2020年12月号
特集
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日本GLP エコシステムを構築して物流業界のDXを促進
トランコムと連携して「スピード求車」
日本GLPは2017年11月、物流ソリューションを展開するモノフルを設立した。
きっかけは物流危機だった。
デジタルテクノロジーを核に物流業界の課題を解決し、その持続的な発展に貢献するため、さまざまなパートナーとの協業によるオープンな「ロジスティクス・エコシステム」の構築を目指している。
社名をはじめ、ロゴやコーポレートイメージに至るまで、GLPグループの色はなるべく出さないようにした。
その理由をモノフルの藤岡洋介社長は「モノフルが物流不動産事業の付随サービスと受け取られてしまうことは避けたかった。
モノフルの各種ソリューションは物流施設の情報化や高度化を支援することにもつながるが、当社は物流施設へのテナント誘致を最終目的に事業を展開していない。
物流ソリューションを物流不動産事業と並ぶ大きな柱に育てることが目的だ」という。
19年4月にリリースしたバース管理システム「トラック簿」が同社の最初の本格的なソリューションとなった。
主な機能は「受付/バース割当」「呼び出し」「実績管理/データ管理」「バース予約」「他サービス連携」など。
料金プランを3種類用意している。
物流会社の多くはクラウド型ソリューションにはまだ馴染みがない。
そのため入門用に無料のフリープランを用意した。
タブレットなどを用いた「受付/バース割当」「呼び出し」とダッシュボード機能の「実績管理/データ分析」を利用できる。
「受付/バース割当」を使用することで「受付」「呼び出し」「作業開始」「作業完了」「退場」などの時間がデータとして記録される。
さらにダッシュボード機能を使うことで、トラックの待ち時間やトラックの受付が多い時間帯などをひと目で把握できるようになる。
モノフルの藤岡社長は「まずは『見える化』の効果を体感してもらうため、無料プランにこれらの機能を含めた。
アナログからデジタルへの移行を促し、オペレーションの効率化を進める最初の一歩として活用してもらいたい」という。
有料の「スタンダードプラン」では、フリープランの各種機能にタブレットやPCなどを用いた「バース予約」機能が追加される。
バース予約をいきなり始めようとすると、往々にして現場のオペレーションと乖離してしまうことがある。
そこでまずはフリープランで紙からデジタルに移行する。
その上でオペレーションを変更して予約の仕組みを構築する、というプロセスを提唱している。
「プレミアムプラン」はスタンダードプランの機能に加えて他社のサービスとの連携が可能となる。
現在は空間情報サービス大手であるパスコのTMSや、モビリティデータスタートアップのスマートドライブが提供する車両管理サービスなどとの連携を実装している。
これにより配車計画とバース予約をシームレスに連動させたり、車両の到着や遅延などを自動で検知して受付に反映させるといった運用が可能となる。
ローンチから1年半、トラック簿の導入拠点数は順調に増えているという。
新型コロナの感染拡大もユーザー増加を後押ししている。
従来は対面で行う必要があった受付や呼び出しといったオペレーションがタブレットを用いた手順へと代替され、非接触で可能となるからだ。
物流企業に加え、荷主企業の導入も進んでいる。
物流施設での使用を想定して開発されたソリューションだが、工場や建設現場などにも応用して利用されているという。
モノフルがトラック簿に続いて19年11月にリリースした二つ目のソリューションが「配車プラス」だ。
電話やFAXを使っていた配車業務をデジタル化した。
必要な台数のトラックを手配するまで複数の協力会社と何度もやり取りを繰り返す必要がなくなる。
電話やFAXでは難しかった配車依頼時の情報もデータとして残る。
トランコムとの提携によって通常の配車機能に加え、「スピード求車」機能も追加された。
スピード求車ボタンを押すと、トランコムの求荷求車プラットフォームを介して15分以内にマッチングが成立する。
ユーザーは既存の協力会社への配車依頼とスピード求車を自由に並列利用できる。
トランコムとは新たなサービスの開発も進めている。
モノフルの藤岡社長は「GLPの物流施設というハード、モノフルが提供しているソフトサービス、トランコムが持っている強力な輸配送のプラットフォームの三つが持つ強みを生かしたサービスを提供していく予定だ」という。
