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2022年1月号
特集

中国「ニューリテール」企業の新たな展開

1.コロナ禍の中国消費市場  コロナ禍が長引く中、中国の消費市場にさまざまな変化が起きている。
 厳格なコロナ対策の下、国内の経済活動は概ね正常に動いている。
中国の消費動向の重要な指標である社会消費財小売総額は、2020年には39兆1981億元で、前年比マイナス3・9%に落ち込んだ。
しかし、21年1~10月は前年比14・9%増の35兆8511億元でV字回復を遂げている。
19年の同じ時期と比べても8・1%増で、もはやコロナ前を上回っている(図表1)。
 人口構造の変化や次世代消費者の登場に伴い、これまでとは異なる生活スタイルや消費行動が見られるようになっている。
20年の中国の出生人口数は1004万人で、統計開始以来、最も少なかった(図表2)。
政府は16年に一人っ子政策を止め、子供を2人まで容認する方針に切り替えたが、その効果は長くは続かなかった。
 住宅や育児費用の負担が若年層の結婚や出産の意欲を低下させる大きな要因となっている。
現在、中国の単身世帯数は約2億4千万人に上っている。
このような人口構造の変化を背景に、いわゆる“お一人様用”の小物家電や簡便惣菜、ペット用品などの需要が急増し、高い成長率を見せている。
 1995~2009年に生まれた中国の「Z世代」も、新しい価値観と嗜好性を示している。
中国のZ世代の人口は約2億6400万人で、総人口の19%を占める。
彼らは、高い消費意欲と個性的な消費観念を持ち、その年間消費額はおよそ4兆元(約71兆円)に上ると推定される。
 Z世代の消費の特徴は次の四つにまとめられる。
●口コミやSNSによる情報を収集・共有し、非計画的な購買、衝動買いなどの買い物パターンを取ることが多い。
●趣味や自己主張のための消費、またはゲーム・電子書籍・動画・音楽などのコンテンツ消費を好む。
●デザイン性の高い商品や新商品・新発売、限定品、流行などに敏感で、国家の成長とともに自信を持ち、国内ブランド(特にアパレルや化粧品)を愛用する傾向がある。
●「宅消費」「単身経済」の主要な顧客層であり、出前・宅配サービスへの依存度が高い。
 これからの消費の担い手として若年層だけでなく、高齢者層も注目されている。
中国の60歳以上の人口は2億6400万人となり、総人口に占める割合は18・7%と過去最高を更新している。
また、図表2に示すように、中国では1962年から75年にベビーブームがあり、62年に生まれた人が2022年にちょうど60歳を迎える。
これから14年間にわたり高齢化が一気に加速していく。
 こうしたことを背景に、健康食品、医療介護用品、また機能性や利便性の高い生活用品などを中心にシニア市場が、今後急速に拡大するとみられている。
 高齢者の購買行動の特徴としては、次の三つがあげられる。
●実用性を重視し、価格に敏感で、店舗で商品を確かめてから購入することが多い。
●スマホを利用する高齢者の多くはSNSやショット動画のヘビーユーザーであり、ニュースや健康知識、エンターテインメント、さらに商品広告など多様な情報をそこでゲットし、シェアする。
●ECを利用する高齢者が増加して、特に比較的低単価の商品を購入する傾向が見られる。
 こうした主要な消費者層の購買行動の変化は当然ながら、中国の小売市場のこれからの在り方に大きな影響を与えることになる。
2.小売市場全体の変化 2.─1 大手の明暗が分かれる  消費環境が大きく変わる中、小売業界は対応に追われている。
業態によって業績の明暗は分かれている。
ハイパーマーケットを中心に展開する大型店チェーンは不振が目立つ。
その一方、住宅地の小型生鮮専門店、オリジナル商品を売りにする会員制スーパーのウェアハウスクラブ、都市部で急増するコンビニエンスストアは比較的好調である。
 ハイパーマーケットは、売場面積が7千平方メートル~2万平方メートルで総合的な品揃えを行うディスカウント志向の小売業態として、これまで急成長してきた。
