2021年5月号
特集
特集
次世代型共同化で卸流通を強くする
メーカー共同物流のはじまり
──加工食品メーカーの物流共同化が注目を集めています。
そこでは日用品メーカーの共同化の取り組みが先行事例として参考にされています。
サンスター 荒木協和 日本ブロック理事(ロジスティクス担当)「確かに現在の加工食品業界の動きは、日用品メーカーが共同出資でプラネット物流(プラ物)を立ち上げた頃(1989年)と似ているところを感じます。
その上で現在われわれは次のステップの共同化に進もうとしています」 ――プラネット物流の2016年7月の解散は、日用品物流の大きな転換点でした。
ライオン 平岡真一郎 執行役員SCM本部長「プラ物のスキームは、いわば“固い”共同物流でした。
同じ倉庫にみんなで一緒に入り、ルールも合わせてみんなで一緒に運びましょうというやり方です。
共同化の入り口はどうしたってそうなる。
しかし、共同物流のレベルを次のステージに上げていこうとすると、固いスキームではやりにくい」 サンスター・荒木「プラ物は学校で言えば全寮制でした。
スキームに完全に適応しないと中に入れない。
そのためにプラ物に出資はしても共同化には参加しないメーカーもあった。
それでも設立当時はまだWMSもないメーカーがかなりあった時代で、ライオンさんのシステムに相乗りできるだけでも他のメーカーにとってはありがたかった」 「ただし、同じWMSを使うということは、同じ仕組みでモノを動かすということです。
そのためライオンさんの顧客構造や拠点構造に合わせられるメーカーだけが物流共同化に参加できた。
兄弟会社だった業界VAN(付加価値情報網)のプラネットには現在600社以上のメーカーが参加しているのに、プラ物の参加メーカーは最後まで16社前後でした。
物理的な制約のない情報とは違って物流というハードを共同で行うことの限界だったのかもしれません」 ──物流で競争優位にあったライオンが差別化ではなく共同化に踏み切ったのはなぜでしょうか。
ライオン・平岡「そこはライオンの社風が大きく影響していると思います。
業界への貢献、卸流通への貢献という理念に則した取り組みであれば、そこに異論は差し挟まない。
プラネットのVANもそうでした。
ライオンが卸との間に張り巡らせた情報ネットワークをそのまま公開した。
普通はしないだろうと思います。
それでも日雑卸流通の効率が良くなる、卸店にとって良いことならやろう、と」 サンスター・荒木「日雑の共同物流が四半世紀にわたって継続できたのは、掛け値なしにライオンさんの貢献だと思います。
また伝統的に日雑メーカーは市場では激しく競争していても、オーナーや経営層の間には旦那集的な横のつながりがあった」 ライオン・平岡「『競争は店頭で、物流は共同で』というプラ物のスローガンを言葉通りに受け入れる土壌がありました」 ──卸流通から直販に転じた花王に対する反発、〝反・花王〟という側面もあったはずです。
サンスター・荒木「確かに花王さんの急成長によって、卸流通チャネルには危機感がありました。
しかも現在の(PALTACとあらたの)2大卸体制と違って当時の卸は地方ごとの小規模分散だったので、単独で全国のメーカーをまとめることも難しかったことから、メーカーも含めた卸流通全体vs花王という図式になったのだと思います」 ──プラ物が果たした役割をどう評価しますか。
ライオン・平岡「先ほどの固い共同化というのは、全員が同じネットワークに乗る。
ハード面もそうだし、業務プロセスや締め時間、配送日といったソフト面も、唯一無二のルールに乗っかるというスタイルです。
この両面をバラバラで行っていたそれまでと比べれば圧倒的に効率は良くなりました」 サンスター・荒木「プラ物は、中部、東北、九州、北海道の順で拠点を設立していったわけですが、これらのエリアはメーカーごとにバラバラでやっていたら、とても採算が合わなかった。
実際、プラ物を解散した今でも、北海道や九州は以前と同じメンバー、同じスキームで同じ物流会社が拠点を運営している」 “固い”共同物流が直面する壁 ──プラ物の共同化は有効だった。
それでも解散した。
この事実をどう受け止めれば良いでしょう。
ライオン・平岡「プラ物の誕生から四半世紀の間に、メーカー各社の物流ネットワークは効率化・高度化が進みました。
商圏ごとに拠点を置いてそれぞれ在庫を持つというベーシックな管理から拠点集約に転じた。
その結果、『ウチの物量なら東日本は1拠点にまとめたほうが効率がいい』といったメーカーが出てくると共同化は崩れてしまいます」 サンスター・荒木「プラ物の解散理由は二つあると思います。
一つはライオンさんに頼り切っていたことです。
共同物流はリーダーがいないと成立しない。
本当に平等な立場で各社が集まっていたのなら、恐らくもっと早く崩壊していたと思います。
ライオンさんがリーダーとなって先導してくれたから他のメーカーが集まった。
しかし、リーダーに頼ることがいつしか当たり前になって、プラ物への出向人員や物量の波動に対する補償など、ライオンさんの負担が大きくなり過ぎた。
