2021年3月号
特集
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ボックスチャーター「JITBOXチャーター便」 加盟運送会社のフランチャイズ形式で運営
年間発送本数が100万本を突破
JITBOXチャーター便はロールボックスパレット単位のBtoB輸送サービスだ。
使用されるロールボックスパレットの内寸は104センチ×104センチ×170センチ。
最大積載重量は500キロ。
一つのロールボックスパレットにダンボール箱なら約40箱、コピー機・複合機は1台、印刷物は約20箱(A4約10万枚)を積み込める。
金属製のカゴ車に荷物を囲ったまま最後まで輸送するため、破損リスクが低い。
そのためサービス開始当初から精密機器類が輸送品目の中で一定の割合を占めている。
その他にも日用品や医薬品、食品、飲料、ブランド系農産物、印刷物など幅広い品目の輸送で利用されている。
専用ボックスによる保冷輸送に対応したクールBOXチャーター便も展開しており、こちらは温度管理が必要な貨物での活用が広がっている。
リードタイムの目安は900キロメートル圏内までは翌日、それ以上は翌々日。
納品は3時間幅。
その名称通り、当初はJIT指定納品を標準サービスに組み込んでいた。
しかしユーザーへの聞き取りを行ったところ、必ずしも全ての顧客がJIT指定を望んでいるわけではなかったことから、一部料金の見直しなどを行い、現在はオプションサービスとして提供している。
原型となるロールボックスパレット単位の輸送サービスは2002年にヤマトがクロネコボックスチャーター便の名前で提供を開始した。
その後、06年に事業形態とサービス内容を見直し、商品名もJITBOXチャーター便へと変更。
ボックスチャーターがフランチャイザー、大手運送各社がフランチャイズ加盟会社として参加し、JITBOXチャーター便を販売する現在の形になった。
ボックスチャーターはJITBOXチャーター便を展開するに当たってのネットワーク構想、商品の企画、販売に必要な各種情報の提供などといった業務を担う。
現在、ヤマトグループ、セイノーホールディングスグループ、日本通運、札幌通運、三八五流通、第一貨物、王子運送、中越運送、トナミホールディングスグループ、信州名鉄運輸、近物レックス、名鉄運輸、岡山県貨物運送、久留米運送の14グループ21社が加盟している。
集荷は加盟各社がそれぞれ全国を対象に行う。
幹線輸送はヤマトグループとセイノーグループが担当。
配達部分に関してはエリアごとに担当エリアを設定し、地域を熟知した加盟運送会社が配達を担う。
ライバルでもある大手運送会社が同一商品を販売するという事業形態についてボックスチャーターの岩﨑納樹社長は「相当珍しい存在だと認識している」という。
加盟会社には全国ネットワークを持っている会社と持っていない会社が混在している。
普段は関東地方しか配送していない顧客から北海道から荷物を寄せたいという要望が出た場合、全国ネットワークを持っていない加盟会社は自社商品での対応が難しい。
「しかしJITBOXチャーター便なら加盟会社が集荷する仕組みがあるため対応できる。
オプションサービスでJIT指定納品やツーマン配送、朝や夜間集荷にも対応している。
加盟会社はJITBOXチャーター便を営業の提案ツールとして使える。
実際、加盟会社の新人営業マンにとっては非常に売りやすい商品だという評価を得ている」と岩﨑社長はいう。
取り扱い数はサービス開始以来、右肩上がりで成長を続けてきた。
19年度には年間発送本数が100万本の大台を初めて突破して103万本を記録した。
トラック不足を背景に確実に届けられる点が荷主の支持を集めている。
ただ、足元では新型コロナの影響を強く受けている。
店舗の閉店などによって配達先が縮小しているため、今期は前年実績を割り込む見込みとなっている。
情報システムの高度化に本腰 顧客の声を聞いて常に商品企画を練り直している。
18年と20年には約1700社を対象としたアンケート調査を実施した。
「20年末に行った顧客アンケート結果はまだ分析しきれていない部分もあるが、品質と値段に関する要望が増えている。
われわれとしてはお客さまの要望を踏まえて、時代に合わせた必要な商品を開発していく必要があると考えている」と岩﨑社長は語る。
複数のリターナブル梱包資材などもオプションサービスとして展開しており、20年6月には通常車両で運んだ場合でもエアサス車とほぼ同等の防振性を確保する「楽ラクJITバンド」と「楽ラクJITマット」の提供を開始し、精密機器輸送などで活用されている。
現在、新たに進めている取り組みの一つがEC物流拠点に入荷される荷物にJITBOXチャーター便を活用してもらう仕組みづくりだ。