上位企業の多くがこの業態を中心に展開してきた。
しかし、近年は消費者ニーズの多様化・高度化、ECとの競争激化などにより魅力が薄れて勢いが衰えている。
最盛期に比べて、来客数が半減した企業も珍しくない。
 現在、中国の小売市場には多くの外資系大手が参入したが、現在上位10社に残っているのは、台湾系の大潤発とウォルマート中国だけである。
その大潤発もアリババに傘下入りして、オンライン事業を強化して、リアル店舗の売上減少を補うことで2位を維持している。
ウォルマート中国も京東との提携によりオンライン売り上げを伸ばす一方、ハイパーマーケット店舗の閉鎖と会員制の「サムズクラブ」の新規出店を並行して進めている(図表3)。
 一方、テンセントが出資する食品スーパー大手の「永輝」は、20年に初めて売上高を1千億元台に乗せて、トップの座についた。
しかし、21年上半期に上場以来初めてとなる営業赤字を計上した。
同社は17年ごろに、グローサラント(店内で売り場の食材を調理した料理を提供する業態。
グロサリーとレストランを組み合わせた造語)やミニ店舗など新業態を展開して一時は成長率を30%台まで伸ばしたが、新規事業をうまく成長軌道に乗せることができず、20年後半から不採算店舗の大規模な閉鎖に追い込まれた。
 上位10社のうち唯一、売上高と店舗数の両方で二桁成長を実現したのは食品スーパーの物美だ。
19年にドイツ系業務用スーパーのメトロから中国事業を買収したことが背景にあるが、徹底的なデジタル化の推進は他社との最大の違いである。
 物美は次なる成長を担うシステム子会社として多点(Dmall)を設立して、20年にそれまで使用していた独SAP社のERPシステムを、多点が開発した「Dmall OS」に切り替えた。
2.─2 小売企業のオンライン業務の展開  来店客数の減少に歯止めがかからない中、小売企業の多くはオンライン展開により、売上の拡大を目指そうとした。
コロナ禍で特に、生鮮食品を中心とした生活必需品のオンライン需要が急増、オンラインで注文して家まで配達してもらう、いわゆる「到家」サービスに消費者は慣れ親しんだ。
 小売りによるオンライン事業の展開は、自らアプリやミニプログラムを開発したり、「即時物流」と呼ばれるスピード配達サービスのプラットフォームに出店する方式を取ることが多い。
 いずれも、店舗をベースに、位置情報サービス(Location Based Services:LBS)を利用し、通常店舗半径3キロ商圏の顧客を対象に、注文してから30分から1時間に届けられるサービスを提供する。
リアルタイムにピックアップや配達を行うため、この形態は「即時小売」と呼ばれている。
店舗小売業がEC事業者と競争するための、有力な武器となっている。
 即時物流の発達が、即時小売の展開を可能にした。
即時物流は物流センターを通さず、店舗と消費者を結びつけるドア・ツー・ドアの物流の仕組みとして、近年、食事や生鮮食品の配達を中心に急拡大を遂げた。
年間取扱個数は12年の約8億個が20年には313億6千万個に増えた。
 即時配達の大手2社、美団外売と餓了么は食事のデリバリーを中心に展開し、それぞれテンセントとアリババの傘下に入った。
一方、スーパーなどの小売店舗の即時配達業務を中心に展開する達達は、京東の傘下に入り、京東のO2O事業の京東到家と合併した。
 こうした即時物流がインフラとして整備されたことで、スーパーなどの小売業はオンライン事業の展開が容易になった。
 小売チェーン上位5社はいずれも自社のアプリやミニプログラムのほか、即時物流プラットフォームを活用している(図表5)。
どのプラットフォームを利用するかは、出資関係などによって分かれている。
永輝とウォルマートは京東の出資を受けているため、京東傘下の即時物流子会社の京東到家を使っている。
一方、大潤発はアリババ系の即時物流プラットフォームの淘鮮達と餓了么を利用している。
 上位5社のうち、最もオンライン事業に積極的に取り組み、売上構成比が最も高いのが大潤発だ。
同社の20年度のオンライン売上高は推定230億元だった。
