2020年11月号
特集
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イー ・ロジット 多様なニーズに柔軟に対応してメニューを拡充
EC黎明期から参入して20年の蓄積
イー・ロジットは2000年2月の創業当初からネット通販物流を主業の一つに掲げてきた。
同年に東大阪市に開設した物流センターで加工食品や生活用品、雑貨などの取り扱いを開始した。
ただし、当時のネットショップは大半が個人経営や中小企業で出荷量が限られていた。
イー・ロジットの⻆井亮一社長は「ネットショップの規模がそれなりに大きくなり始めたのは、肌感覚としては05年以降のこと。
その頃から当社が受託する仕事の規模や取り扱う商品の幅も広がっていった」という。
需要の拡大と歩調を合わせて、東京を中心に比較的小規模な物流拠点を復数設置していった。
そして10年に小規模拠点を統合して東京都江戸川区に「東京フルフィルメントセンター(FC)」を開設した。
通販サイト運営に関わる受注処理やカスタマーサポート、商品管理、物流代行、配送などを一括して行う複合型施設だ。
その後、同様のフルフィルメントセンターを各地に展開している。
14年には埼玉県八潮市に「埼玉FC」、17年には埼玉県三郷市に「三郷FC」を開設。
取り扱い商品もアパレル、化粧品、サプリメント、ペット用品、ワインなどへと広がっていった。
昨年は東京都足立区に「足立FC」、大阪市西淀川区に「大阪FC」を開設している。
新たな拠点が必要になって、入居可能な倉庫の情報が出てきた際に、⻆井社長が最初にやるのが、その周辺にどれだけ学校があるかを地図上で確認することだという。
パートを集めやすい場所か判断する材料になる。
庫内スタッフを確保しやすい利便性の良い土地に拠点を配置、拠点間で適切な距離を取ってエリアを区分している。
首都圏では約15キロ圏内に4棟の大型センターを構えている。
繁忙期やセールなどで1日当たりの出荷個数が想定以上に増大した場合でも、拠点間で相互に連携することで波動に対応できる。
サービス面では、ECの事業者の売り上げを増やす物流を提供することを第一に掲げている。
そのために同社は、FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)のような画一化されたサービスとは対照的に、EC事業者ごとに違う内容のカスタマイズしたサービスを提供している。
「それが当社が評価されている部分でもある」と⻆井社長はいう。
例えば、梱包サービスメニューとしては一般的な包装のほか、百貨店包装やのし紙の貼付、リボンなどといった復数メニューを用意し、各分野のネットショップのニーズに応じたサービスを提供している。
今年4月からは新しい梱包サービスの全社展開も始めた。
緩衝材のクラフト紙を梱包の際に折り紙状に折ったり、膨らませて箱の中の商品を包む「折り紙梱包サービス」だ。
緩衝材として商品を守る機能に加えて、箱を開けた際にはラッピング装飾のような効果をもたらす。
競合が多いネットショップでは重要な顧客接点である配送物で独自性を求めるニーズが増えてきているという。
そうした要望に応える形で新たな梱包サービスを追加している。
梱包作業の品質を上げるため、庫内スタッフ向けのラッピングコンテストも定期的に開催している。
化粧品ECでは商品の最終製造工程の一部を荷主から受託している。
そのため基幹拠点の東京FCで化粧品製造許可登録を取得。
19年には埼玉FC、三郷FC、大阪FCでも取得して、化粧品関連の製造作業を全社的に展開できる体制を整えた。
アパレルECでは10年以上にわたり「ささげ(撮影・採寸・原稿)」作業を行ってきた。
現在は東京FCや埼玉FCに撮影スタジオを構えている。
今年4月から「ささげ」や下げ札の取り付けなどに加え、撮影スタジオ内にミシン設備を導入して裾上げサービスを本格的にスタートした。
健康食品と加工食品ECでは今年9月に三郷FCでクリーンルームを稼働させた。
同社初となる20度前後の定温保管に対応した本格的なクリーンルームで、サプリメントの分包作業・保管、健康食品・飲料のアソートや製品化作業、保管作業などを行う。
⻆井社長は「特定の商品に的を絞るのではなく、何でもやるのが当社の特徴。