EC事業者は到着した荷物をできるだけ早く納品データから売り場データに切り替えたいというニーズが強い。
JITBOXチャーター便はロールボックスパレット単位で輸送される商品なので、路線便と違って仕分けが発生せず、他の荷物と混載されることによる口割れも発生しない。
出荷時にロールボックスパレットの中に製品が10個入っていれば、納品時も10個の商品が確実に到着する。
この特性を生かして検品レスの運用に活用してもらうという。
「こうした検品レス運用のニーズは何もECに限らない。
3PLなどでも同じことができる。
前後の工程まで含めて提案ができれば販売の幅も広がる。
もちろんシステム的な連携も必要になるだろう。
そこも含めて練り上げていく方針だ。
単なる輸送の部分だけではない提案を切り口に拡販を支援していきたい」と岩﨑社長は話す。
情報システムの高度化も進めていく。
20年10月には加盟運送会社がJITBOXチャーター便の運用に使用している端末の輸送ステータスに従来の発送、持ち出し、配達完了に加えて、配達先到着と作業開始を新たに追加した。
納品時の待機時間などを可視化することで加盟会社の業務改善などにつなげている。
電子サインも21年4月に新たに導入する予定だ。
こちらは事務作業の効率化に加え、追加で発生した付帯作業の情報処理などに活用する。
DXを当面の経営課題の中心に掲げている。
主にフランチャイズ加盟会社向けの取り組みとなる。
JITBOXチャーター便をより売りやすくするための仕掛け作りにデジタル化を活用する。
季節商材など特定のタイミングで出荷が始まる商品などを対象に、そのデータを分析し、最も成功率が高い営業のタイミングを加盟各社に通知する仕組みや、データ分析に基づくエリア別営業ターゲットリストの作成と提供などを検討している。
事故率の削減と品質向上にもDXを活用する。
着地のロケーションを含めた軒先情報を収集する仕組みを構築し、そのデータを加盟各社で共有することを構想している。
着地にある貨物事故が発生しやすい段差の存在といった詳細な構内情報などを、データベース化してプラットフォームを介して加盟各社に提供することで、品質向上に結びつける。
岩﨑社長は「ヤマトの宅急便が成功した理由の一つには『着』の部分に注目した点がある。
これを応用した形でのデジタル化を考えている。
お客さまと加盟各社の距離が縮まるような仕組みを構築し、加盟各社がより収益を上げるためのサポートをデジタル化によって展開していきたい。
JITBOXチャーター便の認知度向上のためにウェブを用いたマーケティングにも力を入れていく方針だ」と今後の展開に意欲をみせている。
使用されるロールボックスパレットの内寸は104センチ×104センチ×170センチ。
最大積載重量は500キロ。
一つのロールボックスパレットにダンボール箱なら約40箱、コピー機・複合機は1台、印刷物は約20箱(A4約10万枚)を積み込める。
金属製のカゴ車に荷物を囲ったまま最後まで輸送するため、破損リスクが低い。
そのためサービス開始当初から精密機器類が輸送品目の中で一定の割合を占めている。
その他にも日用品や医薬品、食品、飲料、ブランド系農産物、印刷物など幅広い品目の輸送で利用されている。
専用ボックスによる保冷輸送に対応したクールBOXチャーター便も展開しており、こちらは温度管理が必要な貨物での活用が広がっている。
リードタイムの目安は900キロメートル圏内までは翌日、それ以上は翌々日。
納品は3時間幅。
その名称通り、当初はJIT指定納品を標準サービスに組み込んでいた。
しかしユーザーへの聞き取りを行ったところ、必ずしも全ての顧客がJIT指定を望んでいるわけではなかったことから、一部料金の見直しなどを行い、現在はオプションサービスとして提供している。
原型となるロールボックスパレット単位の輸送サービスは2002年にヤマトがクロネコボックスチャーター便の名前で提供を開始した。
その後、06年に事業形態とサービス内容を見直し、商品名もJITBOXチャーター便へと変更。
ボックスチャーターがフランチャイザー、大手運送各社がフランチャイズ加盟会社として参加し、JITBOXチャーター便を販売する現在の形になった。
ボックスチャーターはJITBOXチャーター便を展開するに当たってのネットワーク構想、商品の企画、販売に必要な各種情報の提供などといった業務を担う。
現在、ヤマトグループ、セイノーホールディングスグループ、日本通運、札幌通運、三八五流通、第一貨物、王子運送、中越運送、トナミホールディングスグループ、信州名鉄運輸、近物レックス、名鉄運輸、岡山県貨物運送、久留米運送の14グループ21社が加盟している。
集荷は加盟各社がそれぞれ全国を対象に行う。
幹線輸送はヤマトグループとセイノーグループが担当。
配達部分に関してはエリアごとに担当エリアを設定し、地域を熟知した加盟運送会社が配達を担う。
