2022年12月号
特集
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ちゃりカンパニー スポーツ自転車の無梱包配送をセイノーと実現
1台梱包するのに20分超
ちゃりカンパニーは、ロードバイクやマウンテンバイクなどのスポーツ自転車を対象とする中古自転車の買い取り・販売店「バイチャリ」を、直営およびフランチャイズで展開している。
2022年10月末現在、全国に22店舗を展開し、年間約9万8千点の自転車関連用品の買い取り販売を行っている。
同社は買い取った自転車を店舗スタッフが整備・修理した上で販売している。
同社の斉藤郁生取締役によると、「スポーツ自転車を主な対象とする日本の中古自転車ビジネスは、買い取りだけしてWeb販売する形態が主流。
日本の自転車市場は長年にわたり“ママチャリ”の比重が大きく、安い自転車を使い倒して廃棄する使い方が定着していた。
そのため整備して再利用する文化が未発達だった」という。
この状況を変えることを目指している。
一般にスポーツ自転車はママチャリより高額だが、斉藤取締役は「メンテナンス面では優れており、レース中にすぐ直せるようにチェーンなどの着脱も簡単。
ママチャリは頑丈な半面、車輪の着脱ひとつとっても工数がかかり、メンテナンス工賃はスポーツ自転車の2〜3倍になる。
長期間の運用コストを考えれば、スポーツ自転車の方がむしろ安い」という。
同社の設立は13年10月。
当初は店舗販売のみ行っていたが、18年7月にクラウドソリューションやコンサルティングを手掛けるクララオンラインにグループ入りして、本格的にECにも進出した。
売上高に占めるオンライン販売の比率は、当時2〜3割だったが現在は4割に達しており、近いうちに5割に届く勢いだという。
EC販売の伸びに伴い、宅配便の利用が増加している。
配送料は通常タイプの自転車で全国一律6500円に設定している。
各店舗では毎日1件は出荷作業が発生する。
サドルやハンドルを抜き、前輪も外して、縦・横・高さの3辺計が260センチのラージサイズの宅配便に合わせた段ボール箱に梱包する。
自転車1台梱包するのに20分以上かかる。
購入者も受け取り後に自分で自転車を組み立て直す必要がある。
慣れない人だとかなりの時間がかかる。
何とか組み立てたものの、きちんとできているのか不安になったり、組み立て方が分からずに、サドルや前輪を外したままの自転車を店まで持ってくる客もいるという。
梱包材の量も多い。
260サイズの段ボールに加えて、自転車を巻く緩衝材は長さ3〜4mになる。
ハンドルやサドルも個別に包装している。
斉藤取締役は「大量の梱包材を使い捨てにするのはエコじゃない。
リユースという、エコにつながるビジネスをやっているのに。
その自己矛盾を解消したかった。
それが無梱包配送を目指すことになった、そもそもの始まりだった」という。
ハコベルで軽車両をマッチング 従来から配送を委託しているセイノーホールディングスと話し合い、まずは実店舗に来店した購入者を対象とする無梱包配送に取り組んだ。
その方法自体はシンプルだ。
自転車を完成品の状態のまま毛布でくるんでラッシングベルトで固定して配送する。
自転車の分解・組み立ての負担が省けて、梱包資材が不要になる。
毛布はドライバーが持ち帰るので、廃棄物も出ない。
自転車は、変速機やチェーンといった重要な機構が装着されている車体の右側を、重点的に守る必要がある。
油圧ブレーキからのオイル漏れなどを防ぐため、立った状態で運ぶことも求められる。
こうした無梱包で運ぶ際の注意事項やノウハウも、セイノーに伝達した。
今年8月にセイノーとラクスルが、ラクスルの「ハコベル事業」を引き継ぐかたちで共同出資で設立したハコベルが配車を担当する。
バイチャリの出荷指示を、ハコベルの物流情報プラットフォームで個人事業主や運送会社の軽車両とマッチングする。
配送効率を高めるため3営業日前を予約期限として、配送日を昼間の在宅率が高くなる毎週土日に限定。
受取人が不在とならないよう、配送前の事前連絡を徹底する仕組みにした。