そこに無理が生じてしまった。
二つ目の理由として、本州の拠点が関東と関西だけになった。
そうなると各社の物量が多過ぎて一つの倉庫に収まらない。
結局分散して保管するのなら、共同化する意味がない」 ライオン・平岡「結果として一つのネットワーク・一つのルールの共同化という固いスキームのデメリットが大きくなってしまった。
そこからさらに共同化を先に進める、今の時代に則した共同化を実現するために、プラ物を発展的に解消させる必要があったんです」 ──日雑業界とは対照的に他の業界では、業界別に物流プラットフォームを構築しようとする動きが広がっています。
これをどう見ますか。
ライオン・平岡「同じ業界のメーカーであれば納品先は同じだし、荷物のハンドリングも変わらないので一緒にすれば効率化できると考えるのは理解できます。
しかし、同じ業界のメーカーでも、実際には各社のネットワークは大きく違います。
流量の変化によってもネットワークは違ったものになってくる」 ──プラットフォームという言葉から連想されるのは、固定的なネットワークを永続的に運営していくモデルです。
ライオン・平岡「そのアイデアを全否定はしませんが、個人的には一歩引いて見ています。
そういうものではないだろう、と。
もともと物流拠点、特に在庫拠点は5~10年というスパンで見れば必ず変化していきます。
都合のいい場所や規模は、その時のモノの流れ方、発地と着地それぞれの状況によって変わります」 ──従来の〝固い〟共同物流に替わる〝柔らかい〟共同物流とは、どのようなスキームでしょうか。
ライオン・平岡「それが日雑物流の今の状態です。
先ほども出ましたが北海道や九州など、物流密度の低いエリアは今もプラ物のメンバーが集まって一緒にやっている。
実は目立たないのですが、それ以外の都市部でも、当社をはじめプラ物のメンバー同士でさまざまな形で共同物流を運営しているんです。
都市部は、各社の流量によって共同化のメリットが出る・出ないの閾値が違ってくるため、閾値に達していない中規模メーカー同士で共同化したりしている。
都合の合う数社が集まって『ここでやろう』というかたちです」 サンスター・荒木「そもそも上屋を持って全寮制でやるというのは、大都市には合わない。
プラ物の北海道にはメーカー16社が集まりましたが、関東で16社が同居できる拠点を手当てしようとすれば途方もない規模になってしまう。
しかし都市圏でも少ない量の届け先はある。
それらの少ロット顧客の共同化は必要です。
そこで都市圏では4~5社でチームを組んで共同物流を実施しています」 “柔らかい”共同化のモデル ──他の業界では聞かない話です。
なぜそうした柔軟な共同化が可能なのでしょうか。
ライオン・平岡「各社の物流管理レベルが上がって、創意工夫が生かせるようになってきた。
それとやはりプラ物があったからです。
共同化は標準化が前提になります。
商品マスターのフォーマットや伝票の在り方、段ボールの表示の仕方など、みんなで合意して基準を定める必要がある。
プラ物で既にそれができていた。
共同化とはそうやるものだという“癖”もついた」 サンスター・荒木「今も九州と北海道では運用が続いているわけですから、実際に担当者が全員集まる機会も残っている。
旧プラ物の参加メーカーで研究会も行っています」 ライオン・平岡「そのようにわれわれは今もプラ物に大きな恩恵を受けています。
プラ物の運営に奔走してくれた大先輩の方々には本当に感謝しています。
そのレガシーを土台にしてわれわれは次のステップに進みます。
次はソフト系の共同化です」 ──どういうことですか。
サンスター・荒木「各メーカーからバラバラに出荷された荷物が最終的には同じ卸のセンターに届けられているわけですから、その途中に保管型ではなく通過型で荷合わせをするプラットフォームを置くというモデルは成り立つと考えています。
ただし、従来のように何でもTCに持ちこんで仕分けるという乱暴なやり方ではスムーズにいかない。
変化に対応するスピードが出せない。
標準化と情報ネットワークの整備が必要です」 ──ルール作りはプラ物で既に済んでいるのでは。
サンスター・荒木「プラ物の共同倉庫と違って、われわれがこれから挑戦するのは、バラバラに出荷された荷物をプラットフォームで、何らかの融合性をもってクロスドックして届け先に一緒に届けることです。
それには途中のコントロールをスムーズにするソフトを作り込んでいかないといけない。
例えば納品先卸に、一緒に納品するメーカーの発注日を全て同一にしてもらう。
実は既に卸店様の協力を得てテスト運用を開始しています」 ライオン・平岡「先ほどの複数メーカーが集まって『一緒にやろうよ』という話は、まとめると配送量が大型車1台もしくは2台でまとまるメーカーを組み合わせているわけです。
つまりユニットロードの単位に合わせた小さな組み合わせをたくさん作っている。