リアル店舗の売上が減少した分をオンライン売り上げで補うことで、全体の成長率は0・1%を維持した。
 アリババからの出資を受けた大潤発は、18年からアリババが17年4月に淘宝アプリの中に設けた即時物流プラットフォーム「淘鮮達」でオンライン販売の実験を始めた。
大潤発は徐々に淘鮮達での出店を進め、18年末まで全店の出店を完了した。
 また大潤発は、19年9月にアリババ傘下のネットスーパーの天猫超市と共同で1時間配達サービスを開始した。
さらに翌20年には大潤発の180店舗が天猫超市の近隣フルフィルメントセンター(Closer Fulfillment Center:CFC)として、20キロ圏内で半日配達サービスも提供するようになった。
 こうした取り組みにより、大潤発は19年末にオンライン事業の黒字化を達成した。
オンライン事業の投資額は公表されていないが、数十億元に上ると言われている。
21年第3四半期現在、同社の1日当たりのオンライン注文件数は平均1400件で、前年同期比25%増となっている。
2.─3 新業態開発の活発化  ハイパーマーケットの不振が続く中、小売各社は新業態の開発を試みている。
なかでも最も注目を集めているのが、ウェアハウスクラブだ。
限定商品やオリジナル商品の驚きのボリュームと割安感でコロナ禍でも高い集客力を見せている。
 きっかけとなったのは、19年夏のコストコの上海出店だった。
買い物をするには年間299元の会費を払う必要があるにもかかわらず、オープン当日には来店客が殺到して開店からわずか5時間で営業を中止せざるを得なかった。
 コストコ上海店には現在も1日当たり平均5千人の来店客が訪れている。
年間会員数約30万人、20年度の売上高は約24億元に達した。
上海店の好調を受け、コストコは急ピッチで出店計画を進めている。
既に蘇州、杭州、深圳、広州、南京、寧波、青島など12都市に出店候補地を確保した。
 ウエアハウスクラブを最初に中国に持ち込んだのはウォルマートである。
1996年に深圳にサムズクラブを出店して、現在は23都市に36店舗を展開している。
会員数は400万人を超えている。
 2016年以降、ウォルマートはハイパーマーケット業態の107店から撤退する一方、サムズクラブを毎年3店舗ペースで新規に出店して、中国市場のニーズの変化に対応した業態転換を進めている。
21年9月には、エンタメ性やゲーム体験などを充実させた、過去最大規模の旗艦店を上海にオープン、コストコとの競争に火をつけた。
 コストコやサムズクラブの後を追い、中国国内の小売企業もウェアハウスクラブ業態の展開に乗り出した。
20年10月、フーマは上海に盒馬X会員店を出店。
輸入商品、ネットでの人気商品のほか、他社との差別化として、これまで強みだった生きた水産物の提供を強化した。
さらに21年6月に2店舗、12月に4店舗を、上海、北京、南京、蘇州などの都市で同時オープンし、出店を加速させている。
 フーマのほかにもこれまでに、FUDI、永輝、物美(メトロ)、カルフール中国、北京華聯、北国などがウェアハウスクラブ業態の店舗を出店、もしくは出店計画を発表している。
 ただし、ウェアハウスクラブを展開するために必要な商品開発力や調達力が短期間で備わるわけではない。
ハイパーパーケットの苦境からいち早く抜け出そうとして、ウェアハウスクラブのビジネスモデルの本質を十分に理解せず、安易に始めた企業も少なくない。
実際、年間会員費なしで、生鮮食品やNB商品を単純に安売りし、収益が大幅に悪化した小売りも現れている。
 ウェアハウスクラブと並んで注目されている小売業態が、売場面積200平方メートルから1千平方メートルの小型スーパーだ。
主に三つのタイプがある。
第1は、大手小売企業が新規事業として展開しているミニスーパーだ。
例えば、永輝超市mini、永輝生活、小潤発RT─mini、万家LIFE、ウォルマート社区(小型)店、盒馬miniなどがあげられる。
 小型スーパーもまた、ハイパーマーケットとは異なる経営手法が必要である。