具体的には、日本GLPのマルチテナント型施設のスペースを、トランコムの輸送マッチングサービスのクロスドックセンターとして運用することを検討している。
施設の入居企業による予定外の傭車要請に柔軟に対応するほか、中ロットの混載輸送の提供などを構想しているという。
物流デジタル化のシナリオ 20年6月にローンチしたモノフルの三つ目のサービスが「適材ナビ」だ。
人材派遣会社のフルキャストホールディングスと共同開発した。
庫内の短期スタッフを複数の人材派遣会社に一括で依頼できる。
「物流現場の人手不足は今も続いている。
とりわけEC物流はピースピッキングがメインで、現状では人間より早く正確に作業できる設備が存在しないため、庫内スタッフの確保が非常に重要だ。
しかし、人材派遣会社とのやり取りはアナログで大変な手間がかかっている。
その負荷を軽減することが目的だった」とモノフルの藤岡社長。
物流センターの人手が不足した場合、センター長や採用担当者はその都度、派遣会社に短期スタッフの派遣を依頼する。
1社では必要な人数を確保できないことも多いため、複数の派遣会社に何度も連絡を入れることになる。
適材ナビを使えば、画面上で必要な人数を入力するだけで済む。
モノフルが提供している三つのソリューションはいずれもアナログ業務をデジタル化するものだ。
トラック簿では紙の受付簿を電子化し、配車プラスでは配車表のFAXなどをデジタル化し、適材ナビではセンターから人材派遣会社に送るFAXや電話をシステム化した。
そこで蓄積されるデータを次のサービスの開発につなげていく。
モノフルの藤岡社長は「DXとはその言葉通り、デジタルを別の形のデジタルにトランスフォームすることで新たな価値を生み出すことを指す。
つまりデジタル・トゥ・デジタルだ。
しかし、それを実現するためにはアナログ業務のデジタル化が前段階として必要だ。
そこをまずは促進する。
2020年代前半はデータ蓄積とそのデータを活用して新たなサービスへと落とし込むことがメインとなるとみている」と語る。
ソリューション拡充に向けて、パートナー企業を増やしていく。
物流関連サービスに応用可能なテクノロジー、あるいはそのまま使えるテクノロジーを保有するスタートアップを中心に積極的に投資していく考えだ。
きっかけは物流危機だった。
デジタルテクノロジーを核に物流業界の課題を解決し、その持続的な発展に貢献するため、さまざまなパートナーとの協業によるオープンな「ロジスティクス・エコシステム」の構築を目指している。
社名をはじめ、ロゴやコーポレートイメージに至るまで、GLPグループの色はなるべく出さないようにした。
その理由をモノフルの藤岡洋介社長は「モノフルが物流不動産事業の付随サービスと受け取られてしまうことは避けたかった。
モノフルの各種ソリューションは物流施設の情報化や高度化を支援することにもつながるが、当社は物流施設へのテナント誘致を最終目的に事業を展開していない。
物流ソリューションを物流不動産事業と並ぶ大きな柱に育てることが目的だ」という。
19年4月にリリースしたバース管理システム「トラック簿」が同社の最初の本格的なソリューションとなった。
主な機能は「受付/バース割当」「呼び出し」「実績管理/データ管理」「バース予約」「他サービス連携」など。
料金プランを3種類用意している。
物流会社の多くはクラウド型ソリューションにはまだ馴染みがない。
そのため入門用に無料のフリープランを用意した。
タブレットなどを用いた「受付/バース割当」「呼び出し」とダッシュボード機能の「実績管理/データ分析」を利用できる。
「受付/バース割当」を使用することで「受付」「呼び出し」「作業開始」「作業完了」「退場」などの時間がデータとして記録される。
さらにダッシュボード機能を使うことで、トラックの待ち時間やトラックの受付が多い時間帯などをひと目で把握できるようになる。
モノフルの藤岡社長は「まずは『見える化』の効果を体感してもらうため、無料プランにこれらの機能を含めた。
アナログからデジタルへの移行を促し、オペレーションの効率化を進める最初の一歩として活用してもらいたい」という。
有料の「スタンダードプラン」では、フリープランの各種機能にタブレットやPCなどを用いた「バース予約」機能が追加される。
