2020年11月号
特集
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オルビス 1オーダーにAGV1台を割り当てる独自方式
AVG330台を導入
オルビスは化粧品や健康食品、ボディウエアの通販などを手掛けており、東日本と西日本でそれぞれ物流拠点を置いている。
このうち東日本は物流企業の流通サービスの「騎西物流センター」(埼玉県加須市)内に約3800坪を確保して「オルビス東日本流通センター」として使用している。
同センターでは以前からデジタルピッキングシステム(DPS)をはじめとするマテハン設備を導入し、業務効率化に腐心していた。
しかし、ECの利用が伸び続ける中、設備の処理能力などの課題が浮上、対応を迫られていた。
また17年ごろから宅配便ドライバーの人手不足が顕在化、「物流危機」が叫ばれるようになり、労働力確保が今後さらに難しくなってくることが予想された。
そこで18年にセンター運営を委託している流通サービス、マテハンメーカーの椿本チエインと連携、3社で適正な自動化・省力化の在り方を検討し続けてきた。
その結果、たどり着いたのが、今年8月に本格稼働を開始した独自の出荷システム「T-Carry system」だ。
小型AGV(自動搬送ロボット)を330台投入し、出荷などの工程を自動化した。
1つの出荷オーダーにAGV1台を割り当て、集荷から検品梱包のラインまで商品を搬送する一連の工程を担わせている。
T-Carry systemの「T」は「Treasure(宝物)」。
顧客や自社にとって大切な商品を運ぶという信念を表している。
また「Trust(信頼)」「Try(挑戦)」「Tough(強さ)」といった意味も込めたという。
採用したAGVは中国のロボットメーカーZhejiang LiBiao Robot(浙江立鏢機器人、杭州市)製。
アジアや北米を中心に世界で5千台以上が稼働している実績と使いやすさが採用の決め手となった。
三井物産と日本GLPが共同設立したプラスオートメーション(東京)を介して導入、稼働に際して一部機能を改良した。
庫内に設けたピッキングゾーンから検品梱包ゾーンまでのコースをAGVがオーダーを受けるたびに、反時計回りに周回し続けている。
流通サービスのWMS(倉庫管理システム)から受注データを制御システム経由でコンテナを載せた各AGVに送ると、AGVがコースの床に貼られた3千枚弱のRFIDタグで現在地を確認しながら、対象の商品が保管されているエリアのピッキングゾーンまで自律移動する。
ピッキングゾーンにはDPSを設置している。
該当商品が収められた容器を保管している棚間口のランプが光る。
その棚にある容器から担当する作業員が商品を取り出して、AGVのコンテナに収める。
ボタンを押すとAGVが再びスタート、検品梱包エリアに向かう。
検品梱包エリアでは、作業員がコンテナから商品を取り出してバーコードをスキャン、商品や数量を間違えずにピッキングできたかシステムが自動判定する。
オーダー通りピッキングできれば、商品の量に合ったサイズの段ボールをシステムが選択、封函や行き先別の仕分けまで自動で済ませる。
AGVの稼働状況は庫内の管理室にあるモニターがリアルタイムで表示している。
検品梱包ゾーンで作業が遅れて、AGVがフロアで渋滞していると分かれば、他のゾーンから応援を送って投入人員を増やし、目詰まりを解消。
各ゾーンの作業の進捗に応じて柔軟に対応できる。
オルビスは旧来の出荷ラインより1時間当たりの出荷能力を1・3倍の2400件まで高められると見込む。
併せて、約3割の省力化につながり、1件当たり出荷作業費は約2割、消費電力は約4割抑制できると想定している。
庫内作業スピードが大きく向上 物流ロボットの活用ではこれまで、自律搬送ロボットが保管棚を持ち上げて、作業スタッフが待つピッキングステーションまで搬送するGTP(Goods To Person)型が注目を集めてきた。
オルビスも当初はGTP型ロボットの活用を検討した。
しかし、同社が主力とする化粧品は個々の商品サイズが小さく1回当たりの注文数が多いことなどから、商品ごとに棚を持ち上げて運んでいたのでは採算が合わないと判断。
発想を転換して、現行方式を採用した。
旧来のピッキングラインでは、作業員がカートを押して庫内を歩き回ったり、商品の入ったコンテナを棚に持ち上げたりする作業が発生していた。
AGVの大規模導入によって作業負荷を大幅に軽減することに成功した。
作業スピードも大きく向上し、仕分けから検品梱包ゾーンに到達するまで従来は20~30分掛かっていたが、現在は平均8分でワンオーダーを完了できるという。
9月にはポーラ・オルビスグループで同じく化粧品の通販を担っているDECENCIA(ディセンシア、東京)の出荷作業も東日本流通センターに統合した。
オルビスQCD統括部の小川洋之SCM推進担当部長は「兵庫県西宮市にある西日本のセンターでも、遅くとも再来年(22年)には同じシステムを取り入れたい」と言う。
一方、現場の運営に当たる流通サービスでは、「当社の自動化・省力化ソリューションを積極的にアピールするショールームの役割を持たせたい」と同社の岩澤圭介第1ロジスティクス部長は力説する。
椿本チエインの北村隆之マテハン事業部営業統括第一営業部流通SE課長は「18年から2週間に1回くらいのペースでミーティングを開催している。
対等なパートナーシップの下、いろいろなことにチャレンジさせていただいている」と説明する。