大型店を単に縮小させて、品揃えや店づくりに失敗した企業が少なくない。
例えば、永輝は19年から不採算の小型店舗の整理縮小を行い、ピーク時の573店舗から現在70店舗まで減らした。
また、ウォルマートは実験的に進めた小型店8店舗を全て閉鎖した。
 小型スーパーの二つ目のタイプは、地域でドミナント出店を行うローカルチェーンだ。
住宅地周辺の徒歩圏内に立地して、毎日の食卓に欠かせない生鮮食品を中心に取り扱う。
コロナ禍でハイパーマーケットの来客数が大幅に減少したのとは対照的に多くの客で賑わっている。
 その成長性を見込んで、ファンドやEC系、IT系の投資会社は相次ぎこれらの企業に出資している。
例えば、合肥と重慶で展開する誼品生鮮はテンセントなどからの出資を受け、わずか2年で約48億元の資金調達を行った。
 フランチャイズ方式を取り、地域をまたがって多店舗展開する生鮮専門チェーンも登場している。
なかでも勢いがあるのが広東省の銭大媽だ(写真)。
売場面積40~100平方メートル、住宅地周辺に店舗を構え、1千~1500世帯に1店舗という密度でドミナント出店している。
1日当たりの平均来客数は500人から800人だ。
 同社の最大の特徴は、店内の全ての商品を毎日完全に売り切る販売手法にある。
そのために、品揃えを需要の大きい精肉、野菜、水産、惣菜、最近では果物も扱うようになったが、合わせて約200アイテムに限定している。
 毎晩19時以降は、30分ごとに1割引きを増し、23時30分には無料で提供する。
当日入荷により、顧客に商品の新鮮さをアピールする一方、店頭ゼロ在庫を前提にサプライチェーンを構築している。
 同社の店舗数は16年の260店舗から21年7月末時点で約3400店舗に急増した。
出店エリアも上海、青島、西安、香港など30余の都市に拡大した。
20年の売上高は133億元に達している。
 第3のタイプは、新たに参入した外資系小型スーパーだ。
例えば、ドイツのアルディは19年6月に中国に進出して、現在は上海に20店舗を出店している。
売場面積300~500平方メートル。
高級住宅地もしくは総合ビルの1階に立地することが多い。
ハードディスカウンターとしての同社のイメージを払拭して、洋食の提案を行い、ベーカリーや総菜などを強化している。
3 OMO小売新興モデル 3.─1 店舗倉庫一体型EC  グローサラントの先駆けとして知られている盒馬鮮生(フーマ)は、中国で最初にオンライン注文・店舗配達を前提に店舗設計を行った小売企業でもある。
売場の天井にコンベアレーンを設置したり、自社で即時物流の配達体制を整備するなど、店舗と倉庫一体型の仕組みを構築した。
16年に第1号店をオープンして以来、全国の大中都市を中心に多店舗展開を行い、21年末には店舗数が300を突破すると見込まれる。
 これまでフーマのビジネスモデルは、多大な設備投資と運営コストが必要であり、採算に乗せるのは難しいと指摘されてきた。
しかし、コロナ禍で生鮮食品を中心にオンライン需要が増加して、フーマの注文件数は大きく上昇した。
 同社は20年前半には小型店の「盒馬mini」(売場面積約500平方メートル)に比重を置いたが、最近では再び標準規模の「盒馬鮮生」(売場面積2千~4千平方メートル)の出店を加速させている。
20年12月には、広州、南京、武漢、長沙、杭州などの都市で14店舗を出店する計画を発表している。
 フーマの後を追ってスタートした京東傘下の七鮮超市(Seven Fresh)も出店を加速している。
21年11月には、武漢、南京、仏山、深圳などの都市で同時出店を果たした。
深圳では4月に1号店を出店してから半年間で5店舗まで増やした。
また、日本の無印良品とタッグを組み、同社が上海で展開した中国初の生鮮複合型店舗で、生鮮売場の運営を担った。
3.─2 前置倉庫型EC(ダークストア)  オンラインの受注・即時配達を処理する場所は必ずしも店舗である必要はない。
消費者に近い立地の小型倉庫、いわゆる「前置倉庫」を設け、自ら配達部隊を雇い、即時配達を行う、いわゆるダークストア型のECも登場して拡大している。
