2022年12月号
特集
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エスプールロジスティクス 宅配便「47サイズ」を開発して送料2割低減
EC荷物の過半は「60サイズ」以下
エスプールロジスティクスは、東証プライム上場のエスプールの物流子会社だ。
親会社のエスプールは1999年の創業当初から人材派遣業と並行して庫内作業の請負業務を手掛けてきた。
2009年には東京・平和島に初の自社センターを開設してEC事業者向けの発送代行サービスを開始。
13年にロジスティクス事業部を分社化してエスプールロジスティクスを発足した。
ECの荷物の取扱数量は事業開始以来、16年まで月間約3万個で推移し続けていた。
需要を伸ばすため、梱包の改善に着目した。
同社の小林正憲社長執行役員は「企業における物流費の半数以上は配送費が占める。
ここを低減し価格競争力を高めることが重要だと判断した。
宅配業者に送料を下げてもらうため、1台のトラックでより多くの荷物を運べる輸送オーダーの在り方を考えた」と、背景を語る。
宅配便は基本的に荷物の3辺(縦・横・高さ)を合計したサイズ区分で料金が決まる。
エスプールロジスティクスの16年末の発送実績を算出したところ、「60サイズ」「80サイズ」「100サイズ」「140サイズ」「160サイズ以上」のうち「60サイズ」の荷物が全体の63%を占めていた。
60サイズの荷物は、サイズ区分の最大値に合わせて縦17センチ+横26センチ+高さ15センチ=58センチの箱で出荷している。
しかし、箱の中身を調べてみると隙間だらけの荷物がかなりあった。
それだけ緩衝材の使用量も多かった。
同社は取引先のEC事業者と、定期的に消費者のレビューをチェックしている。
そこでは「緩衝材が多く、捨てるのが面倒くさい」といった声が目立っていた。
コストや環境負荷の問題はもちろん、顧客満足の点からも改善する必要があった。
それでは、適正サイズはいくつなのか。
取引先からさまざまな形状の商品を借りて実験した。
その結果、それまで60サイズの箱で発送していた荷物の9割が、縦16センチ+橫22センチ、高さ8・5センチ=47センチの箱に収まることが分かった。
この「47サイズ」の箱を、宅配会社への受け渡しに使用しているロールボックスパレットに積載したところ、1台に橫6列×縦3列×14段=計252個が収まった。
60サイズだと橫5列×縦3列×8段の120個だから、積載効率が2倍以上になる。
このデータを基に、47サイズで出荷した場合、これまでの60サイズと宅配便料金をどれだけ低減できるか、佐川急便とヤマト運輸の2社にシミュレーションを打診したところ、いずれも2割低減できるとの回答が得られた。
宅配料金を2割下げることができれば、EC物流の提案営業で決定的な武器になる。
3万個だった月間の取扱量を、10万個にまで伸ばせると見込んだ。
取扱量が月間10万個になると新たなタイプの包装資材を導入できる。
それまで使用していたミカン箱タイプのA式梱包資材は、底面・上面ともにテープ止めが必要だった。
これを、底面は起こすだけで箱の形状になるワンタッチ式、上面を差し込み式にすれば、庫内作業の工数が大幅に削減される。
ただし、ワンタッチ式はA式と比べて調達コストが割高で月間10万個以上を購入しないと採算に乗らない。
宅配料金の低減でその突破口が開ける。
思い切ってワンタッチ式への変更に踏み切った。
その結果、梱包作業1件当たりの作業時間は32秒から23秒へと短縮された。
判断は的中し、需要は成長を始めた。
梱包改善による送料低減から1年で、月間取扱量は10万個を突破した。
ポスト投函サイズを推奨して自動化 その後も、梱包をめぐる取り組みを重ねている。
近年、EC商品はさらに小型化が進んでおり、ヤマト運輸の「ネコポス」や日本郵便の「ゆうパケット」など、送料が安く不在時でも受け取りやすい、ポスト投函サービスを利用できるサイズの商品が需要を伸ばしている。
そこでエスプールロジスティクスでは取引先EC事業者に、梱包後のサイズがポスト投函可能となる商品の開発を推奨している。
例えばシャンプーなら、ボトルではポスト投函不可能だがパウチなら可能となる。
1回目の注文はボトルで送って、2回目以降を詰替パウチに変更することで、内容量を減らすことなく梱包サイズを小さくして、送料を抑えられる。
同社は、同じ商品を定期的に届ける「単品リピート通販」に対応した独自のサービスを構築したことで、スキンケア商品や健康食品などを中心に取り扱いを伸ばしており(本誌2020年11月号参照)、そのノウハウを応用して、こうした商品の開発を提案している。
ポスト投函できる荷物の梱包を効率化するため、センターにはニッサキコー製の自動梱包機「クラムパック」を導入した。
二枚貝のように前面部と背面部が一体となった台紙に商品を挟み込んで、コンベアに載せて流すと、機械が自動でシュリンク包装する。
19年と21年に1台ずつ導入した結果、1時間当たりの出荷数が30件から60件以上に倍増した。
シュリンク包装により荷物に防水性も付与できるようになった。
自動梱包機の導入コストは、システム連携費用を含めて1台約2千万円だった。
現在、EC荷物の月間取扱量は50万個にまで伸びている。
自社ECセンターは、関東6カ所(秋葉原、品川、平和島、つくば、市川、浦安)に増えた。