あるいは要件に合わせてユニットを変えるという管理です」 ──競合メーカーの物量をそこまで細かく把握できますか。
ライオン・平岡「そこはプラ物の経験がある」 サンスター・荒木「先ほどの試験運用も、先方のメーカーに電話を一本入れたらすぐにOKが出る。
少なくともテストでやる分には全く問題ない。
そういう関係ができています。
ただし、これまではメーカー同士の横のつながりでやってきたけれど、今後は卸店様も含んだ共同化が必要です。
メーカーが出荷する段階から卸のセンターの棚に格納されるまでのロジスティクスを最適化していくことになります。
歪みや重複作業を生じさせることなく、ノー検品や伝票レスを実現していかなくてはならない」 ──中間流通の再編にテーマを移します。
日用品業界では共同物流だけでなく、卸の再編と集約でも他の業界より先に進みました。
従来のメーカー別・都道府県別の代理店制度が崩れて卸のフルライン化・全国化が進み、2大卸が誕生した。
それはメーカー物流にどう影響を与えたのでしょうか。
サンスター・荒木「日用品卸の再編はメーカーの流通政策とも関連しています。
プラ物の設立とほぼ同じ時期に代理店の統合が加速しました。
メーカーも当時の『県別代理店』の統合を後押ししていきました」 ──2大卸による極端な寡占化はメーカーにとって歓迎すべきことでしょうか。
ライオン・平岡「もちろん両面あります。
マイナス面として大手卸のバイイングパワーが強くなり過ぎることを懸念する声を聞きますが、そう単純なメカニズムではないと個人的には考えています。
もちろん価格交渉の圧力はずっと強くなりましたが、それに余りあるくらい業界としての効率化が進んでいる。
物流はもちろん営業にしても昔は全国に何千もある卸の事務所に各メーカーの営業マンがそれぞれセールスに行って棚卸しまでやっていた。
少なくとも現状ではプラス面の方がずっと大きい」 ──逆に卸の集約が進まず地域分散が続いていたとしたら。
サンスター・荒木「考えたくもありません。
当社の納品先数はピーク時には全国に約1500カ所ありました。
それが現在は約500カ所です。
それが元に戻って細かく分散したら大変なことになる」 ──日用品と同様に加工食品業界でも中間流通の集約が進んでいくと予想しますか。
ライオン・平岡「私はそうは思いません。
一つは日用品と比べて加工食品はアイテム数が桁違いに多い。
流量と速度が全然違います。
あれだけのアイテム数をあれだけのスピードで届けなければならない。
しかも、末端の届け先は細かく分散している。
そもそも加工食品には地域性があります。
同じ歯ブラシが北海道でも沖縄でも売れる日用品とは違います。
中間流通だけ単純に大きくしても効果があるのかは疑問です」 サンスター・荒木「同感です」 物流子会社を本社に吸収合併 ──話を日用品に戻しますが、中間流通が2大卸に集約されると、メーカー物流は、極端に言えば2社に納品すれば済む。
物流部の役割は減り、物流のアセットも不要になるはずです。
サンスター・荒木「もはや日雑メーカーが自分でトラックを持って配送しているところはなくなりました。
倉庫も所有はしても運営はしていない。
当社は1カ所だけ倉庫を所有していますが、運営は外部委託しています」 ライオン・平岡「当社も工場倉庫以外にDCの自社物件は一つもありません。
全て過去に売却しました。
先ほどもあったように、必要なDCは環境によって変わるので自社で所有する意味がない。
これからスマート化や庫内作業の自動化に向けて現場の装備率を上げなければならないので、今後は多少方針を修正する必要が出てくるかもしれないけれど、基本的にはノンアセットです」 ──ライオンは20年1月に物流子会社のライオン流通サービスを本社に吸収合併しました。
ライオン・平岡「プラ物の解散とライオン流通サービスの吸収合併は同じ流れにあります。
いずれも物流管理のレベルアップが狙いです。
ライオン流通サービスはライオンの物流部門として物流専業者との契約や交渉、日々のオペレーションを管理するという立て付けでした。
当初は自社でも倉庫や車両を所有し、現場スタッフも抱えていたのですが、段階的にアセットを切り離していき最後は完全なノンアセットになった」 「しかし、そこまで来てあらためて物流管理のレベルをさらに上げていこうとなった時には、やはりその機能を内部化して自分で直接コントロールしたい。
それが一つ。
それともうひとつは物流事業者の提案に対する期待です。
物流事業者の能力は非常に高まっています。
そのため彼らと直にコンタクトを取りたい」 ──サンスターも過去に物流子会社を解散しています。
サンスター・荒木「サンスターの物流部門を分離独立させて設立した物流子会社を90年代末に解散しました。
所有していたアセットもその時に手放しました。
同じタイミングでシェアードサービス企業を設立して物流管理機能をそこに移管しましたが、実質的にはメーカー本体で管理している状態です」 ──他の日雑メーカーの物流子会社も、花王を例外として既にほとんどが解散したか本社に戻しています。