新規や既存のお客さまの要望に対応する形で新たなサービスを生み出し、それを積み重ねることによってサービスメニューを拡張する、進化していくというサイクルが生まれている。
一つ一つは小さな機能であっても、その積み上げが総合的なメニューの充実につながっている」という。
オリジナル物流機材をセンターで自作 サービス内容の拡大と同じく力を入れているのが、現場改善だ。
QCサークルから生まれた改善提案が昨年は7千件に達した。
今年は9千件程度を見通すという。
改善提案の中には、使用する機器の改良を伴うケースもある。
その場合、同社ではセンター内で必要な機器を自作している。
以前は木製がメーンだったが、現在は金属ポールなども使って出荷作業用の机やローラーコンベヤなども製作するようになった。
スタッフからの改善提案を受けて機材を改良し、生産性が上がった事例の一つがラッピング用資材の保管場所の追加だ。
梱包作業用の机にラッピング用資材を入れる引き出しを自作して追加することで、作業効率と品質が上がった。
一部商品を対象とした通常のダンボールからワンタッチ式ダンボールへの変更も現場からの改善提案から生まれた。
ワンタッチ式ダンボールは底が抜ける可能性があるため、従来は使っていなかった。
しかし、特定の大きさの貨物であれば問題ないことが分かり、商品に合わせて利用するように切り替えた。
そのコスト削減効果は大きく、社内の改善コンテストで年間大賞を取った。
この改善提案は一人のパートスタッフによるものだった。
同社の庫内スタッフは自社雇用パートが主体。
「流通加工倉庫にとってパートスタッフは最前線の戦力だ。
付加価値を生むサービスといっても、その根幹は作業が丁寧であったり、早かったり、間違えないなどといった具合に決して派手なことではない。
パートさんの気持ち次第で品質にも差が出てくる」と⻆井社長は指摘する。
テクノロジー活用については2年ほど前から半自動化設備やソフトウエア関係の研究開発を進めており、東京FCや埼玉FCでテストをしている。
AIの活用に向けた研究も新たに開始した。
有効な機器や技術があれば本格的に取り入れていく考えだ。
ただし、⻆井社長は「サービスの均一化につながるような自動化は考えていない。
それでは当社の良さが失われてしまう」と語り、今後も顧客の売り上げ最大化を軸とした柔軟なEC物流サービスを練り上げていく方針だ。
同年に東大阪市に開設した物流センターで加工食品や生活用品、雑貨などの取り扱いを開始した。
ただし、当時のネットショップは大半が個人経営や中小企業で出荷量が限られていた。
イー・ロジットの⻆井亮一社長は「ネットショップの規模がそれなりに大きくなり始めたのは、肌感覚としては05年以降のこと。
その頃から当社が受託する仕事の規模や取り扱う商品の幅も広がっていった」という。
需要の拡大と歩調を合わせて、東京を中心に比較的小規模な物流拠点を復数設置していった。
そして10年に小規模拠点を統合して東京都江戸川区に「東京フルフィルメントセンター(FC)」を開設した。
通販サイト運営に関わる受注処理やカスタマーサポート、商品管理、物流代行、配送などを一括して行う複合型施設だ。
その後、同様のフルフィルメントセンターを各地に展開している。
14年には埼玉県八潮市に「埼玉FC」、17年には埼玉県三郷市に「三郷FC」を開設。
取り扱い商品もアパレル、化粧品、サプリメント、ペット用品、ワインなどへと広がっていった。
昨年は東京都足立区に「足立FC」、大阪市西淀川区に「大阪FC」を開設している。
新たな拠点が必要になって、入居可能な倉庫の情報が出てきた際に、⻆井社長が最初にやるのが、その周辺にどれだけ学校があるかを地図上で確認することだという。
パートを集めやすい場所か判断する材料になる。
庫内スタッフを確保しやすい利便性の良い土地に拠点を配置、拠点間で適切な距離を取ってエリアを区分している。
首都圏では約15キロ圏内に4棟の大型センターを構えている。
繁忙期やセールなどで1日当たりの出荷個数が想定以上に増大した場合でも、拠点間で相互に連携することで波動に対応できる。
サービス面では、ECの事業者の売り上げを増やす物流を提供することを第一に掲げている。
そのために同社は、FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)のような画一化されたサービスとは対照的に、EC事業者ごとに違う内容のカスタマイズしたサービスを提供している。