ライバルでもある大手運送会社が同一商品を販売するという事業形態についてボックスチャーターの岩﨑納樹社長は「相当珍しい存在だと認識している」という。
加盟会社には全国ネットワークを持っている会社と持っていない会社が混在している。
普段は関東地方しか配送していない顧客から北海道から荷物を寄せたいという要望が出た場合、全国ネットワークを持っていない加盟会社は自社商品での対応が難しい。
「しかしJITBOXチャーター便なら加盟会社が集荷する仕組みがあるため対応できる。
オプションサービスでJIT指定納品やツーマン配送、朝や夜間集荷にも対応している。
加盟会社はJITBOXチャーター便を営業の提案ツールとして使える。
実際、加盟会社の新人営業マンにとっては非常に売りやすい商品だという評価を得ている」と岩﨑社長はいう。
取り扱い数はサービス開始以来、右肩上がりで成長を続けてきた。
19年度には年間発送本数が100万本の大台を初めて突破して103万本を記録した。
トラック不足を背景に確実に届けられる点が荷主の支持を集めている。
ただ、足元では新型コロナの影響を強く受けている。
店舗の閉店などによって配達先が縮小しているため、今期は前年実績を割り込む見込みとなっている。
情報システムの高度化に本腰 顧客の声を聞いて常に商品企画を練り直している。
18年と20年には約1700社を対象としたアンケート調査を実施した。
「20年末に行った顧客アンケート結果はまだ分析しきれていない部分もあるが、品質と値段に関する要望が増えている。
われわれとしてはお客さまの要望を踏まえて、時代に合わせた必要な商品を開発していく必要があると考えている」と岩﨑社長は語る。
複数のリターナブル梱包資材などもオプションサービスとして展開しており、20年6月には通常車両で運んだ場合でもエアサス車とほぼ同等の防振性を確保する「楽ラクJITバンド」と「楽ラクJITマット」の提供を開始し、精密機器輸送などで活用されている。
現在、新たに進めている取り組みの一つがEC物流拠点に入荷される荷物にJITBOXチャーター便を活用してもらう仕組みづくりだ。
EC事業者は到着した荷物をできるだけ早く納品データから売り場データに切り替えたいというニーズが強い。
JITBOXチャーター便はロールボックスパレット単位で輸送される商品なので、路線便と違って仕分けが発生せず、他の荷物と混載されることによる口割れも発生しない。
出荷時にロールボックスパレットの中に製品が10個入っていれば、納品時も10個の商品が確実に到着する。
この特性を生かして検品レスの運用に活用してもらうという。
「こうした検品レス運用のニーズは何もECに限らない。
3PLなどでも同じことができる。
前後の工程まで含めて提案ができれば販売の幅も広がる。
もちろんシステム的な連携も必要になるだろう。
そこも含めて練り上げていく方針だ。
単なる輸送の部分だけではない提案を切り口に拡販を支援していきたい」と岩﨑社長は話す。
情報システムの高度化も進めていく。
20年10月には加盟運送会社がJITBOXチャーター便の運用に使用している端末の輸送ステータスに従来の発送、持ち出し、配達完了に加えて、配達先到着と作業開始を新たに追加した。
納品時の待機時間などを可視化することで加盟会社の業務改善などにつなげている。
電子サインも21年4月に新たに導入する予定だ。
こちらは事務作業の効率化に加え、追加で発生した付帯作業の情報処理などに活用する。
DXを当面の経営課題の中心に掲げている。
主にフランチャイズ加盟会社向けの取り組みとなる。
JITBOXチャーター便をより売りやすくするための仕掛け作りにデジタル化を活用する。
季節商材など特定のタイミングで出荷が始まる商品などを対象に、そのデータを分析し、最も成功率が高い営業のタイミングを加盟各社に通知する仕組みや、データ分析に基づくエリア別営業ターゲットリストの作成と提供などを検討している。
事故率の削減と品質向上にもDXを活用する。
着地のロケーションを含めた軒先情報を収集する仕組みを構築し、そのデータを加盟各社で共有することを構想している。
着地にある貨物事故が発生しやすい段差の存在といった詳細な構内情報などを、データベース化してプラットフォームを介して加盟各社に提供することで、品質向上に結びつける。
岩﨑社長は「ヤマトの宅急便が成功した理由の一つには『着』の部分に注目した点がある。
これを応用した形でのデジタル化を考えている。
お客さまと加盟各社の距離が縮まるような仕組みを構築し、加盟各社がより収益を上げるためのサポートをデジタル化によって展開していきたい。
JITBOXチャーター便の認知度向上のためにウェブを用いたマーケティングにも力を入れていく方針だ」と今後の展開に意欲をみせている。