少なくともアセットはない。
しかし、そのままでは現場がブラックボックス化する恐れがあります。
そのためにセンター長レベルまでは社員を置くという判断もあるはずです。
メーカーと物流パートナーの業務の線引きをどう考えますか。
ライオン・平岡「既に工場倉庫を別にすれば、当社の社員をセンター長として置いているのは薬品を扱っている1カ所だけです。
今後DXのために実験的な施設を持つ可能性はありますが、基本的には餅は餅屋で、現場管理は全て物流事業者にお任せします」 サンスター・荒木「私も現場のスタッフをメーカーが社員として抱える必要はないと考えています。
物流DXは課題ですが、それだけのスペックを備えた人材ならマーケティングや営業といったメーカーのコア部門に振り分けた方がいいのかもしれない。
物流はメーカーのコア事業ではないのです。
しかも必要な人数は知れているので、定期的に採用できるわけでもない。
そこは今まさに悩んでいるところです」 プラネットVANを基盤に「協調物流」 ──日雑メーカーの物流はこれからどこに向かうのか。
あらためてお考えを聞かせてください。
ライオン・平岡「今日の流れでお話しすると、今までの固い共同化から、柔らかい共同化に進んでいきたい。
それにはソフト面でやらなければいけない課題がまだまだあるというのが出発点です。
その上で目の前の効率化はもちろん、社会的にはSDGsへの対応が求められています。
ロジの領域ではCO2の削減です。
もう一つがホワイト物流。
これは労働生産性と設備生産性の問題です」 「これらの要請に応えていくには従来以上の共同化が必要です。
そして、そこに至るには三つのステップがある。
一つ目は入口としての標準化です。
標準化していない共同化はやめておいた方がいい。
その次に『協調』というステップがある。
その先に次世代の共同物流はあるという考えです」 「行政も含めて世の中は今、固い共同化ありきです。
同じ倉庫、同じトラックを使うという話です。
しかし、ファシリティには各社にそれぞれ都合があります。
『あそこの運送会社は外せない』『ウチはここがいい』といった壁に阻まれてしまう。
そこを力尽くで乗り越えようとするのではなく、アセットが違ってもいい、トラックや倉庫は別でも、お互いの都合を合わせて協調していくことはできるはずです」 「イメージとしては空港の管制塔です。
いろいろなところから来た飛行機が混乱なく順番に降りてくる。
日雑の物流のネットワークであれを実現する。
中央コントロールタワーを作ってそれをやりましょうというアイデアです。
その結果、ドライバーの待ち時間がなくなる。
帰り荷が使える。
いろいろなことができるようになります」 サンスター・荒木「従来は協調することが難しいために、同じ倉庫に入って否応なく協調するようにしてきた。
それをいったん崩して今はマルチファシリティにした。
さらにスマート化やビッグデータの環境が整えば配車計画などのコントロールを統合できる。
協調物流が実現して、先ほどのプラットフォームも運営できるようになる」 ライオン・平岡「既に日雑業界にはその環境が整っています。
日雑卸流通チャネルの商流データは、金額ベースで90%以上がプラネットを経由しています。
在庫を引き当て済みの注文データは、ASN(事前出荷情報)そのものです。
従って、各社が受注を締め切って在庫引き当てを処理した瞬間に、日雑業界全体の翌日の配送計画が作れてしまう。
実運送を特定の運送会社に集約する必要もありません。
車両がバースに入る時間と順番さえ決めれば協調物流が実現する」 「一昨年から実験は始めていて既にハードとしての環境は整っています。
プラネットは今年2月に『ロジスティクスEDI概要書Ver.2・0』を策定しました。
これを受けてわれわれライオンは3月から、通常の在庫引き当てデータに車両編成ナンバーを振ったASNを『第2世代ASN』と呼んでEDIに流し始めています」 サンスター・荒木「卸がメーカーに発注する段階から仕組みを変えていきます。
発注を10トン単位にまとめて、なおかつ日々の納品トラックの台数を安定させる。
1メーカーでは10トンに満たないなら、複数のメーカーで束ねてフルトラックにする。
また卸にバース予約システムが導入されて効果は出ていますが、その日の後半になると枠が埋まって予約が取れないという問題が顕在化しています。
普及がさらに進めば、デッドロックに乗り上げてしまう。
さらに予約が取れなくなってしまう」 ライオン・平岡「それを避けるために発側でバース予約をコントロールする。
トラックの1日の総待機時間あるいは総走行距離が業界全体で最短になるよう配送計画を組む。
そうすることで業界の物流効率が最大化される。
待機時間は最小化される。
全員にメリットがあります。
SDGsやホワイト物流運動がその推進力になると考えています」 ──他の業界は今、情報プラットフォームの構築がテーマになっています。
しかし、日雑業界のテーマは既にデータ活用に移っている。
