2021年3月号
特集
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NEXT Logistics Japan 日野自動車が主導する幹線輸送シェアリング
ダブル連結トラックで中継輸送
日野自動車は2018年6月、「NEXT Logistics Japan」(NLJ)を設立した。
一般貨物自動車運送事業許可を持つトラック運送会社だ。
荷主や物流事業者など15社と共同で幹線輸送をシェアリングする新たなスキームを構築、事業として運営している。
多頻度小口化の進展によって、トラックの積載率は現状40%程度まで低下している。
混載によってこれを60%に引き上げ、ドライバー3人×3台で運んでいた荷物を、2人×2台で輸送する。
さらにはダブル連結トラックを利用することで1人に減らし、将来的には隊列走行を実施して必要なドライバーの人数を従来の6分の1まで減らすことを目指す。
日野自動車は2025年をめどとする経営計画でソリューションビジネスの展開を打ち出しており、NLJはその実働部隊と位置づけられている。
18年1月に新設した新事業企画部が軸となって事業計画を策定。
同部長を務めた梅村幸生氏をNLJの初代社長に起用した。
梅村社長は「NLJのミッションは社会的課題の解決だ。
より少ない人でたくさんのモノを運ぶことでドライバー不足を解消する。
しかし、日野自動車には物流事業の経験はない。
そこで幅広く物流事業者や荷主企業に参画してもらい、一緒に取り組みを進めていきたいと考えた」と言う。
会社設立から約1年半にわたりスキームを練り上げ19年12月、パートナー企業からの追加出資を仰ぐとともに関東と関西を結ぶ混載輸送事業をスタートした。
主要荷主としてアサヒグループホールディングスと江崎グリコ、運送会社はトランコム、千代田運輸、トヨタグループ系のユーネットランスの計5社が参画した 東西にそれぞれ設置したクロスドックセンターで荷物を積み合わせて、愛知県豊田市のNLJ豊田営業所の中継地点までの幹線輸送を日帰り運行する。
使用する車両は日野製のダブル連結トラック。
荷台の下段に重量物、上段に菓子類など軽量物を積載する。
現状ではアサヒグループの飲料・ビールを上段、江崎グリコの菓子類を下段に積んでいる。
またトランコムの求貨求車システムを活用して、幹線輸送便の空きスペースに日雑品をはじめ、他の飲料メーカーの飲料や自動車部品メーカーなどの荷物をマッチングさせる取り組みも行っている。
二つのクロスドックセンターは圏央道の相模原愛川インターと名神高速道路の西宮インター付近にある。
ダブル連結トラックは一般道をほとんど走らずに済む。
神奈川県相模原市の「クロスドック相模原」はギオンのギオン相模原センター、兵庫県西宮市の「クロスドック西宮」はアサヒビールの西宮東配送センターの一角をそれぞれNLJが400坪程度を賃借して運営している。
クロスドックセンターではバラ荷で入ってくる荷物はパレタイズして車両に積み込んでいる。
段積みが可能となるようデッキラックを利用したり、ボックスパレットへの封入なども行っている。
積載率を高めるため、デジタルデータを活用している。
車両の荷台に乗せる商品情報を全てデータベース化、パレット積みした時の長さ・幅・高さの容積と重量も登録されている。
このデータを用いて、積載時に容積ベース、重量ベースとも積載率が平均7割になることを目指して貨物の組み合わせを割り出している。
実際の積載率は20年末時点の3カ月平均56・9%。
最大では87・2%を実現している。
荷室情報を管理するためのソフトウエアをNLJは自社開発している。
重量データの管理に加えて、空間の奥行きを捉えることが可能な「デプスセンサー」を活用して床面および荷室全体の使用率を計測している。
「どれくらいの荷物が積まれているかをセンサーで測定することで、例えば荷室内の容積使用率が47%、床面の使用率が90%といったデータを正確に把握できる。
こうした容積データと重量データと組み合わせることで荷室をどれだけ効率的に利用できているかが分かる。
さらに車両のステータス情報や運転中のドライバー情報を一括管理することで、効率、品質、安全性の向上を図っている」とNLJの梅村幸生社長は説明する。
ダブル連結トラックは通常のトラックよりも繊細な運転技能を必要とする。
ドライバーを支援するため、トラックに搭載した「HINO CONNECT」で車両の位置情報や走行中のふらつきの有無などのデータを把握。
さらにドライバーが装着するウェアラブル端末とスマートフォンのアプリケーションでデータを取得して集中力などを判定してドライバーの状態を管理している。
1人当たり輸送量を2・5倍に 事業化から1年、NLJは20年12月にこれまでの取り組みの総括を行った。
荷主の拠点間輸送に必要となる人員数が446人から306人と、約31パーセントの削減効果を得られた。
ドライバー1人当たりの輸送量は従来の大型トラック使用時との比較でおよそ2・5倍になった。
現在は4台のダブル連結トラックが稼働している。
NLJとしては当面、台数をこれ以上は増やさない方針だ。
物流を破綻させない仕組みを構築することがNLJの目的であり、物流事業を拡大していくことを目指しているわけではないからだ。
より多くの事業者にスキームに参画してもらうことを期待している。
20年6月には、ニチレイロジグループ本社、日本梱包運輸倉庫、三菱UFJリースが出資。
さらに21年2月にはギオン、鴻池運輸、鈴与。
荷主の日清食品ホールディングス、日本製紙物流、ブリヂストンも出資者に名を連ねた。
今後の計画について、梅村社長は「19年末から実際の事業を通してスキームの有効性を検証してきた。
次のステップではバリエーションが増える荷物をどう管理するかという問題に取り組む。
これらをもう1年かけて確立していきたい。