 中国で最も早くダークストア型ECに取り組んだのは、毎日優鮮(Miss Fresh)だ。
同社はこれをDMW(Distributed Mini-Warehouse)モデルと呼んでいた。
当初、中国20都市に約1500の前置倉庫を設けていたが、事業はうまくいかず、21年6月時点で625カ所までに縮小させた。
 一方、やや遅くスタートした叮咚買菜(DingDong)は、21年9月時点で全国37都市に1375の前置倉庫を展開して、前年同期比185%増と事業を急拡大させている。
同社は、「水道の水のように良い食材がすぐに手に入る」をビジョンとして、顧客の購買リピート率を重視している。
 同社の前置倉庫の面積は200~300平方メートルの規模。
買物頻度の高い野菜、果物、肉・卵、水産、日配品など約1700品目を取り扱う。
ビッグデータやAIを活用して、推薦購買、在庫管理、補充予測、配達業務のシステム化などの効率化を図っている。
 ただし、黒字化の目途はまだ立っていない。
同社の月間アクティブユーザー数は21年第3四半期に前年同期比26・5%増となり初めて1千万人を突破した。
取引額は同111%増の61億8950万元に達した。
しかし、赤字額は同142・7%増の20億1060万元だった。
取引額が拡大すればするほど赤字額が増えるという悪循環から、いかに脱却できるかが今後の成長のカギとなる。
 ダークストアは店舗と違って顧客から見えない存在であるため、新規ユーザーの獲得と維持が難しい。
同社は開店から1年以上経った店舗で、客単価65元・1日当たりの注文件数1千件を、黒字化の目安としている。
3.─3 住宅地共同購入型EC(シェア買い)  コロナで特に注目を浴びるようになった購買方法に、住宅地の共同購入がある。
中国語では「社区団購」という。
オンラインで注文、翌日に顧客が自分で近隣店舗などのピックアップ場所に出向いて荷物を受け取る「予約販売+受取」のECモデルである。
 当初は、社区団購の“団長”がSNSグループを通じて商品を推薦し、注文を集めていたが、現在は顧客が直接共同購入型ECのアプリから注文するケースがほとんどとなっている。
また、団長になるためには、SNSグループを持つことが条件で、一部は店舗や食品経営許可書を持つことを条件としている。
 このモデルには、どこでも注文ができるECの利便性、身近な店舗への行きやすさ、信頼性、SNSによる情報拡散効果、共同購入による価格の安さ、予約販売による無駄在庫の解消といったメリットがある。
 また、団長が実店舗を経営している場合には、販売手数料収入だけでなく、集客効果や商品を受け取る際のついで買い、地域顧客との関係づくりなども期待できる。
また、ECでの注文の仕方、クレームや返品の処理など、団長が対応してくれるため、ネット利用に慣れていない人でも安心して買い物ができる。
 社区団購最大手の興盛優選はもともと小型スーパーを経営していた。
試行錯誤の末、16年頃に現在のモデルに事業を転換した。
取引総額は、18年の8億元から、19年100億、20年300億へと急成長を遂げ、21年は800億元を目標に掲げている。
 その成長性を見込まれて、これまでにテンセント、京東、ファンド会社などから約334億元の資金を調達している。
その資金を使い、農村地域に行きわたるきめ細かな物流網を整備した。
現在、地方都市や農村地域を中心に17の省1400の市・県で事業を展開している。
1日当たりの注文件数は約1200万件にも上る。
 中国では、高齢化の進展、単身世帯の増加、人々のライフスタイルの変化に伴い、消費環境が大きく変わっている。
新たな環境変化に対応するために、小売企業はオンライン事業の展開を加速させ、新規業態の開発に積極的に取り組んでいる。
また、店舗(ダークストアを含む)を併合したさまざまなECモデルが登場し、課題を抱えながらも、従来の流通構造を変えつつある。
中国の小売業界はますます多様化、複雑化していく。

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