今後も日雑業界は新しい物流の実験場であり続けることになりそうです。
そこでは日用品メーカーの共同化の取り組みが先行事例として参考にされています。
サンスター 荒木協和 日本ブロック理事(ロジスティクス担当)「確かに現在の加工食品業界の動きは、日用品メーカーが共同出資でプラネット物流(プラ物)を立ち上げた頃(1989年)と似ているところを感じます。
その上で現在われわれは次のステップの共同化に進もうとしています」 ――プラネット物流の2016年7月の解散は、日用品物流の大きな転換点でした。
ライオン 平岡真一郎 執行役員SCM本部長「プラ物のスキームは、いわば“固い”共同物流でした。
同じ倉庫にみんなで一緒に入り、ルールも合わせてみんなで一緒に運びましょうというやり方です。
共同化の入り口はどうしたってそうなる。
しかし、共同物流のレベルを次のステージに上げていこうとすると、固いスキームではやりにくい」 サンスター・荒木「プラ物は学校で言えば全寮制でした。
スキームに完全に適応しないと中に入れない。
そのためにプラ物に出資はしても共同化には参加しないメーカーもあった。
それでも設立当時はまだWMSもないメーカーがかなりあった時代で、ライオンさんのシステムに相乗りできるだけでも他のメーカーにとってはありがたかった」 「ただし、同じWMSを使うということは、同じ仕組みでモノを動かすということです。
そのためライオンさんの顧客構造や拠点構造に合わせられるメーカーだけが物流共同化に参加できた。
兄弟会社だった業界VAN(付加価値情報網)のプラネットには現在600社以上のメーカーが参加しているのに、プラ物の参加メーカーは最後まで16社前後でした。
物理的な制約のない情報とは違って物流というハードを共同で行うことの限界だったのかもしれません」 ──物流で競争優位にあったライオンが差別化ではなく共同化に踏み切ったのはなぜでしょうか。
ライオン・平岡「そこはライオンの社風が大きく影響していると思います。
業界への貢献、卸流通への貢献という理念に則した取り組みであれば、そこに異論は差し挟まない。
プラネットのVANもそうでした。
ライオンが卸との間に張り巡らせた情報ネットワークをそのまま公開した。
普通はしないだろうと思います。
それでも日雑卸流通の効率が良くなる、卸店にとって良いことならやろう、と」 サンスター・荒木「日雑の共同物流が四半世紀にわたって継続できたのは、掛け値なしにライオンさんの貢献だと思います。
また伝統的に日雑メーカーは市場では激しく競争していても、オーナーや経営層の間には旦那集的な横のつながりがあった」 ライオン・平岡「『競争は店頭で、物流は共同で』というプラ物のスローガンを言葉通りに受け入れる土壌がありました」 ──卸流通から直販に転じた花王に対する反発、〝反・花王〟という側面もあったはずです。
サンスター・荒木「確かに花王さんの急成長によって、卸流通チャネルには危機感がありました。
しかも現在の(PALTACとあらたの)2大卸体制と違って当時の卸は地方ごとの小規模分散だったので、単独で全国のメーカーをまとめることも難しかったことから、メーカーも含めた卸流通全体vs花王という図式になったのだと思います」 ──プラ物が果たした役割をどう評価しますか。
ライオン・平岡「先ほどの固い共同化というのは、全員が同じネットワークに乗る。
ハード面もそうだし、業務プロセスや締め時間、配送日といったソフト面も、唯一無二のルールに乗っかるというスタイルです。
この両面をバラバラで行っていたそれまでと比べれば圧倒的に効率は良くなりました」 サンスター・荒木「プラ物は、中部、東北、九州、北海道の順で拠点を設立していったわけですが、これらのエリアはメーカーごとにバラバラでやっていたら、とても採算が合わなかった。
実際、プラ物を解散した今でも、北海道や九州は以前と同じメンバー、同じスキームで同じ物流会社が拠点を運営している」 “固い”共同物流が直面する壁 ──プラ物の共同化は有効だった。
それでも解散した。
この事実をどう受け止めれば良いでしょう。
ライオン・平岡「プラ物の誕生から四半世紀の間に、メーカー各社の物流ネットワークは効率化・高度化が進みました。
商圏ごとに拠点を置いてそれぞれ在庫を持つというベーシックな管理から拠点集約に転じた。
その結果、『ウチの物量なら東日本は1拠点にまとめたほうが効率がいい』といったメーカーが出てくると共同化は崩れてしまいます」 サンスター・荒木「プラ物の解散理由は二つあると思います。
一つはライオンさんに頼り切っていたことです。
共同物流はリーダーがいないと成立しない。
本当に平等な立場で各社が集まっていたのなら、恐らくもっと早く崩壊していたと思います。
ライオンさんがリーダーとなって先導してくれたから他のメーカーが集まった。
しかし、リーダーに頼ることがいつしか当たり前になって、プラ物への出向人員や物量の波動に対する補償など、ライオンさんの負担が大きくなり過ぎた。
