2022年11月号
特集
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関通流「ダブルトランザクション」入門
ロケーション管理の手法は三つある
倉庫オペレーションの基本はロケーション管理だ。
ロケーションとは、在庫を保管する場所を示す〝住所〟であり、通常は保管棚の「ゾーン&列−連−段」を「B2−03−02」などと英数字で表す。
図1は一般的な物流センターにおける出荷業務の各作業時間の比率を表している。
そこに赤色で示した五つの作業、すなわち「ハンディに表示されたロケーションに移動する(13・14%)」「指示されたロケーションで商品を探す(4・86%)」「商品をピッキングする(16・62%)」「梱包台に移動する(3・10%)」「ロールボックスに積み付ける(1・10%)」の労働生産性はいずれもロケーション管理にかかっている。
出荷業務の約4割がロケーション次第ということだ。
ロケーション管理手法には大きく「固定ロケーション」「フリーロケーション」「ダブルトランザクション」の三つがある。
固定ロケーションは、商品と保管場所を完全に固定する運用法だ。
庫内のどこに何が置かれているのか、作業員にとって覚えやすいというメリットがある。
ただし、棚が空いていても別のアイテムを保管することはできないためスペース効率の点では不利になる。
多量・少品種のアイテムに適した運用法といえる。
フリーロケーションは、商品の保管場所を固定せず、棚の空いている場所に在庫を格納していく手法だ。
ムダな空きを作らず、スペースを有効活用できる。
しかし、在庫の置き場所が常に変わるので情報システムによる管理が必要になる。
また同じ商品を複数の場所に分散して保管することになり、ピッキングの動線が長くなってしまう危険性がある。
ダブルトランザクションは、固定ロケーションとフリーロケーションを融合した手法だ。
ピッキングエリアと保管エリアを明確に区分して、ピッキングエリアは固定ロケーション、保管エリアはフリーロケーションで運用する(ダブルトランザクションのバリエーションとして、ピッキングエリアと保管エリアの両方をフリーロケーションで運用する方法もある)。
ピッキングの動線を短縮できるというメリットがある。
保管エリアを高層階にすることで保管効率を高めることもできる。
ただし、事前に保管エリアからピッキングエリアに在庫を補充する作業が発生する。
その運用フローは図2の通り。
補充とピッキングの2段階の作業になり、それだけ高度なシステム支援が必要になる。
各物流センターの取り扱いアイテムや荷動き、物量などに基づいて、最適なロケーション管理手法を選択する。
当社では基本的に「①商品の入れ替え頻度」「②在庫量の変動」「③取り扱いアイテム数」「④アイテム当たりの在庫数」の四つの側面から物流センターの特性を評価している(図3)。
①商品の入れ替え頻度 商品の入れ替えが頻繁に発生する場合には、商品の在庫場所を固定することが難しい。
そのため季節やトレンド、セールなどで商品が入れ替わる雑貨品やアパレル品などはフリーロケーションを採用する。
②在庫量の変動 固定ロケーションは、アイテムごとに一定量の保管スペースを確保することになるため、在庫量の変動が大きなアイテムは基本的にフリーロケーションが適している。
③取り扱いアイテム数と④アイテム当たりの在庫数 ロングテール品を扱うECなど少量多品種はフリーロケーションが適している。
固定ロケーションでは、スペースのムダが大きくなり、ピッキング動線も長くなる。
それとは逆にアイテム数が限られていて1アイテム当たりの在庫数が多い多量少品種の場合は固定ロケーションが適している。
多量かつ多品種の場合にダブルトランザクションを選ぶ。
庫内レイアウトを最適化する 庫内レイアウトは、動線を最短にするために、「入荷」→「入荷検品」→「ピッキング(保管スペース)」→「出荷検品」→「出荷」の工程順に一筆書きになるようにゾーンを配置する。
固定ロケーションの保管場所は、アイテム別の出荷頻度のABC分析に基づいて決定する。
出荷頻度の高いAランク品を次工程に近い、出し入れしやすい場所に置くことで動線を短縮する。
通路幅は投入人数を反映して渋滞が起きないように設定する。
一方でCランク品の保管エリアは通路を狭く取るなどしてスペース効率を確保する。
各ゾーンに導入する保管什器は、取り扱い商品のサイズや形状、アイテム当たりの在庫数量に合わせて選択する。
当社では、荷動きや物量の変化に合わせて柔軟にレイアウトを変更できるように、キャスター付きの中量ラックや梱包台を積極的に活用している。
当社は3PLとして荷主企業から物流業務を受託するだけでなく、自社物流センターの改善プログラムや、「学べる倉庫見学会」と名付けて当社のセンター運営ノウハウを現場で直接指導する有料セミナーを実施している。
荷主企業の物流部門のスタッフはもちろん、3PL事業者からの参加も多い。
当社は自社センターを「ショールーム」と位置付け、これまで培ってきたノウハウを全てそこでオープンにしている。
