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2022年7月号
特集

SBSリコーロジスティクス バイパス・ループラインでオリコンを整流化

国内最大級のオートストア  SBSリコーロジスティクスは2021年9月に「物流センター横浜金沢」を横浜市金沢区で開設した。
延べ床面積5万3699平方メートル、4階建ての大規模拠点で、1階から3階までは大塚商会のサプライ通販事業「たのめーる」向け3PL仕様としている。
4階部分は荷主を固定せず運用しており、現在は主にリコー製品を取り扱っている。
 「たのめーる」の物流は少量多品種だ。
センターの保管アイテム数は約3万6千。
コピー用紙、トナー、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの家庭紙、パソコン商材、文房具、飲料、菓子類、長机やホワイトボードなどの大型商品まで取り扱う。
カタログの改訂は春と秋の年2回、2千近い新規商品と販売終息商品の入れ替えが行われる。
首都圏などで展開している当日・半日配送該当エリアの場合、11時までに受注したオーダーは13時ごろまでにセンターを出て、当日18時までに顧客に届けられる。
18時までに受注したオーダーは翌日午前中に配達する。
そのため「たのめーる」の物流現場では短い出庫スループットと波動への対応が必須となる。
この二つへの対応を最新鋭のシステムとマテハン機器を組み合わせたセンターの設計と運用によって実現している。
 同センターは1階が入出庫エリア、2階がピッキング・梱包エリア、3階が保管エリアとなっている。
3階の保管エリアから2階への補充はシステムで制御されている。
 2階部分には搬送ラインで結ばれたオートストアやデジタルピッキングシステム(DPS)、オーダーピッキングの軽量棚といった各種ピッキング工程の設備が配置されており、この3種のピッキングシステムを出荷頻度別に使い分けている。
 出荷頻度Sランク品とAランク品のピッキングはDPSが担う。
オーダー傾向を分析して同時に買われることが多い商品、例えばコーヒーとミルクなどはなるべく集中して棚入れすることで効率を高めている。
ピッキングカートを使用するのではなく、庫内スタッフがいる作業ステーションまで出荷オリコンが運ばれてくるGTP形式を採用している。
DPSと搬送ラインのレイアウトは4アイランド28ステーションとなっており、庫内スタッフはステーション周辺からほとんど歩くことなくピッキングができるように設計されている。
 出荷頻度Bランク品、Cランク品、Dランク品は、国内最大級のオートストアに格納している。
オートストアは2機導入しており、ロボット台数は120台で商品を格納するビン数は4万422。
スタッフが入出庫作業などを行うカルーセルポートは24カ所を配置しており、1時間当たりの入出庫能力は1号機と2号機合計で3200ビンとなる。
 DPSやオートストアに格納できない異型品や重量物などは軽量棚に収納してピッキングカートとハンディでピッキングするオーダーピッキングを採用している。
スペース的には3種のうちオーダーピッキングが最も狭い。
どの区画に商品を格納するのが最適なのかはシステムが出荷頻度を分析して判断している。
 「従来拠点は平棚によるオーダーピッキングがメーンで、それを補完する形でDPSなどを配置していた。
一方この物流センター横浜金沢は平棚によるオーダーピッキングを最小限とし、オートストアやDPSの区画を多めに設定した。
機械化を意識したかなり強気な配置となっている。
人が歩かないピッキングスタイルへの移行が業界全体で進んでいるため、今後こうした拠点は増えていくと思っている」とSBSリコーロジスティクスの石田和裕執行役員国内営業本部OS事業部事業部長は語る。
3種類のピッキングシステムを運用  搬送ラインを流れる出荷オリコンはオリコン段積み機とオリコン段ばらし組み立て機が設置されている2階のオーダースタート地点から出発する。
オリコンは最初にオートストアを通過する。
オートストアからピッキングされる商品がない場合はスルーしてオリコンは空のまま搬送ラインを流れて、次の自動帳票発行ラインへと向かう。
自動帳票発行ラインでは出荷オーダーデータをオリコンに紐づけて、荷札ラベルや各種帳票をオーダー内容に応じて自動発行して投入する。
4ラインあるので最大4種類の帳票発行が可能だ。
 続いてオリコンはオーダーピッキングエリアに向かう。
中軽量棚に格納されている異型品や重量物などはここでオーダーピッキングされてオリコンに入る。
次に向かうのが出荷頻度Sランク品とAランク品が格納されたDPSだ。
四つのアイランドそれぞれに設けられた複数の作業ステーションまで搬送ラインがつながっている。
オリコンナンバーと注文データを紐づけて管理しているため、ピッキングに必要な箇所だけを通るよう搬送ラインの分岐をコントロールしている。
 搬送ラインではオリコンの渋滞を回避するため、バイパスラインやループラインを増強することで、整流化を実現している。
必要なピッキングを終えたオリコンがあればシステムがバイパスラインへの分岐を判断して、その先にあるピッキング区画を回避して梱包ゾーンまで搬送することができる。
ピッキングが完了したオリコンは搬送ラインで梱包エリアに運ばれる。
 ここでは梱包工程での渋滞を回避するため、ケース荷揃えシステムのシャトルラックを導入している。
このシャトルラックは梱包前バッファーと出荷バッファーの二つの機能を持つ。
梱包前バッファー機能は時間帯別の出荷作業の優先度に応じて自動梱包ラインに入るオリコンをコントロールする。
例えば午前中であれば13時にセンターを出る出荷オリコンを優先的に梱包できるよう、夕方以降出荷のオリコンを自動梱包ラインから一時的に退避させる。
出荷時間まで余裕がある梱包箱は出荷バッファー機能で一時保管してラインから外すことで1階の出荷場の混雑を抑制する。
 梱包工程ではe-Cubeシステムを1機2ライン導入している。
出荷オリコンの中に入った商品をダンボールに入れると搬送ラインを流れて自動的に蓋が閉められる。
2ラインで1時間当たり960箱を封かんできる。
これにより梱包作業の半自動化と簡略化を実現している。
 梱包まで終わって空になったオリコンを畳んで搬送ラインの空オリコン自動回収ラインに乗せるとオーダースタート地点まで自動で運ばれ、オリコン段積み機によって15段積みでストックされる。
 2階でピッキングと梱包を終えた後は1階の出荷エリアへと搬送ラインで運ばれ、方面別仕分けソーターで配送方面ごとに自動仕分けする。
シュート前に設置した三辺計測器でサイズを自動計測しており、配送会社などとのデータ連携も行っている。
 石田執行役員は「オートストアやDPS、シャトルラックなどの機器を個別に動かすのではなく、連動させて全体として一つのシステムとして運用している点が最大の特徴。
これは当社としてもチャレンジングな取り組みだった。
ここでの経験は今後の拠点開発にも役立つ。
自動化センターの運営ノウハウとLT・IT部門の開発力を組み合わせることで拠点の特性や規模に応じた機器の選定や搬送ラインの設計が可能となる」と語り、物流センター横浜金沢で得た知見を水平展開する方針だ。

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