「それが当社が評価されている部分でもある」と⻆井社長はいう。
例えば、梱包サービスメニューとしては一般的な包装のほか、百貨店包装やのし紙の貼付、リボンなどといった復数メニューを用意し、各分野のネットショップのニーズに応じたサービスを提供している。
今年4月からは新しい梱包サービスの全社展開も始めた。
緩衝材のクラフト紙を梱包の際に折り紙状に折ったり、膨らませて箱の中の商品を包む「折り紙梱包サービス」だ。
緩衝材として商品を守る機能に加えて、箱を開けた際にはラッピング装飾のような効果をもたらす。
競合が多いネットショップでは重要な顧客接点である配送物で独自性を求めるニーズが増えてきているという。
そうした要望に応える形で新たな梱包サービスを追加している。
梱包作業の品質を上げるため、庫内スタッフ向けのラッピングコンテストも定期的に開催している。
化粧品ECでは商品の最終製造工程の一部を荷主から受託している。
そのため基幹拠点の東京FCで化粧品製造許可登録を取得。
19年には埼玉FC、三郷FC、大阪FCでも取得して、化粧品関連の製造作業を全社的に展開できる体制を整えた。
アパレルECでは10年以上にわたり「ささげ(撮影・採寸・原稿)」作業を行ってきた。
現在は東京FCや埼玉FCに撮影スタジオを構えている。
今年4月から「ささげ」や下げ札の取り付けなどに加え、撮影スタジオ内にミシン設備を導入して裾上げサービスを本格的にスタートした。
健康食品と加工食品ECでは今年9月に三郷FCでクリーンルームを稼働させた。
同社初となる20度前後の定温保管に対応した本格的なクリーンルームで、サプリメントの分包作業・保管、健康食品・飲料のアソートや製品化作業、保管作業などを行う。
⻆井社長は「特定の商品に的を絞るのではなく、何でもやるのが当社の特徴。
新規や既存のお客さまの要望に対応する形で新たなサービスを生み出し、それを積み重ねることによってサービスメニューを拡張する、進化していくというサイクルが生まれている。
一つ一つは小さな機能であっても、その積み上げが総合的なメニューの充実につながっている」という。
オリジナル物流機材をセンターで自作 サービス内容の拡大と同じく力を入れているのが、現場改善だ。
QCサークルから生まれた改善提案が昨年は7千件に達した。
今年は9千件程度を見通すという。
改善提案の中には、使用する機器の改良を伴うケースもある。
その場合、同社ではセンター内で必要な機器を自作している。
以前は木製がメーンだったが、現在は金属ポールなども使って出荷作業用の机やローラーコンベヤなども製作するようになった。
スタッフからの改善提案を受けて機材を改良し、生産性が上がった事例の一つがラッピング用資材の保管場所の追加だ。
梱包作業用の机にラッピング用資材を入れる引き出しを自作して追加することで、作業効率と品質が上がった。
一部商品を対象とした通常のダンボールからワンタッチ式ダンボールへの変更も現場からの改善提案から生まれた。
ワンタッチ式ダンボールは底が抜ける可能性があるため、従来は使っていなかった。
しかし、特定の大きさの貨物であれば問題ないことが分かり、商品に合わせて利用するように切り替えた。
そのコスト削減効果は大きく、社内の改善コンテストで年間大賞を取った。
この改善提案は一人のパートスタッフによるものだった。
同社の庫内スタッフは自社雇用パートが主体。
「流通加工倉庫にとってパートスタッフは最前線の戦力だ。
付加価値を生むサービスといっても、その根幹は作業が丁寧であったり、早かったり、間違えないなどといった具合に決して派手なことではない。
パートさんの気持ち次第で品質にも差が出てくる」と⻆井社長は指摘する。
テクノロジー活用については2年ほど前から半自動化設備やソフトウエア関係の研究開発を進めており、東京FCや埼玉FCでテストをしている。
AIの活用に向けた研究も新たに開始した。
有効な機器や技術があれば本格的に取り入れていく考えだ。
ただし、⻆井社長は「サービスの均一化につながるような自動化は考えていない。
それでは当社の良さが失われてしまう」と語り、今後も顧客の売り上げ最大化を軸とした柔軟なEC物流サービスを練り上げていく方針だ。