今後も多くの人に当社のショールームに来ていただき、現場を見て、学んで、そして真似してほしいと願っている。
ロケーションとは、在庫を保管する場所を示す〝住所〟であり、通常は保管棚の「ゾーン&列−連−段」を「B2−03−02」などと英数字で表す。
図1は一般的な物流センターにおける出荷業務の各作業時間の比率を表している。
そこに赤色で示した五つの作業、すなわち「ハンディに表示されたロケーションに移動する(13・14%)」「指示されたロケーションで商品を探す(4・86%)」「商品をピッキングする(16・62%)」「梱包台に移動する(3・10%)」「ロールボックスに積み付ける(1・10%)」の労働生産性はいずれもロケーション管理にかかっている。
出荷業務の約4割がロケーション次第ということだ。
ロケーション管理手法には大きく「固定ロケーション」「フリーロケーション」「ダブルトランザクション」の三つがある。
固定ロケーションは、商品と保管場所を完全に固定する運用法だ。
庫内のどこに何が置かれているのか、作業員にとって覚えやすいというメリットがある。
ただし、棚が空いていても別のアイテムを保管することはできないためスペース効率の点では不利になる。
多量・少品種のアイテムに適した運用法といえる。
フリーロケーションは、商品の保管場所を固定せず、棚の空いている場所に在庫を格納していく手法だ。
ムダな空きを作らず、スペースを有効活用できる。
しかし、在庫の置き場所が常に変わるので情報システムによる管理が必要になる。
また同じ商品を複数の場所に分散して保管することになり、ピッキングの動線が長くなってしまう危険性がある。
ダブルトランザクションは、固定ロケーションとフリーロケーションを融合した手法だ。
ピッキングエリアと保管エリアを明確に区分して、ピッキングエリアは固定ロケーション、保管エリアはフリーロケーションで運用する(ダブルトランザクションのバリエーションとして、ピッキングエリアと保管エリアの両方をフリーロケーションで運用する方法もある)。
ピッキングの動線を短縮できるというメリットがある。
保管エリアを高層階にすることで保管効率を高めることもできる。
ただし、事前に保管エリアからピッキングエリアに在庫を補充する作業が発生する。
その運用フローは図2の通り。
補充とピッキングの2段階の作業になり、それだけ高度なシステム支援が必要になる。
各物流センターの取り扱いアイテムや荷動き、物量などに基づいて、最適なロケーション管理手法を選択する。
当社では基本的に「①商品の入れ替え頻度」「②在庫量の変動」「③取り扱いアイテム数」「④アイテム当たりの在庫数」の四つの側面から物流センターの特性を評価している(図3)。
①商品の入れ替え頻度 商品の入れ替えが頻繁に発生する場合には、商品の在庫場所を固定することが難しい。
そのため季節やトレンド、セールなどで商品が入れ替わる雑貨品やアパレル品などはフリーロケーションを採用する。
②在庫量の変動 固定ロケーションは、アイテムごとに一定量の保管スペースを確保することになるため、在庫量の変動が大きなアイテムは基本的にフリーロケーションが適している。
③取り扱いアイテム数と④アイテム当たりの在庫数 ロングテール品を扱うECなど少量多品種はフリーロケーションが適している。
固定ロケーションでは、スペースのムダが大きくなり、ピッキング動線も長くなる。
それとは逆にアイテム数が限られていて1アイテム当たりの在庫数が多い多量少品種の場合は固定ロケーションが適している。
多量かつ多品種の場合にダブルトランザクションを選ぶ。
庫内レイアウトを最適化する 庫内レイアウトは、動線を最短にするために、「入荷」→「入荷検品」→「ピッキング(保管スペース)」→「出荷検品」→「出荷」の工程順に一筆書きになるようにゾーンを配置する。
固定ロケーションの保管場所は、アイテム別の出荷頻度のABC分析に基づいて決定する。
出荷頻度の高いAランク品を次工程に近い、出し入れしやすい場所に置くことで動線を短縮する。
通路幅は投入人数を反映して渋滞が起きないように設定する。
一方でCランク品の保管エリアは通路を狭く取るなどしてスペース効率を確保する。
各ゾーンに導入する保管什器は、取り扱い商品のサイズや形状、アイテム当たりの在庫数量に合わせて選択する。
当社では、荷動きや物量の変化に合わせて柔軟にレイアウトを変更できるように、キャスター付きの中量ラックや梱包台を積極的に活用している。
当社は3PLとして荷主企業から物流業務を受託するだけでなく、自社物流センターの改善プログラムや、「学べる倉庫見学会」と名付けて当社のセンター運営ノウハウを現場で直接指導する有料セミナーを実施している。
荷主企業の物流部門のスタッフはもちろん、3PL事業者からの参加も多い。
当社は自社センターを「ショールーム」と位置付け、これまで培ってきたノウハウを全てそこでオープンにしている。
今後も多くの人に当社のショールームに来ていただき、現場を見て、学んで、そして真似してほしいと願っている。