セイノーHDは従来からEC市場への対応や買い物弱者など社会課題の解決を目的にラストワンマイル配送に取り組んできた。
そのノウハウを生かした。
購入者から徴収する配送料は今のところ1台当たり5千円に設定している。
これは配送パートナーに支払う1回当たりの運賃と同額だ。
「それでも梱包資材や梱包作業が不要となるので、梱包輸送に比べれば実質的にはコストダウンになる」とセイノーHDの宮川信彦ラストワンマイル推進チームLCC担当課長は説明する。
購買客だけではなく買い取り客も無梱包配送サービスの対象とした。
バイチャリでは来店が困難な買い取り希望者を対象に、梱包キットを送って自転車を店まで宅配してもらう「宅配買取サービス」を従来から提供している。
買い取り額3万円以上で送料無料になる。
こちらも23区内からの発送に無梱包配送を採り入れた。
無梱包配送は送料無料。
買い取り客は、自分で自転車を分解・梱包する手間がなくなる。
購入店と配送先の両方が23区内にある場合を対象に9月30日にサービスを開始した。
10月末現在のサービスの利用者は毎週末に数件程度とまだ限られている。
ほとんどが宅配買取サービスの利用者だ。
また買い取り希望者には、自転車の購入に合わせて中古自転車を手放す買い換え需要を期待できる。
自転車を届けて、それまで使っていた自転車を回収するという循環がつくれる。
セイノーHDの宮川担当課長は「宅配の利用者が増えれば、平日でも対応可能になる。
現状では軽車両1台に最大自転車3台まで混載できるところを、輸送品質の観点から2台にとどめているが、概ね順調に運用できているので、今後は集荷エリアと対象店舗の拡大を目指す」と手応えを感じている。
ちゃりカンパニーは名古屋や大阪の店舗で年内にも、宅配買取サービスから無梱包配送を開始することを計画している。
一方、店舗来店者向けのサービスは今のところ反応が鈍い。
バイチャリの顧客層はもともと自転車好きなので、自分で乗って帰ることを好む。
「店頭購入者に対する配送料やサービス内容はもう少し練り直す必要がある」と、ちゃりカンパニーの斉藤取締役。
将来は通販で購入した顧客に対する無梱包配送サービスを実施することを視野に置いてスキームを練っている。
2022年10月末現在、全国に22店舗を展開し、年間約9万8千点の自転車関連用品の買い取り販売を行っている。
同社は買い取った自転車を店舗スタッフが整備・修理した上で販売している。
同社の斉藤郁生取締役によると、「スポーツ自転車を主な対象とする日本の中古自転車ビジネスは、買い取りだけしてWeb販売する形態が主流。
日本の自転車市場は長年にわたり“ママチャリ”の比重が大きく、安い自転車を使い倒して廃棄する使い方が定着していた。
そのため整備して再利用する文化が未発達だった」という。
この状況を変えることを目指している。
一般にスポーツ自転車はママチャリより高額だが、斉藤取締役は「メンテナンス面では優れており、レース中にすぐ直せるようにチェーンなどの着脱も簡単。
ママチャリは頑丈な半面、車輪の着脱ひとつとっても工数がかかり、メンテナンス工賃はスポーツ自転車の2〜3倍になる。
長期間の運用コストを考えれば、スポーツ自転車の方がむしろ安い」という。
同社の設立は13年10月。
当初は店舗販売のみ行っていたが、18年7月にクラウドソリューションやコンサルティングを手掛けるクララオンラインにグループ入りして、本格的にECにも進出した。
売上高に占めるオンライン販売の比率は、当時2〜3割だったが現在は4割に達しており、近いうちに5割に届く勢いだという。
EC販売の伸びに伴い、宅配便の利用が増加している。
配送料は通常タイプの自転車で全国一律6500円に設定している。
各店舗では毎日1件は出荷作業が発生する。
サドルやハンドルを抜き、前輪も外して、縦・横・高さの3辺計が260センチのラージサイズの宅配便に合わせた段ボール箱に梱包する。
自転車1台梱包するのに20分以上かかる。
購入者も受け取り後に自分で自転車を組み立て直す必要がある。