そこに無理が生じてしまった。
二つ目の理由として、本州の拠点が関東と関西だけになった。
そうなると各社の物量が多過ぎて一つの倉庫に収まらない。
結局分散して保管するのなら、共同化する意味がない」 ライオン・平岡「結果として一つのネットワーク・一つのルールの共同化という固いスキームのデメリットが大きくなってしまった。
そこからさらに共同化を先に進める、今の時代に則した共同化を実現するために、プラ物を発展的に解消させる必要があったんです」 ──日雑業界とは対照的に他の業界では、業界別に物流プラットフォームを構築しようとする動きが広がっています。
これをどう見ますか。
ライオン・平岡「同じ業界のメーカーであれば納品先は同じだし、荷物のハンドリングも変わらないので一緒にすれば効率化できると考えるのは理解できます。
しかし、同じ業界のメーカーでも、実際には各社のネットワークは大きく違います。
流量の変化によってもネットワークは違ったものになってくる」 ──プラットフォームという言葉から連想されるのは、固定的なネットワークを永続的に運営していくモデルです。
ライオン・平岡「そのアイデアを全否定はしませんが、個人的には一歩引いて見ています。
そういうものではないだろう、と。
もともと物流拠点、特に在庫拠点は5~10年というスパンで見れば必ず変化していきます。
都合のいい場所や規模は、その時のモノの流れ方、発地と着地それぞれの状況によって変わります」 ──従来の〝固い〟共同物流に替わる〝柔らかい〟共同物流とは、どのようなスキームでしょうか。
ライオン・平岡「それが日雑物流の今の状態です。
先ほども出ましたが北海道や九州など、物流密度の低いエリアは今もプラ物のメンバーが集まって一緒にやっている。
実は目立たないのですが、それ以外の都市部でも、当社をはじめプラ物のメンバー同士でさまざまな形で共同物流を運営しているんです。
都市部は、各社の流量によって共同化のメリットが出る・出ないの閾値が違ってくるため、閾値に達していない中規模メーカー同士で共同化したりしている。
都合の合う数社が集まって『ここでやろう』というかたちです」 サンスター・荒木「そもそも上屋を持って全寮制でやるというのは、大都市には合わない。
プラ物の北海道にはメーカー16社が集まりましたが、関東で16社が同居できる拠点を手当てしようとすれば途方もない規模になってしまう。
しかし都市圏でも少ない量の届け先はある。
それらの少ロット顧客の共同化は必要です。
そこで都市圏では4~5社でチームを組んで共同物流を実施しています」 “柔らかい”共同化のモデル ──他の業界では聞かない話です。
なぜそうした柔軟な共同化が可能なのでしょうか。
ライオン・平岡「各社の物流管理レベルが上がって、創意工夫が生かせるようになってきた。
それとやはりプラ物があったからです。
共同化は標準化が前提になります。
商品マスターのフォーマットや伝票の在り方、段ボールの表示の仕方など、みんなで合意して基準を定める必要がある。
プラ物で既にそれができていた。
共同化とはそうやるものだという“癖”もついた」 サンスター・荒木「今も九州と北海道では運用が続いているわけですから、実際に担当者が全員集まる機会も残っている。
旧プラ物の参加メーカーで研究会も行っています」 ライオン・平岡「そのようにわれわれは今もプラ物に大きな恩恵を受けています。
プラ物の運営に奔走してくれた大先輩の方々には本当に感謝しています。
そのレガシーを土台にしてわれわれは次のステップに進みます。
次はソフト系の共同化です」 ──どういうことですか。
サンスター・荒木「各メーカーからバラバラに出荷された荷物が最終的には同じ卸のセンターに届けられているわけですから、その途中に保管型ではなく通過型で荷合わせをするプラットフォームを置くというモデルは成り立つと考えています。
ただし、従来のように何でもTCに持ちこんで仕分けるという乱暴なやり方ではスムーズにいかない。
変化に対応するスピードが出せない。
標準化と情報ネットワークの整備が必要です」 ──ルール作りはプラ物で既に済んでいるのでは。
サンスター・荒木「プラ物の共同倉庫と違って、われわれがこれから挑戦するのは、バラバラに出荷された荷物をプラットフォームで、何らかの融合性をもってクロスドックして届け先に一緒に届けることです。
それには途中のコントロールをスムーズにするソフトを作り込んでいかないといけない。
例えば納品先卸に、一緒に納品するメーカーの発注日を全て同一にしてもらう。
実は既に卸店様の協力を得てテスト運用を開始しています」 ライオン・平岡「先ほどの複数メーカーが集まって『一緒にやろうよ』という話は、まとめると配送量が大型車1台もしくは2台でまとまるメーカーを組み合わせているわけです。
つまりユニットロードの単位に合わせた小さな組み合わせをたくさん作っている。
あるいは要件に合わせてユニットを変えるという管理です」 ──競合メーカーの物量をそこまで細かく把握できますか。
