2023年3月号
特集

ロジクエスト 配送需給可視化で待機中の運転手を活用

人手不足対策と運転手の増収に  荷主と専属便請負契約をしているドライバーは、稼働中に待機時間ができても他の仕事を請け負えない。
しかし専属便業務に支障のない範囲で緊急配送を手掛けられれば、人手不足対策とドライバーの増収、ひいては物流の安定化につながる。
緊急配送などを手掛ける運送事業者ロジクエストを責任者とする研究ユニットは、そのために必要となる、専属便ドライバーの動きや緊急便案件発生状況など各種データの収集システムを開発した。
 この「省人化及び人材定着に資する専属便の組み合わせ配送に向けたデータ収集技術」研究ユニットでは、ロジクエストが研究協力ドライバーの確保、エフブレインが必要なアプリや管理画面の開発とデータ分析、城東情報研究所が追加積載可否システムの開発を担った。
定期便ドライバーの稼働時間内に同時に発生したスポット便を割り当て実証実験を行うため、次の5項目を実施した。
①ドライバーの日報から稼働時間と空き時間のデータを把握 ②自動取得したドタイバーの位置データを把握 ③トラック荷台に設置した深度センサーで空きスペースのデータを把握 ④スポット便受託システムでスポット便の要求データを把握 ⑤以上4項目のデータを用いて、定期便ドライバーとスポット便のマッチングをシミュレーション 9〜18時の荷の83%が受託可能  ①と②に関しては、150人以上のドライバーの日報データと、GPSによる10秒ごとの位置データを把握した。
 ③については、トラック荷台の空きスペースにiPhone搭載の赤外線深度センサーを取り付け、荷台の何パーセントが埋まっているのかを動的に把握できるシステムを開発した。
 ④については、緊急便の受発注で使われている緊急便専属ドライバー用既存アプリを研究機関のスポット便受託システムと連携させ、配車担当者が特定ドライバーに案件依頼を行った場合、その要求データを把握できるようにした。
ドライバーは依頼内容を確認した上で受託・拒否の操作を行った。
 ⑤については、東京23区で19年12月の1カ月間では1日平均920件の緊急便荷物が発生しており、そのうち9〜18時の荷物の83%に相当する763件が専属便に組み合わせ可能とのシミュレーション結果を得た。
 並行して、ドライバーのスポット便の受託結果も分析。
稼働場所までが30分以内にあり、平均時間単価が定期便と同等で、付帯作業が1〜2件にとどまる案件は、ドライバーが受託・継続しやすいという傾向が見られた。
 国費での研究開発は22年5月に終了したが、東京での専属便ドライバーに対するスポット案件の打診は対象を絞りながら実施している。
今後、対象ドライバーや荷主企業の業種範囲を広げる方針にしている。

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