バース予約をいきなり始めようとすると、往々にして現場のオペレーションと乖離してしまうことがある。
そこでまずはフリープランで紙からデジタルに移行する。
その上でオペレーションを変更して予約の仕組みを構築する、というプロセスを提唱している。
「プレミアムプラン」はスタンダードプランの機能に加えて他社のサービスとの連携が可能となる。
現在は空間情報サービス大手であるパスコのTMSや、モビリティデータスタートアップのスマートドライブが提供する車両管理サービスなどとの連携を実装している。
これにより配車計画とバース予約をシームレスに連動させたり、車両の到着や遅延などを自動で検知して受付に反映させるといった運用が可能となる。
ローンチから1年半、トラック簿の導入拠点数は順調に増えているという。
新型コロナの感染拡大もユーザー増加を後押ししている。
従来は対面で行う必要があった受付や呼び出しといったオペレーションがタブレットを用いた手順へと代替され、非接触で可能となるからだ。
物流企業に加え、荷主企業の導入も進んでいる。
物流施設での使用を想定して開発されたソリューションだが、工場や建設現場などにも応用して利用されているという。
モノフルがトラック簿に続いて19年11月にリリースした二つ目のソリューションが「配車プラス」だ。
電話やFAXを使っていた配車業務をデジタル化した。
必要な台数のトラックを手配するまで複数の協力会社と何度もやり取りを繰り返す必要がなくなる。
電話やFAXでは難しかった配車依頼時の情報もデータとして残る。
トランコムとの提携によって通常の配車機能に加え、「スピード求車」機能も追加された。
スピード求車ボタンを押すと、トランコムの求荷求車プラットフォームを介して15分以内にマッチングが成立する。
ユーザーは既存の協力会社への配車依頼とスピード求車を自由に並列利用できる。
トランコムとは新たなサービスの開発も進めている。
モノフルの藤岡社長は「GLPの物流施設というハード、モノフルが提供しているソフトサービス、トランコムが持っている強力な輸配送のプラットフォームの三つが持つ強みを生かしたサービスを提供していく予定だ」という。
具体的には、日本GLPのマルチテナント型施設のスペースを、トランコムの輸送マッチングサービスのクロスドックセンターとして運用することを検討している。
施設の入居企業による予定外の傭車要請に柔軟に対応するほか、中ロットの混載輸送の提供などを構想しているという。
物流デジタル化のシナリオ 20年6月にローンチしたモノフルの三つ目のサービスが「適材ナビ」だ。
人材派遣会社のフルキャストホールディングスと共同開発した。
庫内の短期スタッフを複数の人材派遣会社に一括で依頼できる。
「物流現場の人手不足は今も続いている。
とりわけEC物流はピースピッキングがメインで、現状では人間より早く正確に作業できる設備が存在しないため、庫内スタッフの確保が非常に重要だ。
しかし、人材派遣会社とのやり取りはアナログで大変な手間がかかっている。
その負荷を軽減することが目的だった」とモノフルの藤岡社長。
物流センターの人手が不足した場合、センター長や採用担当者はその都度、派遣会社に短期スタッフの派遣を依頼する。
1社では必要な人数を確保できないことも多いため、複数の派遣会社に何度も連絡を入れることになる。
適材ナビを使えば、画面上で必要な人数を入力するだけで済む。
モノフルが提供している三つのソリューションはいずれもアナログ業務をデジタル化するものだ。
トラック簿では紙の受付簿を電子化し、配車プラスでは配車表のFAXなどをデジタル化し、適材ナビではセンターから人材派遣会社に送るFAXや電話をシステム化した。
そこで蓄積されるデータを次のサービスの開発につなげていく。
モノフルの藤岡社長は「DXとはその言葉通り、デジタルを別の形のデジタルにトランスフォームすることで新たな価値を生み出すことを指す。
つまりデジタル・トゥ・デジタルだ。
しかし、それを実現するためにはアナログ業務のデジタル化が前段階として必要だ。
そこをまずは促進する。
2020年代前半はデータ蓄積とそのデータを活用して新たなサービスへと落とし込むことがメインとなるとみている」と語る。
ソリューション拡充に向けて、パートナー企業を増やしていく。
物流関連サービスに応用可能なテクノロジー、あるいはそのまま使えるテクノロジーを保有するスタートアップを中心に積極的に投資していく考えだ。