ライオン・平岡「そこはプラ物の経験がある」 サンスター・荒木「先ほどの試験運用も、先方のメーカーに電話を一本入れたらすぐにOKが出る。
少なくともテストでやる分には全く問題ない。
そういう関係ができています。
ただし、これまではメーカー同士の横のつながりでやってきたけれど、今後は卸店様も含んだ共同化が必要です。
メーカーが出荷する段階から卸のセンターの棚に格納されるまでのロジスティクスを最適化していくことになります。
歪みや重複作業を生じさせることなく、ノー検品や伝票レスを実現していかなくてはならない」 ──中間流通の再編にテーマを移します。
日用品業界では共同物流だけでなく、卸の再編と集約でも他の業界より先に進みました。
従来のメーカー別・都道府県別の代理店制度が崩れて卸のフルライン化・全国化が進み、2大卸が誕生した。
それはメーカー物流にどう影響を与えたのでしょうか。
サンスター・荒木「日用品卸の再編はメーカーの流通政策とも関連しています。
プラ物の設立とほぼ同じ時期に代理店の統合が加速しました。
メーカーも当時の『県別代理店』の統合を後押ししていきました」 ──2大卸による極端な寡占化はメーカーにとって歓迎すべきことでしょうか。
ライオン・平岡「もちろん両面あります。
マイナス面として大手卸のバイイングパワーが強くなり過ぎることを懸念する声を聞きますが、そう単純なメカニズムではないと個人的には考えています。
もちろん価格交渉の圧力はずっと強くなりましたが、それに余りあるくらい業界としての効率化が進んでいる。
物流はもちろん営業にしても昔は全国に何千もある卸の事務所に各メーカーの営業マンがそれぞれセールスに行って棚卸しまでやっていた。
少なくとも現状ではプラス面の方がずっと大きい」 ──逆に卸の集約が進まず地域分散が続いていたとしたら。
サンスター・荒木「考えたくもありません。
当社の納品先数はピーク時には全国に約1500カ所ありました。
それが現在は約500カ所です。
それが元に戻って細かく分散したら大変なことになる」 ──日用品と同様に加工食品業界でも中間流通の集約が進んでいくと予想しますか。
ライオン・平岡「私はそうは思いません。
一つは日用品と比べて加工食品はアイテム数が桁違いに多い。
流量と速度が全然違います。
あれだけのアイテム数をあれだけのスピードで届けなければならない。
しかも、末端の届け先は細かく分散している。
そもそも加工食品には地域性があります。
同じ歯ブラシが北海道でも沖縄でも売れる日用品とは違います。
中間流通だけ単純に大きくしても効果があるのかは疑問です」 サンスター・荒木「同感です」 物流子会社を本社に吸収合併 ──話を日用品に戻しますが、中間流通が2大卸に集約されると、メーカー物流は、極端に言えば2社に納品すれば済む。
物流部の役割は減り、物流のアセットも不要になるはずです。
サンスター・荒木「もはや日雑メーカーが自分でトラックを持って配送しているところはなくなりました。
倉庫も所有はしても運営はしていない。
当社は1カ所だけ倉庫を所有していますが、運営は外部委託しています」 ライオン・平岡「当社も工場倉庫以外にDCの自社物件は一つもありません。
全て過去に売却しました。
先ほどもあったように、必要なDCは環境によって変わるので自社で所有する意味がない。
これからスマート化や庫内作業の自動化に向けて現場の装備率を上げなければならないので、今後は多少方針を修正する必要が出てくるかもしれないけれど、基本的にはノンアセットです」 ──ライオンは20年1月に物流子会社のライオン流通サービスを本社に吸収合併しました。
ライオン・平岡「プラ物の解散とライオン流通サービスの吸収合併は同じ流れにあります。
いずれも物流管理のレベルアップが狙いです。
ライオン流通サービスはライオンの物流部門として物流専業者との契約や交渉、日々のオペレーションを管理するという立て付けでした。
当初は自社でも倉庫や車両を所有し、現場スタッフも抱えていたのですが、段階的にアセットを切り離していき最後は完全なノンアセットになった」 「しかし、そこまで来てあらためて物流管理のレベルをさらに上げていこうとなった時には、やはりその機能を内部化して自分で直接コントロールしたい。
それが一つ。
それともうひとつは物流事業者の提案に対する期待です。
物流事業者の能力は非常に高まっています。
そのため彼らと直にコンタクトを取りたい」 ──サンスターも過去に物流子会社を解散しています。
サンスター・荒木「サンスターの物流部門を分離独立させて設立した物流子会社を90年代末に解散しました。
所有していたアセットもその時に手放しました。
同じタイミングでシェアードサービス企業を設立して物流管理機能をそこに移管しましたが、実質的にはメーカー本体で管理している状態です」 ──他の日雑メーカーの物流子会社も、花王を例外として既にほとんどが解散したか本社に戻しています。
少なくともアセットはない。
