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2022年1月号
特集

MonotaRO 自動化拠点新設し出荷能力を1.6倍に

1カ所で50万SKUを確保  工具などのインターネット通販大手MonotaRO(モノタロウ)の急成長が続いている。
2020年12月期の連結売上高は前期比19・7%増の1573億円、営業利益は23・8%増の196億円。
21年12月期は売上高が23・4%増の1942億円、営業利益は25・9%増の246億円を見込む。
10年前の11年12月期に比べると売上高は8倍強、営業利益は12倍になる見通しだ。
 2000年の創業以来、製造業や建設・工事業、自動車整備業などを中心に利用を伸ばしてきた。
ユーザーが登録している口座数は21年9月末時点で前年同期比約25%増の646万に達した。
取り扱っている商品点数は1800万を突破した。
 同社は、大型の機械から小さな部品やねじ類まで、品ぞろえを拡充し続ける“ロングテール”を基本戦略とする。
そのうち需要が特に大きい約61万点は注文を受けた当日出荷対象とするなど、迅速に届けることでユーザーの満足度を高めている。
大量の商品の在庫管理や入出荷を効率的に進めるため、物流拠点の整備に積極的に取り組んでいる。
 17年4月には茨城県笠間市で「笠間ディストリビューションセンター(DC)」を本格稼働させた。
平屋建て、延べ床面積は約5万6200平方メートル。
日立製作所グループの自律搬送型物流ロボット「Racrew(ラックル)」を核としたシステムを活用してピッキング業務を自動化、自動製函機や封緘機も導入した。
作業の生産性を大幅に高めるなど、成果を挙げている。
 同DCを開設した際、モノタロウは14年7月から西日本エリアをカバーしている兵庫県尼崎市の既存施設「尼崎ディストリビューションセンター」と合わせて最大約1500億円の売り上げ規模に対応できる体制が整ったと説明していた。
 その後、連結売上高がさらに伸びる見通しになってきたことを踏まえ、21年3月には笠間DCの近隣に位置する茨城県茨城町で「茨城中央サテライトセンター(SC)」を開設した。
笠間DCと同じく平屋建て、延べ床面積は約4万9千平方メートルで、Racrewやデジタルピッキングシステム、自動梱包機などを採用している。
需要が上位の商品を約2万~3万SKU在庫することが可能だ。
 現状では1日当たりの出荷能力が笠間DCと茨城中央SCの合計で13万行。
これに尼崎DCの6万行を足すと19万行に達する。
ただし、モノタロウの売り上げは年率2割のペースで拡大しており、現行の体制だけでは早晩キャパシティー不足に陥る可能性が高い。
将来を見据えた物流機能の強化が課題となっている。
 そこで21年11月、尼崎DCに代わって西日本をカバーする新たな基幹物流拠点を、プロロジスが兵庫県猪名川町に開発した「プロロジスパーク猪名川1」に開設する計画を公表した。
 「猪名川1」はプロロジスが日本国内で手掛けてきた物流施設の開発案件としてはちょうど100棟目に当たる。
地上6階建て、延べ床面積は約21万8200平方メートル。
同社の物流施設単体としては国内最大規模だ。
 モノタロウは最終的に「猪名川1」の1~5階と6階の一部に入居し、「猪名川ディストリビューションセンター」を展開することを想定している。
22年4月の本格稼働開始に向け準備を進めており、猪名川DCの立ち上げと並行して、尼崎DCと周辺にある複数の外部倉庫の機能を猪名川DCに集約していく予定。
 猪名川DCは延べ床面積で約17万8800平方メートルを使用。
在庫能力は50万SKUを見込む。
業務効率化のため、東日本の拠点で活用しているRacrewを踏襲して使うほか、自動倉庫や搬送コンベア、自動梱包機なども採用する。
 Racrewはトータルで800台超まで増やす予定だ。
Racrewと専用の垂直搬送機を連携させ、商品を収めている棚が自動で異なるフロア間を移動できるようにして、複層階のセンターでも迅速な出荷を可能にすることも計画している。
投資額はトータルで約160億円を見込む。
 1日当たりの出荷能力は本格稼働開始の第1期に約9万行、その後は第2期として23年中をめどに、さらに約9万行高めてトータルで約18万行にすることを見込んでいる。
笠間DCや茨城中央SCと合わせると31万行、現在の1・6倍に相当する。
「従業員が歩かないセンター」目指す  モノタロウの鈴木雅哉社長は、プロロジスの施設を選んだ背景として、18年の大阪府北部地震で尼崎DCも棚から商品が落下するなどの被害を受けたことを振り返り、「万が一の大きな災害の際にもオペレーションを止めないことがわれわれにとって一番の優先事項。
何とか免震で建設してほしいとプロロジスさんにお願いさせていただき、こちらのセンターに決定した」と説明した。
尼崎DCや周辺の倉庫の機能を猪名川DCに集約することで、横持ち輸送の解消などによる物流コスト低減につながることも期待している。
 鈴木社長は尼崎DCで現在は従業員が1日当たりピッキング作業などのためにトータルで15キロメートルほど庫内を歩いていることに言及した上で「猪名川DCはほぼ歩行することがなく、生産性が非常に高いセンターを目指す」と言う。
猪名川DCでは千人程度を雇用する見通しで、従業員が定着する環境を整備する狙いもある。
 茨城の2拠点は自社で開発を進めたが、猪名川DCは尼崎DCと同じく、外部の大規模物流施設賃貸を選んだ。
鈴木社長は「関西では大規模な物流施設の開発が可能な用地を自社単独で探すのがなかなか難しい。
それであれば尼崎でもお世話になっているプロロジスさんのお力を借りた方が絶対に良いと考えた」と背景を説明する。
 鈴木社長は今後も先進的な物流施設の活用が有力な選択肢になるとの見解を示しており、その際は自動化設備を活用する基本的な方向性を堅持する姿勢を見せている。
EC利用が伸び続ければ、さらなる物流拠点拡充が視野に入ってきそうだ。

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