荷主企業と物流事業者、マテハンメーカーの3者による良好な関係が、国内初の画期的なロボット活用事例を生み出した要因の1つとなっている。
このうち東日本は物流企業の流通サービスの「騎西物流センター」(埼玉県加須市)内に約3800坪を確保して「オルビス東日本流通センター」として使用している。
同センターでは以前からデジタルピッキングシステム(DPS)をはじめとするマテハン設備を導入し、業務効率化に腐心していた。
しかし、ECの利用が伸び続ける中、設備の処理能力などの課題が浮上、対応を迫られていた。
また17年ごろから宅配便ドライバーの人手不足が顕在化、「物流危機」が叫ばれるようになり、労働力確保が今後さらに難しくなってくることが予想された。
そこで18年にセンター運営を委託している流通サービス、マテハンメーカーの椿本チエインと連携、3社で適正な自動化・省力化の在り方を検討し続けてきた。
その結果、たどり着いたのが、今年8月に本格稼働を開始した独自の出荷システム「T-Carry system」だ。
小型AGV(自動搬送ロボット)を330台投入し、出荷などの工程を自動化した。
1つの出荷オーダーにAGV1台を割り当て、集荷から検品梱包のラインまで商品を搬送する一連の工程を担わせている。
T-Carry systemの「T」は「Treasure(宝物)」。
顧客や自社にとって大切な商品を運ぶという信念を表している。
また「Trust(信頼)」「Try(挑戦)」「Tough(強さ)」といった意味も込めたという。
採用したAGVは中国のロボットメーカーZhejiang LiBiao Robot(浙江立鏢機器人、杭州市)製。
アジアや北米を中心に世界で5千台以上が稼働している実績と使いやすさが採用の決め手となった。
三井物産と日本GLPが共同設立したプラスオートメーション(東京)を介して導入、稼働に際して一部機能を改良した。
庫内に設けたピッキングゾーンから検品梱包ゾーンまでのコースをAGVがオーダーを受けるたびに、反時計回りに周回し続けている。
流通サービスのWMS(倉庫管理システム)から受注データを制御システム経由でコンテナを載せた各AGVに送ると、AGVがコースの床に貼られた3千枚弱のRFIDタグで現在地を確認しながら、対象の商品が保管されているエリアのピッキングゾーンまで自律移動する。
ピッキングゾーンにはDPSを設置している。
該当商品が収められた容器を保管している棚間口のランプが光る。
その棚にある容器から担当する作業員が商品を取り出して、AGVのコンテナに収める。
ボタンを押すとAGVが再びスタート、検品梱包エリアに向かう。
検品梱包エリアでは、作業員がコンテナから商品を取り出してバーコードをスキャン、商品や数量を間違えずにピッキングできたかシステムが自動判定する。
オーダー通りピッキングできれば、商品の量に合ったサイズの段ボールをシステムが選択、封函や行き先別の仕分けまで自動で済ませる。
AGVの稼働状況は庫内の管理室にあるモニターがリアルタイムで表示している。
検品梱包ゾーンで作業が遅れて、AGVがフロアで渋滞していると分かれば、他のゾーンから応援を送って投入人員を増やし、目詰まりを解消。
各ゾーンの作業の進捗に応じて柔軟に対応できる。
オルビスは旧来の出荷ラインより1時間当たりの出荷能力を1・3倍の2400件まで高められると見込む。
併せて、約3割の省力化につながり、1件当たり出荷作業費は約2割、消費電力は約4割抑制できると想定している。
庫内作業スピードが大きく向上 物流ロボットの活用ではこれまで、自律搬送ロボットが保管棚を持ち上げて、作業スタッフが待つピッキングステーションまで搬送するGTP(Goods To Person)型が注目を集めてきた。
オルビスも当初はGTP型ロボットの活用を検討した。
しかし、同社が主力とする化粧品は個々の商品サイズが小さく1回当たりの注文数が多いことなどから、商品ごとに棚を持ち上げて運んでいたのでは採算が合わないと判断。
発想を転換して、現行方式を採用した。
旧来のピッキングラインでは、作業員がカートを押して庫内を歩き回ったり、商品の入ったコンテナを棚に持ち上げたりする作業が発生していた。
AGVの大規模導入によって作業負荷を大幅に軽減することに成功した。
作業スピードも大きく向上し、仕分けから検品梱包ゾーンに到達するまで従来は20~30分掛かっていたが、現在は平均8分でワンオーダーを完了できるという。
9月にはポーラ・オルビスグループで同じく化粧品の通販を担っているDECENCIA(ディセンシア、東京)の出荷作業も東日本流通センターに統合した。
オルビスQCD統括部の小川洋之SCM推進担当部長は「兵庫県西宮市にある西日本のセンターでも、遅くとも再来年(22年)には同じシステムを取り入れたい」と言う。
一方、現場の運営に当たる流通サービスでは、「当社の自動化・省力化ソリューションを積極的にアピールするショールームの役割を持たせたい」と同社の岩澤圭介第1ロジスティクス部長は力説する。
椿本チエインの北村隆之マテハン事業部営業統括第一営業部流通SE課長は「18年から2週間に1回くらいのペースでミーティングを開催している。
対等なパートナーシップの下、いろいろなことにチャレンジさせていただいている」と説明する。
荷主企業と物流事業者、マテハンメーカーの3者による良好な関係が、国内初の画期的なロボット活用事例を生み出した要因の1つとなっている。
