誤差はみられたものの、ドライバーの入退場時間、待ち時間、事務所での手続き時間などの正確な自動記録が可能なことが分かった。
画像認識を用いたナンバープレート認識は夜間や逆光といった撮影環境での課題があったが、カメラ設置位置の工夫とシステムの安定化に加えて、画像鮮明化処理を行うことで解決している。
 もう一つの積み降ろし業務の自動データ化ではバース内での積み降ろし作業時における積み荷状態、荷役作業の進捗、積み降ろし時の検品業務などのデータを取得する仕組みの構築を目指した。
トラック荷台の積載状況と貨物搬出作業の進捗状況の把握には光の反射を検知できるTime Of Flight(TOF)カメラを用いた。
TOFカメラをトラック後部の上方に装着し、荷役作業者の位置と貨物を1分ごとに測定することで貨物室内の積載状況を取得することができた。
 バース内における荷役作業の進捗は作業者の骨格を画像認識することで、バース近辺での人数や作業時間の把握が可能かを検証した。
バースを広角レンズで撮影し、対象となる作業エリアを指定した枠を設定。
枠内に入った作業者の画像を取得して、時間を記録したところ、骨格認識精度の向上と処理定義の改善によって実用可能という結果が得られた。
 20年5月に国費での研究開発を完了した後、グローリーではこの研究で得た知見を別の物流シーンでの早期社会実装するため、21年から22年にかけて自動荷物計測装置を開発した。
さらにさまざまな作業現場での作業時間監視や人数チェックの自動計測を行える作業者見守りアプリケーションも展開している。

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