2021年11月期の売上高(配送費は除く)は前年同期比7・5%増の12億6100万円。
そのうち約9割をEC通販発送代行事業が占めている。
親会社のエスプールは1999年の創業当初から人材派遣業と並行して庫内作業の請負業務を手掛けてきた。
2009年には東京・平和島に初の自社センターを開設してEC事業者向けの発送代行サービスを開始。
13年にロジスティクス事業部を分社化してエスプールロジスティクスを発足した。
ECの荷物の取扱数量は事業開始以来、16年まで月間約3万個で推移し続けていた。
需要を伸ばすため、梱包の改善に着目した。
同社の小林正憲社長執行役員は「企業における物流費の半数以上は配送費が占める。
ここを低減し価格競争力を高めることが重要だと判断した。
宅配業者に送料を下げてもらうため、1台のトラックでより多くの荷物を運べる輸送オーダーの在り方を考えた」と、背景を語る。
宅配便は基本的に荷物の3辺(縦・横・高さ)を合計したサイズ区分で料金が決まる。
エスプールロジスティクスの16年末の発送実績を算出したところ、「60サイズ」「80サイズ」「100サイズ」「140サイズ」「160サイズ以上」のうち「60サイズ」の荷物が全体の63%を占めていた。
60サイズの荷物は、サイズ区分の最大値に合わせて縦17センチ+横26センチ+高さ15センチ=58センチの箱で出荷している。
しかし、箱の中身を調べてみると隙間だらけの荷物がかなりあった。
それだけ緩衝材の使用量も多かった。
同社は取引先のEC事業者と、定期的に消費者のレビューをチェックしている。
そこでは「緩衝材が多く、捨てるのが面倒くさい」といった声が目立っていた。
コストや環境負荷の問題はもちろん、顧客満足の点からも改善する必要があった。
それでは、適正サイズはいくつなのか。
取引先からさまざまな形状の商品を借りて実験した。
その結果、それまで60サイズの箱で発送していた荷物の9割が、縦16センチ+橫22センチ、高さ8・5センチ=47センチの箱に収まることが分かった。
この「47サイズ」の箱を、宅配会社への受け渡しに使用しているロールボックスパレットに積載したところ、1台に橫6列×縦3列×14段=計252個が収まった。
60サイズだと橫5列×縦3列×8段の120個だから、積載効率が2倍以上になる。
このデータを基に、47サイズで出荷した場合、これまでの60サイズと宅配便料金をどれだけ低減できるか、佐川急便とヤマト運輸の2社にシミュレーションを打診したところ、いずれも2割低減できるとの回答が得られた。
宅配料金を2割下げることができれば、EC物流の提案営業で決定的な武器になる。
3万個だった月間の取扱量を、10万個にまで伸ばせると見込んだ。
取扱量が月間10万個になると新たなタイプの包装資材を導入できる。
それまで使用していたミカン箱タイプのA式梱包資材は、底面・上面ともにテープ止めが必要だった。
これを、底面は起こすだけで箱の形状になるワンタッチ式、上面を差し込み式にすれば、庫内作業の工数が大幅に削減される。
ただし、ワンタッチ式はA式と比べて調達コストが割高で月間10万個以上を購入しないと採算に乗らない。
宅配料金の低減でその突破口が開ける。
思い切ってワンタッチ式への変更に踏み切った。
その結果、梱包作業1件当たりの作業時間は32秒から23秒へと短縮された。
判断は的中し、需要は成長を始めた。
梱包改善による送料低減から1年で、月間取扱量は10万個を突破した。
ポスト投函サイズを推奨して自動化 その後も、梱包をめぐる取り組みを重ねている。
近年、EC商品はさらに小型化が進んでおり、ヤマト運輸の「ネコポス」や日本郵便の「ゆうパケット」など、送料が安く不在時でも受け取りやすい、ポスト投函サービスを利用できるサイズの商品が需要を伸ばしている。
そこでエスプールロジスティクスでは取引先EC事業者に、梱包後のサイズがポスト投函可能となる商品の開発を推奨している。
例えばシャンプーなら、ボトルではポスト投函不可能だがパウチなら可能となる。
1回目の注文はボトルで送って、2回目以降を詰替パウチに変更することで、内容量を減らすことなく梱包サイズを小さくして、送料を抑えられる。
同社は、同じ商品を定期的に届ける「単品リピート通販」に対応した独自のサービスを構築したことで、スキンケア商品や健康食品などを中心に取り扱いを伸ばしており(本誌2020年11月号参照)、そのノウハウを応用して、こうした商品の開発を提案している。
ポスト投函できる荷物の梱包を効率化するため、センターにはニッサキコー製の自動梱包機「クラムパック」を導入した。
二枚貝のように前面部と背面部が一体となった台紙に商品を挟み込んで、コンベアに載せて流すと、機械が自動でシュリンク包装する。
19年と21年に1台ずつ導入した結果、1時間当たりの出荷数が30件から60件以上に倍増した。
シュリンク包装により荷物に防水性も付与できるようになった。
自動梱包機の導入コストは、システム連携費用を含めて1台約2千万円だった。
現在、EC荷物の月間取扱量は50万個にまで伸びている。
自社ECセンターは、関東6カ所(秋葉原、品川、平和島、つくば、市川、浦安)に増えた。
2021年11月期の売上高(配送費は除く)は前年同期比7・5%増の12億6100万円。
そのうち約9割をEC通販発送代行事業が占めている。