しかし、そのままでは現場がブラックボックス化する恐れがあります。
そのためにセンター長レベルまでは社員を置くという判断もあるはずです。
メーカーと物流パートナーの業務の線引きをどう考えますか。
ライオン・平岡「既に工場倉庫を別にすれば、当社の社員をセンター長として置いているのは薬品を扱っている1カ所だけです。
今後DXのために実験的な施設を持つ可能性はありますが、基本的には餅は餅屋で、現場管理は全て物流事業者にお任せします」 サンスター・荒木「私も現場のスタッフをメーカーが社員として抱える必要はないと考えています。
物流DXは課題ですが、それだけのスペックを備えた人材ならマーケティングや営業といったメーカーのコア部門に振り分けた方がいいのかもしれない。
物流はメーカーのコア事業ではないのです。
しかも必要な人数は知れているので、定期的に採用できるわけでもない。
そこは今まさに悩んでいるところです」 プラネットVANを基盤に「協調物流」 ──日雑メーカーの物流はこれからどこに向かうのか。
あらためてお考えを聞かせてください。
ライオン・平岡「今日の流れでお話しすると、今までの固い共同化から、柔らかい共同化に進んでいきたい。
それにはソフト面でやらなければいけない課題がまだまだあるというのが出発点です。
その上で目の前の効率化はもちろん、社会的にはSDGsへの対応が求められています。
ロジの領域ではCO2の削減です。
もう一つがホワイト物流。
これは労働生産性と設備生産性の問題です」 「これらの要請に応えていくには従来以上の共同化が必要です。
そして、そこに至るには三つのステップがある。
一つ目は入口としての標準化です。
標準化していない共同化はやめておいた方がいい。
その次に『協調』というステップがある。
その先に次世代の共同物流はあるという考えです」 「行政も含めて世の中は今、固い共同化ありきです。
同じ倉庫、同じトラックを使うという話です。
しかし、ファシリティには各社にそれぞれ都合があります。
『あそこの運送会社は外せない』『ウチはここがいい』といった壁に阻まれてしまう。
そこを力尽くで乗り越えようとするのではなく、アセットが違ってもいい、トラックや倉庫は別でも、お互いの都合を合わせて協調していくことはできるはずです」 「イメージとしては空港の管制塔です。
いろいろなところから来た飛行機が混乱なく順番に降りてくる。
日雑の物流のネットワークであれを実現する。
中央コントロールタワーを作ってそれをやりましょうというアイデアです。
その結果、ドライバーの待ち時間がなくなる。
帰り荷が使える。
いろいろなことができるようになります」 サンスター・荒木「従来は協調することが難しいために、同じ倉庫に入って否応なく協調するようにしてきた。
それをいったん崩して今はマルチファシリティにした。
さらにスマート化やビッグデータの環境が整えば配車計画などのコントロールを統合できる。
協調物流が実現して、先ほどのプラットフォームも運営できるようになる」 ライオン・平岡「既に日雑業界にはその環境が整っています。
日雑卸流通チャネルの商流データは、金額ベースで90%以上がプラネットを経由しています。
在庫を引き当て済みの注文データは、ASN(事前出荷情報)そのものです。
従って、各社が受注を締め切って在庫引き当てを処理した瞬間に、日雑業界全体の翌日の配送計画が作れてしまう。
実運送を特定の運送会社に集約する必要もありません。
車両がバースに入る時間と順番さえ決めれば協調物流が実現する」 「一昨年から実験は始めていて既にハードとしての環境は整っています。
プラネットは今年2月に『ロジスティクスEDI概要書Ver.2・0』を策定しました。
これを受けてわれわれライオンは3月から、通常の在庫引き当てデータに車両編成ナンバーを振ったASNを『第2世代ASN』と呼んでEDIに流し始めています」 サンスター・荒木「卸がメーカーに発注する段階から仕組みを変えていきます。
発注を10トン単位にまとめて、なおかつ日々の納品トラックの台数を安定させる。
1メーカーでは10トンに満たないなら、複数のメーカーで束ねてフルトラックにする。
また卸にバース予約システムが導入されて効果は出ていますが、その日の後半になると枠が埋まって予約が取れないという問題が顕在化しています。
普及がさらに進めば、デッドロックに乗り上げてしまう。
さらに予約が取れなくなってしまう」 ライオン・平岡「それを避けるために発側でバース予約をコントロールする。
トラックの1日の総待機時間あるいは総走行距離が業界全体で最短になるよう配送計画を組む。
そうすることで業界の物流効率が最大化される。
待機時間は最小化される。
全員にメリットがあります。
SDGsやホワイト物流運動がその推進力になると考えています」 ──他の業界は今、情報プラットフォームの構築がテーマになっています。
しかし、日雑業界のテーマは既にデータ活用に移っている。
今後も日雑業界は新しい物流の実験場であり続けることになりそうです。