慣れない人だとかなりの時間がかかる。
何とか組み立てたものの、きちんとできているのか不安になったり、組み立て方が分からずに、サドルや前輪を外したままの自転車を店まで持ってくる客もいるという。
梱包材の量も多い。
260サイズの段ボールに加えて、自転車を巻く緩衝材は長さ3〜4mになる。
ハンドルやサドルも個別に包装している。
斉藤取締役は「大量の梱包材を使い捨てにするのはエコじゃない。
リユースという、エコにつながるビジネスをやっているのに。
その自己矛盾を解消したかった。
それが無梱包配送を目指すことになった、そもそもの始まりだった」という。
ハコベルで軽車両をマッチング 従来から配送を委託しているセイノーホールディングスと話し合い、まずは実店舗に来店した購入者を対象とする無梱包配送に取り組んだ。
その方法自体はシンプルだ。
自転車を完成品の状態のまま毛布でくるんでラッシングベルトで固定して配送する。
自転車の分解・組み立ての負担が省けて、梱包資材が不要になる。
毛布はドライバーが持ち帰るので、廃棄物も出ない。
自転車は、変速機やチェーンといった重要な機構が装着されている車体の右側を、重点的に守る必要がある。
油圧ブレーキからのオイル漏れなどを防ぐため、立った状態で運ぶことも求められる。
こうした無梱包で運ぶ際の注意事項やノウハウも、セイノーに伝達した。
今年8月にセイノーとラクスルが、ラクスルの「ハコベル事業」を引き継ぐかたちで共同出資で設立したハコベルが配車を担当する。
バイチャリの出荷指示を、ハコベルの物流情報プラットフォームで個人事業主や運送会社の軽車両とマッチングする。
配送効率を高めるため3営業日前を予約期限として、配送日を昼間の在宅率が高くなる毎週土日に限定。
受取人が不在とならないよう、配送前の事前連絡を徹底する仕組みにした。
セイノーHDは従来からEC市場への対応や買い物弱者など社会課題の解決を目的にラストワンマイル配送に取り組んできた。
そのノウハウを生かした。
購入者から徴収する配送料は今のところ1台当たり5千円に設定している。
これは配送パートナーに支払う1回当たりの運賃と同額だ。
「それでも梱包資材や梱包作業が不要となるので、梱包輸送に比べれば実質的にはコストダウンになる」とセイノーHDの宮川信彦ラストワンマイル推進チームLCC担当課長は説明する。
購買客だけではなく買い取り客も無梱包配送サービスの対象とした。
バイチャリでは来店が困難な買い取り希望者を対象に、梱包キットを送って自転車を店まで宅配してもらう「宅配買取サービス」を従来から提供している。
買い取り額3万円以上で送料無料になる。
こちらも23区内からの発送に無梱包配送を採り入れた。
無梱包配送は送料無料。
買い取り客は、自分で自転車を分解・梱包する手間がなくなる。
購入店と配送先の両方が23区内にある場合を対象に9月30日にサービスを開始した。
10月末現在のサービスの利用者は毎週末に数件程度とまだ限られている。
ほとんどが宅配買取サービスの利用者だ。
また買い取り希望者には、自転車の購入に合わせて中古自転車を手放す買い換え需要を期待できる。
自転車を届けて、それまで使っていた自転車を回収するという循環がつくれる。
セイノーHDの宮川担当課長は「宅配の利用者が増えれば、平日でも対応可能になる。
現状では軽車両1台に最大自転車3台まで混載できるところを、輸送品質の観点から2台にとどめているが、概ね順調に運用できているので、今後は集荷エリアと対象店舗の拡大を目指す」と手応えを感じている。
ちゃりカンパニーは名古屋や大阪の店舗で年内にも、宅配買取サービスから無梱包配送を開始することを計画している。
一方、店舗来店者向けのサービスは今のところ反応が鈍い。
バイチャリの顧客層はもともと自転車好きなので、自分で乗って帰ることを好む。
「店頭購入者に対する配送料やサービス内容はもう少し練り直す必要がある」と、ちゃりカンパニーの斉藤取締役。
将来は通販で購入した顧客に対する無梱包配送サービスを実施することを視野に置いてスキームを練っている。