支線の効率化やクロスドックセンターでの運用、中継輸送の手法についても、試行したい点がいくつかある。
本格的な規模の拡大はこれらの取り組みの次になるだろう」と言う。
一般貨物自動車運送事業許可を持つトラック運送会社だ。
荷主や物流事業者など15社と共同で幹線輸送をシェアリングする新たなスキームを構築、事業として運営している。
多頻度小口化の進展によって、トラックの積載率は現状40%程度まで低下している。
混載によってこれを60%に引き上げ、ドライバー3人×3台で運んでいた荷物を、2人×2台で輸送する。
さらにはダブル連結トラックを利用することで1人に減らし、将来的には隊列走行を実施して必要なドライバーの人数を従来の6分の1まで減らすことを目指す。
日野自動車は2025年をめどとする経営計画でソリューションビジネスの展開を打ち出しており、NLJはその実働部隊と位置づけられている。
18年1月に新設した新事業企画部が軸となって事業計画を策定。
同部長を務めた梅村幸生氏をNLJの初代社長に起用した。
梅村社長は「NLJのミッションは社会的課題の解決だ。
より少ない人でたくさんのモノを運ぶことでドライバー不足を解消する。
しかし、日野自動車には物流事業の経験はない。
そこで幅広く物流事業者や荷主企業に参画してもらい、一緒に取り組みを進めていきたいと考えた」と言う。
会社設立から約1年半にわたりスキームを練り上げ19年12月、パートナー企業からの追加出資を仰ぐとともに関東と関西を結ぶ混載輸送事業をスタートした。
主要荷主としてアサヒグループホールディングスと江崎グリコ、運送会社はトランコム、千代田運輸、トヨタグループ系のユーネットランスの計5社が参画した 東西にそれぞれ設置したクロスドックセンターで荷物を積み合わせて、愛知県豊田市のNLJ豊田営業所の中継地点までの幹線輸送を日帰り運行する。
使用する車両は日野製のダブル連結トラック。
荷台の下段に重量物、上段に菓子類など軽量物を積載する。
現状ではアサヒグループの飲料・ビールを上段、江崎グリコの菓子類を下段に積んでいる。
またトランコムの求貨求車システムを活用して、幹線輸送便の空きスペースに日雑品をはじめ、他の飲料メーカーの飲料や自動車部品メーカーなどの荷物をマッチングさせる取り組みも行っている。
二つのクロスドックセンターは圏央道の相模原愛川インターと名神高速道路の西宮インター付近にある。
ダブル連結トラックは一般道をほとんど走らずに済む。
神奈川県相模原市の「クロスドック相模原」はギオンのギオン相模原センター、兵庫県西宮市の「クロスドック西宮」はアサヒビールの西宮東配送センターの一角をそれぞれNLJが400坪程度を賃借して運営している。
クロスドックセンターではバラ荷で入ってくる荷物はパレタイズして車両に積み込んでいる。
段積みが可能となるようデッキラックを利用したり、ボックスパレットへの封入なども行っている。
積載率を高めるため、デジタルデータを活用している。
車両の荷台に乗せる商品情報を全てデータベース化、パレット積みした時の長さ・幅・高さの容積と重量も登録されている。
このデータを用いて、積載時に容積ベース、重量ベースとも積載率が平均7割になることを目指して貨物の組み合わせを割り出している。
実際の積載率は20年末時点の3カ月平均56・9%。
最大では87・2%を実現している。
荷室情報を管理するためのソフトウエアをNLJは自社開発している。
重量データの管理に加えて、空間の奥行きを捉えることが可能な「デプスセンサー」を活用して床面および荷室全体の使用率を計測している。
「どれくらいの荷物が積まれているかをセンサーで測定することで、例えば荷室内の容積使用率が47%、床面の使用率が90%といったデータを正確に把握できる。
こうした容積データと重量データと組み合わせることで荷室をどれだけ効率的に利用できているかが分かる。
さらに車両のステータス情報や運転中のドライバー情報を一括管理することで、効率、品質、安全性の向上を図っている」とNLJの梅村幸生社長は説明する。
ダブル連結トラックは通常のトラックよりも繊細な運転技能を必要とする。
ドライバーを支援するため、トラックに搭載した「HINO CONNECT」で車両の位置情報や走行中のふらつきの有無などのデータを把握。
さらにドライバーが装着するウェアラブル端末とスマートフォンのアプリケーションでデータを取得して集中力などを判定してドライバーの状態を管理している。
1人当たり輸送量を2・5倍に 事業化から1年、NLJは20年12月にこれまでの取り組みの総括を行った。
荷主の拠点間輸送に必要となる人員数が446人から306人と、約31パーセントの削減効果を得られた。
ドライバー1人当たりの輸送量は従来の大型トラック使用時との比較でおよそ2・5倍になった。
現在は4台のダブル連結トラックが稼働している。
NLJとしては当面、台数をこれ以上は増やさない方針だ。
物流を破綻させない仕組みを構築することがNLJの目的であり、物流事業を拡大していくことを目指しているわけではないからだ。
より多くの事業者にスキームに参画してもらうことを期待している。
20年6月には、ニチレイロジグループ本社、日本梱包運輸倉庫、三菱UFJリースが出資。
さらに21年2月にはギオン、鴻池運輸、鈴与。
荷主の日清食品ホールディングス、日本製紙物流、ブリヂストンも出資者に名を連ねた。
今後の計画について、梅村社長は「19年末から実際の事業を通してスキームの有効性を検証してきた。
次のステップではバリエーションが増える荷物をどう管理するかという問題に取り組む。
これらをもう1年かけて確立していきたい。
支線の効率化やクロスドックセンターでの運用、中継輸送の手法についても、試行したい点がいくつかある。
本格的な規模の拡大はこれらの取り組みの次になるだろう」と言う。
